世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月 結城

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side〜カナハルム〜  正体

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 カナハルムがある一行を助けてから1日が経ち、今はクリシュール王国のハンゴナンに来ていた。ルークはこの王国の王都だ。

「ここも、結構大きな壁があるんですね」
「そうですね、魔物が多い地域ですからね」

 ハンゴナンに着いて、検問待ちだ。これが暇でしょうがない。だから、こうして親睦を深めている。

「そういえば、貴女はなんで馬車で移動していたんですか?」
「え、あー。少し用事がありまして」
「ふーん。そうですか」

 カナハルムは、何か隠しているとは察してはいたが、それがなんなのかは今は分からなかった。

「そろそろ、検問です。ご準備を」

 ダルが、そう言ってきた。

「わかりました。カルさん。身分を証明できるもは持っていますか?」
「ギルドカードならありますけど。これで大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ」

 そうして、自分たちの順番がやってきた。

「身分を証明できるものは?」

 衛兵にそう問われ、カルはギルドカードを、ダルさんとユリーカさんは顔パスで通ることができていた。何者なんだろ?

 そうして、また少し馬車に揺れながらハンゴナンの街中を走っている。

「顔パスで検問を通れるって何者ですか?」
「ふふ、まだ秘密です。あと少しでわかりますから、少しの間、考えていてください」

 カルは、いくつか候補を考えていた。考えている間にユリーカさんの目的の場所に着いた。

「ここって、教会?」
「あ、聖女様? お帰りになられたんですね!」

 教会から、一人の男性が出てきて、そう言った。

「はい、ただいま戻りました」
「え? 聖女様?」
「そうですよ、カルさん。私は、聖女ユリーカ・ケンブルームです」

 たしかに、回復魔法を使ってたから、予想は出来たんだろうけど、カナハルムには全然分からなかったようだ。

「僕、聖女様を助けてたんですね」
「聖女様なんて、やめてくださいよ。ユリーカとお呼びください」
「ゆ、ユリーカ様?」
「ユリーカです!」
「は、はい! ユリーカさん。これが限界ですよー」
「はぁ、しょうがないですね」

 別れの挨拶をして、僕は、ハンゴナンのギルドに向けて歩き出した。

「この街も、活気あるなー」

 今は、お昼頃になるので、みんなお昼ご飯を食べるためにお店を探したり、お客を入れるために、大声で叫んだり、いろんな人たちがいる。
 いろんなところに目を移しながら歩いていると、剣を二つクロスさせた様な、ギルドのマークを発見した。
 中に入ると、酒を飲んでる冒険者、受付嬢から目を向けられた。この視線には慣れない。

「初顔ですね。よ「おい!」」

 せっかく受付嬢が挨拶をしてくれてたのに、横槍が入った。
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