幼馴染みの2人は魔王と勇者〜2人に挟まれて寝た俺は2人の守護者となる〜

海月 結城

文字の大きさ
101 / 147

レイさんの美貌

しおりを挟む
 リュクスと喧嘩別れをし、僕たちはエルフの民たちの護衛任務を終えた。

「それでは、お主たち、旅の結果が良いものであることを願う」
「ありがとうございます、リルーゼさん」
「そんな堅苦しい名で呼ぶでない。リゼと呼んでくれていいぞ」
「分かりました。リゼさん、旅が終わったらまた会いに来ますね」
「うむ、その時は快く歓迎しよう。おっと、そろそろ行かないと、老人たちが騒ぎ始めてしまう。ではな!」

 手を振りながらリゼさんは後ろに下がっていくと、一定の場所に辿り着くと姿が消えた。
 リゼさんが作った結界の中に入ったのだろう。

「それじゃ、次は何処に行こうか。カリーナ、『収納』からあの本出してくれない?」
「うん、えっと、これだね」

 メッツァルさんから、院長が持ってきた本には三つ目の遺跡の場所が書いてあった。

「えっと、今いる大陸の名前が「プレルンクエ」だから、次の目的地は「フォーティス」だな。リュクスはそれで……いないんだったな。ごめん、みんなはそれでいい?」

 全員からの承諾を得て僕たちは歩き出した。

「「フォーティス」ってこの大陸とは別の大陸ですよね。確か、獣人族が住処としている場所がある大陸ですよね?」
「私も聞いたことがあります。確か、海を渡る場所にあるとか」
「え!? ってことは、私たち船に乗れるの?」

 3人は嬉しそうに、海や船について話していた。
 いつもなら、こういったタイミングでリュクスと話すのだが、今はいないことをついつい忘れてしまう。

「それじゃ、海に向かって出発するか」

 そうは言っても、僕たちは海が何処にあるのか分からない。
 近くの村や町を目指すことにした。
 幸いなことに1日歩いた場所に町があった。

「身分証の提示をお願いします」

 門番に身分証を見せて、中に入ろうとした時レイさんが止められた。

「申し訳ない。身分証が無いと中には入れないんだ」
「この後、冒険者ギルドに登録しようと思ってたんですけど、ダメですか?」
「それなら、問題ないが、ギルドカードを作り終えたらもう一度この門を尋ねてくれ。だが、この国ではそれで通ってもほかの国だと、そうもいかないからやっぱり作っておくほうが良い、役所にも行っておけよ」
「分かりました」
「それじゃ、頼んだぞ」

 その町に入ると、住民たちからの視線が凄いことに気が付いた。
 注目の的はもちろんレイさんだ。
 殆ど見ることの出来ないエルフであり、絶世の美女であるレイさんは男であれば3度見や見惚れて目で追い続ける。女性であっても、嫉妬なんてするほど無駄だと思うほどだ。
 そんな女性が自分たちの町に現れたら目で追ってしまうのはしょうがない。
 それからも、視線に耐えながらギルドに向かった。
 ギルドに入ると、いつも通り迎え入れてくれた。

「いらっしゃいませー。本日はどの様な用件でしょうか?」
「こっちの人のギルドカードを作りたいんですけど」
「はーい、わか……り……まし……た……」

 そう言って、受付嬢の女性は固まってしまった。
 レイさんに見惚れてしまっている。

「フォレスは、あれにはならないよね?」

 その光景を見ていたカリーナが物凄い威圧感で僕に問いかけてくる。

「大丈夫だよ。だって、レイさんよりも可愛い人をずっと傍で見て来たんだから」
「そ、それって……」
「コホン、受付嬢さん~!」

 レイさんに見惚れている受付嬢さんの目の前で、手を振ってみても何の反応も示さない。
 どうしようかと悩んでいると、他の受付嬢が走ってきてレイさんに見惚れている受付嬢の頭を殴った。

「馬鹿! 何やってるのよ」
「せ、先輩、見てくださいよ」
「え? なに……を……え?」

 そして、新たに来た受付嬢もレイさんに見惚れてしまった。
 ループって怖いよね。
 このギルドはレイさんに美貌に全滅してしまった。
 門番の前ではフードを被っていて顔が全部見えていなかった。けれど、ギルドへの登録という事もあってフードを脱いでいたのだ。それが、仇になってしまった。

 このギルドは全滅してしまったので、翌日再びギルドに戻ってきた。
 前日のことがあったので町中で狐型のお面を買ってレイさんに付けてもらった。
 ギルドに着くと受付嬢全員から頭を下げられた。

「昨日は、申し訳ございませんでした!」
「皆様、気にしなでください。私も、まさかあんなことになるなんて思いもしなかったので、私にも落ち度はあります。なので、これからはこの仮面を付けながらで失礼しますね」

 この仮面のお陰でレイさんのギルド登録が滞りなく進むことが出来た。
 が、仮面のレイさんを見た受付嬢は物凄く落ち込んでいた。
 本当に良かったと思う。あの時、ギルドに受付嬢以外の人がいなかったことを……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...