幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

文字の大きさ
67 / 147

居なくなった二人

しおりを挟む
 いくつかのグループに分かれてこの街を探索した僕たちは、宿屋に集合していた。

「さて、明日からなんだけど、明日は一日お休みにして自由行動。明後日に王都に向けて出発ってことで良い?」

 そして、次の日。僕たちはそれぞれの思う休日を過ごしていた。

 僕は院長に向けての手紙を書き残していた。
 もし、ここに院長が寄った時に僕たちが何処に向かったのかを知らせるための手紙を書いていた。すると、

「何書いてるの?」
「院長への手紙だよ」
「院長への?」
「そうだよ。僕たちが何処に向かっているのかを知らせるための手紙だよ」
「あー、そうなんだ」
「それより、カリーナ」
「ん? なにか?」
「近くないですか?」

 床に正座して手紙を書いていたんだけど、隣にカリーナが寄り添ってきた。べったりとくっ付いてきている。

「そんなことないよ。それより、続き書いてよ」
「はいはい」

 それより少し前、院長はというと……

「エリア居るか!?」

 院長は僕たちが初めて立ち寄った街、メッチァルまで来ていた。とあるものを借りるか貰うためだ。

「だ、誰だ貴様!?」
「まぁまぁ、良いじゃないか。エリア出してくれない?」
「!? 領主様を呼び捨てにするなんて、不敬罪だぞ!!」
「あー、それはすまん」
「おい! 何の騒ぎだ!?」

 屋敷の広間で警備と騒いでいると目的の人が出てきた。

「領主様!! 来てはダメです!!」
「お、エリア! 久しぶりだな!!」
「え、ナオレインさん!? 何してるんですか!?」
「よ!」
「りょ、領主様!? お知合いですか!?」
「あー、そうだな。みんな、すまない。この人は私の知人なんだ。客間に通してくれ。私は少し用意してから向かう」

 エリアが奥に消えていくと、警備の人たちが院長に続々と謝っていた。

「申し訳ありませんでした。まさか、領主様のお客人だったとは……」
「いや、こっちも何もアポを取っていなかったからな。申し訳ないことをした」

 それから少し待っていると、執事がやって来た。

「ナオレイン様。ご用意が出来ました。こちらへどうぞ」
「ありがとう」

 通された客間でエリアが来るのを菓子をつまみながら待っていた。
 扉がノックされて、エリアが入ってきた。

「お待たせしました。それと、これから三時間はこの部屋の音が漏れる場所への立ち入りを禁止する。これは命令だ」
「は! 畏まりました」

 執事が出て行くと、エリアはナオレインの正面に座った。

「それで、何の用ですか?」
「いやー、それの前に、あいつらが相当お世話になったな」
「あいつら? 誰ですか?」
「あれ、ここに寄ってないか? フォレス、カリーナ、リュクスって子供三人」
「あー! もしかして!?」
「そうそう。あれ、俺の孤児院の子たちなんだよ」
「だからですか。やっと謎が解けましたよ」

 エリアの中にあったなんでこの三人が? といった疑問が今消えた。

「いやもー、あの時は物凄く驚いたんですよ!! 勇者と魔王が一緒にいることにまず驚きました。そしたら、その二人を制御する唯の少年。貴方の孤児院の子なら納得ですよ」
「そのことにつては俺も驚いている」
「え!? そうなんですか!?」
「一体なぜ、こんなことになったのか?」

 それからも、三人の思い出話で盛り上がって一時間ほど話し込んでしまっていた。

「そ、それで、何の用で来たんですか?」
「あ、そうそう。フォレスに見せてあげた本、あるだろ? あれ、くれない?」
「は?! 無理無理無理!! いくらナオレインさんでも無理ですよ!! あの貴重な資料を上げることなんてできないですよ」
「あー、じゃぁさ、永久的に貸してくれない?」
「……は?」
「あ、それと、ここであったことは全部把握している。あいつが作ったカリーナのクローンはどうなった?」
「…………分かりました。永久的に貸し出します」
「ん、ありがとうな」

 そして、あの本を手にしてナオレインはフォレスたちのいる場所に向かって足を進めた。




「よー、お前ら」
「何よ。あんた、私たちをこんなところに呼び出して」
「面白れぇ奴らを見つけたんだよ。話ぐらい聞いて行けよ」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。 貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。 だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。 なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。 その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。 ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。 そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。 荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。 このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。 ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。 ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。 ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。 さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。 他サイトにも掲載

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...