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2部 1章
始まり
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「アンリエッタ様、広場にはすでに街の者が集まり始めております」
「時間がありません、始めましょう」
広場に着くと、兵士の人がアンリエッタに話しかけてくる。
どうやらすでに、街の人を集めるために呼びかけを始めていたらしい。
いつ邪鬼が襲ってくるか分からないのだ、少しでも時間を無駄にしないために、最初から街の人を集めるつもりだったのだろう。ただ、それでもまだ街の人全員とはいかないようだけど、仕方ないよね。
「親愛なる人達よ、私の呼び掛けに集まってくれたこと感謝いたします!」
「お、おい、あれってアンリエッタ様じゃないか?」
「呼んでいるのは領主さまだって聞いてたけどどういうことなんだい?」
アンリエッタの姿を見た街の人達がわずかに動揺を走らせる。
なるほど、領主が呼んでいると言えば、アンリエッタの父親が呼んでいると思ったのだろう。
「静かに!私は今朝、父上からこの街の領主の地位を引き継ぎました、今日からは私がこの街の領主です」
「おいおい、どういうこった?」
「なんのお触れもなしに交代したのかい?」
領主が変わったことを聞き、やはり戸惑いを隠せない街の人達。
「そういえば、前の領主さんはどうしたんだろう?」
「ジュラーノ様は先ほど、冒険者に護衛を頼みこの街を離れました」
私の疑問に近くにいた兵士の人が答えてくれる……やっぱり、逃げたのか……。
「ちゃんとした手順もなく領主を交代してしまったことは謝ります、ですが、今はそれどころではありません、この街に危機が迫っているのです!」
「危機……一体何があったってんだい?」
街の危機という言葉に街の人達は動揺する。
「邪鬼が現れました」
「な、嘘だろ!?」
「邪鬼が……なんだってこの街に!?」
邪鬼という言葉にさらに動揺が走る……いいのだろうか……なんなら、邪鬼の事は伏せておいて、避難だけさせたほうがいいような気もするけど……ううん、それでウソがばれて被害が出たら街の人はアンリエッタを信用しなくなる……そうなれば本当のパニックになってしまう……そうなるくらいなら真実を伝えたほうがいいということのなのだろう。
「落ち着いてください、今、フランク様……冒険者ギルドのマスターが冒険者を率いて街の入り口の防御を固めています……もちろん、兵士の皆様もです……ですが、手が足りません……このままでは街にも被害が出るでしょう……ですから、お願いします、力を貸してください、戦える者は冒険者の皆様と協力して……」
「ひいいいいいい!」
「そんな、それじゃあ、この街はおしまいじゃない!」
混乱が増す、それはそうだ、冒険者と兵士だけでなんとかなる者ではないのだろう、それにこの街には高ランクの冒険者がほとんどいない。そのことは街の人も知っているだろう、そこに邪鬼が来るというのだから混乱するのも必然である。
「皆様、落ち着いて!落ち着いて聞いてください!」
「うるせぇ、ジュラーノの奴はどうしたんだよ!逃げたんじゃないのか!だからアンタが領主にさせられたんだろ!!」
「………はい、お父様は逃げ出しました………ですが、私もフランク様も逃げたりは致しません、ですから……」
「うるせぇ!それだけ絶望的な状況だってことじゃねぇか!……もう終わりなんだよこの街はよぉ!」
男の発言を聞き、他の街の人達も騒ぎ出す。
うーん、やっぱり、こうなるよね……、領主が逃げたして、人族の天敵と言われる存在がこの街に来る、それも魔物を引き連れてである、その上、この街には高ランクの冒険者がいないのだ……どうにかなるなんて楽観的には考えられないだろう……でも。
「皆様、落ち着いてください!落ち着いて!」
街の人を落ち着かせようと、叫ぶアンリエッタ、だがその声は街の人達には届かなかった。
そして……。
「アンリエッタ様、魔物たちが森を抜けこちらに進軍してきました!!」
――――――――最悪のタイミングで魔物の襲撃が始まった。
「うわああああああ!」
その報告を聞いた街の人達の混乱は最高点へと到達する。
