世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

決戦①

　罪の邪神と運命の邪神は一瞬で姿を消し、カナハルム達のすぐ後ろに回り込み、剣を一太刀振る。

　空気を切る音を出しながら迫ってくるそれをカナハルム達はギリギリのところで避ける。

『ほぉ、今のを躱すか』
『今まで奴らは、これで終わりでしたからね。貴方達には期待するわ』

　その後も、邪神達は上から、右から、左右から、さっきと同じようにして攻撃を仕掛けてくる。

　それも、ギリギリのところで避ける。

『まさか、ここまで耐えられるとは思ってなかったぞ』
『そうね。少し上げていくわよ』

　そう言って、カナハルム達に襲いかかる。さっきよりも1.5倍ほどの速さで。

「ちくしょう！　反撃できない！！」
『反撃なんてさせないわよ。これは私たちが楽しむゲームなんだから』

　運命の邪神はふふふっと、笑う。

『これで、死ね』

　罪の邪神がカナハルムに斬りかかる。
　しかし、それを剣で受け止めるカナハルム。

「俺は、お前みたいな悪にやられてたまるか！！」
『威勢だけは良いな。だが、足りんな』

　罪は、カナハルムの腹を蹴り飛ばす。

「うぐっ！！」

　カナハルムは遠くの荒野に吹き飛んでいった。

『そんなんで、死なせんぞ。面白いおもちゃなんだからな』

　罪は、カナハルムの方に音速の速さで飛んでいった。

『罪も変わったね』

　運命は少し呆れたように喋る。

「そこの邪神！　貴方は私たちが相手よ！」

　そう言ったのはユリーカだ。

『貴方ごときが私に敵うわけないでしょ？』
「そんなのやってみないと分からないじゃい！！」
『分かるのよ。だって、元運命神なのよ。一人の人間がこれからどうなるかなんて、簡単に分かるのよ。見えるわよ、貴方が私に負ける、無様な姿がね』

　そう言って、運命は四色の魔術を放った。
　それに反応して、マリーも同じ魔術を放つ。

　その二つは、均衡状態になって、掻き消されると思ったが、そこで運命の邪神が技を使った。
　魔術が掻き消されるとという運命をマリーの魔術だけが消える運命に変えたのだ。

「嘘！？」
「間に合わない！！」
「任せなさい！」

　マリーは、自分の魔術が消えるとは思ってなく、おどろいている。ユリーカは何か魔術を使おうとしたが、間に合わなかった。そして、ミカエルが結界魔法を使った。

　それで、守られると思っていたが、運命が変わった。
　結界に阻まれる運命を、結界が壊れる運命に変わってしまった。

『だから言ったじゃない。私に負けるって』

　ユリーカ達は、地面に服がボロボロになった状態で横たわっていた。