天狐あやかし秘譚

Kalra

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第10話:疱瘡神

第38章:応病与薬(おうびょうよやく)

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♡ーーーーー♡
【応病与薬】病に応じて薬を与えること。
相手をよく見て、対応しなくちゃダメよ、みたいな。
♡ーーーーー♡

最近、村で急にインフルエンザが流行りだした。保健所を通じて、『できるだけ外出しないでください』というお触れが村中に出されたくらいだった。

中類村・・・人口400人程度の小さな村。
何にもないけど、村長さんである名越の家が代々、周辺で取れる薬草を用いた秘伝の薬を作っていて、それが存外人気がある。そのため、村人の大多数が、農業と製薬業、及びその販売や流通などで生計を立てられてしまうという、小さな村にしては珍しく経済が成立しているのが特徴だった。

なので、私たち家族みたいに、若い人もちゃんといる。
風光明媚・・・というわけではないが、自然豊かで静かで、私は割と中類村が気に入っていた。なんだかんだ言って、うちの両親もそうなのだろうと思う。
ただし、過疎の村であることは確かなので、学校に行くのに片道1時間以上バスに乗らなければいけないのには、閉口するけど・・・。
私と同じ年代の子はこの村にあと2人いる。薬草を栽培している農家の菜摘なつみちゃん、それから稲作農家のまことだった。私の家は薬作りと販売を手掛けている。私の名は夏希なつきといった。同じ年代と言っても正確には年は違う。一番お姉ちゃんが菜摘ちゃんで、高校1年生。頑張って家から町の学校まで通っている。誠は中学2年生で私の一個下。私は中学3年生でもうすぐ受験、という身だった。

言われなくても家からは出ない。
出ないで勉強する必要があるわけだ。私が目指しているのは、全寮制の市街地の高校だった。全寮制ということで、何かと不自由だろうが、菜摘ちゃんみたいに片道1時間半も通学でとられるのはやっぱり辛い。

ピロン、と手元のスマホがメッセージアプリの通知を発する。
菜摘ちゃんだ。菜摘ちゃんも流行りのインフルで一昨日あたりから寝込んでいたようだった。でも、メッセージを見たら回復した、と書かれていたので少し安心した。
そう言えば、例のお触れが出てから、学校にも行かないようにと言われているようで、すでに授業がない私はともかく、誠も家にいるらしい。なんだか冬休みが伸びたみたいで羨ましい。

でも、それだけ悪性のインフル、ということなのだろう。

ピロン、とまたメッセージ。
返信する間もなく来た。

『暇だから遊びに来ない?』

ああ、ずっと寝込んでいたから暇なのか・・・。
私は机の上を見渡す。
英語、数学、理科・・・問題集が積まれている。
高校受験の最後の詰め、タイムアタック中だったが、メッセージに気を取られるくらいには集中力が尽きてきていた。

うーん、っと伸びをする。窓の外を見ると、よく晴れている。おばあちゃんが言うには、昔はもう少し雪が降ったということだが、この冬はまだ2回くらいしか降っていない。外の様子を伺うと、日向についてはそれなりに暖かそうに見えた。

ちょっと、遊びに行っちゃおうかな。

少しは息抜きが必要よね、と、自分を説得し、私はいそいそと外出の準備をした。この季節、お父さんは市街地での商売で家にはずっといない。お母さんと小学生の弟が家にいるだけだった。ふたりとも外出禁止を守って家でじっとしているようだ。私はお母さんたちに菜摘ちゃんの家に行ってくる、と告げ、家を出た。
後ろで母が『外出禁止よー』と言っていたが、それは織り込み済みなので、無視した。

☆☆☆
「菜摘ちゃん!」

ガラッと玄関扉を開き、声を掛ける。前に都会の子と話した時、『え!?鍵掛けないの?』とか言っていたが、よほどのことがない限り、田舎で家に鍵をかけることなんてない。かけるとすれば、村長さんの家とか、旅行中で長期に外出する家、くらいだ。

当然、菜摘ちゃんの家も普通に出入りできてしまう。
返事がないが、勝手知ったる菜摘ちゃんの家なので、私は三和土を上がり、ずんずん奥に進む。菜摘ちゃんの部屋は・・・。

