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第1章 Closed β
11話 地平線のその向こうに
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この大きな神に登る際、時間が少しかかりそうなので、王宮を出る前にシロはバロンドールから壁の話をされていたのを思い出す。
「シロ様がこの王宮から、出る際幾つか注意があります」
今まで、ちゃんと説明してくれなかった魔術師はこんどは注意をしてくれるみたいだった。
「注意?」
「はい、今はお時間がないので全面戦争まで踏み込んだ経緯は割愛させていただきます、しかし、この国にとっては大事なものが一つあります、それは国王と同じ、いやそれ以上のモノと思っている民はすくなくありません」
それを聞いてシロはすぐに分かった。
「壁か...」
「お察しの通りです、この国では昔から壁はこの国で一番、天に近い存在...つまり神とされてきました、そして、その神が我々と同じ地上に降り立ち、そして、この国を守ってくれている、そのような言い伝えがあります、そして、ある時国は壁は神の加護と唱え、それを信じる者はヴェヒター教の信者と国中に広めそして、この国の信者は100%となり、国の政治を行いやすくしました」
「なるほどな、その信者の掟が危ないのか...国王もよく考えたものだ」
「まぁ、あまり縛りのない宗教なのでみんな入っているのですが、その中でも幾つかの細かい信者達の集まりがあります、なかでも暴力的な集団には気お付けてください、一応取り締まってはいるのですが...」
「わかった」
そんな、集団がいるという注意は受けたのだがここら辺にはいなかったみたいだ。運動を全くしていなかった、シロにとってはエスカレーターがない時代は上に上がるのもやっとだった。
壁は分厚く、そこでどんなに寝相の悪い人が寝ても落ちないくらいの厚みはあった。
そして、顔を壁の向こうにに向けたとき、シロの目には太陽が西の地平線の向こうに消えかかっているのが見えた。
「うわぁ...」
思わず声に出てしまった。普段、自然とは縁のないシロにとってそれは神秘的なモノに見えたのだった。
「あんちゃん、綺麗やろ...」
「はい...綺麗ですね...」
シロの顔は太陽の方に向いたまま上の空で返事をした。
そのあと、誰かに声を掛けられていたに気づき、驚きを見せた。
「わしもな、70年毎日登っとるんや...」
「70年ですか...」
その、おじいさんは、両目とも見えないみたいだった。
「わしわなは、20歳のときに戦争に行ったんや、この国は昔から鎖国はしてたが、小さな戦争や、内戦はよく起こってたねん、それを止めるために軍隊が派遣された」
「...」
返事はせずに聞くことにした。
シロは壁の上に立って、おじいさんは壁の上に座り、酒を飲んでいた。
「で、わしは、家が貧乏でな金の入る王国軍隊に入ったんじゃよ、もう忘れたがの、いつのときかの戦争で目を失ったんや...でもな、生きてこの壁の前まで帰ってこれた、そのとき、剣で切られた目に...微かな光がみえたんよ、そして、視力が僅か回復した...そんなことがあったら、あんちゃんはどう思うねん?」
「どう思うですか...切なくなりますね」
おじいさんは声を出して笑った。シロにはそれが理解出来なかった。
「あんちゃんは面白い奴やな」
「そうですか?」
シロの瞳にはまだ景色か色濃く残っていた。
「わしはな、戦った仲間、家族の顔を最後に頭に記憶することが出来ただけで満足だったわ、当然今はなんも見えないがね」
少し苦笑いをして言った。
「酷な話ですね...」
「わしは、酷なんて思わへん、奇跡やと今も思っとるわい」
謎のエセ関西弁だったが、まぁそういうおじさんは珍しくないのに、なぜかすごくマッチしていた。
「あんちゃん、つまりな...わしが言いたいのは、あんちゃんはどんなに闇の中に落ちても、この二つの偽物目でみたらあかん、こころの目で見極めるんや」
「こころの目?」
「そうや、あんちゃんあんたはここのものじゃない、だからわしにはようわからんが、でもあんちゃんがここにいるのは何かの縁、そして、このことを伝えなければならないと、こころの目が言っとった」
このおじいさんはシロの事をまるで最初から知っているかのような言いようだった。
しかし、もうそういうことにも慣れてきた。
「わかったよ、じいさん」
素直に受け入れ、清々しく返事した。
「また、どこかでゆっくり話そうや」
少ししか、話にもなっていない話をしたのにずっと長くそこにいた気がした。
そして、この場をあとしようと思い、階段を下ろうとしたとき、ふっと疑問が頭をよぎった。
「じいさん!おじいさん、ここまでどうやって来たの?」
そう、言いながら後ろを振り返ったがもうそこにはいなかった。
「あれ?」
確かにそこに居た、不思議な影はもう月の光で見えなくなっていた。
(名前も聞いてなかったな...)
