幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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メイドの過去①

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 私は、元ノウェール王国の国民でした。数年前の戦争でノウェール王国は無くなりドラゴレイン王国に取り込まれ、今ではドラゴレイン王国の国民です。

「メインド、ちょっといいかしら」
「はい、なんでしょうかお嬢様」

 私は以前ノウェール王国の王様の娘、センリお嬢様に使えていました。今は、どこで何しているのか分かりませんが、楽しく暮らしているといいですね。

「私、外に出たいわ」
「ダメです、お嬢様」
「えー、なんでよ」
「お嬢様の病は外に出ることが危険だからです」
「んー、それじゃ、いつもみたいに昔の冒険者時代の話をしてよ」
「分かりました。ではその前に、紅茶とお菓子を持ってきますね」

 ーー今日は、何の話をしましょうか?

 考えながら紅茶の準備をしていると、同じメイド仲間の方に話しかけられました。

「ねぇねぇ、メインドってどうしてメイドになったの?」
「……」
「私はね……」

 この方は、人に質問しておいて自分語りを始める少し厄介な方です。お嬢様も待っているので急ぎましょう。

「すみません、お嬢様がお待ちなので失礼します」
「あら、そうだったの、ごめんなさいね。貴方も大変ね」

 メイドとあろうものが、仕えている屋敷の人の嫌味を言うなんて、メイド失格です。

 お嬢様は、自分の持っている病のせいで日にあたることが出来ません。なので、部屋に居る間はカーテンは閉めて外に出ることはありません。外が明るい時間に遊ぶことが出来ない。お嬢様にとってどれだけ大変だったことか……。

 それを知っていながらこんな態度、万死に値します。
 ……コホン、それはさておきお嬢様のところまで急がないといけませんね。

「お待たせしました」
「もう、遅いわよ! 何していたの!?」
「少しお話を……」
「そう、同じメイドとの交流は大事よ。さ、速くお話をお願いしするわ」
「そうですね。では、私がメイドになったきっかけのお話をしましょう」
「何それ!? 凄く気になるわね」

 あれは、内気な性格もありソロで冒険者をしていて、『氷結の孤独』と呼ばれていたときの話です。

 普通冒険者はパーティーを組んで動くのが普通です、それぞれが何かしらの雑務をこなしたり斥候として進む道の情報をパーティーに教えたり、野宿をするときの料理係だったり、だけど私はそれを一人でこなしていた。

 それもあって、今こうしてメイドとして働けてるからいいんだけどね。

 そうして、ソロで活動しているといろいろと危機的状況に陥ることも多々ある。一人だから怪我をしても誰も助けてくれない。どんな強敵も一人で倒さないといけない。
 そんな感じに一人で活動していたある日、前日まで動きっぱなしで注意が散漫になっていたとき、小さな違和感に気づけなかった。
 私は、オーガの群れの中心まで進んでいたときがあった。

 いつもの私ならオーガの群れぐらい簡単に倒せるが、その時は疲労なども重なり全力の10%ぐらいしか出せなかった。
 そして私は、死にかけた。左足を折られ、両腕を折られ、満身創痍だった。それでも、利き足の右足でピョンピョン跳ねながら魔法で倒して何とか生き残っていた。

 それでも、全部倒した。と、油断していた。オーガは強靭な肉体が物凄くうざい。「倒したと思ってもとどめを刺せ」。冒険者全体に伝わるオーガの注意点だ。それを私は忘れていた。いつもならそんなことをせずとも倒せていたからだ。

 背後で起き上がったオーガに気が付かなかった。渾身のこん棒の攻撃をまともに喰らった。私はそれで意識を飛ばされてしまった。

 次に目を覚ましたのは知らないベットの上でした。

「ここは……?」

 起き上がって、周りを見ていると子供の小さな声が聞こえてきました。

「おいしょ、おいしょ」

 桶に水を溜めて持ってきてくれたようです。

「あ、おきました!?」
「えっと、ここは?」
「ここは……どこでしょう? ちょっときいてきます」

 てくてくと歩きながら部屋を出て行ったと思ったらすぐに戻ってきました。
 メイドさんを連れてきました。

「ここは、ノウェール王国です」
「……ノウェール王国」
「貴女は、どこ出身ですか?」
「……私はクリエイ王国で冒険者をしていました」
「そうですか。まぁ、今はここでゆっくり傷を癒してください。色んな所が骨折れていますから」
「分かりました。お言葉に甘えさせてもらいます」

 メイドさんと話し終わると、私の袖を掴んでこっちを見ているその女の子に気が付きました。

「あの、この子は?」
「この子は、センリ・ノウェール。この国の第一王女です」
「……それじゃあもしかして、ここって……ノウェール王城?」
「はい。そうですね」

 驚いている私の顔を覗き込むようにして、ニコッと笑いました。
 そして私は、初めての恋に落ちました。
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