幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

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『ヘルヘイム』の過去とシュルイとの出会い②

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 スライムの変異種シュルイと出会い、『ヘルヘイム』は変わった。
 以前は、自分こそ魔王に相応しいと鍛錬、鍛錬、鍛錬の生活を送っていた。
 それが今では、自分のことを第三者の目線でものを言ってくれるシュルイが現れて、自分の何が足りていないのかを的確に指摘してくれて、休む大事さを教えてもらった。

「ずっと気を張っているのは大変なので、私と家にいる間は休んでください」

 と言われた。
 それからというもの、鍛錬への身の入りが依然と全く違う。

「『ヘルヘイム』様は一撃で相手を倒すことを考えすぎです。もっと、柔軟に周りを見て、徐々に相手に傷を増やしていくかを考えてください。それと、わざと一撃を貰う癖もやめてください。心配してしまいます」
「わ、分かった。すまない、もう一回付き合ってくれ」
「良いですよ」

 それから、三年の時が経過して、遂にこの時が来た。

「魔王様の復活だ」
「『ヘルヘイム』様はもう言わないんですか? 俺様が魔王になるんだ! って」
「俺の真似して言うんじゃねぇ。だが、まぁ、もう言わんさ。お前と一緒にいる間に考えた。俺様が、人の上に立つ存在なのかってな。答えは否だ。俺様は魔王に地獄から引っ張り出されるまで一人だった。そんな奴が、人の上に立って命令を出したり出来るのかよってな……」

 『ヘルヘイム』も自分で考えていた。命令をした部下が何か失敗をした時のことを考え、何も良い訳も聞かず殺してしまうんじゃないかと、実際『ヘルヘイム』が四天王をやっていたころは日常茶飯事だった。

「だからな、俺様には向いていない」
「そう、ですか。では私も、『ヘルヘイム』様に付いて行ってあげますよ」
「は? お前は家で俺様の帰りを待っていろ」
「あ? そんなこと出来るわけありませんよ。私も一緒に勇者を倒します。この国の平和のために、貴方の為に……」

 そして、二人は唇を重ねた。
 だが、事態は急変した。魔王が魔族領の中に居なかった。
 初代魔王様を除けば、魔王は転生を繰り返している。
 気が付いたときには、魔王城にいて人族の領地を攻めるために案を考えていた。
 けれど、その魔王城に魔王様は一行に現れなかった。
 その状況に、魔族領に住む魔族たちは混乱していた。

「何故、魔王様は現れないんですか!」
「魔王様、何処にいるの!?」
「魔王様! 魔族領をお救いください!!」

 そんな、民たちの声も魔王様には聞こえない。
 何故なら、フォレスという人間とカリーナという勇者と一緒に昼寝をしているからだ。

「『ヘルヘイム』様」
「……あぁ、分かっている。少し考えるから待っていてくれ」

 魔王は産まれた。そして、勇者も産まれた。人間の中で成長を早める魔法を創りだした奴がいるという話は聞かない。ならば、十年~十五年はまだ平和だ。勇者が成長しないことには魔王を討てないからだ。

「もし、このまま、魔王様がここに現れなかったら、俺様が魔王の変わり、魔王代理になる」
「その時はお供します。魔王様」
「あぁ、その時は頼む。出来れば、そんな未来、来ないことを願うがな」

 それから数年後。なんと、勇者と魔王が一緒にいるという情報と似顔絵が世界中に配られた。

「……魔王様」
「『ヘルヘイム』様、どうか、ご決断を」
「シュルイ、お前は何処までも付いてきてくれるか?」
「もちろんです。どこまでもお供します」

 そして、『ヘルヘイム』は魔王城の扉を開けた。

「これからは、元四天王の俺様が魔王として魔族領を統治する。異論がある奴は掛かってこい」

 掛かってきた全員を返り討ちに合わせて、魔王の椅子に座った。
 けれど、今の魔王軍は存在はしているがあってないようなものだった。
 魔族領の治安を維持するだけだった。だから、戦闘訓練すらまともにやっているものは居なかった。

「それじゃ、魔王軍の兵士を集めろ、今から戦闘というものを叩き込んでやる」

 『ヘルヘイム』は鬼教官として、魔王軍の兵士の底上げを行った。

 そして、『ヘルヘイム』は地図と種族の勢力などを見て、エルフの森に目を付けた。

「エルフは昔から、勇者に何かしらの恩恵を与えている。魔王が負けた要因にエルフが入っていることが多々ある。俺たち魔王軍はエルフの森を焼き払う。それが、最初のミッションだ」

 そして、今に至る。

「シュルイ、お前の分まで俺様はやり遂げる!」
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