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2部 2章
武器
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私達は領主の館を後にすると、レンの武器に使えそうなものを探すため、武器屋へと寄っていた。
「うーん、レンはどんな武器が使いやすい?」
「特に好みは無い、敵を倒せれば問題ない」
なるほど、そんな考えだから自分ごと吹っ飛ばす爆弾を選ぶんだね……。
「じゃあ、色々試す方がいいのかな、クオンの言ってた投げナイフは買うとして、後何か良いの思いつかない?」
クオンの爆発物を付けたナイフを相手に投げ爆発させるというのはいいアイディアだと思う、それなら多少距離が離れている相手にもダメージを与えられるし、わざわざ自分が巻き込まれる必要がない………って、言ってるけど、普通は自分を巻き込もうなんて思わないから普通の考えだよね……レンを見てると私の考え方までおかしくなってきそうだ。
「なら、後は弓とかはどう?さらに長距離に出来るわよ?」
「あら、それでしたら銃でもいいんじゃありません?弓は嵩張りますわよ?」
なるほど、確かにその二つなら長距離でも戦えるようになる……でも、どちらも一朝一夕で出来る武器ではないと思うんだよなぁ……。
「レン、弓か銃は使える?」
「否定だ、俺は爆弾以外扱ったことがない、素人も同然だ」
「あら、そんなの練習すればいいじゃない?」
まあ、確かにやってみないと分からないか……。
「じゃあ、とりあえず買ってみて試してみよっか?」
「む……すまない、誰が俺にはそんな金はない」
「パーティ強化のためのお金だもん、私が払うよ」
「いや、しかし……」
「今後の働きで返してくれればいいよー、それより、やたらめったら目の前で自爆される方が心臓に悪いもん」
いや、ほんと、あれは心臓に悪いんだよ?スキルで戻ると分かっていても目の前で人間がバラバラになるんだから……出来ればやめてほしい…。
「むぅ……了解した、今回のお金は借りておく」
「うん……じゃあ、おじさん、そこの弓と銃を一つずつ」
「あいよ、お代は結構だ、持っていきな!」
「え?」
お代は結構ってなにゆえ?
「アンタらにはこの街を救ってもらったんだ、これくらい当然だよ!街の連中は闇の魔女様、アンタたちに感謝してるんだ。俺にできることと言ったらこれくらいしかねぇけど、良かったら感謝の気持ちとして受け取ってくれ」
「そ、そんな、冒険者が人を守るのは当たり前だよ……感謝なんて……」
「何言ってんだ、領主と一緒になって逃げた冒険者だっている……アンタやアンリエッタさんみたいに俺たちのために戦ってくれる人なんてそうはいねぇよ」
うぐ……そういえば、Cランク冒険者……あのクオンに絡んできた人が領主と一緒に逃げてるんだっけ……きっとその人以外にも領主について行った人はいるんだろう……。
「なぁに、街に住む者からの報酬だと思ってくれればいい。受け取ってくれねぇか?」
「……ありがとう、受け取らせてもらいます」
「おお、こっちこそありがとうな!」
武器屋の親父さんがガハハと笑いながら喜んでくれる。
「あ、それとよ、魔道具の店の親父がこいつを渡してくれって頼んできてよ」
「え……これって……」
「あの親父、自分で渡すのが恥ずかしいからって俺のとこに持ってきやがった……武器屋なら来ることあんだろうって言ってよ……自分で渡せってんだ……まあ、あの親父もアンタらには感謝してるってことだ」
そう言って、私に渡してくれたのは、筒状の魔道具であった。
以前私が、作ってもらえないか頼んだ魔導棒である。
昔私が使っていたものと違い、魔力を流し威力を上げることは出来ないが、魔力を起因にして筒状から形状を変化させることはできるらしい。
私が魔力を流すと、バトーネは私の身長より少し長いくらいの棒へと変形した。
「ええ!?これって確か、かなり高いはずじゃ……」
