41 / 147
勇者と魔王の本気~3~
しおりを挟む
リュクスとピーカックが向かい合い十数秒。二人は動かない。フォレスたちは二人の攻防の余波を受けない、ちょっと遠くに避難した。フォレスは魔力の防壁を張って気軽に観戦できるようにした。
「ここら辺りだったら大丈夫かな」
「それより、なんで私の腕が切り飛ばされる前に助けてくれなかったの?!」
「え、あれぐらいどうにかしないと、これから生き残れないかって思って……」
「ん~! そんなの言い返せないじゃん!!」
「ちょ、痛い、痛い」
カリーナは、フォレスのことをポカポカ殴ってる。見た目は痛そうじゃないが、曲がりなりにも勇者のポカポカだ。普通に痛い。
「ほら、それよりもそろそろ始まるよ。二人とも見てなよ。これが、この世界の頂点と頂点の戦いだよ」
二人が、リュクスとピーカックの方に向き直った直後。リュクスたちは動き出した。
リュクスは槍を突き刺し、ピーカックは剣で槍の先をひねるように動かし槍を落とし、そのまま槍に沿って切り上げた。リュクスは槍を下に落とされ体が前屈みになっていた。後ろに避けることは出来ない。だから、そのまま前に倒れこんだ。ピーカックの剣は倒れこんだリュクスの髪の毛をかすって宙を切った。リュクスはそのまま前転でピーカックの後ろに回り込んだ。
「初めてだよ。俺の突きをあんな風に返されたのは……」
「あんなのできて当たり前だぞ。まさか、おまえもあいつと同じ強さじゃないよな?」
「はっ! 俺をあんな雑魚勇者と一緒にするなよ」
「はぁ~?? ちょっと聞きました? あいつ私のこと雑魚ですって……。後で絞めてやる」
そして、始まった戦いは先ほどの戦いでピーカックが手を抜いていたのでは? と思わせるほどだった。
膝を付いている状況から立ち上がり際に槍を逆手に持ち替え、ピーカックに背中を向けながら槍を突き刺した。お互いに背中合わせだったこともあり、リュクスの攻撃はピーカックには見えていない。けれど、ピーカックはその攻撃をひらりとかわし、リュクスの顔面を回し蹴りで蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた場所にクッション的な山は立っておらず、そのまま飛んでいく。しかし、飛んでいくベクトルがいきなり変わった。ピーカックが回り込んで上に蹴り上げたのだ。空高く蹴り上げられたリュクスはピーカックのかかと落としが顔面に直撃し、背中から地面に落ちた。
「ひっ!」
それを見たノルメから小さく悲鳴が聞こえた。
「もしきついなら、少し目、瞑っててもいいよ」
「う、ううん。頑張る」
背中から落ちたリュクスはむくりと起き上がった。それの少し遠くにピーカックは着地した。
「なかなかの攻撃だった。けど、俺に傷をつけるまではいかなかったな」
「ハハッ、いいねいいね。そう来なくっちゃ楽しめないよな」
「悪いな。お前に楽しませる余裕はもうないぞ」
「!!!!」
いつの間にかピーカックの真横に移動していたリュクスはピーカックの頭を掴んで膝蹴りを喰らわせた。一瞬だけピーカックの意識はそこで途切れ、次の瞬間には全身に黒い魔力が鎖のように巻き付き全く動けないようにされていた。
「久しぶりに本気出したけど、楽しかったよ」
「くそ、もっとやりたかった」
「俺もだ」
「何言ってる。お前なら、あいつといつでも本気で戦えるだろ?」
「やめろ。フォレスは俺が敵う相手じゃない」
「嘘だろ? この俺様を気絶までさせたお前が敵わない? まさか、俺様が想像してたよりもあいつ強いのか?」
「戦ってみるか?」
「いいのか?」
「ちょっと、待ってろ」
二人の動きが止まったなと思ってみていると、リュクスがこっちに跳んできた。
「どうしたの?」
「あいつ。フォレスと本気で戦いたいんだって。ちょっと戦ってくれない?」
「え、俺あんまり戦いたくないんだけど」
「そこを何とか!!」
ここまで食い下がるリュクスは初めて見たけど、戦うのがそこまで好きじゃない俺は今まで見たことのない嫌な顔をしていただろう。
「頼む!!」
今まで赤子からずっと一緒に過ごしてきた訳だが、頭を下げたリュクスを見たのは初めてだった。
「わ、分かったよ」
「助かる」
そう言い残して、リュクスはピーカックの元に戻っていった。
「なになに? フォレス戦うの?」
「……うん」
「凄い嫌そう」
「お兄ちゃんの戦い。興味あります」
「ノルメも? はぁ、しょうがない、やるか」
数分後。俺とピーカックは向かい合った。
「悪いな。魔王がお前には敵わないって言うもんでな、その強さちょっと見たくなったんだ」
「あまり、期待しないでほしいんだけど。どっちかというと、二人の暴走を止めるための力しか持ってないんだ」
「は、魔王と勇者二人を同時に止めるなんて、やっぱりお前凄い強いんだな。行くぞ」
ピーカックが剣を握り締め、俺に向かってくる。俺はそれを動かずに見続ける。そして、俺に当たる直前にその剣を掴んだ。
「っ!?!?」
「そろそろ、帰りたいんだ。お祭りも楽しみたいし。だから、ごめんね」
そして、魔力を拳に集めて殴った。初めてやったその攻撃に地面は半径十メートルのクレーターが出来上がった。
「力加減考えないと……」
それから、五分後。気絶から起きたピーカックは開口一番
「俺を、仲間にしてくれ。いや、弟子にしてくれ!!!」
そう言ってきた。だから……もう一発ぶんなぐっておいた。
「ここら辺りだったら大丈夫かな」
「それより、なんで私の腕が切り飛ばされる前に助けてくれなかったの?!」
「え、あれぐらいどうにかしないと、これから生き残れないかって思って……」
「ん~! そんなの言い返せないじゃん!!」
「ちょ、痛い、痛い」
カリーナは、フォレスのことをポカポカ殴ってる。見た目は痛そうじゃないが、曲がりなりにも勇者のポカポカだ。普通に痛い。
「ほら、それよりもそろそろ始まるよ。二人とも見てなよ。これが、この世界の頂点と頂点の戦いだよ」
二人が、リュクスとピーカックの方に向き直った直後。リュクスたちは動き出した。
リュクスは槍を突き刺し、ピーカックは剣で槍の先をひねるように動かし槍を落とし、そのまま槍に沿って切り上げた。リュクスは槍を下に落とされ体が前屈みになっていた。後ろに避けることは出来ない。だから、そのまま前に倒れこんだ。ピーカックの剣は倒れこんだリュクスの髪の毛をかすって宙を切った。リュクスはそのまま前転でピーカックの後ろに回り込んだ。
