世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月 結城

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ルークの過去V

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 エルフの女性を待って三週間。ルークは暗殺されかけている。

「おいおい、それはないだろう。俺は、よっと、危ねえ。ただ夢を叶えに来ただけなのに」
「そんなの知るか。私は族長に殺せと言われただけだ」
「族長の命令は、危な。なんでも従うのかよ」
「それが、里の掟だからな!」

 そう言って、エルフの女性は短剣を右から左にかけて振り抜く。そして、左から右に強風を起こした。

 ルークはその風に抗えなく、短剣に向かっていく。

「そんなものは通用しない」

 なんと、ルークは短剣を右手の指で掴む。

「っな! 動かない!?」

 エルフは、短剣を引き戻そうとするが、全く動かない。

「さぁ、エルフの君。降参してくれ」
「誰がするものか。お前はここで殺す!」

 エルフは諦めはことなく、魔術で攻撃したり、短剣を引き戻そうとするが、ルークは何一つせずにそれをただただ受けていた。

「なぁ、もういいだろ? もう二時間ぐらいやってるぞ。そろそろ、魔力も無くなってきただろう?」
「な、何故だ? 何故、私の力が何も通用しない!?」

 エルフは、そう言って膝から崩れ落ちた。

「まぁ、修行不足だな。でだ、エルフの里の位置は掴んであるんだがな」
「何!? どうやって私たちの里の人避けの結界をくぐり抜けて、私たちの里を見つけたんだ!?」
「いや、散歩してたら見つけだぞ」

 その結界は魔力が多い人になればなるほどその効力は薄れていく。だが、それも常人だったらだ。大抵はSSSの魔力を持っている人にようやく効力が薄れていくように結界はある。
 だが、ルークは森羅万象以上の魔力を持っているので、全く効果がなかった。

「さて、エルフ君。どうする?」
「私を殺せ。お前を殺しそこなったんだ。もう、私に生きる価値などない」
「あー」

 ルークは困ったように頭をかき、何か閃いたように顔を上げた。

「分かったよ。それじゃ、またな」

 ルークはエルフに手刀を放ち、エルフは生き絶えた。
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