んあ・・・あ・・・♡

部屋の引き戸をひこうとして、私は躊躇した。

中から明らかに複数の人の声・・・がする。
いや、声、というより・・・あれは・・・そう・・・。

私も中学3年生だ。ちょっとくらいエッチの知識もある。
学校で男の子がエッチな雑誌を見てるのを横目にしたり、女の子同士でもちょっと大人向けの雑誌のセックス特集を見たり、なんとなれば、興味本位でAV動画を友達と見ちゃったりしたこともある。

今、扉の向こうから聴こえてくるのは、まるでそう・・・AVの・・・

喘ぎ声?
まさか・・・。菜摘ちゃんが?

私は、扉の前で立ち尽くしてしまう。

どうしよう・・・。

ただ、興味もあった。もし、もしも、菜摘ちゃんが・・・。
お友達の誰かが『高校生になったら初体験している人もいるらしい』みたいな事を言っていた。それに、『中学生で経験しちゃう子もいるみたい』とも。

ゴクリ、と自然に喉が鳴る。

「な・・・菜摘ちゃん・・・入る・・・よ?」

一応、申し訳程度に声を掛ける。この声掛けで、我に返って平静を装ってくれればいい、という思い半分、実際に見てみたい、という思い半分。そんな感じの気持ちだった。
そっと扉を引く。

っ!?

眼の前の光景に、私の目は釘付けになった。たらりと背中に冷や汗が流れる。

「はああ♡・・・いいぃ!お父さん・・・すごい!菜摘のアソコ、いっぱいだよおぉ」

菜摘ちゃんが、菜摘ちゃんのお父さんの腰の上に跨って、前後に腰を振っていた。ずっちゃずっちゃと淫らな水音が響き、部屋の中にはムワッと妙な湿り気を帯びた熱気に満ちていた。ふたりとも裸だったし、菜摘ちゃんはこっちを向いていたので、まだ毛が十分に生え揃っていない菜摘ちゃんのアソコにお父さんのおちんちんが深く突き刺さる様子がよく見えた。
AVなどではモザイクやぼかしが入っているので間近で見たのは初めてだった。菜摘ちゃんのアソコが赤く腫れぼったくなっており、血管が浮いた太いおちんちんが押し広げ入り込んでいた。テラテラと粘液が光り、菜摘ちゃんが腰を前後に揺する度に、その結合部分から雫が飛び散っているのが見えた。
菜摘ちゃんは一心不乱に腰を振り、のけぞって白い首元をのぞかせ、聞いたことがないような声を上げていた。
しばらく呆然と見ていると菜摘ちゃんが一段と大きな声を上げ、ぎゅうっと太ももでお父さんの身体を締め付けるようにした。

「あっ・・・あっ・・・」

ビクン、ビクンと身体を大きく震わせ、ふとももはもっと小刻みに痙攣していた。ねっとりとしたよだれがつつっと口元から垂れ、それがお父さんのお腹にぽとりぽとりと落ちていた。
そのまま、菜摘ちゃんが糸の切れたマリオネットみたいに倒れ、お父さんに覆いかぶさる形になる。その背中には、首元から腰にかけて、真っ赤な筋が走っている。筋はおしりに近づくほど、広がっているように見えた。

何・・・何が起きているの?

セックスをしているのはわかる。でも、それを親子でするなんて・・・。
呆然と見守る中、お父さんが菜摘ちゃんの細い腰を両手で鷲掴みにすると、ズルリとそのまま、菜摘ちゃんからおちんちんを抜いた。ヘナヘナと崩れ落ちる菜摘ちゃんをよそにのそりと立ち上がる。その時、ちらっと背中が見えたが、お父さんの背中も、菜摘ちゃんと同じように赤く染まっていた。
「よく来たね・・・夏希ちゃん。さあ、一緒に楽しもう」
そう言って、こっちに迫ってきた。ここに来て、初めて私は自分が危機にさらされていることを認識した。