以前、頼みに行ったときはお金が足らず、稼いで余裕が出来てから改めて頼みに行こうと思ったものなのに……作ってくれたんだ……。
「アンタが注文したもんは出来なかったらしいが、ちょっと細工があるらしいぜ?」
「細工?」
「ああ、なんでも、風の魔法をその棒にまとわせることが出来るとか……ぶっちゃけ、俺にはよくわかんねぇんだが、アンタならきっとわかるととか言っていたぞ?」
風の魔法を纏わせることが出来る……そう聞いて私は風の魔法をバトーネに込めてみた……すると、風の魔法はバトーネを伝わる……そして、まるで人間の体の周りに魔力を纏わせるのと同じように、風の魔法をその身に纏った状態となる……これって……この場所では危なくて試せないけど、風の属性を付与したってことかな?剣のように切れ味を上げることも出来そうだし、魔法を放出すれば風の弾丸見たいなものも出せそうな気がする……。
「って、ええ!?ちょっと、こんなすごいのもらえないよ!?」
「って、言われてもなぁ、それに関しちゃ俺に返されても困るしな、魔導具屋の親父に持っていってもらわんと……だが、それを返すと、魔導具屋の親父は悲しむかもなぁ、せっかくアンタのために作ったもんだろうしな……他の奴はそんなもん扱いきれんだろうし」
うぐ……そもそも、棒術というのはマイナーな戦い方である。
正直、私以外にそれを扱う人間を見たことはない。
その上、このバトーネを完全に扱うには風の魔法を扱えなければならないと来ている……使える人間は限定されるだろう。
「でも、だったらせめてお金を……」
「そいつは無理だな、あの親父は俺以上に頑固だ、絶対に金は受け取らねぇよ」
ええ……。
「それよりも、そいつを見事に使って見せてやった方が喜ぶってもんだ」
「うう……」
「いいんじゃないかな、カモメ。せっかくの好意だし受け取っておけば」
「そうよ、どうしても気になるならその武器でお金稼いで、もっと高いものを注文してあげればいいわ、そうすればあそこのお店も潤うでしょう?」
まだ、受け取るか迷っている私に、ディータはそう言う。
「おお、そいつは一番喜ぶぜ、そうしてやんな、出来れば俺の店でもそうしてくれると嬉しいがな、ガハハハハ!」
「……わかった、そうさせてもらうよ、おじさんもありがとう。また武器買いに来るね」
「おう、待ってるぜ、闇の魔女様!」
本当にありがたいことに、これで武器の心配をしなくてよくなった。
私も、このバトーネがあれば近距離戦も戦えるようになる。
これで、次からの冒険は少し、安定できるかな?
私達は武器屋のおじさんにお礼を言いながら外へと出ていった。
「よかったね、カモメ。これでまたバトーネで戦える」
「うん、大切にしないと」
「レンさんも、武器屋さんの気持ちを無駄にしないよう、それらの武器を練習いたしますわよ?」
「肯定だ。必ず使いこなして見せる」
「良い返事ね……あら?」
「どしたの、ディータ?」
ディータが大通りの先を見て少し険しい顔をしている。
どうしたのだろうと、私もその視線の先を見ると、一人の男が歩いていた。
知り合い……ではないだろう……なんだろう、なんていえばいいのか分からないが、すごく嫌な感じの人である……その人の眼はまるで何事にも興味がなさそうに空虚であった。
男は路地へと入ったため、姿が見えなくなった。
「随分、嫌な雰囲気の男だったね……」
「肯定だ。あれは人を殺すことを何とも思わない人間の眼をしていた」
「そんなこと、わかりますの?」
「ああ、俺は元々傭兵をしていた……その時、ああいう眼の男を何度も見ている……危険な人間の眼だ」
「追いかけたほうがよかったかな?」
「だったかも……でも、何かをしたわけじゃないし追いかけても仕方なかったかもしれない」
「そうだね……。」
少し不安を覚えながらも、私達は歩き始めた。
その後、私は魔導具屋さんに寄って、おじさんにお礼を言った。
おじさんはまともに相手をしてはくれなかったが少し照れ臭そうにしていた。
さんざんお礼を言うと、照れくさそうにしていたおじさんが私達を追い返す。どうやら照れが許容量をオーバーしたらしい。顔を真っ赤にしながら私達を店の外へと追い出した。
