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第1話:捨てネコ
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~The abandoned cat~
俺の住んでいるアパートの前に、膝を抱えた女性が座っていた。
都内にあるとはいえ、築40年の2階建てのボロアパートだ。駅からは程々に遠く、深夜に近いといえるこの時間帯では歩いている人など皆無である。
そんな中、階段の前のブロック塀に背中をつけ、身体を丸めるようにしてその女性は座っていた。あまり関わり合いたくもなかったので、一旦は通り過ぎたものの、階段を登りかけたところで思い直した。若い女性のようだったし、心配でもあったので、結局は後戻りして声をかけてしまった。
「具合が悪いんですか?大丈夫ですか?」
手を触れると痴漢行為と間違われそうなので、遠巻きにして声をかけてみる。
女性は顔を伏せたまま反応しない。
きれいな黒髪、時折、肩が上下するから死んでいるわけではないようだ。
恐る恐る肩を叩いてみる。
「大丈夫ですか?」
「ふにゃ?」
女性は、ちょっと顔を上げ、妙な声を上げた。
「具合が悪いのですか?救急車呼びますか?」
酔っ払いかな?でも、その割には酒臭くはない。
特に荷物等はなく、薄い茶色のワンピースを着ているだけだった。時計すらしていない。
「ネコは・・・捨てネコ・・・いや、捨てられネコです・・・。」
女性は意味不明なことを言って、またパタリと顔を伏せる。
途端にぐぅーっと妙な音が鳴る。
「ネコは・・・お腹が空いてます・・・」
家出人だろうか?やはり関わらないに越したことはない。
「ちょっと待っててくださいね。今、お巡りさんを呼んできますから」
何かしらの犯罪に関わってるかもしれない。さっさと官憲に引き渡そう。
俺が交番のある方に向け、踵を返すと、
ぐいっと服の裾を女性が掴む。
「ネコは・・・お腹が空いています・・・」
顔を伏せたまま裾を掴んで離さない。
・・・困ったな・・・。
俺はちょっと天を振り仰いだ。
☆☆☆
しっかし、よく食うなぁ・・・。
一人暮らしの男の飯だ。そんなにうまいものでもないだろうに、ネコと名乗ったその女性はガツガツとよく食べた。
鶏肉と卵、ご飯で親子丼
わかめの味噌汁
白菜の塩昆布あえ
すぐできる簡単メニューだ。
ネコはあっという間に親子丼を2人前、味噌汁を3杯、塩昆布あえを作っただけ食べてしまった。お陰で俺は親子丼の上モノの余りでビールを飲む羽目になった。
「ぷはー。ネコは生き返りました!」
女性は満面の笑みで口を拭う。
そりゃそうだろう。それだけ喰えば。
『ネコ』は、端的に言って美人だった。髪はセミロング、均整が取れた目鼻立ちをしている。くりくりとよく動く目が特に印象的だ。年の頃は20代前半くらいだろうか?満足げな笑顔がとても可愛らしい。
こんな娘がなんであんなところで腹をすかせているんだ?一体どんな事情なのやら・・・。
「腹一杯になったんだったら、帰れ・・・よな?」
こんなアラフィフやもめ男の住まいにいていい娘じゃない。深夜12時が近いが、早々に追い出すに限る。
俺が帰るように言うと、ネコは途端に涙ぐみ、べそべそと泣き始めた。
「おい・・な!?・・・おま・・・」
あまりの急な変化についていけない。思わず動揺する。
「ね・・・ネコは・・・捨てられたネコでぇ・・・帰るところがないのです」
「はあ?」
それから30分くらいかけて、水を飲ませたり、なだめたりしてなんとか聞き出したところによると、この女性、名前を「美鈴音子」、音の子と書いて「ネコ」というらしい。
事情は言えないが、家から追い出されてしまい、帰るところがないのだという。お金もなく、身よりもなく、宛もなく歩いた末、うちの前で力尽きて動けなくなったということだった。
やはり警察に・・・と思ったが、音子は「それだけは」と極端に嫌がる。
「ネコは警察に行くと殺されてしまいます・・・!」
と意味不明なことを言う。なんだ?犯罪絡みなのだろうか?