いけない、このままだとパニックになっちゃう……だからと言って、私に出来ることなんて来た魔物を倒すくらいしかない……それでパニックが収まるかは分からないけど、もしかしたら少しは落ち着か事が出来るかもしれないし……やれるだけのことはやろう。
「ディータ、エリンシア!」
「ええ!」
「お任せくださいですわ!」
私とディータは風の魔法で宙を浮き、森からくる魔物たちを視認する。
エリンシアは体を強化して、屋根の上まで上っていた。
「うへぇ……すごい数……」
「森から出ているだけでも千は超えてそうね」
「とはいえ、来る方向が分かっているならただの的ですわね」
エリンシアの言う通りである、これなら広範囲の魔法で一気に吹き飛ばせる。
ってことで……。
「まずは私がいくわ……闇の牢爆!!」
ディータの闇の魔法が襲い来る、魔物を包み込み爆発させる。
炸裂する闇の魔法に魔物たちは巻き込まれ魔石へと姿を変えていった。
おおー、百か二百は減ったんじゃないかな、さすがだね。
「続いてワタクシが行きますわよ!炸裂全力魔弾!」
続いて放たれたエリンシアの爆発の属性を持つフルブラスターが敵を吹き飛ばした。
これまた、百か二百は減っただろう。
そう、ただ一直線にこちらに向かってくる魔物であるのならこうやって広範囲の魔法で殲滅するのは難しくない……だが、邪鬼はそれを良しとはしないだろう……邪鬼が邪魔しに来る前にもっと数を減らしておかないとだね……それなら、私も全力で行くよ!
「な、なんだ……何が起きてるんだ?」
「わ、わからねぇ、いきなりアンリエッタ様の近くにいた嬢ちゃんたちが空を飛んだと思ったら、すごい爆音が……」
お、どうやら、街の人達のパニックを抑えることも出来たみたいだ、みんなが驚いてこちらを見ていた。
よーし、私も景気よくいっちゃおっか!
「派手にいくよ!黒炎滅撃!!!!!!」
私の放った、闇と炎の合成魔法が、門を超え、森と街の中間らへんにいる魔物たちのど真ん中に着弾する、そして、そこから森の入り口近くまでを一気に焼き尽くした。
闇と光の合成魔法は禁止されているため、今私が放てる広範囲の魔法の中で一番殲滅力のある魔法である、やろうと思えば山だって吹き飛ばせる威力の魔法なのだ、ただ直進するだけの魔物を殲滅するのは楽勝である……そして。
「ま、魔物が消滅いたしました………」
「………え?」
アンリエッタの横にいた兵士が、遠見の望遠鏡で森の様子を見たのだろう、そこには魔石へと姿を変えた千を超える魔物たちのなれの果てがあったのだ。
「森を出ていた魔物たちが今の攻撃で魔石へと姿を変えております……」
「お、おい……一体どういうことだ?」
「わ、わかんねぇ……俺たち助かるのか?」
魔物を千匹を一瞬で消滅させたことにより、街の人達は希望を見たのか、パニックの状態から混乱の状態へと戻り始めていた。
そして、それを見たアンリエッタが、すぐさま動く。
「皆様、聞いてください!あの方、『闇の魔女』様のことをご説明いたします!」
アンリエッタが私を指さし、そう叫ぶ……え、あれ?
「皆様もご存知の通り、我がラリアスの街を超えた海にある、『魔の海』そこには古の昔、神が魔を封じた結界があるという伝説が伝わっておりました、ですが数日ほど前から、その結界が無くなっていたことが報告されたのです!」
「な、なんだって……それじゃあ、『魔』が解放されたってことか?」
「いいえ、違います!私も最初はそう思っておりました、ですが違ったのです!封印されていた『魔』は滅ぼされました!あそこにいらっしゃる『闇の魔女』様の手によって!」
街の人がざわめく……いや、うん、そうなんだけど……あれ、これってもしかして……。
そう、街の人達の関心が私に出たのをいいことに、そして、その私が魔物千匹をものともしない強さを持っていることを利用しようというのだ。
つまり……。
「そして、その闇の魔女様が邪鬼を退治してくれると言っているのです!我ら、ラリアスの街を救うために!」
「闇の魔女が俺らを救てくれる……」
「伝説の魔を倒した人が……俺たちを……」
「「「うおおおおおおおおおおおおお!!」」」
大地を揺らすほどの歓声が響き渡った……いや、みんな単純すぎじゃない!?
