幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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テントの中で

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 僕たちは転移の魔法陣で外に出た。

 昔はこんなものもあったのかと驚いている間に遺跡の入り口に転移していた。

「……何やってるの?」
「あ? 帰って来てたのか。見てわかるだろう。筋トレだ」
「うん。それは分かるんだけど、なんで筋トレしてるだけで地面そんなに凹んでるの?」

 戻ってきてピーカックをすぐに見つけることが出来たのは良いけど、この状況に着いていけてない。
 意味が分からない。

 聞いても、ろくな返事は貰えず「知らん」と、それだけ言われた。

「うん。分かった。それじゃ、次の目的地に移動しようか」

 次の目的地は鉱山が近くにあって宝石などが沢山採取できる街『ジューエルース』だ。
 今いる遺跡から馬車でおよそ十日~二週間掛かる予想だ。

「悪いけど、その間は野宿か近くの村に宿屋とか有ったらそこに寝泊まりすることになるからね」
「……そ、そんな」

 カリーナは相変わらず野宿は嫌いで文句たらたらだ。一回楽しんでくれてたのに……

「野宿はヤダ、野宿はヤダ。髪の毛ゴワゴワするし、地面硬くて寝ずらいし、夜のお話は楽しいけど、野宿は嫌なの」

 そうは言っても、旅をしているんだから野宿はしょうがない。

 ここは、ノルメに助けてもらおう。

「カリーナ。私はカリーナとの野宿すごく楽しみなんだ、いっぱいお話したいんだけど、カリーナは嫌?」
「い、嫌じゃ……ない」

 ノルメの言い方はズルいけど、カリーナはまんざらでもないようで照れたように顔を赤くしていた。

「……カリーナ」
「……ノルメ」

 二人は、今にもキスしそうな勢いで顔を見つめあっていた。
 何とも、邪魔できない雰囲気だが、咳払いして二人の空間を切り裂いた。

「二人ともいちゃついてないでカリーナ、馬車出して」
「え、あ、う、うん。でも、馬いないよどうするの?」

 リュクスが呆れた口調で淡々とカリーナに話しかけていた。
 僕たちが乗っていた馬車はカリーナの『収納』に入っているが、馬は入っていない。と言うか、魔族が襲ってきた時に馬は逃げて行ってしまっている。

「あーそっか。馬買うまでは歩きでの移動だね」
「……だったら、さっきの街に戻って馬買おうよ」
「それなんだけど、ボルケイノには馬いなかったんだよね」

 最後の三日間、馬車の馬が居ないか見て回ったがそんなお店は無かった。
 一体どうしてなんだ……

 先ほど言った次の街までの日数は、場所での移動の場合だ。
 歩きだと二十日から一か月ぐらいかかる。結構遠い場所だ。

 それをみんなに伝えるのは結構難しい。リュクスと院長とピーカックには伝えても「わかった」の一言で済むと思うけど、カリーナとノルメはなんて返事するか分からない。
 けど、伝えなかったら後でばれたとき更に怖いことになりそう。

「あのさ、みんないいかな?」
「どうしたんだ? フォレス」
「えっとね、みんなさっき言った日数だけど、馬車での移動の場合なんだよ。その、凄く言いにくいんだけど徒歩での移動だと三十回夜を過ごさないといけないんだけど、大丈夫?」

 僕の予想通り三人は「分かった」で簡単に了承してくれたけど、ノルメとカリーナが渋っている。

「多分だけど、道のりに村とかあると思うし、商人も使う道だから宿もあると思うからずっと野宿って訳じゃないと思う」

 それで、何とか、何とか! 了承してくれた。

 少し移動してから空が暗くなってきた。

 『収納』からテントなどを取り出し、夜ご飯を食べ終え今は就寝についていた。

 もちろん、女子と男子でテントは分けてある。男子は2:2で僕とリュクス、院長とピーカックで分けている。

 そして、こんな風に分けられると大人の二人以外はテンションが上がる。
 所謂、修学旅行の深夜テンションだ。

「カリーナ、もしこの中で付き合うならだれが良い?」
「そんなの決まってるよ。フォレスだよ」
「やっぱり」
「そういうノルメは誰が良いのさ」
「え~、私は、そうだな……お兄ちゃんはお兄ちゃんはだし、魔王は論外でしょ。そうだな、院長かな」
「うそ~!? まじ?」
「うん。あの、頼れる大人って感じが良いんだよ」
「へー、そうなんだ」

 少しの沈黙が流れノルメが口を開いた。

「……私が、みんなに言えない秘密を持ってたら、カリーナどう思う?」
「どうも思わないよ。誰にだって言えない秘密はあるもん。私だって、リュクスだって、フォレスにだって、院長にも、ピーカックにもあるよ。もし、急がない秘密なら私たちは待ってるよ」
「……ありがと」
「? なにか言った?」」
「ううん。何でもないよ。お休み、カリーナ」
「うん。お休み」

 私の気持ちが固まったら絶対に言うからね。それに、あれも探さないといけない。まさか、あんなところにあるなんて……お父様、お母様、わたくしは見つけ出します。絶対に……!!




「リュクス」
「なんだよ」
「リュクスは、いずれ魔王になるの?」
「どうしたんだよ、いきなり」
「いやさ、この楽しい旅もいつかは終わるじゃん。そしたら、リュクスは魔王になって世界をどうにかするのかなって思ってさ」
「う~ん、今のところはそんな予定はないかな」

 リュクスは、寝る準備で目を閉じた。

「それに、もし俺が魔王になったらフォレスとカリーナで倒しに来るだろ。勝てないからな~魔王になる意味が無いんだよな」
「僕が、リュクス側につく可能性は考えないの?」
「考えないよ。フォレスは根っこから優しい奴だからな、それに、カリーナを一人で動かしたらどうなるか、 考えただけで魔王城で待ってるこっちですらそわそわしちまう」

 そして僕たちは眠りについた。

 次の日の朝、日の出と共に起床した。
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