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2部 2章
王都
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カモメ達がメリッサの訓練をして二日目が過ぎた頃、僕とディータはアンダールシアへと到着していた。
「さて、まずは情報収集よね」
「うん、街の人達から色々と聞いてみよう」
王都に入ると、そこには街の人々が普通に生活をしている。
もしかしたら、奴隷のように扱われているんじゃと懸念していた僕とディータであったがそう言った様子は見受けられなかった。
「どこへ行く?」
「先ずは出店の人に聞いてみよう」
こういう時に一番いいのはお店の人である。
客商売をしているだけあって色々な情報を持っていることがあるし、商品を買えば割と機嫌よく話してくれるのだ。
「すみません、串焼きを二本頂いてもいいでしょうか?」
「まいど!兄ちゃん達、見ない顔だね!」
「はい、今日ここに来たばかりで……ここはどんなところなんです?」
「へー、見たところ冒険者か?そうだな、平和な国だったぜ……王族は国民に優しく、国民も王族を信頼していた」
「……だった?」
僕も気になったことをディータが聞き返す。
だった……ということは今は平和ではないということだ。
「ああ、少し前に事件があってな……なんでもこの国の王女様が王妃様を殺して逃亡しているらしいんだ」
「王女が王妃を殺した?」
「ああ……なんでそんなことになっちまったのか知らねぇけど王妃様はとてもやさしい人だったからよぉ……俺たち国民も悲しんでるんだ……あんな優しい母親を殺すなんてとんでもねぇ王女だぜ……俺は絶対に許さねぇ」
………なるほど、王にすり替わった男は自分の罪を王女に着せたわけだ。
そして、屋台のおじさんの話を最後まで聞くと、色々なことが分かった。
まず、先ほども言ったように、王妃を殺したのは王女……メリッサということになっている。
そして、その王女を捕らえるために国は王女を指名手配としたようだ。
今まで社交界に出ることになかった王女だ、国民のほとんどはメリッサという人物がどんな人間か分からない。だからこそ、言いたい放題にでっちあげることが出来るのだ。
そして、似顔絵らしき紙も出回っている。
「よく似ているわね」
「ああ……」
ディータの言ったよく似ているというのは似顔絵の事ではない。
いや、似顔絵もよく似ているのだが……似ているのはこの状況だ。
まるで、グランルーンを追われたときのカモメの状況によく似ている。
「イラつくわ」
「偶には気が合うね」
僕たちは当時の事を思い出し、怒りを感じていた。
「どうする?このまま城に乗り込んでその偽物を倒しちゃう?」
「さすがにそれはやめておいた方がいいと思うよ」
「そうよね……失敗すれば敵にラリアスを攻める口実を与えるだけですものね」
「うん、それにこの大陸の天啓スキルっていうのは油断できないからね」
魔法の特訓をせずに魔法が使えたり、剣術のスキルを持っていたらいきなり剣術を使えたりと出鱈目としか言えないようなものが天啓スキルである。
もしかしたら、もっと出鱈目なものもあるかもしれない。
そう考えると、下手なことは出来ないのである。
「どうする?もう少し情報を集めたいわよね?」
「うん、城の中の兵士はどう思っているのか……他に真実を知っている人間がいないのか……いるのならその人を味方につけられないか……」
「そうね、私達には味方が足りなすぎるものね」
冒険者として強い相手と戦うだけであればカモメのパーティは十分すぎる戦力があるだろう。
だが、戦争となるとそうはいかない。
仮に一人で千人を相手にできても敵の軍が1万人であれば残りの9千人がラリアスの街へと向かう。
そしてその9千人が街を落としてしまえば敵の勝利となってしまうのだ……当然のことながら。
なら、街の入り口を護ればいいのではと思うかもしれないが、もし僕が敵の人間であれば入り口を増やせばいいだけと考えるだろう。壁を壊すのはそれほど難し事ではない。
やはり千人で一人を抑え込み、残りの9千人で新たに作った入り口から攻め込ませればいいのだ。
「まずは城に侵入してみよう」
「そうね」
ディータは同意すると女神の姿からぬいぐるみの姿へと変わる。
「アンタ、今また私の事をぬいぐるみって思ったでしょ」
「その通りでしょ?」
「違うわよ!!」
「ほらほら、ぬいぐるみが喋ると街の人に怪しまれるよ」
「うぐっ」
ここはツァインではない。
喋るぬいぐるみなんてものがいたら、魔物と思われるだろう。
「はあ……後で覚えておきなさい……迷彩」
「へえ、便利な魔法を持っているんだね」
「こういう繊細な魔法は得意じゃないんだけどね……今回は頑張るわよ」
「ああ、期待してる。僕もなんとか侵入してみるよ」
「ええ、夜にここでおちあいましょう」