確かに、この街を守るために戦うけれど、絶対倒せるなんて言ってないよ!?
「ですが、いくら魔女様でも邪鬼を抑えながら魔物の相手までは出来ません!ですから、今の魔女様の攻撃を逃れた魔物がこの街を襲うかもしれません!」
「だが、邪鬼は倒してくれるんだろ!だったら、魔物ぐらいは俺たちだって!」
「そうさ、ガキの頃はこれでも冒険者にあこがれていたんだ!魔物の一匹や二匹倒してやらぁ!」
「ありがとうございます、皆さんで……いえ、私達全員でこの街を守りましょう!闇の魔女様と共に!!」
歓声がまたも響く……あはは、完全にアンリエッタに利用されたね……純粋でまっすぐな子かなと思ったけど、意外に強かなのかもしれない……うん、領主に向いているのかも。
まあ、これで、街の人達がパニックにならなくて済んだのだからいっか……なんか、この戦いの後が大変な気もするけど……考えないでおこう。
「やられたわねカモメ」
「仕方ありませんわ、パニックを抑えるためでしょうし、それより、そろそろ門の方へいきませんかですわ」
「そうだね、って、あれクオンは?」
「とっくに門の方へ駆けて行きましたわよ」
「さっきの攻撃を運よく躱した魔物がそろそろ、門へ着く頃でしょうし、それを討ちに行ったんでしょうよ」
なるほど、さすがクオン、行動が早いね。
それに、森の方を見ると第二波が来ようとしている、邪鬼が来る前に少しでも数を減らしておきたいし、私達も門へと移動して、もう一回、魔法で殲滅しよう。
私はエリンシアの腕をつかんで風の魔法を使って飛び、門へと移動をするのであった。
「時間がありません、始めましょう」
広場に着くと、兵士の人がアンリエッタに話しかけてくる。
どうやらすでに、街の人を集めるために呼びかけを始めていたらしい。
いつ邪鬼が襲ってくるか分からないのだ、少しでも時間を無駄にしないために、最初から街の人を集めるつもりだったのだろう。ただ、それでもまだ街の人全員とはいかないようだけど、仕方ないよね。
「親愛なる人達よ、私の呼び掛けに集まってくれたこと感謝いたします!」
「お、おい、あれってアンリエッタ様じゃないか?」
「呼んでいるのは領主さまだって聞いてたけどどういうことなんだい?」
アンリエッタの姿を見た街の人達がわずかに動揺を走らせる。
なるほど、領主が呼んでいると言えば、アンリエッタの父親が呼んでいると思ったのだろう。
「静かに!私は今朝、父上からこの街の領主の地位を引き継ぎました、今日からは私がこの街の領主です」
「おいおい、どういうこった?」
「なんのお触れもなしに交代したのかい?」
領主が変わったことを聞き、やはり戸惑いを隠せない街の人達。
「そういえば、前の領主さんはどうしたんだろう?」
「ジュラーノ様は先ほど、冒険者に護衛を頼みこの街を離れました」
私の疑問に近くにいた兵士の人が答えてくれる……やっぱり、逃げたのか……。
「ちゃんとした手順もなく領主を交代してしまったことは謝ります、ですが、今はそれどころではありません、この街に危機が迫っているのです!」
「危機……一体何があったってんだい?」
街の危機という言葉に街の人達は動揺する。
「邪鬼が現れました」
「な、嘘だろ!?」
「邪鬼が……なんだってこの街に!?」
邪鬼という言葉にさらに動揺が走る……いいのだろうか……なんなら、邪鬼の事は伏せておいて、避難だけさせたほうがいいような気もするけど……ううん、それでウソがばれて被害が出たら街の人はアンリエッタを信用しなくなる……そうなれば本当のパニックになってしまう……そうなるくらいなら真実を伝えたほうがいいということのなのだろう。