ここにいちゃいけない。

そう思い、踵を返したところで、ボンと、誰かに突き当たった。
そこには同じく全裸の菜摘ちゃんのお兄さん、東吾くんがいた。確か、今は22歳くらいだったはずだ。
「ダメだよ・・・逃げちゃあ・・・僕も楽しみたいんだからさ」
どんと肩を強い力で突かれ、私はそのまま部屋に押し込まれてしまう。よろける私をいつの間に立ち上がったのか、裸の菜摘ちゃんが受け止めた。
「なっちゃんも一緒にやろ?気持ちいいよぉ」
そう言ってべろりと耳を舐めてきた。ぞわぞわを背筋を震えが走る。それが快感なのか、恐怖なのかの区別がつかない内に、私はあっという間にお父さんの足を押さえられ、菜摘ちゃんに服を脱がされてしまう。

「やめて!!」

あっという間に上半身を裸にされてしまい、後ろからおっぱいを揉まれる。まだ発達途上で大きく膨らんでいない胸を、そんな風にされたことなど、もちろんない。首筋をべろりと舐め上げられながら、両のおっぱいの先っちょを人差し指でくりくりと弄られる。

「うう・・いやあ・・・」

変な声が出そうになる。今まで経験したことがないようなジンジンする感じを乳首に感じ、そこが大きくぷっくり膨らんできてしまうのが自分でもわかった。
菜摘ちゃんに胸をいじられている間に、スカートも剥ぎ取られ、ついにはショーツも脱がされてしまった。足を強引に押し広げられ、私のアソコに菜摘ちゃんのお父さんがむしゃぶりつくように顔を押し付けてきた。
ぬるりとした感触がアソコに走る。最初何をされているのかわからなかったが、すぐに舐められているのだと分かった。わざとなのか、べちゃべちゃと卑猥な音を立てて舐めあげてくる。そして、すぼめた口でチュッと吸い上げられた。

「はあぁん♡」

ビクリと肩が震える。痛みにも似た強烈な、強烈過ぎる快感が稲妻のように腰に突き刺さるようだった。そのまま舌でそこを執拗に責められ続ける。

「うぐう・・・ぐ・・・つ、強いぃ!」

なんとか足を閉じようとするが、強い力でガッチリと固定されていて、それは叶わなかった。そのままグニグニとアソコに舌が侵入してくる。
「ふぐう・・・んん・・・あはぁ・・」
上半身にも菜摘ちゃんのお兄さんが覆いかぶさってきて、乳首を含まれ、強く座れてしまっていた。下半身と上半身を一度に責められて、性に不慣れな私の身体はわけもわからないままグチャグチャにされていった。
「すごい・・・なっちゃん・・・お顔トロトロ・・・」
菜摘ちゃんがキスをしてくる。それも軽いキスではなく、舌を口の中に挿れてきて、口腔内を執拗に舐め回すようなディープキスだ。

は・・・初めてなのに・・・。

微かにそんな思いがよぎるが、すぐに全身を苛む性感の嵐に意識が真っ白になっていく。

「ふぐう・・ぐううう・・・」

口の中に菜摘ちゃんの唾液がとろとろと入ってくる。溢れ出したそれが口の横からよだれのように流れていく。

「うぐうう!!!」

アソコに違う感覚が走る。何か・・・何かが入ってきたぁ・・・
その何かは私の中を容赦なくかき回してくる。

痛い・・・痛いぃ!!

「親父・・・ダメじゃないか、いきなり二本も指入れちゃ・・なっちゃん痛がってるよ」
言いながら、お兄さんが私の身体を横にした。もちろん、指は中に入ったままだ。ぐねぐねと中で蠢くそれは、気持ち悪いし、中を抉られるような痛みがあった。
「い・・痛いぃ!!」
菜摘ちゃんの唇が外れたことで、叫び声を上げることができた。しかし、叫んだとて責めが終わるわけではなかった。
「菜摘、お尻も責めてやれよ。そうすれば気が散って痛みもなくなるよ」

そ・・・そんな・・・お尻・・・責める?

私が飲み込むより早く、菜摘ちゃんが「うん、分かった」と言うと、私のお尻に顔を埋めるようにしてくる。

「いいっ!!」

お尻の穴にムニムニとした感触。それが、菜摘ちゃんの舌が肛門に入ってきたのだとわかるのにそれほど時間はかからなかった。
前と後ろを一度に責められ、身体の中がどんどん熱くなってきてしまう。
「おお!なっちゃん、感じてきてるみたいだ」
「ここか?なっちゃんの性感帯・・・ほら、ここ、クリクリすると、・・・ビクビクするぞ。中が震えている!」
菜摘ちゃんのお父さんの指がだんだんと私の中の一点を集中してこすり始めているのが分かった。そこを刺激されると、ふわふわとした不思議な感じが身体の中に蓄積されてくるような感じがする。

おかしい!こんなの・・・おかしいよ!

