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2部 2章
訓練そして訓練
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私達はそれぞれの訓練を終えて、宿へと帰ってきていた。
メリッサはよほど疲れていたのか、帰るなりベッドに突っ伏し寝てしまった。
エリンシアはなんとなーく疲れたような顔をしている……まあ、私も遠目で見ていたけど、あれは色々ひどい……でもまあ、使えないわけでもないのでエリンシアも頭を抱えているのだろう。
まあでも、私的には自爆さえしなければそこまで気にしないんだけどね……うん。
「それで、メリッサさんはどんな感じですの?」
「うーん、魔力量が少ないからまずは魔力量を増やさないとだね……でも、センスはありそうだよ?魔力の解放もすぐできたし」
「戦えそうですの?」
「それは本人次第かな……とりあえず、ランクDくらいの魔物ならすぐにでも倒せるようになると思うけどそれ以上となると本人がどこまで頑張れるか……って感じかな」
「そうですの……まあ、メリッサさんの気持ちは本物でしょうし、意外と強くなるかもしれませんわね」
「だね」
メリッサのセンスは本当に良い。
魔力の解放をするのでも普通は三日はかかるのだ。
それを一日で操ることが出来るのだからメリッサは優秀だと言えるだろう。
後は魔力量さえ上げてしまえば色々な魔法が使えるようになるはずだ。
「それで、二人は明日はどうするの?」
「ワタクシは明日はカモメさんたちに付き合うつもりですわ」
「俺は魔導具屋に行ってみようと思う」
「ん?何か欲しいものがあるの?」
レンが魔導具屋に行くと言うのは意外だった。
「否定だ。俺は魔導具の作り方を学びたいと思っている」
「魔導具の作り方?」
「なんか嫌な予感がしますわね……どうして魔導具の作り方を知りたいんですの?」
「うむ、銃の弾丸のレパートリーを増やそうと思ってな」
それを聞いた瞬間、エリンシアが頭を抱える。
どうしたんだろう?つまりトリモチ以外の物を作るっていうことだよね。
エリンシアの意見を聞いて作ろうと思ったってことじゃないのかな?
「うんうん、弾の種類が増えるのはいいんじゃないかな?」
「ま、まともなものを作ってくださいませ……ですわ……」
「肯定だ。俺はいつでもまともだ」
その言葉を聞いた瞬間、私にも不安が襲い掛かる。
それって、人前で自爆をしたり、武器を魔改造したりすることもまともだと言っているような気がするんだけど……なんだろう……すごく変な物を作ってきそうで怖い。
「ちょっとちょっと~、私には聞いてくれないの?」
自分だけ仲間外れにされている気がしたのかローラが口を尖らせて言ってくる。
「ローラは私の近くにいるんでしょ?」
「むぅ……そうだけど~、な~んか仲間外れにされている気がして寂しいわよ~」
いや、仲間と言う訳じゃないんだけどね……。
まあ、いいや。
「はいはい、それじゃローラはどうするの?」
「もちろん、魔女ちゃんの近くにいるわ~♪ちゃんと護ってね♪」
「はいはい……」
疲れるなぁ、この人。
「それじゃ、明日の予定も決まったし、そろそろ寝ようか」
「ですわね」
私達は椅子から立ち上がると、自分たちの部屋へと帰っていった。
そして、次の日からもメリッサの特訓は続く。
次の日は前日と変わらず魔力量を上げることに集中する。
一日中やっていた為か、少し魔力量が上がってきているようだ。
まあ、その結果、その日も宿に帰るとメリッサはベッドに吸い込まれるように倒れたのだが……。
だが、効果は出てきている。
その次の日は簡単な魔法を教えてあげた。
手の中で光をつくる光の魔法だ。
多少集中力はいるが、なりたての魔導士が初めて覚える魔法である。
それをメリッサはものの3回でマスターした。
これには私も驚いた。センスがあるとは思っていたが魔法をこんなにも簡単に習得するなんて天才と言ってもいいんじゃないだろうか?
私が褒めると「魔女様は何回くらいで出来たんですか?」と聞いてきた。
………ごめん、私は一回で出来てたよ……でも、普通は何十回も挑戦してやっと出来るんだよ!