うっすら恐ろしいが、当座、危険はなさそうだし、とりあえず自分が眠いので、追い出すのは明日にするとして、寝ることにした。
自慢じゃないが、うちはとても狭い。今、食事をしているダイニング(と言っていいかわからないような昭和的な空間だが)とリビング(六畳もないが)しかない。音子をリビングに寝かせるとすると、自分はこっちで寝るよりほかない。もちろん布団は一組しかない。まあ、夏も近いし死ぬことはないか・・・。
適当に机をどかし、寝床を確保する。
音子には布団を敷いてやり、シャワーを浴びるなら適当にしろ、と言って自分はさっさと横になった。そもそも、俺が目を閉じなければ、キッチンから風呂場がほぼ丸見えのこの家の特性上、音子はシャワーにすら入れないだろう。
目を閉じていると、じゃーじゃーと音子がシャワーを浴びている音が聞こえる。着替えとしてはTシャツを1枚出しておいたので、適当に着てて欲しい。当然のごとく、うちに女物の下着などない。音子の体型に合うアンダーもないので、裾の長めのTシャツでなんとか過ごしていただくしかない。
最初は目を閉じて時間をやり過ごそうと思っていたが、一日の疲れが溜まっていたのか、急速に睡魔が襲ってきた。
ああ、眠い・・・と思ったのが最後で、どうやら寝ていたらしい。
はっと気づく。
しまった!ガバっと起きてリビングを見る。
一応、警戒していたのだ。もしかしたら昏酔強盗宜しく、俺が寝静まった後、金品を奪って逃走、ということも考慮していた。
果たして、リビングには音子の姿はない。布団に寝た形跡もなかった。
やられた!
そう思い、ふと玄関口に目をやると、俺が寝ていたすぐ側に膝を丸めた姿勢でTシャツ姿の音子がスピスピと寝息を立てていた。
なんでこっちに!?
というか、昏酔強盗じゃなかった?
驚くやらなにやらで脱力してしまった。
俺は音子の肩に手をかけ揺する。そんなところで寝たら俺の心遣いは一体どうなる!?
「おい、そんなところで寝るな。あっちで寝ろ」
「ふにゃ?」
さっきも聞いたような声をあげ、音子が目を覚ました。
「ああ・・・本当は市ノ瀬さんを布団まで運ぼうとしたんですけど、重くて、音子には無理で・・・」
そういって頭をかく。
「お前・・・馬鹿だな・・・あっちにお前が寝るんだよ」
「ダメです。ここは市ノ瀬さんのお家で、音子は居候です。市ノ瀬さんが布団で寝てください」
そう言って、グイグイと俺の身体をリビングに向かって押し始めた。
その後、そんなわけにいくか、いや、市ノ瀬さんの家ですから、という押し問答を3~4往復した挙げ句、仕方がないので、布団を半分ずつ使うことで決着した。
布団の半分にコロンと横になる。もちろん、大分、音子の方を広く開けた。
「ダメです・・・市ノ瀬さんが布団から落ちてしまいます」
ぐいと音子が俺の身体を引っ張る。仕方がなく、半分まで体を寄せる。
音子に背中を向けているものの、音子の体温が伝わってくるくらいの距離だ。
そして、声の感じ、吐息の様子から、音子はどうやらこっちに身体を向けているようだ。
一体どういうつもりだ・・・。
まあ、考えないようにしよう。
ん?そういえば・・・。
「お前、なんで俺の名前知ってんだ?」
「はい・・・表札を見ました。市ノ瀬直行さんですね。」
なるほど・・・。頭が悪いわけではないようだ。
「そういえばお礼がまだでした」
そう言うと、するすると俺の身体の前に手を回してくる。ちょうど後ろから抱き抱えられている格好だ。それなりに存在感のある胸が背中に押し付けられる。
「音子は・・・市ノ瀬さんに助けられて、嬉しかったです」
そのまま、おでこをトンと背中に付けてきた。
薄い夏の夜着越しに、音子の熱い体温が伝わってくる。
ふわりと女性らしい匂いがする。
身体の前に回された音子の右手がお腹のあたりを撫で、さらに下に降りてくる。
俺はその手を掴むと、そっと背中に戻した。
「なんでですか?」
音子が尋ねる。
「そんなつもりじゃないから」
それだけ答えると少し、音子から身体を引き離した。