そして、宿屋に戻り、今日は一日ゆっくりと休むことにしたのだった。
「うーん、レンはどんな武器が使いやすい?」
「特に好みは無い、敵を倒せれば問題ない」
なるほど、そんな考えだから自分ごと吹っ飛ばす爆弾を選ぶんだね……。
「じゃあ、色々試す方がいいのかな、クオンの言ってた投げナイフは買うとして、後何か良いの思いつかない?」
クオンの爆発物を付けたナイフを相手に投げ爆発させるというのはいいアイディアだと思う、それなら多少距離が離れている相手にもダメージを与えられるし、わざわざ自分が巻き込まれる必要がない………って、言ってるけど、普通は自分を巻き込もうなんて思わないから普通の考えだよね……レンを見てると私の考え方までおかしくなってきそうだ。
「なら、後は弓とかはどう?さらに長距離に出来るわよ?」
「あら、それでしたら銃でもいいんじゃありません?弓は嵩張りますわよ?」
なるほど、確かにその二つなら長距離でも戦えるようになる……でも、どちらも一朝一夕で出来る武器ではないと思うんだよなぁ……。
「レン、弓か銃は使える?」
「否定だ、俺は爆弾以外扱ったことがない、素人も同然だ」
「あら、そんなの練習すればいいじゃない?」
まあ、確かにやってみないと分からないか……。
「じゃあ、とりあえず買ってみて試してみよっか?」
「む……すまない、誰が俺にはそんな金はない」
「パーティ強化のためのお金だもん、私が払うよ」
「いや、しかし……」
「今後の働きで返してくれればいいよー、それより、やたらめったら目の前で自爆される方が心臓に悪いもん」
いや、ほんと、あれは心臓に悪いんだよ?スキルで戻ると分かっていても目の前で人間がバラバラになるんだから……出来ればやめてほしい…。
「むぅ……了解した、今回のお金は借りておく」
「うん……じゃあ、おじさん、そこの弓と銃を一つずつ」
「あいよ、お代は結構だ、持っていきな!」
「え?」
お代は結構ってなにゆえ?
「アンタらにはこの街を救ってもらったんだ、これくらい当然だよ!街の連中は闇の魔女様、アンタたちに感謝してるんだ。俺にできることと言ったらこれくらいしかねぇけど、良かったら感謝の気持ちとして受け取ってくれ」
「そ、そんな、冒険者が人を守るのは当たり前だよ……感謝なんて……」
「何言ってんだ、領主と一緒になって逃げた冒険者だっている……アンタやアンリエッタさんみたいに俺たちのために戦ってくれる人なんてそうはいねぇよ」
うぐ……そういえば、Cランク冒険者……あのクオンに絡んできた人が領主と一緒に逃げてるんだっけ……きっとその人以外にも領主について行った人はいるんだろう……。
「なぁに、街に住む者からの報酬だと思ってくれればいい。受け取ってくれねぇか?」
「……ありがとう、受け取らせてもらいます」
「おお、こっちこそありがとうな!」
武器屋の親父さんがガハハと笑いながら喜んでくれる。
「あ、それとよ、魔道具の店の親父がこいつを渡してくれって頼んできてよ」
「え……これって……」
「あの親父、自分で渡すのが恥ずかしいからって俺のとこに持ってきやがった……武器屋なら来ることあんだろうって言ってよ……自分で渡せってんだ……まあ、あの親父もアンタらには感謝してるってことだ」
そう言って、私に渡してくれたのは、筒状の魔道具であった。
以前私が、作ってもらえないか頼んだ魔導棒である。
昔私が使っていたものと違い、魔力を流し威力を上げることは出来ないが、魔力を起因にして筒状から形状を変化させることはできるらしい。
私が魔力を流すと、バトーネは私の身長より少し長いくらいの棒へと変形した。
「ええ!?これって確か、かなり高いはずじゃ……」
以前、頼みに行ったときはお金が足らず、稼いで余裕が出来てから改めて頼みに行こうと思ったものなのに……作ってくれたんだ……。
「アンタが注文したもんは出来なかったらしいが、ちょっと細工があるらしいぜ?」
「細工?」