お腹の中がむず痒い感じがして、それが大きな波のように膨らんでくる。
中で動く指の感触が痛みから徐々に・・・徐々に・・・

「んん・・・ぐうう・・や・・やめて・・・やめてやめて!」

怖い・・・怖い・・・なんか、身体が変になる。
お腹の中がぐちゃぐちゃって・・・どんどん・・・変にいぃ!

ぎゅうっと身体が縮こまる感じがして、体の中から何かが溢れそうになる。これが弾けたら・・・どうなっちゃうの!?
「おっと!ここまでだ!」
じゅぽっと指が抜かれる。菜摘ちゃんもお尻から舌を抜いた。
一気に身体を苛む性感が途絶え、はあはあと肩で息をする。身体に全く力が入らない。

「イクのはこれでだよ・・・」

足が押し広げられ、私のアソコに菜摘ちゃんのお父さんがおちんちんを押し付けてきているのが分かった。逃げなきゃ、と頭では思っているのだが、両腕を菜摘ちゃんに押さえられている上、先程の責めのせいで、身体が全く言うことをきかない。
「うう・・・やめ・・・やめてぇ・・・」
「大丈夫だよ、なっちゃん。これだけぐちゃぐちゃになってれば痛みなんて感じないから」
お兄さんが頬にキスをしてくる。
「じゃあ、なっちゃんの処女・・・いただくよ。いいか東吾?」
「ああ、僕は菜摘の処女もらったからね。なっちゃんは親父に譲るよ・・・でも、次は僕に回してね?」
お父さんとお兄ちゃんの会話が霧の向こうで行われているようで現実感がない。アソコにぬるりとした何かが押してられて、そのままぐぐぐぅっと私の中に入ってきた。

「い・・・痛いいぃ!!」

身体が裂けてしまうような感覚。痛み、とは違うが、一番近い言葉がこれしかないので、こう叫んでしまった。
しかし、どう叫ぼうが身を捩ろうが、そのまま私の中にどんどんと入ってきてしまう。そしてついに一番奥まで到達する。まるで喉元まで何かでいっぱいになっているような感じがして苦しくてしょうがない。ぐうう・・・と呻くことしかできなかった。
「さあ、一番奥まで入ったよ。やっぱり処女マンコは狭くていいね」
そのままズルリとおちんちんを抜く。
「がああ・・・ぁ!」
なんとも言えない感触が身体の中を貫く。そして、またぐぐうと入ってくる。
それを二度、三度繰り返されると、だんだん身体が馴染んできてしまったようで、最初はどこで息をしていいかすらわからな方tが、次第に抜き差しするリズムに慣れてくる。

「んあ・・あ・・ぐ・・ん・・ん、あっ・・あっ・・・あっ♡」

自分の声が変わってくるのがわかる。アソコの中がじっとり湿り始め、さっきの菜摘ちゃんみたいにずちゃずちゃとした水音が私の股からも響き始めていた。

「おお・・・いいぞ、なっちゃん、だんだん女の顔になってきた」

私の変化を見て取ったお父さんが更に腰の動きを早める。アソコの中のおちんちんの形が伝わってきてしまう。体の中をかき回される感覚が、次第に快感を伴ってくる。

「あ・・・あっ・・ダメ・・・いや・・あん♡・・・ぐ・・ん・・・ん」

私が抵抗する力を失ったのを見て、菜摘ちゃんが手を離し、乳首を両手でクリクリとしてくる。そこから送り込まれてくる性感も相まって、私の身体は沸騰し始めた。

「ああ!・・・あ!ダメ・・・あん♡・・ん・・・いやっ!・・来ちゃう・・・ああ・はあ・・・はあ・・・」
「お父さん、なっちゃんイキそうみたい」

クリクリと乳首を弄ぶ指の動きが早まり、腰の打ちつけはさらに強くなる。

ぱちゅんぱちゅん、
ぱちゅんぱちゅん

濡れた水音が響き、そしてついに私は耐えられなくなった。

「ぐう・・・ん・・ああっ!!」

意図とは裏腹に私の膣がおちんちんをぎゅうぎゅうと締め上げてしまう。それとともに、頭の中にパチパチと稲妻が走ったような強烈な快感が襲ってきた。身体はのけぞり、太ももが痙攣するように震えだす。

