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勇者と魔王の本気~2~
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先ほどまで見えていたピーカックに刻まれた無数の傷は綺麗さっぱり消えていた。
「回復能力があるのはお前だけじゃないぞ」
「な、なんで私が回復能力があることを知ってるのよ!!」
「何代前の勇者かは覚えてないが、その時の勇者も回復能力を持ってたんだ。勇者の力は受け継がれるからな、どんな力を持っているかは容易に想像できる。だがまぁ、お前にもお前なりの勇者の力を持ってるんだろ? 早く見せてくれよ」
そんなものカリーナには身に覚えが無く、どうしたらいいのか分からなくなっていた。
「おい、どうした? 昔の勇者も言っていたぞ。勇者に選ばれたときに自分の力の使い方が頭に流れ込んできたって。お前をそうなんだろ?」
「……わ、私、そんなの知らない」
「は? そんなわけないだろ。勇者になるときに絶対に通る道だぞ。お前、本当に勇者か?」
ピーカックに言われ、カリーナは言葉を詰まらせていた。
「わ、私は……」
「お前が勇者である証拠を見せてみろ。その剣だけで俺と勝負しろ」
「……分かった」
カリーナは左足を前に出し、腰を落とし勇者の剣を下に構え、ピーカックは真紅の剣を肩に担ぐように構えた。
「行くぞ」
ほぼ同時に動き出した二人。それでも一瞬早かったのはピーカックだった。カリーナは攻撃から咄嗟に防御に切り替えたため無理な体制での防御になり、上からつぶされるようにピーカックの剣を受け止めた。
「うっ、く、ん……」
ピーカックは、この攻防で終わらせるために更に力を込めた。が、カリーナはその剣を滑らせるように受け流し後ろに跳んで距離を取り、そこから一息もつかず地面を蹴ってピーカックの剣の間合いまで攻め込んだ。その結果、剣を受け流され、態勢を崩されていたピーカックは反応が遅れた。
カリーナは剣を下から振り上げるように剣を振り、ピーカックのお腹に直撃した。
だが、それはピーカックの誘いだった。ピーカックの間合いに入ったことも、ピーカックのお腹に直撃したかのように見えた攻撃も、ピーカックにとっては布石でしかなかった。
カリーナの攻撃をバク転しながら避け、それと同時にカリーナの左腕を切り飛ばした。カリーナの左腕からは血が滝のように流れ出てくる。
「お前との闘い、存外に楽しめたぞ。認めよう。お前は紛れもなく勇者だ。もっと、研鑽を積むべきだったな」
ピーカックは、そのまま倒れているカリーナに剣を振り下ろした。が、もちろんそんなことはさせない。カリーナに当たる寸前に、フォレスの魔力でその剣を弾き飛ばした。
「カリーナは殺させないよ」
そして、ピーカックを遠くに吹き飛ばした。
「カリーナ。私が治してあげる」
「ありがとう。ノルメ」
「任せて。『聖女の祈り』」
ノルメは、切り飛ばされた腕を持って肩に近づけ、手をかざした。すると、ノルメの手から金色の触手のようなものが出てきて切り飛ばされた腕とノルメの肩がくっつけられた。
「凄い。これが聖女の力」
「あのー、ほんとにカリーナって勇者なの? ついでにあんた魔王なの?」
「うん」
「お前ってやつは、どんな太い神経してるんだよ」
「え、じゃあ、魔王と勇者が一緒にいるの?」
「幼馴染だからね」
「おさ、な、なじみ……?」
「そうだよ。園長が俺たちのことを育ててくれたんだ」
「魔王と勇者を一緒に育てる園長って、なにそれ……。じゃあ、お兄ちゃんも……?」
「いや、俺は唯の人間だよ」
フォレスたちの話を聞いてノルメは腰を抜かして居た。
「魔王と勇者と一緒にいること自体びっくりなのに、更に一緒にいるのが一般人って、おかしすぎるよ」
「これからは、そこに聖女も追加か」
「「だね」」
「私も、おかしな仲間たちの仲間入りなのね」
「そろそろ、いいかな?」
そこには、フォレスに吹き飛ばされたピーカックが石に座っていた。
「次は、俺が相手だ」
「今度は魔王か。これは、さっきよりも楽しめるかもな」
「一体、あいつらはどこに消えたんだよ」
「いたぞ!!」
「囲め!! 捕まえろ!!」
「!! クソ!! 警備隊の奴らか!! お前ら!!」
「おとなしくしろ!!」
「……さっきので全員やられたのか」
「そこから動くんじゃないぞ。拘束する」
「……俺は、もう、ダメか」
「洗いざらい吐いてもらうからな」
「……はぁ」
「さてと、久しぶりに外に遊びに行くか。あいつらもどうしてるかな。それに、今の時期だと、大きな祭りがやってたよな。あいつらを探す前に祭りでも楽しむか」
「魔王様の力を感知した。今から向かうぞ」
「ほんとですの!! あぁ、魔王様。早くお目にかかりたいものです」
「お前は本当に魔王様が好きなんだな」
「えぇ、昔一度だけ拝見できた時があったんですが、その時にわたくしのハートを射止められたんですの」
「そ、そうか」
「勇者様を見つけたぞ」
「本当ですか?!」
「ああ」
「それは、とても楽しみですね」
「そうだな。勇者様は一体どんなお方なのか。簡単な奴だと良いんだか」
「何か言いましたか?」