音子も追ってくるようなことはしなかった。
「ごめんなさい」
「別に・・・もう寝ろ」
そして、今度こそ、本当に、俺は眠りに落ちていく。
こんな風に、誰かの体温を感じながら眠りにつくのは一体いつ振りだろうと考えたような気がした。
俺の住んでいるアパートの前に、膝を抱えた女性が座っていた。
都内にあるとはいえ、築40年の2階建てのボロアパートだ。駅からは程々に遠く、深夜に近いといえるこの時間帯では歩いている人など皆無である。
そんな中、階段の前のブロック塀に背中をつけ、身体を丸めるようにしてその女性は座っていた。あまり関わり合いたくもなかったので、一旦は通り過ぎたものの、階段を登りかけたところで思い直した。若い女性のようだったし、心配でもあったので、結局は後戻りして声をかけてしまった。
「具合が悪いんですか?大丈夫ですか?」
手を触れると痴漢行為と間違われそうなので、遠巻きにして声をかけてみる。
女性は顔を伏せたまま反応しない。
きれいな黒髪、時折、肩が上下するから死んでいるわけではないようだ。
恐る恐る肩を叩いてみる。
「大丈夫ですか?」
「ふにゃ?」
女性は、ちょっと顔を上げ、妙な声を上げた。
「具合が悪いのですか?救急車呼びますか?」
酔っ払いかな?でも、その割には酒臭くはない。
特に荷物等はなく、薄い茶色のワンピースを着ているだけだった。時計すらしていない。
「ネコは・・・捨てネコ・・・いや、捨てられネコです・・・。」
女性は意味不明なことを言って、またパタリと顔を伏せる。
途端にぐぅーっと妙な音が鳴る。
「ネコは・・・お腹が空いてます・・・」
家出人だろうか?やはり関わらないに越したことはない。
「ちょっと待っててくださいね。今、お巡りさんを呼んできますから」
何かしらの犯罪に関わってるかもしれない。さっさと官憲に引き渡そう。
俺が交番のある方に向け、踵を返すと、
ぐいっと服の裾を女性が掴む。
「ネコは・・・お腹が空いています・・・」
顔を伏せたまま裾を掴んで離さない。
・・・困ったな・・・。
俺はちょっと天を振り仰いだ。
☆☆☆
しっかし、よく食うなぁ・・・。
一人暮らしの男の飯だ。そんなにうまいものでもないだろうに、ネコと名乗ったその女性はガツガツとよく食べた。
鶏肉と卵、ご飯で親子丼
わかめの味噌汁
白菜の塩昆布あえ
すぐできる簡単メニューだ。
ネコはあっという間に親子丼を2人前、味噌汁を3杯、塩昆布あえを作っただけ食べてしまった。お陰で俺は親子丼の上モノの余りでビールを飲む羽目になった。
「ぷはー。ネコは生き返りました!」
女性は満面の笑みで口を拭う。
そりゃそうだろう。それだけ喰えば。
『ネコ』は、端的に言って美人だった。髪はセミロング、均整が取れた目鼻立ちをしている。くりくりとよく動く目が特に印象的だ。年の頃は20代前半くらいだろうか?満足げな笑顔がとても可愛らしい。
こんな娘がなんであんなところで腹をすかせているんだ?一体どんな事情なのやら・・・。
「腹一杯になったんだったら、帰れ・・・よな?」
こんなアラフィフやもめ男の住まいにいていい娘じゃない。深夜12時が近いが、早々に追い出すに限る。
俺が帰るように言うと、ネコは途端に涙ぐみ、べそべそと泣き始めた。
「おい・・な!?・・・おま・・・」
あまりの急な変化についていけない。思わず動揺する。
「ね・・・ネコは・・・捨てられたネコでぇ・・・帰るところがないのです」
「はあ?」
それから30分くらいかけて、水を飲ませたり、なだめたりしてなんとか聞き出したところによると、この女性、名前を「美鈴音子」、音の子と書いて「ネコ」というらしい。
事情は言えないが、家から追い出されてしまい、帰るところがないのだという。お金もなく、身よりもなく、宛もなく歩いた末、うちの前で力尽きて動けなくなったということだった。
やはり警察に・・・と思ったが、音子は「それだけは」と極端に嫌がる。
「ネコは警察に行くと殺されてしまいます・・・!」
と意味不明なことを言う。なんだ?犯罪絡みなのだろうか?
