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記憶を失う日
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肩を叩かれてぼーっとしていたことに気づいた。
自分は誰で、ここはどこだ。
状況がわからず固まっていると肩を叩いたであろう人が目を合わせて話しかけてくれた。
「しろちゃん。キミの名前は白石紗月。今いる場所は生徒会室。俺は生徒会長。生徒会の仕事をしてる時に多分記憶消えちゃったかな。」
「…私は白石紗月。生徒会…生徒会長…」
私は白石紗月。
生徒会室にいて、この話しかけてくれている人は生徒会長。
段々と理解はできた。
でもまだ動けるほどではない。
「しろちゃん。帰れる?家まで送ろうか?」
「家…」
「わからなさそうだね。送ろうか。」
記憶がないからわからないけれど、生徒会長さんの行動と冷静さを見ていると毎回同じような会話をしている気がする。
「ゆうちゃん、通学はバス?」
「いえ。自転車を使ってます。」
ゆうちゃんなんて人は知らない。誰だ。
…思い出せるわけないし、考えるのをやめた。
「なら1人で帰れるね。俺、しろちゃんを送って帰るから。」
「わかりました。先に帰ったほうがいいですかね?」
「そうだね。鍵は俺がやるよ。じゃあまた明日ね。」
「はい。失礼しました。」
ゆうちゃんと呼ばれていた人はすぐに部屋を出て行った。
「しろちゃん、荷物はこれかな?歩いて帰るよ。立てる?」
「家…帰る…会長…」
「よし。帰ろうか。俺が家まで送るから安心して。」
段々と思考ができるようになってきた。
言葉はうまく出ていない気がするけれど、今日はもう諦めたほうがいいかもしれない。
「よし。職員室に鍵を置いてから帰るよ。はい、行こっか。」
「はい。」
会長に連れられて職員室まで行くと大人が話しかけてきた。
多分先生だろう。
「もう25日か。大変だね。」
「えっと……」
「しろちゃん、帰るよ。校長先生、さようなら。」
「篠原くん、白石さん、さようなら。」
校長先生だったらしい。
失礼な態度をとってしまったかもしれない。
「しろちゃん、大丈夫。校長先生は少し失礼な態度でも怒らない人だから。あと、思い出せないこととかわからないことがあったら明日の放課後に教えてね。生徒会室にいるから。」
「わかりました。」
会長は基本的な情報を教えてくれた。
両親が海外にいること、成績上位者であること、定期的に記憶をなくすこと。
私のペースで歩いてくれているから多分いつもより遅いのだろう。すごく申し訳ない。
「ここ、しろちゃんの家ね。明日の朝、7時30分に迎えに来るから家にいてね。」
「わかりました。」
「じゃあ、また明日。」
手を振って歩いていく会長は少しかっこつけているように見えた。
自分は誰で、ここはどこだ。
状況がわからず固まっていると肩を叩いたであろう人が目を合わせて話しかけてくれた。
「しろちゃん。キミの名前は白石紗月。今いる場所は生徒会室。俺は生徒会長。生徒会の仕事をしてる時に多分記憶消えちゃったかな。」
「…私は白石紗月。生徒会…生徒会長…」
私は白石紗月。
生徒会室にいて、この話しかけてくれている人は生徒会長。
段々と理解はできた。
でもまだ動けるほどではない。
「しろちゃん。帰れる?家まで送ろうか?」
「家…」
「わからなさそうだね。送ろうか。」
記憶がないからわからないけれど、生徒会長さんの行動と冷静さを見ていると毎回同じような会話をしている気がする。
「ゆうちゃん、通学はバス?」
「いえ。自転車を使ってます。」
ゆうちゃんなんて人は知らない。誰だ。
…思い出せるわけないし、考えるのをやめた。
「なら1人で帰れるね。俺、しろちゃんを送って帰るから。」
「わかりました。先に帰ったほうがいいですかね?」
「そうだね。鍵は俺がやるよ。じゃあまた明日ね。」
「はい。失礼しました。」
ゆうちゃんと呼ばれていた人はすぐに部屋を出て行った。
「しろちゃん、荷物はこれかな?歩いて帰るよ。立てる?」
「家…帰る…会長…」
「よし。帰ろうか。俺が家まで送るから安心して。」
段々と思考ができるようになってきた。
言葉はうまく出ていない気がするけれど、今日はもう諦めたほうがいいかもしれない。
「よし。職員室に鍵を置いてから帰るよ。はい、行こっか。」
「はい。」
会長に連れられて職員室まで行くと大人が話しかけてきた。
多分先生だろう。
「もう25日か。大変だね。」
「えっと……」
「しろちゃん、帰るよ。校長先生、さようなら。」
「篠原くん、白石さん、さようなら。」
校長先生だったらしい。
失礼な態度をとってしまったかもしれない。
「しろちゃん、大丈夫。校長先生は少し失礼な態度でも怒らない人だから。あと、思い出せないこととかわからないことがあったら明日の放課後に教えてね。生徒会室にいるから。」
「わかりました。」
会長は基本的な情報を教えてくれた。
両親が海外にいること、成績上位者であること、定期的に記憶をなくすこと。
私のペースで歩いてくれているから多分いつもより遅いのだろう。すごく申し訳ない。
「ここ、しろちゃんの家ね。明日の朝、7時30分に迎えに来るから家にいてね。」
「わかりました。」
「じゃあ、また明日。」
手を振って歩いていく会長は少しかっこつけているように見えた。
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