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第2章

第34話 大統領になって・・・

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 「さあ、珠ちゃんが大統領になったから、いよいよ本題を展開させるわよ」

「もう、かなり展開してると思うんですが」

「何、言ってるの? ようやく始まったところよ」

「な、何がですか?」

「まず、この法案を通すわよ」

利子ちゃんが、A4用紙の束を高く掲げて不敵な笑みを浮かべてる。

そのA4用紙に書かれていたのは


1. 風俗店を合法とし、風俗嬢を国家公務員とする。

2. 風俗嬢、これに準ずる職業に従事するものの最低賃金は、国の定める最低賃金の50倍とする。

3. 25歳を定年とし、以降、死亡の時まで特別年金を支給する

4. 『風俗店』及び『接待飲食等営業』及びこれに準ずる店舗の労働時間は1日3時間以内、時間外労働は5倍の報酬を支払うこと、また、時間外労働の時間は2時間以内とする。

5. 『接待飲食等営業』及び『風俗店』で働く人の特別貸付制度を設け、無利子・無担保で貸し出すものとする。

6. 『接待飲食等営業』及び『風俗店』で働く人の託児所・保育園を作り、保育料は無料とする。

7. 専用の労災を設け、勤務時間中、通勤中の事故、また、就業が原因と考えられる病気の治療に伴う費用を保証する。

 という内容の法律案の草案だった。

 そして、本当に提出された。

 あまりにも今までの常識と外れた法案は、マスコミで取り上げられても、読み上げるアナウンサーが笑いこらえていたり、漫才のネタに使われたり、真面目な団体からは避難されるという状況だった。

 提出する前に党や党首が止めなかったのか思うけど、利子ちゃんは自信満々だ。

 さあ、これでまた、この国の民族をかなり洗脳できたわね。いよいよ龍の力を使うわよ。

 端っこで龍が利子ちゃんと目が合わないよにして、体を小さくしている。この龍、あんまり働くのが好きじゃないみたい。










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