うっすら恐ろしいが、当座、危険はなさそうだし、とりあえず自分が眠いので、追い出すのは明日にするとして、寝ることにした。
自慢じゃないが、うちはとても狭い。今、食事をしているダイニング(と言っていいかわからないような昭和的な空間だが)とリビング(六畳もないが)しかない。音子をリビングに寝かせるとすると、自分はこっちで寝るよりほかない。もちろん布団は一組しかない。まあ、夏も近いし死ぬことはないか・・・。
適当に机をどかし、寝床を確保する。
音子には布団を敷いてやり、シャワーを浴びるなら適当にしろ、と言って自分はさっさと横になった。そもそも、俺が目を閉じなければ、キッチンから風呂場がほぼ丸見えのこの家の特性上、音子はシャワーにすら入れないだろう。
目を閉じていると、じゃーじゃーと音子がシャワーを浴びている音が聞こえる。着替えとしてはTシャツを1枚出しておいたので、適当に着てて欲しい。当然のごとく、うちに女物の下着などない。音子の体型に合うアンダーもないので、裾の長めのTシャツでなんとか過ごしていただくしかない。
最初は目を閉じて時間をやり過ごそうと思っていたが、一日の疲れが溜まっていたのか、急速に睡魔が襲ってきた。
ああ、眠い・・・と思ったのが最後で、どうやら寝ていたらしい。
はっと気づく。
しまった!ガバっと起きてリビングを見る。
一応、警戒していたのだ。もしかしたら昏酔強盗宜しく、俺が寝静まった後、金品を奪って逃走、ということも考慮していた。
果たして、リビングには音子の姿はない。布団に寝た形跡もなかった。
やられた!
そう思い、ふと玄関口に目をやると、俺が寝ていたすぐ側に膝を丸めた姿勢でTシャツ姿の音子がスピスピと寝息を立てていた。
なんでこっちに!?
というか、昏酔強盗じゃなかった?
驚くやらなにやらで脱力してしまった。
俺は音子の肩に手をかけ揺する。そんなところで寝たら俺の心遣いは一体どうなる!?
「おい、そんなところで寝るな。あっちで寝ろ」
「ふにゃ?」
さっきも聞いたような声をあげ、音子が目を覚ました。
「ああ・・・本当は市ノ瀬さんを布団まで運ぼうとしたんですけど、重くて、音子には無理で・・・」
そういって頭をかく。
「お前・・・馬鹿だな・・・あっちにお前が寝るんだよ」
「ダメです。ここは市ノ瀬さんのお家で、音子は居候です。市ノ瀬さんが布団で寝てください」
そう言って、グイグイと俺の身体をリビングに向かって押し始めた。
その後、そんなわけにいくか、いや、市ノ瀬さんの家ですから、という押し問答を3~4往復した挙げ句、仕方がないので、布団を半分ずつ使うことで決着した。
布団の半分にコロンと横になる。もちろん、大分、音子の方を広く開けた。
「ダメです・・・市ノ瀬さんが布団から落ちてしまいます」
ぐいと音子が俺の身体を引っ張る。仕方がなく、半分まで体を寄せる。
音子に背中を向けているものの、音子の体温が伝わってくるくらいの距離だ。
そして、声の感じ、吐息の様子から、音子はどうやらこっちに身体を向けているようだ。
一体どういうつもりだ・・・。
まあ、考えないようにしよう。
ん?そういえば・・・。
「お前、なんで俺の名前知ってんだ?」
「はい・・・表札を見ました。市ノ瀬直行さんですね。」
なるほど・・・。頭が悪いわけではないようだ。
「そういえばお礼がまだでした」
そう言うと、するすると俺の身体の前に手を回してくる。ちょうど後ろから抱き抱えられている格好だ。それなりに存在感のある胸が背中に押し付けられる。
「音子は・・・市ノ瀬さんに助けられて、嬉しかったです」
そのまま、おでこをトンと背中に付けてきた。
薄い夏の夜着越しに、音子の熱い体温が伝わってくる。
ふわりと女性らしい匂いがする。
身体の前に回された音子の右手がお腹のあたりを撫で、さらに下に降りてくる。
俺はその手を掴むと、そっと背中に戻した。
「なんでですか?」
音子が尋ねる。
「そんなつもりじゃないから」
それだけ答えると少し、音子から身体を引き離した。
音子も追ってくるようなことはしなかった。
「ごめんなさい」
「別に・・・もう寝ろ」
そして、今度こそ、本当に、俺は眠りに落ちていく。
こんな風に、誰かの体温を感じながら眠りにつくのは一体いつ振りだろうと考えたような気がした。
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