ちゃんと壁の調査はこの目で行った。確かにさっきは謎のおじいさんと会話していただけだったが、ちゃんと調査はした。高さは40mその大きな壁は街をぐるっと1週覆っており、厚さは7m近くあった。材質は現代の物質で表すとコンクリートと言ったところだろうか、これを跡形もなく破壊となるとゲームの中の高位魔法か幻獣、などの実力が無ければ成せない技である。つまり、この壁は相当安全ということが現代の知識を踏まえても理解出来た。
「シロ様がこの王宮から、出る際幾つか注意があります」
今まで、ちゃんと説明してくれなかった魔術師はこんどは注意をしてくれるみたいだった。
「注意?」
「はい、今はお時間がないので全面戦争まで踏み込んだ経緯は割愛させていただきます、しかし、この国にとっては大事なものが一つあります、それは国王と同じ、いやそれ以上のモノと思っている民はすくなくありません」
それを聞いてシロはすぐに分かった。
「壁か...」
「お察しの通りです、この国では昔から壁はこの国で一番、天に近い存在...つまり神とされてきました、そして、その神が我々と同じ地上に降り立ち、そして、この国を守ってくれている、そのような言い伝えがあります、そして、ある時国は壁は神の加護と唱え、それを信じる者はヴェヒター教の信者と国中に広めそして、この国の信者は100%となり、国の政治を行いやすくしました」
「なるほどな、その信者の掟が危ないのか...国王もよく考えたものだ」
「まぁ、あまり縛りのない宗教なのでみんな入っているのですが、その中でも幾つかの細かい信者達の集まりがあります、なかでも暴力的な集団には気お付けてください、一応取り締まってはいるのですが...」
「わかった」
そんな、集団がいるという注意は受けたのだがここら辺にはいなかったみたいだ。運動を全くしていなかった、シロにとってはエスカレーターがない時代は上に上がるのもやっとだった。
壁は分厚く、そこでどんなに寝相の悪い人が寝ても落ちないくらいの厚みはあった。
そして、顔を壁の向こうにに向けたとき、シロの目には太陽が西の地平線の向こうに消えかかっているのが見えた。
「うわぁ...」
思わず声に出てしまった。普段、自然とは縁のないシロにとってそれは神秘的なモノに見えたのだった。
「あんちゃん、綺麗やろ...」
「はい...綺麗ですね...」
シロの顔は太陽の方に向いたまま上の空で返事をした。
そのあと、誰かに声を掛けられていたに気づき、驚きを見せた。
「わしもな、70年毎日登っとるんや...」
「70年ですか...」
その、おじいさんは、両目とも見えないみたいだった。
「わしわなは、20歳のときに戦争に行ったんや、この国は昔から鎖国はしてたが、小さな戦争や、内戦はよく起こってたねん、それを止めるために軍隊が派遣された」
「...」
返事はせずに聞くことにした。
シロは壁の上に立って、おじいさんは壁の上に座り、酒を飲んでいた。
「で、わしは、家が貧乏でな金の入る王国軍隊に入ったんじゃよ、もう忘れたがの、いつのときかの戦争で目を失ったんや...でもな、生きてこの壁の前まで帰ってこれた、そのとき、剣で切られた目に...微かな光がみえたんよ、そして、視力が僅か回復した...そんなことがあったら、あんちゃんはどう思うねん?」
「どう思うですか...切なくなりますね」
おじいさんは声を出して笑った。シロにはそれが理解出来なかった。
「あんちゃんは面白い奴やな」
「そうですか?」
シロの瞳にはまだ景色か色濃く残っていた。
「わしはな、戦った仲間、家族の顔を最後に頭に記憶することが出来ただけで満足だったわ、当然今はなんも見えないがね」
少し苦笑いをして言った。
「酷な話ですね...」
「わしは、酷なんて思わへん、奇跡やと今も思っとるわい」
謎のエセ関西弁だったが、まぁそういうおじさんは珍しくないのに、なぜかすごくマッチしていた。
「あんちゃん、つまりな...わしが言いたいのは、あんちゃんはどんなに闇の中に落ちても、この二つの偽物目でみたらあかん、こころの目で見極めるんや」
「こころの目?」
「そうや、あんちゃんあんたはここのものじゃない、だからわしにはようわからんが、でもあんちゃんがここにいるのは何かの縁、そして、このことを伝えなければならないと、こころの目が言っとった」
このおじいさんはシロの事をまるで最初から知っているかのような言いようだった。
しかし、もうそういうことにも慣れてきた。
「わかったよ、じいさん」
素直に受け入れ、清々しく返事した。
「また、どこかでゆっくり話そうや」
少ししか、話にもなっていない話をしたのにずっと長くそこにいた気がした。
そして、この場をあとしようと思い、階段を下ろうとしたとき、ふっと疑問が頭をよぎった。
「じいさん!おじいさん、ここまでどうやって来たの?」
そう、言いながら後ろを振り返ったがもうそこにはいなかった。
「あれ?」
確かにそこに居た、不思議な影はもう月の光で見えなくなっていた。
(名前も聞いてなかったな...)
ちゃんと壁の調査はこの目で行った。確かにさっきは謎のおじいさんと会話していただけだったが、ちゃんと調査はした。高さは40mその大きな壁は街をぐるっと1週覆っており、厚さは7m近くあった。材質は現代の物質で表すとコンクリートと言ったところだろうか、これを跡形もなく破壊となるとゲームの中の高位魔法か幻獣、などの実力が無ければ成せない技である。つまり、この壁は相当安全ということが現代の知識を踏まえても理解出来た。
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