炎の魔女は妖精の瞳を持つ男爵に恋をする~愛の囁きは危険な恋の始まり?~

清里優月

文字の大きさ
33 / 42

32話 祝福7*

しおりを挟む
『はっ! 君は、炎の魔女に騙されているのだ! 奴らは邪悪な存在だ!』
 アスター公爵の声がハリーの耳に蘇る。自分はレイモンドとシエナに裏切られていたのだ。ハリーは、壁を拳で叩く。

(裏切られているなら、裏切り返すまでだ……)
 ハリーはそう決意するが、彼の胸は張り裂けそうだった。

 その日は朝から雨だった。初夏の王都シェラードは美しく、過ごしやすいのだ。普段は考えられないくらいの大雨が降り、空は暗かった。

(変な天気。嫌な感じね)
 シエナはハリーの部屋の扉を軽く叩く。ハリーは、研究のため部屋に閉じこもることが多くなった。この前まではやたらとシエナを探して、接触していたのにおかしい。シエナはハリーを心配して、お茶にでも誘おうとしていた。

「はい」
「ハリー様、お茶でもしませんか?」
 シエナが部屋に入る。ハリーは鋭い視線をシエナに投げかけた。
(え?)
 シエナが足を止める。ハリーが立ち上がって、シエナに近づく。

「シエナ、君はレイモンドのように私を裏切ってないよな?」
 ハリーの傷ついた表情がシエナをとらえた。
「ハリー! 私はこの前も言ったけど、あなたを愛しているわ!」
 シエナの悲痛ともいえる叫びをハリーは受け入れてくれた。

「シエナ。愛してる。私の傍にいれてくれ」
 シエナは今までずっと待っていた愛の言葉を告げられて、嬉しくて泣きそうだ。ハリーは、髪から頬へ唇へと口づけを降らすと、シエナを抱き締めた。シエナの金色の瞳から涙が一筋零れる。だが、シエナの心のどこかで不安が渦巻いていた。ハリーの言葉が偽りではないか、と。

 「シエナ、愛している」
 ハリーが優しく唇を重ねてくる。そのまま二人は舌を搦め合って、深いキスを交わした。唾液がどちらのものか分からなくなるほど、舌を搦め合う。シエナの唇から唾液が零れた。はあと二人は唇を離す。ハリーはシエナの耳孔に舌を入れて、舐めた。耳の中を濡れた舌が蠢く。

「あっ……」
 シエナは思わず声を出した。下腹部から何かがとろりと溢れてくる。耳元を舐めながらハリーはシエナのドレスを脱がそうとした。
「待って……。こんなところでは嫌」
 シエナは顔を赤らめながらハリーにお願いする。ハリーがぐいっとシエナを抱えて、客間リビングルームから出ていく。螺旋階段を登り、二階のハリーの部屋へと入り、天蓋付きの寝台の前にシエナを立たせた。

 ハリーは再び羽のような優しい口づけをする。二人は幾度となく啄んだキスを交わした。キスをしながらハリーはシエナの服を脱がせる。その手はたどたどしく不器用だが、それがむしろ一生懸命で嬉しかった。なのにシエナの胸に不安が広がる。

(私は幸せ。運命の人と結ばれる。なのに、何で騙されている気がするの?)
 シエナの形の良い金色の瞳が涙で潤んだ。これは悲しいのではなくて、嬉し涙だ。ハリーがシエナのデイドレスの前のボタンを外し、後ろの編み上げの部分を緩めてストンとドレスが落ちた。シエナはペディコート姿になった。ハリーがシエナの首筋に唇を移動し、濡れた感触が肌の上を蠢く。

「あっ……。やああ」
 シエナは身体をがくがく揺らした。ハリーのシャツを握っていなければ倒れてしまいそうだ。身体の芯が疼いた。ペディコートが落とされて、コルセットが外される。ふるりとシエナの双丘がまろびでた。ハリーはシエナを寝台へと横たわらせて、胸の膨らみを弄り始めた。指で円を描くようにくにくにと押したり、強弱をつけて愛撫する。