私が正直に言うと、メリッサは「凄いです!さすが魔女様です!」と目をキラキラさせてくれた。
なんて素直な子なんだろう……でも、素直なことは良いことである。
素直なだけあってメリッサは吸収力がある。一度聞いたことをしっかりと覚えるのだ。
この日、メリッサは『灯りの魔法』と『爆発炎弾』の魔法を覚えた。
まだ魔力量が低いため、爆発炎弾はそれ程の威力はないがそれでも使えることが嬉しいようで飛び跳ねながら喜んでいた。
そして、次の日はまたも魔力量を上げる訓練である。
この日はメリッサだけにやらせているのが申し訳なくなったので私も一緒に魔力解放をしていた。
それが良かったのか、メリッサは私の魔力解放のやり方を隣で見ながら学んでいた。
この日一日で、メリッサの魔力の流れは乱れが無くなり綺麗になっていた。
そして、魔力量もかなり増えた気がする。
「すごいな……」
私は素直に感嘆した。
これなら明日はもう少し上の魔法を教えてもいいかもしれない。
そう考えながら宿屋の部屋に帰ろうとする私がレンの部屋の前を通ると、不気味に笑うレンの声が聞こえてきた………何を作ってるんだろう……いや、聞かなかったことにしよう。
私はそう思うと自分の部屋へと戻っていった。
メリッサはよほど疲れていたのか、帰るなりベッドに突っ伏し寝てしまった。
エリンシアはなんとなーく疲れたような顔をしている……まあ、私も遠目で見ていたけど、あれは色々ひどい……でもまあ、使えないわけでもないのでエリンシアも頭を抱えているのだろう。
まあでも、私的には自爆さえしなければそこまで気にしないんだけどね……うん。
「それで、メリッサさんはどんな感じですの?」
「うーん、魔力量が少ないからまずは魔力量を増やさないとだね……でも、センスはありそうだよ?魔力の解放もすぐできたし」
「戦えそうですの?」
「それは本人次第かな……とりあえず、ランクDくらいの魔物ならすぐにでも倒せるようになると思うけどそれ以上となると本人がどこまで頑張れるか……って感じかな」
「そうですの……まあ、メリッサさんの気持ちは本物でしょうし、意外と強くなるかもしれませんわね」
「だね」
メリッサのセンスは本当に良い。
魔力の解放をするのでも普通は三日はかかるのだ。
それを一日で操ることが出来るのだからメリッサは優秀だと言えるだろう。
後は魔力量さえ上げてしまえば色々な魔法が使えるようになるはずだ。
「それで、二人は明日はどうするの?」
「ワタクシは明日はカモメさんたちに付き合うつもりですわ」
「俺は魔導具屋に行ってみようと思う」
「ん?何か欲しいものがあるの?」
レンが魔導具屋に行くと言うのは意外だった。
「否定だ。俺は魔導具の作り方を学びたいと思っている」
「魔導具の作り方?」
「なんか嫌な予感がしますわね……どうして魔導具の作り方を知りたいんですの?」
「うむ、銃の弾丸のレパートリーを増やそうと思ってな」
それを聞いた瞬間、エリンシアが頭を抱える。
どうしたんだろう?つまりトリモチ以外の物を作るっていうことだよね。
エリンシアの意見を聞いて作ろうと思ったってことじゃないのかな?
「うんうん、弾の種類が増えるのはいいんじゃないかな?」
「ま、まともなものを作ってくださいませ……ですわ……」
「肯定だ。俺はいつでもまともだ」
その言葉を聞いた瞬間、私にも不安が襲い掛かる。
それって、人前で自爆をしたり、武器を魔改造したりすることもまともだと言っているような気がするんだけど……なんだろう……すごく変な物を作ってきそうで怖い。
「ちょっとちょっと~、私には聞いてくれないの?」
自分だけ仲間外れにされている気がしたのかローラが口を尖らせて言ってくる。
「ローラは私の近くにいるんでしょ?」
「むぅ……そうだけど~、な~んか仲間外れにされている気がして寂しいわよ~」
いや、仲間と言う訳じゃないんだけどね……。
まあ、いいや。
「はいはい、それじゃローラはどうするの?」
「もちろん、魔女ちゃんの近くにいるわ~♪ちゃんと護ってね♪」
「はいはい……」
疲れるなぁ、この人。
「それじゃ、明日の予定も決まったし、そろそろ寝ようか」
「ですわね」
私達は椅子から立ち上がると、自分たちの部屋へと帰っていった。
そして、次の日からもメリッサの特訓は続く。
次の日は前日と変わらず魔力量を上げることに集中する。
一日中やっていた為か、少し魔力量が上がってきているようだ。
まあ、その結果、その日も宿に帰るとメリッサはベッドに吸い込まれるように倒れたのだが……。
だが、効果は出てきている。
その次の日は簡単な魔法を教えてあげた。
手の中で光をつくる光の魔法だ。
多少集中力はいるが、なりたての魔導士が初めて覚える魔法である。
それをメリッサはものの3回でマスターした。
これには私も驚いた。センスがあるとは思っていたが魔法をこんなにも簡単に習得するなんて天才と言ってもいいんじゃないだろうか?
私が褒めると「魔女様は何回くらいで出来たんですか?」と聞いてきた。
………ごめん、私は一回で出来てたよ……でも、普通は何十回も挑戦してやっと出来るんだよ!
私が正直に言うと、メリッサは「凄いです!さすが魔女様です!」と目をキラキラさせてくれた。
なんて素直な子なんだろう……でも、素直なことは良いことである。
素直なだけあってメリッサは吸収力がある。一度聞いたことをしっかりと覚えるのだ。
この日、メリッサは『灯りの魔法』と『爆発炎弾』の魔法を覚えた。
まだ魔力量が低いため、爆発炎弾はそれ程の威力はないがそれでも使えることが嬉しいようで飛び跳ねながら喜んでいた。
そして、次の日はまたも魔力量を上げる訓練である。
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それが良かったのか、メリッサは私の魔力解放のやり方を隣で見ながら学んでいた。
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そして、魔力量もかなり増えた気がする。
「すごいな……」
私は素直に感嘆した。
これなら明日はもう少し上の魔法を教えてもいいかもしれない。
そう考えながら宿屋の部屋に帰ろうとする私がレンの部屋の前を通ると、不気味に笑うレンの声が聞こえてきた………何を作ってるんだろう……いや、聞かなかったことにしよう。
私はそう思うと自分の部屋へと戻っていった。
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