「初めてだよ。俺の突きをあんな風に返されたのは……」
「あんなのできて当たり前だぞ。まさか、おまえもあいつと同じ強さじゃないよな?」
「はっ! 俺をあんな雑魚勇者と一緒にするなよ」
「はぁ~?? ちょっと聞きました? あいつ私のこと雑魚ですって……。後で絞めてやる」
そして、始まった戦いは先ほどの戦いでピーカックが手を抜いていたのでは? と思わせるほどだった。
膝を付いている状況から立ち上がり際に槍を逆手に持ち替え、ピーカックに背中を向けながら槍を突き刺した。お互いに背中合わせだったこともあり、リュクスの攻撃はピーカックには見えていない。けれど、ピーカックはその攻撃をひらりとかわし、リュクスの顔面を回し蹴りで蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた場所にクッション的な山は立っておらず、そのまま飛んでいく。しかし、飛んでいくベクトルがいきなり変わった。ピーカックが回り込んで上に蹴り上げたのだ。空高く蹴り上げられたリュクスはピーカックのかかと落としが顔面に直撃し、背中から地面に落ちた。
「ひっ!」
それを見たノルメから小さく悲鳴が聞こえた。
「もしきついなら、少し目、瞑っててもいいよ」
「う、ううん。頑張る」
背中から落ちたリュクスはむくりと起き上がった。それの少し遠くにピーカックは着地した。
「なかなかの攻撃だった。けど、俺に傷をつけるまではいかなかったな」
「ハハッ、いいねいいね。そう来なくっちゃ楽しめないよな」
「悪いな。お前に楽しませる余裕はもうないぞ」
「!!!!」
いつの間にかピーカックの真横に移動していたリュクスはピーカックの頭を掴んで膝蹴りを喰らわせた。一瞬だけピーカックの意識はそこで途切れ、次の瞬間には全身に黒い魔力が鎖のように巻き付き全く動けないようにされていた。
「久しぶりに本気出したけど、楽しかったよ」
「くそ、もっとやりたかった」
「俺もだ」
「何言ってる。お前なら、あいつといつでも本気で戦えるだろ?」
「やめろ。フォレスは俺が敵う相手じゃない」
「嘘だろ? この俺様を気絶までさせたお前が敵わない? まさか、俺様が想像してたよりもあいつ強いのか?」
「戦ってみるか?」
「いいのか?」
「ちょっと、待ってろ」
二人の動きが止まったなと思ってみていると、リュクスがこっちに跳んできた。
「どうしたの?」
「あいつ。フォレスと本気で戦いたいんだって。ちょっと戦ってくれない?」
「え、俺あんまり戦いたくないんだけど」
「そこを何とか!!」
ここまで食い下がるリュクスは初めて見たけど、戦うのがそこまで好きじゃない俺は今まで見たことのない嫌な顔をしていただろう。
「頼む!!」
今まで赤子からずっと一緒に過ごしてきた訳だが、頭を下げたリュクスを見たのは初めてだった。
「わ、分かったよ」
「助かる」
そう言い残して、リュクスはピーカックの元に戻っていった。
「なになに? フォレス戦うの?」
「……うん」
「凄い嫌そう」
「お兄ちゃんの戦い。興味あります」
「ノルメも? はぁ、しょうがない、やるか」
数分後。俺とピーカックは向かい合った。
「悪いな。魔王がお前には敵わないって言うもんでな、その強さちょっと見たくなったんだ」
「あまり、期待しないでほしいんだけど。どっちかというと、二人の暴走を止めるための力しか持ってないんだ」
「は、魔王と勇者二人を同時に止めるなんて、やっぱりお前凄い強いんだな。行くぞ」
ピーカックが剣を握り締め、俺に向かってくる。俺はそれを動かずに見続ける。そして、俺に当たる直前にその剣を掴んだ。
「っ!?!?」
「そろそろ、帰りたいんだ。お祭りも楽しみたいし。だから、ごめんね」
そして、魔力を拳に集めて殴った。初めてやったその攻撃に地面は半径十メートルのクレーターが出来上がった。
「力加減考えないと……」
それから、五分後。気絶から起きたピーカックは開口一番
「俺を、仲間にしてくれ。いや、弟子にしてくれ!!!」
そう言ってきた。だから……もう一発ぶんなぐっておいた。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!
飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。
貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。
だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。
なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。
その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。
ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。
そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。
荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。
このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。
ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。
ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。
ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。
さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。
他サイトにも掲載
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる