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第30章:交響曲 ”彼女はボクに発情しない”
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【Symphony "She loves me with all her heart"】
(2年半後、春)
春の柔らかな日差しの中、校舎に植えられたソメイヨシノがハラハラと花びらを散らせている。
「これ、ドッキリじゃねえよな!?」
スーツを着て、大学の門の前で記念写真を撮るボクを見て、長谷川が失礼なことを言う。
「お前・・・大学入れる知能あったのか!?」
弦次・・・。てめえ・・・。
「しかも医学部とか、超すごくない!?」
ルリだ。ちゃっかり弦次とおそろいの服を着ている。なんだ、お前ら付き合っているのか?
今日、ボクは一浪して入った大学の入学式を迎えていた。三流ではあるが、一応医学部だ。
「お前、医者とかやって平気なのか?人、殺したりしないのか?」
長谷川は電子工学系の専門学校の二年生に進級していた。今年は就職活動で忙しいと、暗い顔をしていた。
「今度、入学祝い皆でやろうぜ!」
弦次は地元の大学に進学。あまり聞き慣れない横文字の長い名前の学部に入学。一応勉強はちゃんとしていると主張していた。
「いいね!やろう!やろう」
ルリも同調する。ルリも今年大学2年だ。みんな、ボクよりも年次が上だなー。
ルリがあたりを見回す。「優子も来るはずなんだけど・・・」と。
正直、優子とは顔を合わせにくい。
奏がイギリスに旅立つとき、散々優子には協力してもらった。優子は超が付くほどいい子で、あんなふうに利用した最低男のボクと、それでも付き合いたいと言ってくれた時もあった。
だけど、やっぱり長続きしなかった。
互いにふとした拍子に思い出してしまうんだ。
奏という女の子の存在を。
だから、優子とは卒業以来会っていない。彼女は確か、外国語学科に進学したはずだ。将来は旅行会社に勤めたい、と言っていた。
「あ!来た、来た!おーい!!」
ルリがぴょんぴょん跳ねながら手をふる。振り返ると、髪を下ろし、愛らしいメガネを掛けた優子が走ってきた。ごめんごめん、と手を合わせる。
「電車乗り間違えちゃって」
彼女が弦次やルリの輪に入ると、あっという間に昔話に花が咲く。
優子がとん、とボクの肩口を拳で小突いた。
「やるじゃん!陽太くん。・・・医学部入学おめでとう」
いっぱいいっぱい悲しい思いやつらい思いをさせたはずなのに、彼女はこうして笑ってくれる。胸が痛むと同時に、優しい気持ちにもなる。
「私は、知ってたけどさ。陽太くんなら、やるってさ」
へっへーとまた優子が笑った。相変わらずのふんわりとした温かい笑みだ。
そして、皆が話をしている中、不意に耳元に顔を寄せてきた。
「あとで、二人で話そう」
ふわりと、いい匂いがする。ボクが、好きなコロンの匂いだった。
☆☆☆
「もう、あれから二年も経つんだね」
後ろ手に手を組んで、優子が歩く。ボクはその後ろを少し離れてついていく。
大学の構内。今日は入学式なので、一般の人もうじゃうじゃいるので、学生ではない人がいても目立つことはない。
皆はもう少し昔話がしたいのでと、カフェに行くと言った。ボクと優子はあとから合流することになっている。あとから行くから先行っててと、優子が言ったのだ。ルリが軽くウィンクをしていた。
「陽太くん、結構、酷いよね」
「ごめん」
速攻で謝る。
「また、そうやってすぐ謝るぅ」
ぷっと頬をふくらませるその表情は2年前と変わらない。
そりゃそうだ。地獄に落ちても不思議ではないくらいの罪だろう。
何万回謝っても足りない。
「私ね、いっぱい頑張ったんだよ」
知ってる。優子は頑張り屋だ。大学もすごく頑張って、何段階も偏差値を上げて現役で第一志望に進学していった。
「今度ね、英検1級、受けるんだー。この間、惜しいところまでいったからね。次は絶対合格する!」
ぴらっと受験票を指で挟んで見せる。へー、英検てそういう受験票なんだ。
「今度は、風に飛ばされないように注意しなよ」
軽口のつもりで言ったのだが、優子が目を丸くしてボクの方を見たので、びっくりした。
「覚えていたの?」
え?そりゃ覚えているでしょう?高校の入学試験日当日、受験票が風に飛ばされて、途方に暮れていた女の子がいた。それ、優子だったじゃん。
「てっきり、私、分かってなかったのだと思っていた・・・」
そのまま、彼女はうつむいた。
「やっぱ、陽太くん、ずるいや・・・。ここで、このタイミングで、そういうこと言っちゃうの。ホント、反則だよ・・・」
え?な・・・何が反則なの?
突然感情があふれてきている様子の優子の姿に、わけも分からずオロオロしてしまう。
「全く・・・私、カッコ悪いったらありゃしない。本当は、もっとクールにサプライズって、決めたかったんだけど・・・なあ。ホント、陽太くんの・・・バカ・・・」
え?優子?・・・涙ぐんでるの?
突然、『大学の校舎裏で女の子を泣かせるの図』に巻き込まれ、ボクは困惑した。
「バカ陽太!・・・後ろ振り向け!・・・それで・・・それで・・・いっちゃえ!!!」
後ろって・・・?
促されて、振り返った。
桜の花びらが一枚、落ちてきた。
ボクと、彼女の間に。
音もなく。
そこに立っていたのは・・・。
「入学、おめでとう。陽太・・・」
紺色のブレザーに身を包んだ、四宮奏、その人だった。
☆☆☆
2年前、イギリスについて、すぐ、私は無菌室のような所に入れられた。看護するスタッフは全員女性、最新の機器で身体状態をモニタリングされ、いくつもの検査を受けさせられた。
検査の結果の分析が終わり、術式が確定したとお兄ちゃんに告げられたのは、渡英後、半月経った頃だった。
脳の手術をする、と言われた。お兄ちゃんが丁寧に説明してくれる。
「怖いかい?奏」
ベッドに座っている私の横に、白衣を来たお兄ちゃんが寄り添うように座る。
確かに、脳の手術は怖い。術後に起こりうる副作用等についても説明を受けた。ただ、お兄ちゃんは「命に代えても奏にはびた一文副作用を発生させない。その自信が僕にはある!!」と言ってくれた。
何の根拠もないけど、それで少し安心した。
本当に、ここにきて、私はいろんなことが怖くなっていた。
一人だったからだ。
今まで、どんなときでも陽太がいた。
私がいろんなことに負けずに頑張れたのは、きっと彼のおかげだったんだ。
でも、今、彼はいない。もう頼れない。
だから、私は自分の力で頑張らなければいけない・・・そう思った。
結果的に手術は成功。その後、若干のリハビリとホルモン剤の投与が続く。ホルモン剤の投与は結構身体がきつかったが、気のいいイギリス人の看護師さんやお兄ちゃんの支えでなんとか乗り切れた。
数ヶ月に一度、お父さんやお母さんがお見舞いに来てくれたのも嬉しかった。
そうして、あっという間に、2年の歳月が流れていった。
私のPIHは少量のホルモン剤を経口投与すれば全く症状が現れないくらいまで回復していた。治癒、といってもいい状態だった。
もうすぐ退院というある日のこと。長くお世話になった病室を片付け始めていた。ずっと私の面倒を見てくれていた主任看護師のエミリエも手伝ってくれる。
「What's this paper bag? It looks like it's been here for a while.(この紙袋は?ずっとあるみたいだけど)」
そう、病室の机の上には、日本を発ったあの日、優子ちゃんからもらった紙袋がそのまま置いてあった。
「I received this present from a classmate when I left Japan. I never had the chance to open it so I just left it.(日本で、クラスメートからもらったの。なんだか開けられなくて)」
「Ah! God!? That's not okay, Kanade! People's souls reside in presents!(ああ!なんてこと!?それはダメよ、奏!プレゼントには人の魂が宿ってるんだから!)」
促され、ちょっと考えた末に、開けてみることにした。
記念品はポーチだった。多分、優子ちゃんが選んでくれたのだと思う。お化粧品とか小物とかを入れるための、紺色のポーチ。おしゃれで、結構いいやつだと思う。