なにこれ・・・!!!
ぐううう・・・

びくんびくんと弓なりに2度体が跳ねた。
そして、その瞬間、お腹の中にじんわりとしたあったかさが広がってくる。
「処女に中出し!最高だ!!」
その言葉で、私は自分が中に精液を出されたことを悟った。

だ・・・出された・・・。

ずるり、とおちんちんが引き抜かれると、ぬちゃあっとアソコから何かが垂れ落ちる感覚がする。それが更にその確信を深める。
「じゃあ、次は僕がもらうよ・・・」

じゅぶぶぶぶ・・・

「うああああぁ!」

大きな快楽の波がまだ引ききっていないところにお兄さんのおちんちんがズルリと入ってきた。ヌルヌルになった私のアソコはあっという間にお兄さんのおちんちんを呑み込んでしまう。

「ふ・・・深いいい!!」

お父さんのおちんちんより大きいのかもしれない。お腹の奥が苦しいほどの圧迫感を伴って更に大きく押し広げられていくように感じた。それに伴ってバチバチとした火花がまた頭の中を駆け巡る。

パチュン、パチュン

突き上げられる度に私の中で何かが弾け続け、身体が跳ねる。
すごい快感の連続に、脳が焼ききれそうになる。

「あは♡なっちゃん、お兄ちゃんのおちんぽのほうが好きみたい。ほらほら、よだれ流してヨガっている」

もう、自分の口からどんな声が出ているか気にする余裕すらない。
多分、がああ!とか、ぐうおお!とか、そんな獣のような声になっている。

「なっちゃん可愛い・・・すごい、気持ちよさそう。ねえ・・・お父さん、菜摘もまた欲しくなっちゃった」
「おお、いいぞ、こっちおいで、今度はバックで突いてやろう」
「やった!」
私がお兄さんにガンガンと突き上げられている横で、四つん這いになった菜摘ちゃんがお父さんから獣の交尾のような体勢で犯されている。
菜摘ちゃんの愉悦の声と私の獣のような声、二人のアソコから流れ落ちる愛液が放つ淫臭があたりに立ち込め、異常な空間が形成されていく。

うう・・・ぐううう・・・
「また来る、また来る!!・・・がああ!!・・・い・・・!!!」

大きな絶頂を迎え、痙攣しては中に出され、中に出されては入れ代わり立ち代わり・・・。
この異常な空間で、私は尽きることないお兄さんとお父さんに交互に犯され続け、いつしか、彼らの精液とともに、セックスの快楽が身体に刻み込まれていってしまった。

☆☆☆
「・・・というわけや」
パソコン画面の向こうの土御門が事の経緯の説明を終える。
世の中は便利になったもので、京都にいる土御門と綿貫亭にいる私達が、こうしてパソコン画面を通してオンライン会議を開くことができるのだ。土御門の後ろには相変わらず瀬良が控えているし、画面には写っていないが、私の後ろにはダリがいる。

一瞬だけ一般企業に就職したとき、数回経験したオンライン会議を、ここで再びやることになるとは思わなかった。陰陽寮もなかなかにデジタル化が進んでいるようである。
実は、今朝早くに、瀬良から電話があり、緊急でオンライン会議をやりたいから、と言われたのだった。それで慌てて支給された端末を持ち出し、こうして話をしているというわけだ。
彼の説明は分かった。要は、品々物之比礼くさぐさのもののひれを追って中類村というところに行ったはいいけど、同行した設楽さんが病気になったから京都支所に帰らなければいけなくなった、ということのようだ。
それは分かったけれど・・・。

「それで?なんで、私達に連絡を?」

品々物之比礼が心配なら、さっさと別の陰陽師を伴って取りに行けばいいではないか。設楽以外にも陰陽師はいるのだろうし。
「せやな。わいらが京都支所に帰ってきたのが6日前や。確かに、ホントはすぐに中類村にとんぼ返りする予定だったんやけど、5日前、つまり帰ってきた次の日、急に設楽の様子がおかしなってん。」
「おかしいって?」
「端的に言えば、異常なまでに性的に興奮してもうてな。女と見ると襲いかかるようになって・・・危うく医療センターの看護婦さん犯すとこやったんよ。」

そんな・・・設楽さんと言えば、真面目が服を着て歩いているような人、じゃなかったっけ?