「ああ、なんでも、風の魔法をその棒にまとわせることが出来るとか……ぶっちゃけ、俺にはよくわかんねぇんだが、アンタならきっとわかるととか言っていたぞ?」
風の魔法を纏わせることが出来る……そう聞いて私は風の魔法をバトーネに込めてみた……すると、風の魔法はバトーネを伝わる……そして、まるで人間の体の周りに魔力を纏わせるのと同じように、風の魔法をその身に纏った状態となる……これって……この場所では危なくて試せないけど、風の属性を付与したってことかな?剣のように切れ味を上げることも出来そうだし、魔法を放出すれば風の弾丸見たいなものも出せそうな気がする……。
「って、ええ!?ちょっと、こんなすごいのもらえないよ!?」
「って、言われてもなぁ、それに関しちゃ俺に返されても困るしな、魔導具屋の親父に持っていってもらわんと……だが、それを返すと、魔導具屋の親父は悲しむかもなぁ、せっかくアンタのために作ったもんだろうしな……他の奴はそんなもん扱いきれんだろうし」
うぐ……そもそも、棒術というのはマイナーな戦い方である。
正直、私以外にそれを扱う人間を見たことはない。
その上、このバトーネを完全に扱うには風の魔法を扱えなければならないと来ている……使える人間は限定されるだろう。
「でも、だったらせめてお金を……」
「そいつは無理だな、あの親父は俺以上に頑固だ、絶対に金は受け取らねぇよ」
ええ……。
「それよりも、そいつを見事に使って見せてやった方が喜ぶってもんだ」
「うう……」
「いいんじゃないかな、カモメ。せっかくの好意だし受け取っておけば」
「そうよ、どうしても気になるならその武器でお金稼いで、もっと高いものを注文してあげればいいわ、そうすればあそこのお店も潤うでしょう?」
まだ、受け取るか迷っている私に、ディータはそう言う。
「おお、そいつは一番喜ぶぜ、そうしてやんな、出来れば俺の店でもそうしてくれると嬉しいがな、ガハハハハ!」
「……わかった、そうさせてもらうよ、おじさんもありがとう。また武器買いに来るね」
「おう、待ってるぜ、闇の魔女様!」
本当にありがたいことに、これで武器の心配をしなくてよくなった。
私も、このバトーネがあれば近距離戦も戦えるようになる。
これで、次からの冒険は少し、安定できるかな?
私達は武器屋のおじさんにお礼を言いながら外へと出ていった。
「よかったね、カモメ。これでまたバトーネで戦える」
「うん、大切にしないと」
「レンさんも、武器屋さんの気持ちを無駄にしないよう、それらの武器を練習いたしますわよ?」
「肯定だ。必ず使いこなして見せる」
「良い返事ね……あら?」
「どしたの、ディータ?」
ディータが大通りの先を見て少し険しい顔をしている。
どうしたのだろうと、私もその視線の先を見ると、一人の男が歩いていた。
知り合い……ではないだろう……なんだろう、なんていえばいいのか分からないが、すごく嫌な感じの人である……その人の眼はまるで何事にも興味がなさそうに空虚であった。
男は路地へと入ったため、姿が見えなくなった。
「随分、嫌な雰囲気の男だったね……」
「肯定だ。あれは人を殺すことを何とも思わない人間の眼をしていた」
「そんなこと、わかりますの?」
「ああ、俺は元々傭兵をしていた……その時、ああいう眼の男を何度も見ている……危険な人間の眼だ」
「追いかけたほうがよかったかな?」
「だったかも……でも、何かをしたわけじゃないし追いかけても仕方なかったかもしれない」
「そうだね……。」
少し不安を覚えながらも、私達は歩き始めた。
その後、私は魔導具屋さんに寄って、おじさんにお礼を言った。
おじさんはまともに相手をしてはくれなかったが少し照れ臭そうにしていた。
さんざんお礼を言うと、照れくさそうにしていたおじさんが私達を追い返す。どうやら照れが許容量をオーバーしたらしい。顔を真っ赤にしながら私達を店の外へと追い出した。
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