そして、寄せ書き・・・。
正方形の色紙いっぱいに、色とりどりのペンでクラスの人たちからの言葉が書かれている。
『病気、絶対治してね! 倉橋佳苗』
『負けんなよ!また、一緒にカラオケ行こうぜ! 霧島弦次』
佐伯先生や壬生先生まで書いてくれている。
『あなたは素晴らしい生徒でした。あなたの未来が、明るいものであるよう、祈っています。 数学科 壬生浩二』
『四宮さんに言いたいことはたくさんあります。ありすぎて、ここには書ききれないくらいです。だから、必ず帰ってきて、私の所に元気な顔を見せに来てください。その時は、3時間位、時間を取れるようにして! 社会科 佐伯航一郎(2B担任)』
温かい言葉に涙が溢れた。
エミリエがそっと肩に手をおいてくれる。
ただ、寄せ書きの中に、陽太の言葉はなかった。
「あれ?」
最後に読んだメッセージ。ちょっと、意味がわからない。
『病気が治ったら、この色紙を太陽のもとに・・・。 笹本優子』
私が変な声を出したものだから、エミリエが心配そうに「What's wrong? Kanade(どうしたの?奏)」と聞いてきた。
「Well, this message says, "When you get better, place this piece of paper under the sun," and I didn't really understand what it meant.(いや、このメッセージなんだけど、『病気が治ったら、この色紙を太陽のもとに』ってあって、意味がよくわからないなって思ったの)』
『If it says, 'Put it under the sun,' then I think you should do that.(太陽の下に、とあるなら、そうしてみればいいんじゃない?)」
ちょうど、今はお昼。窓の外には眩しい太陽が光っていた。
そっと日向に寄せ書きを置いてみた・・・が、何も変化はない。
「Doesn't it mean that you should shine the sunlight through the paper?(透かしてみろってことかしら?)」
エミリエが言う。
こんな厚紙、透けるのだろうか?
半信半疑ながら、太陽に透かしてみた。
「Wow! We can see the letters! Kanade! Your friend is amazing!(おお!文字が見えるよ!奏!あなたのお友達、すごいね!)」
なんと書いてあるか、分からないけど、たしかに縦書きの文字が見えた。
「This paper seems to be double-layered. Look! it looks like it's going to come off here.(この色紙、二重になっている。ほら、ここから剥がれそうだよ)」
エミリエが示した場所からシールみたいに剥がれるようになっていた。慎重に、慎重に剥がしていく。
「Wow! It's wonduful!!(わあ!すごい!)」
そこに現れた手紙は、私にとって、生涯大切なものになった。
☆☆☆
突然の私の登場に、陽太はびっくりして、本当に固まっていた。
人って、びっくりすると、こうなるんだな・・・。
あ、そうだ、そうだ。ここ半年、こうして日本に帰って、陽太に会ったら絶対しなきゃと思っていたことがあったんだ。
「陽太・・・目、閉じて・・・」
あんぐり口を開いたまま素直に目を閉じる、陽太。
ふふふ・・・相変わらず、素直で可愛いし・・・ちょろい。
じゃあ・・・いっちょ・・・。
私は大きく右手を振りかぶると、
ばっしーん!!!
思いっきり陽太のほっぺたを張り倒した。
「ぶへっ」っと変な声を上げて、陽太は尻餅をついた。
「いってー!!!!」
突然の理不尽な攻撃に、涙目でこっちを見る陽太。私が張った右頬が痛々しく赤い。
「な・・・何するんだよ!奏!!」
ふん!と私は鼻息を荒くし、腰に手を当ててそんな陽太を睥睨するように見る。
陽太の向こうでは、優子ちゃんが手のひらで目を覆っている。
「これで、おあいこ!」
大声で言ってやった。
へ?とバカみたいな顔をする。医学部受かっても、やっぱり陽太は、陽太だ。
「だーかーらー!2年前!私を騙したこと!!!これでおあいこだから!!」
バックからクリアファイルに挟んだ手紙をひらりと示した。
二重になった色紙の中から出てきた手紙、それは優子ちゃんの筆跡だった。
☆☆☆
前略 四宮奏 様
あなたが私のメッセージを正しく読み取っていれば、この手紙をPIHが治った末に読んでいることでしょう。もしも、万が一まだ治っていないなら、この手紙を読むのをすぐにやめ、治ったらまた読んでください。
治ってますか?本当ですか?
こほん、じゃあ、続けますね。
陽太くんは、奏ちゃんのことが大好きです。大好きすぎて、奏ちゃんのことしか考えていません。ほんっとに腹が立つ!!
もちろん、陽太くんは私にキスなんてしていませんよ。
それで、奏ちゃんはおでこにキスしてもらったんですよね?
しょうがないので、『判定勝ち』ってことにしてあげます。
じゃあ、なんで、今回、陽太くんは「優子と付き合ってる」なんて言ったのか?その理由はたったひとつです。奏ちゃんのPIHの治療には、奏ちゃんの陽太くんへの恋心が邪魔だったから、です。
だから、陽太くんは嘘をつくことにしたんです。クラス中の皆に協力を求めて、そして、私にまで頭を下げて。
安心してください。陽太くんは、これまでも、これからも、永遠に、ずっと、ずっと、あなただけを愛しています。
ムカつくけど。
そういうわけですから、これを読んだら、ちゃんと日本に帰ってきてください。
そして、陽太くんのことは、一発張り倒すくらいで許してあげてください。
そして、そして、日本に帰ってきたら、必ず、私に連絡をください。
もう一度、友達になりましょう。私達、きっと、一生の友達になれるはずです。
また会える、その日が来ることを信じて・・・。
草々
笹本優子
☆☆☆
「な!なんじゃこりゃあ!!!!」
立ち上がって手紙を読んだ陽太が、あまりにも想定外だったのだろう。雄叫びを上げる。
優子ちゃんがクスクスと笑っていた。
「ゆ・・・優子?」
少し呆けたあと、陽太が優子を探して振り向く。でも、そこに、優子はもういなかった。
これ以上は見たくない、ということだろうか。
ちょっと前に、ひらっと手を振ってそっと去っていった。
私の読唇術が間違っていなければ、唇で彼女はこう言っていた。
「アトハゴジユウニ」
あれ?あれ?と優子を探す陽太を私は後ろから抱きしめる。
陽太はフッと力を抜いて、私の腕に手をかけた。
「陽太・・・」
言いたいことはたくさんあった。
ありがとう、ごめんなさい、ただいま、帰ってきたよ、ずっと一緒にいよう、温かい・・・。
でも、口から出たのは、たった一言だけだった。
「大好き」
抱きしめた私の手の甲に、ぽたりと、誰かさんの涙の雫が落ちてきた。
陽太が私の腕をギュッと握る。私も負けないくらいの力で抱きしめかえした。
☆☆☆
これが私達の物語。
たくさんの旋律が合わさって、混じり合って、溶け合って、人生を満たしていく。
陽太が、私の方を振り返る。
こんなにも、陽太の顔が間近だ。
どちらからともなく、引き合うようにキスをする。
やっとここまで来られた。
今だから思えるよ。これは、最初から、約束されていたんだ。
変な病気に侵されていたけど、あなたが隣に住んでいて、ずっと一緒にいてくれて、私を守ってくれていて、嫌だっただろうに、嘘までついてくれた。
いろんな色んな人が私を、陽太を支えてくれた。
全てが、流れて、流れて、一つになる。
完成された、シンフォニー。
ずっと、これからもずっと一緒に奏で続けよう。陽太・・・。
【彼女はボクに発情しない 完】
(2年半後、春)
春の柔らかな日差しの中、校舎に植えられたソメイヨシノがハラハラと花びらを散らせている。
「これ、ドッキリじゃねえよな!?」
スーツを着て、大学の門の前で記念写真を撮るボクを見て、長谷川が失礼なことを言う。
「お前・・・大学入れる知能あったのか!?」
弦次・・・。てめえ・・・。
「しかも医学部とか、超すごくない!?」
ルリだ。ちゃっかり弦次とおそろいの服を着ている。なんだ、お前ら付き合っているのか?
今日、ボクは一浪して入った大学の入学式を迎えていた。三流ではあるが、一応医学部だ。
「お前、医者とかやって平気なのか?人、殺したりしないのか?」
長谷川は電子工学系の専門学校の二年生に進級していた。今年は就職活動で忙しいと、暗い顔をしていた。
「今度、入学祝い皆でやろうぜ!」
弦次は地元の大学に進学。あまり聞き慣れない横文字の長い名前の学部に入学。一応勉強はちゃんとしていると主張していた。
「いいね!やろう!やろう」
ルリも同調する。ルリも今年大学2年だ。みんな、ボクよりも年次が上だなー。
ルリがあたりを見回す。「優子も来るはずなんだけど・・・」と。
正直、優子とは顔を合わせにくい。
奏がイギリスに旅立つとき、散々優子には協力してもらった。優子は超が付くほどいい子で、あんなふうに利用した最低男のボクと、それでも付き合いたいと言ってくれた時もあった。
だけど、やっぱり長続きしなかった。
互いにふとした拍子に思い出してしまうんだ。
奏という女の子の存在を。
だから、優子とは卒業以来会っていない。彼女は確か、外国語学科に進学したはずだ。将来は旅行会社に勤めたい、と言っていた。
「あ!来た、来た!おーい!!」
ルリがぴょんぴょん跳ねながら手をふる。振り返ると、髪を下ろし、愛らしいメガネを掛けた優子が走ってきた。ごめんごめん、と手を合わせる。
「電車乗り間違えちゃって」
彼女が弦次やルリの輪に入ると、あっという間に昔話に花が咲く。
優子がとん、とボクの肩口を拳で小突いた。
「やるじゃん!陽太くん。・・・医学部入学おめでとう」
いっぱいいっぱい悲しい思いやつらい思いをさせたはずなのに、彼女はこうして笑ってくれる。胸が痛むと同時に、優しい気持ちにもなる。
「私は、知ってたけどさ。陽太くんなら、やるってさ」
へっへーとまた優子が笑った。相変わらずのふんわりとした温かい笑みだ。
そして、皆が話をしている中、不意に耳元に顔を寄せてきた。
「あとで、二人で話そう」
ふわりと、いい匂いがする。ボクが、好きなコロンの匂いだった。
☆☆☆
「もう、あれから二年も経つんだね」
後ろ手に手を組んで、優子が歩く。ボクはその後ろを少し離れてついていく。
大学の構内。今日は入学式なので、一般の人もうじゃうじゃいるので、学生ではない人がいても目立つことはない。
皆はもう少し昔話がしたいのでと、カフェに行くと言った。ボクと優子はあとから合流することになっている。あとから行くから先行っててと、優子が言ったのだ。ルリが軽くウィンクをしていた。
「陽太くん、結構、酷いよね」
「ごめん」
速攻で謝る。
「また、そうやってすぐ謝るぅ」
ぷっと頬をふくらませるその表情は2年前と変わらない。
そりゃそうだ。地獄に落ちても不思議ではないくらいの罪だろう。
何万回謝っても足りない。
「私ね、いっぱい頑張ったんだよ」
知ってる。優子は頑張り屋だ。大学もすごく頑張って、何段階も偏差値を上げて現役で第一志望に進学していった。
「今度ね、英検1級、受けるんだー。この間、惜しいところまでいったからね。次は絶対合格する!」
ぴらっと受験票を指で挟んで見せる。へー、英検てそういう受験票なんだ。
「今度は、風に飛ばされないように注意しなよ」
軽口のつもりで言ったのだが、優子が目を丸くしてボクの方を見たので、びっくりした。
「覚えていたの?」
え?そりゃ覚えているでしょう?高校の入学試験日当日、受験票が風に飛ばされて、途方に暮れていた女の子がいた。それ、優子だったじゃん。
「てっきり、私、分かってなかったのだと思っていた・・・」
そのまま、彼女はうつむいた。
「やっぱ、陽太くん、ずるいや・・・。ここで、このタイミングで、そういうこと言っちゃうの。ホント、反則だよ・・・」
え?な・・・何が反則なの?
突然感情があふれてきている様子の優子の姿に、わけも分からずオロオロしてしまう。
「全く・・・私、カッコ悪いったらありゃしない。本当は、もっとクールにサプライズって、決めたかったんだけど・・・なあ。ホント、陽太くんの・・・バカ・・・」
え?優子?・・・涙ぐんでるの?
突然、『大学の校舎裏で女の子を泣かせるの図』に巻き込まれ、ボクは困惑した。
「バカ陽太!・・・後ろ振り向け!・・・それで・・・それで・・・いっちゃえ!!!」
後ろって・・・?
促されて、振り返った。
桜の花びらが一枚、落ちてきた。
ボクと、彼女の間に。
音もなく。
そこに立っていたのは・・・。
「入学、おめでとう。陽太・・・」
紺色のブレザーに身を包んだ、四宮奏、その人だった。
☆☆☆
2年前、イギリスについて、すぐ、私は無菌室のような所に入れられた。看護するスタッフは全員女性、最新の機器で身体状態をモニタリングされ、いくつもの検査を受けさせられた。
検査の結果の分析が終わり、術式が確定したとお兄ちゃんに告げられたのは、渡英後、半月経った頃だった。
脳の手術をする、と言われた。お兄ちゃんが丁寧に説明してくれる。
「怖いかい?奏」
ベッドに座っている私の横に、白衣を来たお兄ちゃんが寄り添うように座る。
確かに、脳の手術は怖い。術後に起こりうる副作用等についても説明を受けた。ただ、お兄ちゃんは「命に代えても奏にはびた一文副作用を発生させない。その自信が僕にはある!!」と言ってくれた。
何の根拠もないけど、それで少し安心した。
本当に、ここにきて、私はいろんなことが怖くなっていた。
一人だったからだ。
今まで、どんなときでも陽太がいた。
私がいろんなことに負けずに頑張れたのは、きっと彼のおかげだったんだ。
でも、今、彼はいない。もう頼れない。
だから、私は自分の力で頑張らなければいけない・・・そう思った。
結果的に手術は成功。その後、若干のリハビリとホルモン剤の投与が続く。ホルモン剤の投与は結構身体がきつかったが、気のいいイギリス人の看護師さんやお兄ちゃんの支えでなんとか乗り切れた。
数ヶ月に一度、お父さんやお母さんがお見舞いに来てくれたのも嬉しかった。
そうして、あっという間に、2年の歳月が流れていった。
私のPIHは少量のホルモン剤を経口投与すれば全く症状が現れないくらいまで回復していた。治癒、といってもいい状態だった。
もうすぐ退院というある日のこと。長くお世話になった病室を片付け始めていた。ずっと私の面倒を見てくれていた主任看護師のエミリエも手伝ってくれる。
「What's this paper bag? It looks like it's been here for a while.(この紙袋は?ずっとあるみたいだけど)」
そう、病室の机の上には、日本を発ったあの日、優子ちゃんからもらった紙袋がそのまま置いてあった。
「I received this present from a classmate when I left Japan. I never had the chance to open it so I just left it.(日本で、クラスメートからもらったの。なんだか開けられなくて)」
「Ah! God!? That's not okay, Kanade! People's souls reside in presents!(ああ!なんてこと!?それはダメよ、奏!プレゼントには人の魂が宿ってるんだから!)」
促され、ちょっと考えた末に、開けてみることにした。
記念品はポーチだった。多分、優子ちゃんが選んでくれたのだと思う。お化粧品とか小物とかを入れるための、紺色のポーチ。おしゃれで、結構いいやつだと思う。
そして、寄せ書き・・・。
正方形の色紙いっぱいに、色とりどりのペンでクラスの人たちからの言葉が書かれている。
『病気、絶対治してね! 倉橋佳苗』
『負けんなよ!また、一緒にカラオケ行こうぜ! 霧島弦次』
佐伯先生や壬生先生まで書いてくれている。
『あなたは素晴らしい生徒でした。あなたの未来が、明るいものであるよう、祈っています。 数学科 壬生浩二』
『四宮さんに言いたいことはたくさんあります。ありすぎて、ここには書ききれないくらいです。だから、必ず帰ってきて、私の所に元気な顔を見せに来てください。その時は、3時間位、時間を取れるようにして! 社会科 佐伯航一郎(2B担任)』
温かい言葉に涙が溢れた。
エミリエがそっと肩に手をおいてくれる。
ただ、寄せ書きの中に、陽太の言葉はなかった。
「あれ?」
最後に読んだメッセージ。ちょっと、意味がわからない。
『病気が治ったら、この色紙を太陽のもとに・・・。 笹本優子』
私が変な声を出したものだから、エミリエが心配そうに「What's wrong? Kanade(どうしたの?奏)」と聞いてきた。
「Well, this message says, "When you get better, place this piece of paper under the sun," and I didn't really understand what it meant.(いや、このメッセージなんだけど、『病気が治ったら、この色紙を太陽のもとに』ってあって、意味がよくわからないなって思ったの)』
『If it says, 'Put it under the sun,' then I think you should do that.(太陽の下に、とあるなら、そうしてみればいいんじゃない?)」
ちょうど、今はお昼。窓の外には眩しい太陽が光っていた。
そっと日向に寄せ書きを置いてみた・・・が、何も変化はない。
「Doesn't it mean that you should shine the sunlight through the paper?(透かしてみろってことかしら?)」
エミリエが言う。
こんな厚紙、透けるのだろうか?
半信半疑ながら、太陽に透かしてみた。
「Wow! We can see the letters! Kanade! Your friend is amazing!(おお!文字が見えるよ!奏!あなたのお友達、すごいね!)」
なんと書いてあるか、分からないけど、たしかに縦書きの文字が見えた。
「This paper seems to be double-layered. Look! it looks like it's going to come off here.(この色紙、二重になっている。ほら、ここから剥がれそうだよ)」
エミリエが示した場所からシールみたいに剥がれるようになっていた。慎重に、慎重に剥がしていく。
「Wow! It's wonduful!!(わあ!すごい!)」
そこに現れた手紙は、私にとって、生涯大切なものになった。
☆☆☆
突然の私の登場に、陽太はびっくりして、本当に固まっていた。
人って、びっくりすると、こうなるんだな・・・。
あ、そうだ、そうだ。ここ半年、こうして日本に帰って、陽太に会ったら絶対しなきゃと思っていたことがあったんだ。
「陽太・・・目、閉じて・・・」
あんぐり口を開いたまま素直に目を閉じる、陽太。
ふふふ・・・相変わらず、素直で可愛いし・・・ちょろい。
じゃあ・・・いっちょ・・・。
私は大きく右手を振りかぶると、
ばっしーん!!!
