異世界転生者〜バケモノ級ダンジョンの攻略〜

海月 結城

文字の大きさ
11 / 39

呼び出し

しおりを挟む
 ギルドに着くと、クルーズさんが土下座をしていた。無視だ。その奥の受付には、少し申し訳なさそうな顔をしたシャルがいた。

「あ、シャル、クルーズさんが呼んでたって言われて来たんだけど、何処にいる?」
「え、ギルマスなら、カレンさんが踏んでるけど……」
「え!? やだなぁ。踏んでるって、下にあるのは床だよ。ほら、ね!!」

 そう言って、確認も兼ねて、足を上げ床を踏みつけた。なんか、グヘェ! って声が聞こえた気がするが、無視だ。

「ほら、何もないでしょ?」
「え、? そう......だね」

 シャルは思った。

(なにあれ! 笑顔で人を踏みつけるって怖すぎだよ! しかも、グリグリって踏みつけ始めたよ! 絶対にカレンさんを怒らせちゃいけないよ。怖いよ)

「さて、ギルマスが居ないみたいだし、部屋にいるから、ギルマスが戻って来たら、部屋に連れて来てね」
「......分かりました」

 カレンがギルマスの部屋に向かって、奥に行った後、ギルド、受付前では、

「あれって、今回の英雄様だよな、ギルマスが怒らせって言う」
「そうだぜ、ほら、まだあそこで土下座してるんだぜ」
「可愛い笑顔で踏みつけるって、えげつないな」
「そろそろ、部屋に向かわせた方が良いんじゃないか? 遅くて、怒られそうだよな」
「そうだな」

 こんな感じの会話がギルドの中で、話されていた。

「あ、あの、ギルマス。そろそろ行かないとまた踏まれますよ」
「そうだな、ちょっと行ってくるよ」

 そこで、みんな思った。

((((ギルマス、あの人、死んだな))))

「入るぞ」
「えぇ、どうぞ」

 もう、どちらがギルマスかわからなくなって来たな。

「ほんとに! すみませんでした!!」
「ん? なんの話ですか?」

 そこで私は、敢えてとぼけてみた。

「昨日のやつで、意味のわからない怒り方をしてしまって申し訳なかった」
「それだけですか?」
「え?」
「私、脅されて来たんだよなぁ。来なかったら、ギルド脱退とか言われてさ」

 そこで、ギルマスは思い出した。自分がなんて言って呼び出したのかを。

「あれは、なんて言うか。すみませんでした!!!」
「そうですね。許してあげなくもないですよ」
「ほんとか!?」
「もちろん、条件ありですがね」

1つ、今回倒した魔物の買取を色をつけて返すこと。
2つ、私をこのギルドに束縛しないこと。

「この2つ守ってくださいね」
「あ、あぁ、もちろんだ。それで、本題なんだが。今回の活躍で、この国の王様がお呼びだ。なので、王都に向かって欲しい」
「何か貰うんですか?」
「今回の活躍でのお金と、貴族の称号だろうな」
「貴族ですか」

 私は、あまり貴族になりたくはない。面倒くさいから。

「多分だが、名誉貴族だと思うぞ。だから、領地はないな、それに形だけだ」
「それなら安心ですね」
「今回の魔物の買取の前に、今回の活躍の報酬だ」
「お、沢山ありますね。最近お金を沢山使ったから、ありがたいですね」
「白金貨2枚と、金貨79枚が、中に入っている。そして、これが、ダンジョンに行くときに受けた以来での報酬、金貨12枚だ」
「忘れてた。ありがとうございます。王都には、いつ行けばいいですか?」
「1週間後までに来いだと。ついでに、護衛依頼でも受けたらいいんじゃないか?」
「そうですね、ありますか?」
「あるぞ、商人からの護衛依頼だな。明日朝に出発だ。東門に集合してくれよ」
「それ受けますね。それじゃ、今回のことは水に流さないので、きちんと反省してくださいね?」
「はい、ほんとうにすみませんでした」