「了解!」
そう言って僕らは別れた。
さて、僕はどうやって侵入するかな……ま、オーソドックスな手で行こう。
「さて、まずは情報収集よね」
「うん、街の人達から色々と聞いてみよう」
王都に入ると、そこには街の人々が普通に生活をしている。
もしかしたら、奴隷のように扱われているんじゃと懸念していた僕とディータであったがそう言った様子は見受けられなかった。
「どこへ行く?」
「先ずは出店の人に聞いてみよう」
こういう時に一番いいのはお店の人である。
客商売をしているだけあって色々な情報を持っていることがあるし、商品を買えば割と機嫌よく話してくれるのだ。
「すみません、串焼きを二本頂いてもいいでしょうか?」
「まいど!兄ちゃん達、見ない顔だね!」
「はい、今日ここに来たばかりで……ここはどんなところなんです?」
「へー、見たところ冒険者か?そうだな、平和な国だったぜ……王族は国民に優しく、国民も王族を信頼していた」
「……だった?」
僕も気になったことをディータが聞き返す。
だった……ということは今は平和ではないということだ。
「ああ、少し前に事件があってな……なんでもこの国の王女様が王妃様を殺して逃亡しているらしいんだ」
「王女が王妃を殺した?」
「ああ……なんでそんなことになっちまったのか知らねぇけど王妃様はとてもやさしい人だったからよぉ……俺たち国民も悲しんでるんだ……あんな優しい母親を殺すなんてとんでもねぇ王女だぜ……俺は絶対に許さねぇ」
………なるほど、王にすり替わった男は自分の罪を王女に着せたわけだ。
そして、屋台のおじさんの話を最後まで聞くと、色々なことが分かった。
まず、先ほども言ったように、王妃を殺したのは王女……メリッサということになっている。
そして、その王女を捕らえるために国は王女を指名手配としたようだ。
今まで社交界に出ることになかった王女だ、国民のほとんどはメリッサという人物がどんな人間か分からない。だからこそ、言いたい放題にでっちあげることが出来るのだ。
そして、似顔絵らしき紙も出回っている。
「よく似ているわね」
「ああ……」
ディータの言ったよく似ているというのは似顔絵の事ではない。
いや、似顔絵もよく似ているのだが……似ているのはこの状況だ。
まるで、グランルーンを追われたときのカモメの状況によく似ている。
「イラつくわ」
「偶には気が合うね」
僕たちは当時の事を思い出し、怒りを感じていた。
「どうする?このまま城に乗り込んでその偽物を倒しちゃう?」
「さすがにそれはやめておいた方がいいと思うよ」
「そうよね……失敗すれば敵にラリアスを攻める口実を与えるだけですものね」
「うん、それにこの大陸の天啓スキルっていうのは油断できないからね」
魔法の特訓をせずに魔法が使えたり、剣術のスキルを持っていたらいきなり剣術を使えたりと出鱈目としか言えないようなものが天啓スキルである。
もしかしたら、もっと出鱈目なものもあるかもしれない。
そう考えると、下手なことは出来ないのである。
「どうする?もう少し情報を集めたいわよね?」
「うん、城の中の兵士はどう思っているのか……他に真実を知っている人間がいないのか……いるのならその人を味方につけられないか……」
「そうね、私達には味方が足りなすぎるものね」
冒険者として強い相手と戦うだけであればカモメのパーティは十分すぎる戦力があるだろう。
だが、戦争となるとそうはいかない。
仮に一人で千人を相手にできても敵の軍が1万人であれば残りの9千人がラリアスの街へと向かう。
そしてその9千人が街を落としてしまえば敵の勝利となってしまうのだ……当然のことながら。
なら、街の入り口を護ればいいのではと思うかもしれないが、もし僕が敵の人間であれば入り口を増やせばいいだけと考えるだろう。壁を壊すのはそれほど難し事ではない。
やはり千人で一人を抑え込み、残りの9千人で新たに作った入り口から攻め込ませればいいのだ。
「まずは城に侵入してみよう」
「そうね」
ディータは同意すると女神の姿からぬいぐるみの姿へと変わる。
「アンタ、今また私の事をぬいぐるみって思ったでしょ」
「その通りでしょ?」
「違うわよ!!」
「ほらほら、ぬいぐるみが喋ると街の人に怪しまれるよ」
「うぐっ」
ここはツァインではない。
喋るぬいぐるみなんてものがいたら、魔物と思われるだろう。
「はあ……後で覚えておきなさい……迷彩」
「へえ、便利な魔法を持っているんだね」
「こういう繊細な魔法は得意じゃないんだけどね……今回は頑張るわよ」
「ああ、期待してる。僕もなんとか侵入してみるよ」
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そう言って僕らは別れた。
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