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第2章

第25話 利子ちゃん出馬

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 なんでも、永田町は近々解散という流れになっているそうで、私にはまったくわかんないんだけど、各党候補者選びに頭を悩ませているらしいのだけど、こちらの女勝党さんは、女性の味方、特に夜の街で働く女性の味方になって国会で活躍してくれる候補者を探しまくり、この店と利子ちゃんに辿り着いたらしい。

 最初は、今の生活のほうが気に入っているとか、政治に興味ないとか言って断っていた利子ちゃんだったけど、向こうはスカウトのプロ、もうスカウトというより、目を付けられてしまったら捕まえるまで追いかけるのはやめないというのがこの人達の性質らしい。もうストーカーじゃん。

 断っても断ってもやってくる敵方に面倒くさいからやらないと怒鳴り散らして、家に来た時は不法侵入で訴えるとか、あんまりしつこいから脅迫罪で訴えるとか切れまくってた。それでもやめないので、仕事を放り投げて海外逃亡を図ったんだけど、なんとそこまで刺客がやってきて、とうとう利子ちゃんも観念したのか、気力を失ったのか、要求を呑んでしまった。

 まあ、予想通りというか、選挙の結果は、いわゆる無党派層の間で話題と人気になり、トップ当選だった。
 
 美人で元弁護士で元風俗嬢、まあ話題の宝庫のニューフェイスをマスコミが放っておくはずもなく、たちまち利子ちゃんは時の人となった。

 ただ、話題になっただけじゃなく、夜の街にも法律にもくわしい利子ちゃん、最初は嫌がってたけど、やるからには徹底的にやる!と新しい法律案提出に向けて張り切っている。

 
 そして、利子ちゃんが提出した法律案で日本中がひっくり返った。その内容は、

1. この国での風俗営業を全面的に禁止する

2. 違反した場合は罰金1憶円または懲役50年

3. 法案成立に伴い回顧された従業員には生涯平均年収の10倍の退職金を支払うこととする

4. 職業替えをする店舗には所定の補助金を与える

というものだった。

 これを大真面目に法律案として提出できる利子ちゃんの心臓を称えたい。







 



 
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