 その後、ダンジョンで、倒した魔物を少しコネさんに出して、ギルドを出た。その時、コネさんが死にそうな顔をしていたが無視だ。

「いやー、少しだけスッキリしたなぁ。……さて、王都に行く準備でもしますか」

 それから、1週間分の食料と、調味料、下着などを買い、亜空間にしまった。野宿をすると思うが、テントなどは、全て亜空間の中に入っているので、安心だ。
 それから、することがなくなり、街中を歩いていると、裏路地に男3人と女の子1人が入って行くところを見つけた。

「あれは、助けないとなぁ」

 少し、様子を見ながらついて行くと、

「ちょっと、離してくださいよ!」
「別にいいじゃねぇかよ」
「そうだぜ、俺らと遊ぼうぜ」
「俺らと、楽しいことでもしようぜ」

 あー、これ完全にダメなやつだ。半殺し決定だよ。

「その汚い手で、その子に触れないでくれますか?」
「あぁ? 誰だテメェ!」
「お前も、可愛いじゃねぇかよ。可愛がられに来たのか? 嬢ちゃん?」
「そんなわけないでしょ? 助けに来たに決まってるでしょ!」
「だめ! この人たちに関わっちゃだめだよ!」
「大丈夫だよ。少しの間、目を瞑ってくれると嬉しいな」

 そう言うと、素直に頷き、女の子は目を瞑った。そこからは一瞬だった。全員のすねを蹴り、動けないようにして、そのまま縛り上げた。

「もう大丈夫だよ」
「ありがとう! お姉さん! アランはねアランって言うの」
「どういたしまして。私は、カレンよ。どうしてあんな事になったか、聞いてもいい?」

 それから、話を聞き、簡単にすると。
 パパとママと一緒に買い物をしていたのだが、いつのまにかはぐれてしまったらしい。そこで、腕を引っ張られ、逃げようとしたが力が敵わなくて、連れていかれそうになった。そこを、私が助けたと。

「なるほどね。もう大丈夫だよ。だから、こいつらは兵士に受け渡して、君をパパとママのところに連れて行くよ」
「ほんと!? ありがとう! お姉さん!」

 それから、3人を縛り上げたものを引きずりながら、兵士の居る兵舎まで連れて行った。そこで、さっきあったことを話し、兵舎を出た。

「アランちゃん、パパとママを探す前に、何か食べない? 私お腹空いちゃった」
「えへへ~、アランも~」
「そっか、あそこに行こうか」
「うん!」

 それから、日本でいうファミレスの様なところに入り、パスタの様なものを私は食べ、アランちゃんは、ドリアの様なものを食べた。

「さて、アランちゃん。パパとママを探そうか。先ずは、アランちゃんが、はぐれちゃったところに行こうか」
「うん!」

 そうして、アランちゃんの案内ではぐれたところに着いた。

「あ! パパ! ママ!」
「あ! アラン! よかった~、無事なのね」
「よかった~。君がアランをここまで連れてきてくれたのか、ほんとうにありがとう!」
「いえいえ、当然のことをしたまでです」
「そんな謙虚にならなくていいんですよ。何か、お礼をさせて欲しいんだが、私たちの家に招待させて欲しい」
「わかりました。今から行きますか?」
「あぁ。てことで、名乗ってなかったな。私は、サランプ商会の会長をやっている。ショーン・サランプだ。よろしく」
「私は、ショーンの妻のリサ・サランプよ。よろしくお願いします」
「私は、カレンです。よろしくです」
「それじゃ、行きますか」

 驚いたな、まさか、サランプ商会の人達だったとは。
 サランプ商会とは、この世界で、知らない人は居ない。世界一の商会の名前だ。なんでも取り揃えており、サランプ商会に行けば、なんでも揃うと言われている。

「さ、ここが、我が家です」

 そう言って、現れたのは、それはそれはとても綺麗な屋敷だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。    42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。   下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。  約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。  それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。  一話当たりは短いです。  通勤通学の合間などにどうぞ。  あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。 完結しました。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

処理中です...