失う記憶と後輩生徒

ゆきち

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協力関係

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放課後、私は生徒会室に向かった。
鍵は開けとくからと会長が意気込んでいたので教室自体は開いているだろう。
「あ、しろちゃん!きた!しろちゃんこっちこっち。」
窓際に座って作業をしていた会長が私に向かって手を振ってきた。
手を振りかえして、席につく。
「今日、ゆうちゃんも来るんだけど自分で説明できる?」
「あ、はい。説明はできます。補足情報があれば会長が追加していただけると。」
「OK!任せて!」
私たちは結城くんが来るのを待った。
しばらくするとノック音と扉の開く音がした。
「やっほー、ゆうちゃん。」
「会長、白石先輩こんにちは。」
「結城くん、こんにちは。」
「ゆうちゃんは今日は俺たちの説明を聞いてもらおうか。」
「もちろんです。僕も色々聞きたいことがあるので。」
覚悟を決めた。私はこれから結城くんに記憶がなくなることを話す。
受け入れてもらえないかもしれない。
軽蔑されたり、私のイメージを壊してしまうかもしれない。
それでも私は話さないといけないと覚悟を決め、話し始めた。
「結論から話すと、私は毎月25日にその1ヶ月分の記憶が消えます。一度消えると思い出すことはないので一生思い出すことはできません。昨日、放心状態みたいなぼーっとしていたのはそういうことです。」
「…なんとなく察していました。」
「しろちゃんのこれは原因不明でどうしたら治るかがわかっていない。脳に異常はないし発症したのはこの生徒会に入ってからなんだ。」
発症した時の恐怖は今でも忘れられない。
急に記憶がなくなって、基本的な情報すら忘れていた。
結城くんは落ち着いた表情で、どこか覚悟を決めたような表情をしていた。
「あの、僕も言わないといけないことがあって…先輩と同じように僕にも原因不明のことが起こります。」
急だったのもあってすごく驚いた。
それと同時に自分以外にも原因不明なことが起きる人がいることに安心した。
「結城さんもですか?」
「ゆうちゃんも記憶なくなるの?」
「えっと、僕の場合は逆です。未来の記憶が見えるんです。」
「え……」
消えるのではなく見える。
私と正反対の症状な気がして理解が追いつかなかった。
「未来の記憶は毎月25日に修正されます。行動から未来を予測して結論を先に提示されるみたいな感覚です。未来の結論は基本変わらないんですけど大体1年間分の未来を見ることができます。」
無言の時間ができた。
確かに私と重なる部分もあるけれど理解するには難しく、全然納得できなかった。
「えっと…しろちゃんは記憶を失い、ゆうちゃんは記憶が見れるってこと…?」
「そういうことです。僕のは生まれた時からなので発症原因はわからないんですけど。」
「私も記憶にいましたか…?」
「いました。だから記憶を失くさなくてすむ方法を一緒に探しませんか。僕が探して、白石先輩が試すみたいな形にはなってしまうんですけど…」
「しろちゃんの好きにしたらいいと思うよ。」
「私は……」
私は全力で考えた。治るのであれば治したいけれど治るという確証がない。
ただ試してみないとどうなるかわからない。私は覚悟を決めた。
「…私は治したいです。結城さん、協力していただけますか?」
「もちろんです。」
私と結城くんは協力関係になった。
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