思いっきり陽太のほっぺたを張り倒した。
「ぶへっ」っと変な声を上げて、陽太は尻餅をついた。
「いってー!!!!」
突然の理不尽な攻撃に、涙目でこっちを見る陽太。私が張った右頬が痛々しく赤い。
「な・・・何するんだよ!奏!!」
ふん!と私は鼻息を荒くし、腰に手を当ててそんな陽太を睥睨するように見る。
陽太の向こうでは、優子ちゃんが手のひらで目を覆っている。
「これで、おあいこ!」
大声で言ってやった。
へ?とバカみたいな顔をする。医学部受かっても、やっぱり陽太は、陽太だ。
「だーかーらー!2年前!私を騙したこと!!!これでおあいこだから!!」
バックからクリアファイルに挟んだ手紙をひらりと示した。
二重になった色紙の中から出てきた手紙、それは優子ちゃんの筆跡だった。
☆☆☆
前略 四宮奏 様
あなたが私のメッセージを正しく読み取っていれば、この手紙をPIHが治った末に読んでいることでしょう。もしも、万が一まだ治っていないなら、この手紙を読むのをすぐにやめ、治ったらまた読んでください。
治ってますか?本当ですか?
こほん、じゃあ、続けますね。
陽太くんは、奏ちゃんのことが大好きです。大好きすぎて、奏ちゃんのことしか考えていません。ほんっとに腹が立つ!!
もちろん、陽太くんは私にキスなんてしていませんよ。
それで、奏ちゃんはおでこにキスしてもらったんですよね?
しょうがないので、『判定勝ち』ってことにしてあげます。
じゃあ、なんで、今回、陽太くんは「優子と付き合ってる」なんて言ったのか?その理由はたったひとつです。奏ちゃんのPIHの治療には、奏ちゃんの陽太くんへの恋心が邪魔だったから、です。
だから、陽太くんは嘘をつくことにしたんです。クラス中の皆に協力を求めて、そして、私にまで頭を下げて。
安心してください。陽太くんは、これまでも、これからも、永遠に、ずっと、ずっと、あなただけを愛しています。
ムカつくけど。
そういうわけですから、これを読んだら、ちゃんと日本に帰ってきてください。
そして、陽太くんのことは、一発張り倒すくらいで許してあげてください。
そして、そして、日本に帰ってきたら、必ず、私に連絡をください。
もう一度、友達になりましょう。私達、きっと、一生の友達になれるはずです。
また会える、その日が来ることを信じて・・・。
草々
笹本優子
☆☆☆
「な!なんじゃこりゃあ!!!!」
立ち上がって手紙を読んだ陽太が、あまりにも想定外だったのだろう。雄叫びを上げる。
優子ちゃんがクスクスと笑っていた。
「ゆ・・・優子?」
少し呆けたあと、陽太が優子を探して振り向く。でも、そこに、優子はもういなかった。
これ以上は見たくない、ということだろうか。
ちょっと前に、ひらっと手を振ってそっと去っていった。
私の読唇術が間違っていなければ、唇で彼女はこう言っていた。
「アトハゴジユウニ」
あれ?あれ?と優子を探す陽太を私は後ろから抱きしめる。
陽太はフッと力を抜いて、私の腕に手をかけた。
「陽太・・・」
言いたいことはたくさんあった。
ありがとう、ごめんなさい、ただいま、帰ってきたよ、ずっと一緒にいよう、温かい・・・。
でも、口から出たのは、たった一言だけだった。
「大好き」
抱きしめた私の手の甲に、ぽたりと、誰かさんの涙の雫が落ちてきた。
陽太が私の腕をギュッと握る。私も負けないくらいの力で抱きしめかえした。
☆☆☆
これが私達の物語。
たくさんの旋律が合わさって、混じり合って、溶け合って、人生を満たしていく。
陽太が、私の方を振り返る。
こんなにも、陽太の顔が間近だ。
どちらからともなく、引き合うようにキスをする。
やっとここまで来られた。
今だから思えるよ。これは、最初から、約束されていたんだ。
変な病気に侵されていたけど、あなたが隣に住んでいて、ずっと一緒にいてくれて、私を守ってくれていて、嫌だっただろうに、嘘までついてくれた。
いろんな色んな人が私を、陽太を支えてくれた。
全てが、流れて、流れて、一つになる。
完成された、シンフォニー。
ずっと、これからもずっと一緒に奏で続けよう。陽太・・・。
【彼女はボクに発情しない 完】
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