「いいえ、何も言っておりません」
「回復能力があるのはお前だけじゃないぞ」
「な、なんで私が回復能力があることを知ってるのよ!!」
「何代前の勇者かは覚えてないが、その時の勇者も回復能力を持ってたんだ。勇者の力は受け継がれるからな、どんな力を持っているかは容易に想像できる。だがまぁ、お前にもお前なりの勇者の力を持ってるんだろ? 早く見せてくれよ」
そんなものカリーナには身に覚えが無く、どうしたらいいのか分からなくなっていた。
「おい、どうした? 昔の勇者も言っていたぞ。勇者に選ばれたときに自分の力の使い方が頭に流れ込んできたって。お前をそうなんだろ?」
「……わ、私、そんなの知らない」
「は? そんなわけないだろ。勇者になるときに絶対に通る道だぞ。お前、本当に勇者か?」
ピーカックに言われ、カリーナは言葉を詰まらせていた。
「わ、私は……」
「お前が勇者である証拠を見せてみろ。その剣だけで俺と勝負しろ」
「……分かった」
カリーナは左足を前に出し、腰を落とし勇者の剣を下に構え、ピーカックは真紅の剣を肩に担ぐように構えた。
「行くぞ」
ほぼ同時に動き出した二人。それでも一瞬早かったのはピーカックだった。カリーナは攻撃から咄嗟に防御に切り替えたため無理な体制での防御になり、上からつぶされるようにピーカックの剣を受け止めた。
「うっ、く、ん……」
ピーカックは、この攻防で終わらせるために更に力を込めた。が、カリーナはその剣を滑らせるように受け流し後ろに跳んで距離を取り、そこから一息もつかず地面を蹴ってピーカックの剣の間合いまで攻め込んだ。その結果、剣を受け流され、態勢を崩されていたピーカックは反応が遅れた。
カリーナは剣を下から振り上げるように剣を振り、ピーカックのお腹に直撃した。
だが、それはピーカックの誘いだった。ピーカックの間合いに入ったことも、ピーカックのお腹に直撃したかのように見えた攻撃も、ピーカックにとっては布石でしかなかった。
カリーナの攻撃をバク転しながら避け、それと同時にカリーナの左腕を切り飛ばした。カリーナの左腕からは血が滝のように流れ出てくる。
「お前との闘い、存外に楽しめたぞ。認めよう。お前は紛れもなく勇者だ。もっと、研鑽を積むべきだったな」
ピーカックは、そのまま倒れているカリーナに剣を振り下ろした。が、もちろんそんなことはさせない。カリーナに当たる寸前に、フォレスの魔力でその剣を弾き飛ばした。
「カリーナは殺させないよ」
そして、ピーカックを遠くに吹き飛ばした。
「カリーナ。私が治してあげる」
「ありがとう。ノルメ」
「任せて。『聖女の祈り』」
ノルメは、切り飛ばされた腕を持って肩に近づけ、手をかざした。すると、ノルメの手から金色の触手のようなものが出てきて切り飛ばされた腕とノルメの肩がくっつけられた。
「凄い。これが聖女の力」
「あのー、ほんとにカリーナって勇者なの? ついでにあんた魔王なの?」
「うん」
「お前ってやつは、どんな太い神経してるんだよ」
「え、じゃあ、魔王と勇者が一緒にいるの?」
「幼馴染だからね」
「おさ、な、なじみ……?」
「そうだよ。園長が俺たちのことを育ててくれたんだ」
「魔王と勇者を一緒に育てる園長って、なにそれ……。じゃあ、お兄ちゃんも……?」
「いや、俺は唯の人間だよ」
フォレスたちの話を聞いてノルメは腰を抜かして居た。
「魔王と勇者と一緒にいること自体びっくりなのに、更に一緒にいるのが一般人って、おかしすぎるよ」
「これからは、そこに聖女も追加か」
「「だね」」
「私も、おかしな仲間たちの仲間入りなのね」
「そろそろ、いいかな?」
そこには、フォレスに吹き飛ばされたピーカックが石に座っていた。
「次は、俺が相手だ」
「今度は魔王か。これは、さっきよりも楽しめるかもな」
「一体、あいつらはどこに消えたんだよ」
「いたぞ!!」
「囲め!! 捕まえろ!!」
「!! クソ!! 警備隊の奴らか!! お前ら!!」
「おとなしくしろ!!」
「……さっきので全員やられたのか」
「そこから動くんじゃないぞ。拘束する」
「……俺は、もう、ダメか」
「洗いざらい吐いてもらうからな」
「……はぁ」
「さてと、久しぶりに外に遊びに行くか。あいつらもどうしてるかな。それに、今の時期だと、大きな祭りがやってたよな。あいつらを探す前に祭りでも楽しむか」
「魔王様の力を感知した。今から向かうぞ」
「ほんとですの!! あぁ、魔王様。早くお目にかかりたいものです」
「お前は本当に魔王様が好きなんだな」
「えぇ、昔一度だけ拝見できた時があったんですが、その時にわたくしのハートを射止められたんですの」
「そ、そうか」
「勇者様を見つけたぞ」
「本当ですか?!」
「ああ」
「それは、とても楽しみですね」
「そうだな。勇者様は一体どんなお方なのか。簡単な奴だと良いんだか」
「何か言いましたか?」
「いいえ、何も言っておりません」
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追記:2025/09/20
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