「落ち着いてください、今、フランク様……冒険者ギルドのマスターが冒険者を率いて街の入り口の防御を固めています……もちろん、兵士の皆様もです……ですが、手が足りません……このままでは街にも被害が出るでしょう……ですから、お願いします、力を貸してください、戦える者は冒険者の皆様と協力して……」
「ひいいいいいい!」
「そんな、それじゃあ、この街はおしまいじゃない!」
混乱が増す、それはそうだ、冒険者と兵士だけでなんとかなる者ではないのだろう、それにこの街には高ランクの冒険者がほとんどいない。そのことは街の人も知っているだろう、そこに邪鬼が来るというのだから混乱するのも必然である。
「皆様、落ち着いて!落ち着いて聞いてください!」
「うるせぇ、ジュラーノの奴はどうしたんだよ!逃げたんじゃないのか!だからアンタが領主にさせられたんだろ!!」
「………はい、お父様は逃げ出しました………ですが、私もフランク様も逃げたりは致しません、ですから……」
「うるせぇ!それだけ絶望的な状況だってことじゃねぇか!……もう終わりなんだよこの街はよぉ!」
男の発言を聞き、他の街の人達も騒ぎ出す。
うーん、やっぱり、こうなるよね……、領主が逃げたして、人族の天敵と言われる存在がこの街に来る、それも魔物を引き連れてである、その上、この街には高ランクの冒険者がいないのだ……どうにかなるなんて楽観的には考えられないだろう……でも。
「皆様、落ち着いてください!落ち着いて!」
街の人を落ち着かせようと、叫ぶアンリエッタ、だがその声は街の人達には届かなかった。
そして……。
「アンリエッタ様、魔物たちが森を抜けこちらに進軍してきました!!」
――――――――最悪のタイミングで魔物の襲撃が始まった。
「うわああああああ!」
その報告を聞いた街の人達の混乱は最高点へと到達する。
いけない、このままだとパニックになっちゃう……だからと言って、私に出来ることなんて来た魔物を倒すくらいしかない……それでパニックが収まるかは分からないけど、もしかしたら少しは落ち着か事が出来るかもしれないし……やれるだけのことはやろう。
「ディータ、エリンシア!」
「ええ!」
「お任せくださいですわ!」
私とディータは風の魔法で宙を浮き、森からくる魔物たちを視認する。
エリンシアは体を強化して、屋根の上まで上っていた。
「うへぇ……すごい数……」
「森から出ているだけでも千は超えてそうね」
「とはいえ、来る方向が分かっているならただの的ですわね」
エリンシアの言う通りである、これなら広範囲の魔法で一気に吹き飛ばせる。
ってことで……。
「まずは私がいくわ……闇の牢爆!!」
ディータの闇の魔法が襲い来る、魔物を包み込み爆発させる。
炸裂する闇の魔法に魔物たちは巻き込まれ魔石へと姿を変えていった。
おおー、百か二百は減ったんじゃないかな、さすがだね。
「続いてワタクシが行きますわよ!炸裂全力魔弾!」
続いて放たれたエリンシアの爆発の属性を持つフルブラスターが敵を吹き飛ばした。
これまた、百か二百は減っただろう。
そう、ただ一直線にこちらに向かってくる魔物であるのならこうやって広範囲の魔法で殲滅するのは難しくない……だが、邪鬼はそれを良しとはしないだろう……邪鬼が邪魔しに来る前にもっと数を減らしておかないとだね……それなら、私も全力で行くよ!
「な、なんだ……何が起きてるんだ?」
「わ、わからねぇ、いきなりアンリエッタ様の近くにいた嬢ちゃんたちが空を飛んだと思ったら、すごい爆音が……」
お、どうやら、街の人達のパニックを抑えることも出来たみたいだ、みんなが驚いてこちらを見ていた。
よーし、私も景気よくいっちゃおっか!