「そいで、こりゃただ事じゃないってことで慌てて隔離して、いろんな検査をしたんやけど、病気を特定できなくて。未知の伝染病かもしれんと、わいらも隔離されてしもて、あっという間に時間経ってもうたんや。」

うん?ということは、土御門と瀬良は同じ部屋に隔離されている・・・?

「ところが、2日前、容態を見ていた設楽の背中が真っ赤に染まってきた。それで、ようやっと病気が特定できてん。」
背中が赤く・・・それで何が分かったのだろう?
「古い記憶でうろ覚えやったんやけど、背中赤くなって、異常に性欲が強くなる・・・そういうの聞いたことがあったな、と気づいたわけや。」
土御門の後ろから、『気づいたのは私です』という瀬良の声が聞こえた。土御門はその言葉を華麗にスルーする。
「んで、暦部門で確認したところ、やっぱり該当する病気の資料があってん。この病気『赤咬病あかがみびょう』いうて、性交渉で感染して、感染すると、背中赤くなって、性欲の権化みたいになってまうんや。それで、そのまま性欲にまかせてヤリ続けると・・・そうだな、記録では大体数ヶ月程度で?死んでまう、そんな病気や」

暦部門とは、陰陽寮の中の一部門で、主に呪術、妖怪などに関する歴史的な資料を収集・保管・管理している部署だった。つまり、日本でこれまで起こった怪奇現象のアーカイブみたいな役割を果たす部署なのだ。土御門も、何か困ったことがあると暦部門に照会をかけて、過去のデータから対策を立てていると言っていた。

「な・・・治るんですか?」
死ぬ病気と聞いて、設楽さんのことが心配になる。
「ああ、それは大丈夫や。赤咬病は俺等が行った島根県あたりの風土病みたいなもんらしく、昔から何度か発生しているらしい。対処法としては隔離してセックスさせんようにした上で、あそこらへんで取れる『アオギリソウ』いう薬草から作れる薬を使うってのが一番有効らしい。今、宮内庁病院とかその系列で、『アオギリソウ』の製剤が用意できないか調べてるところや。とにかく、エッチさせなきゃ死なないし、エッチしなきゃ人には伝染らないから、厳重に監視しとれば生命に別状はない、と思う。」

・・・すぐ死ぬわけじゃないし、対処法が分かってるなら、大丈夫か・・・。

とりあえず少しはホッとした。
しかし、エッチしなければ悪化しない病気って・・・。

「で、繰り返しになるんですが、なんで私達に連絡を?」

結局、エッチしなきゃ伝染らないんだったら土御門達は特に感染していないとわかりそうなものだ。すでに解放されている、ということなのだろう。だから、二人で同じ部屋からオンラインしているわけだ。
だったらとっとと中類村に行き、領巾を取り戻せばいいのでは?なぜ、私達に連絡してきたんだろう?
「ああ、それな・・・。端的に言えば、綾音はんとダリはんに、こっちに出張してきてほしいねん。多分・・・これ、疱瘡神の仕業や」
土御門によると、疱瘡神とは感染症を引き起こす神様の一種だそうで、日本のあちこちで祀られているれっきとした神様だそうだ。そして、先程の暦部門の資料によると、この赤咬病は疱瘡神が撒き散らす病気である、との記載があるということだ。要は、神様レベルが絡んでるんで、最大火力(要はダリのことだ)をぶつけたい、ということらしい。
「それに、下手したら品々物之比礼も相手にせにゃならんかもしれんし、敵さんの能力も未知数や・・・お願い・・・京都、来て、手伝うて」
画面の向こうで土御門が手を合わせる。
まあ、そんな風にお願いされなくても、土御門は私達の上司に当たるわけだし、私は今や陰陽寮の職員なわけで、命令されたら断るわけにはいかない・・・んだけどな・・・。
「はあ・・・わかりました・・・。え?でも、私達ふたりとも出張ってことは・・・」
清香ちゃんと芝三郎は?
「そのへんは大丈夫!宝生前はんと敷島はんに行ってもらおうと思うから」
え!宝生前って、陰陽博士じゃない?そんな人を子守に使っていいのか?まあ、この間岡山行ったときには瀬良さんに面倒見てもらったし、瀬良さんだって本当は陰陽師だし・・・。陰陽博士はダメで、陰陽師ならいいのかと言われればそれも違う気がする・・・。
「宝生前はんのことはあの二人も知ってるんやろ?あと、敷島は18歳のぴちぴちおねーさまやから、きっとあの二人も気に入ると思うで!」
うーん・・・ま、まあ、陰陽部門のトップがそういうなら。
と、いうわけで、ここに、私とダリの京都入りが決定することとなったのである。

☆☆☆
出張の準備と手続きに半日がかかり、私達が京都入りしたのは、オンライン会議の次の日の午後、土御門達が中類村に最初に行った日から数えてすでに1週間あまりが経過していた。これでも急いだほうだったが、土御門としてはもっと急いでほしかったようだ。

「天狐はんに抱えて飛んできてもろたらよかったのに」

などと無茶なことを仰っていた。多分、それは可能なのだろうけど、私の身体がもたないと思う。

まあ、品々物之比礼を見失ったら大変だという土御門の気持はよく分かる。あれの危険性は私が一番良く知っている・・・というか、身をもって体験していた。

「事は急を要するんよ。今、中類村、閉鎖してん」

え?と私が呆けた顔をすると、土御門が、『はあ』、とわざとらしくため息をついて首を大きく振ってみせた。なんか、バカにされたみたいでムカつく!!
「鈍いなあ、綾音はん・・・。赤咬病は性病みたいなもんやで?エッチして伝染るんや。だったら設楽はどこで伝染ったいうねん?」

あ、そうか・・・。設楽さんは中類村で誰かと・・・エッチしたんだ。で、その誰かは赤咬病のキャリアで・・・。

「性欲つよなっている・・・多分おなごやな、が1週間も小さい村で野放しや。あちこち感染者が出ててもおかしない。誰が感染してるかわからん以上、村人の出入りをさせんことしかできん」

赤咬病は特有の背中の赤みが出るまで、特有の症状がない。更に、検査で検出することもできない。しかも、その赤みが出るのには、感染してから数日を要するという。
赤みが出る前から性欲の増大及び感染性はあるので、全く症状がないように見える人でも、村の外にふらりと出て、あちこち移動しながらエッチしてたら・・・。下手したら赤咬病が世界的にパンデミックを起こしてしまうかもしれない。

「かとって、アオギリソウの製剤もすぐには調達できない。そうなれば、とりあえず封鎖してしまうしかない。中類村のもんには悪いけど、問題の病気が『赤咬病』なんやと判明するまでの時間が経ちすぎてもうた」

一応、陰陽寮の職員が村の唯一の出入り口である峠道で張っていたそうだ。品々物之比礼の出入りを警戒してのことだった。その職員の報告によれば、この1週間、村に入った人も、出た人もたまたまいなかったとのことだった。

その点は本当に良かった。

「設楽の容態が急変してすぐ、未知の感染症の危険を考えて、保健所、警察、消防なんかと連携して、中類村からの人の出入りをさせんようにしたからよかったようなもんや。その時、一応、住民には外出せんよう促しとったが・・・。田舎の村やし、多分効果は限定的やろな。」
本来なら、対処が分かっている病気だ。住民を避難させたり、全員を隔離検査してしまえばいいのだが、と土御門が続けた。
「それができないんや・・・。疱瘡神が絡んでるとなると、そいつが出てきた場合、普通の人間ではあっという間に病気にされてまう。今、普通の人間が中類村に入るのは危険なんや。とにかく、早よ疱瘡神をなんとかしないと・・・」
中類村の住民は遅かれ早かれ全員・・・死んでしまうんや。

土御門の言葉に、私は事態の重さをようやく理解するに至った。
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