「派手にいくよ!黒炎滅撃!!!!!!」
私の放った、闇と炎の合成魔法が、門を超え、森と街の中間らへんにいる魔物たちのど真ん中に着弾する、そして、そこから森の入り口近くまでを一気に焼き尽くした。
闇と光の合成魔法は禁止されているため、今私が放てる広範囲の魔法の中で一番殲滅力のある魔法である、やろうと思えば山だって吹き飛ばせる威力の魔法なのだ、ただ直進するだけの魔物を殲滅するのは楽勝である……そして。
「ま、魔物が消滅いたしました………」
「………え?」
アンリエッタの横にいた兵士が、遠見の望遠鏡で森の様子を見たのだろう、そこには魔石へと姿を変えた千を超える魔物たちのなれの果てがあったのだ。
「森を出ていた魔物たちが今の攻撃で魔石へと姿を変えております……」
「お、おい……一体どういうことだ?」
「わ、わかんねぇ……俺たち助かるのか?」
魔物を千匹を一瞬で消滅させたことにより、街の人達は希望を見たのか、パニックの状態から混乱の状態へと戻り始めていた。
そして、それを見たアンリエッタが、すぐさま動く。
「皆様、聞いてください!あの方、『闇の魔女』様のことをご説明いたします!」
アンリエッタが私を指さし、そう叫ぶ……え、あれ?
「皆様もご存知の通り、我がラリアスの街を超えた海にある、『魔の海』そこには古の昔、神が魔を封じた結界があるという伝説が伝わっておりました、ですが数日ほど前から、その結界が無くなっていたことが報告されたのです!」
「な、なんだって……それじゃあ、『魔』が解放されたってことか?」
「いいえ、違います!私も最初はそう思っておりました、ですが違ったのです!封印されていた『魔』は滅ぼされました!あそこにいらっしゃる『闇の魔女』様の手によって!」
街の人がざわめく……いや、うん、そうなんだけど……あれ、これってもしかして……。
そう、街の人達の関心が私に出たのをいいことに、そして、その私が魔物千匹をものともしない強さを持っていることを利用しようというのだ。
つまり……。
「そして、その闇の魔女様が邪鬼を退治してくれると言っているのです!我ら、ラリアスの街を救うために!」
「闇の魔女が俺らを救てくれる……」
「伝説の魔を倒した人が……俺たちを……」
「「「うおおおおおおおおおおおおお!!」」」
大地を揺らすほどの歓声が響き渡った……いや、みんな単純すぎじゃない!?
確かに、この街を守るために戦うけれど、絶対倒せるなんて言ってないよ!?
「ですが、いくら魔女様でも邪鬼を抑えながら魔物の相手までは出来ません!ですから、今の魔女様の攻撃を逃れた魔物がこの街を襲うかもしれません!」
「だが、邪鬼は倒してくれるんだろ!だったら、魔物ぐらいは俺たちだって!」
「そうさ、ガキの頃はこれでも冒険者にあこがれていたんだ!魔物の一匹や二匹倒してやらぁ!」
「ありがとうございます、皆さんで……いえ、私達全員でこの街を守りましょう!闇の魔女様と共に!!」
歓声がまたも響く……あはは、完全にアンリエッタに利用されたね……純粋でまっすぐな子かなと思ったけど、意外に強かなのかもしれない……うん、領主に向いているのかも。
まあ、これで、街の人達がパニックにならなくて済んだのだからいっか……なんか、この戦いの後が大変な気もするけど……考えないでおこう。
「やられたわねカモメ」
「仕方ありませんわ、パニックを抑えるためでしょうし、それより、そろそろ門の方へいきませんかですわ」
「そうだね、って、あれクオンは?」
「とっくに門の方へ駆けて行きましたわよ」
「さっきの攻撃を運よく躱した魔物がそろそろ、門へ着く頃でしょうし、それを討ちに行ったんでしょうよ」
なるほど、さすがクオン、行動が早いね。
それに、森の方を見ると第二波が来ようとしている、邪鬼が来る前に少しでも数を減らしておきたいし、私達も門へと移動して、もう一回、魔法で殲滅しよう。
私はエリンシアの腕をつかんで風の魔法を使って飛び、門へと移動をするのであった。
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