「やっ、やああん!」
 胸の先がじんじんして切なくて、シエナは甘い声を上げた。自分が発した甘ったるい男性を誘うような声にシエナは驚く。
「はあ、シエナ」
 ハリーはシエナの嬌声に興奮したらしく、桜色の蕾に舌を落とすと吸い上げた。濡れた舌が上下に感じやすい胸の先を飴を転がすかのように舐め上げた。もう片方の蕾は優しく強弱をつけて揉みこまれて、爪で引っかかれる。

「あっあっ……」
 腰に快感が集まり、下腹部から蜜があふれでた。ハリーは両方の胸を吸い上げて、丹念に舌を蕾に這わせる。蜜に塗れて使い物にならなくなったドロワースを抜いた。ハリーの指使いは不慣れで、たどたどしい。

「はあ、シエナ。可愛い……」
 ハリーの可愛いという言葉にシエナの胸がきゅんとなる。ハリーの手はシエナの敏感な所を嬲る。赤い和毛をかきわけて、指が蜜に塗れた。下腹部が甘い痺れを期待して濡れてくる。膝ががくがくして、力が入らなくなった。指が蜜が溢れる花園を行き来する。ハリーの指が、舌が、シエナの身体を蹂躙する。

「あっ、あっ」
 胸の先を吸われて、花園の蜜を搔きまわされてシエナはおかしくなりそうだ。ハリーの指が一本増やされて、花園を行き来する。指が与える甘い快楽に頭が蕩けそうだ。ハリーが花園の中に隠れた花芽を見つけて、指で圧し潰した。その瞬間、シエナの瞼に白い視界が走り、足元まで快感が走った。シエナはシーツを掴み、必死でハリーの与える快感から逃れようとした。

「あっあっ、あん!」
 金色の瞳から雫が飛び散り、落ちた。透明な蜜がとろりと湧いて、溢れる。花芽を指でくりくりと円を描くように強弱をつけて押した。
「ハリー! そ、そこ押さないで! い、嫌っ!」
 身体の芯が淫らに震えて、全身に甘い痺れが散った。蜜口に指が三本になり、中送される。身体の芯が疼いて、蜜がどんどん滴ってくる。ハリーは、嬲られ過ぎて、固くなった胸の先を舌で吸い上げた。

「あ、あ~!」
 一度に二か所も愛撫されて、シエナは甘い悲鳴を上げた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

虚弱姫はコワモテ将軍の筋肉に触りたい

隙間ちほ
恋愛
◼︎無骨な英雄×病弱な筋肉フェチ姫 ◼︎辺境伯の末娘エルナは、領軍の英雄マテウスとの結婚が決まった。政略結婚――のはずが、実は姫は将軍の熱烈なファン。姫がノリノリで嫁ぐ一方、当のマテウスは「か弱い姫君に嫌われている」と思い込み、距離を取ってしまう……。 ◼︎筋肉と鼻血とすれ違いラブコメ。 ◼︎超高速展開、サクッと読めます。

むにゃむにゃしてたら私にだけ冷たい幼馴染と結婚してました~お飾り妻のはずですが溺愛しすぎじゃないですか⁉~

景華
恋愛
「シリウス・カルバン……むにゃむにゃ……私と結婚、してぇ……むにゃむにゃ」 「……は?」 そんな寝言のせいで、すれ違っていた二人が結婚することに!? 精霊が作りし国ローザニア王国。 セレンシア・ピエラ伯爵令嬢には、国家機密扱いとなるほどの秘密があった。 【寝言の強制実行】。 彼女の寝言で発せられた言葉は絶対だ。 精霊の加護を持つ王太子ですらパシリに使ってしまうほどの強制力。 そしてそんな【寝言の強制実行】のせいで結婚してしまった相手は、彼女の幼馴染で公爵令息にして副騎士団長のシリウス・カルバン。 セレンシアを元々愛してしまったがゆえに彼女の前でだけクールに装ってしまうようになっていたシリウスは、この結婚を機に自分の本当の思いを素直に出していくことを決意し自分の思うがままに溺愛しはじめるが、セレンシアはそれを寝言のせいでおかしくなっているのだと勘違いをしたまま。 それどころか、自分の寝言のせいで結婚してしまっては申し訳ないからと、3年間白い結婚をして離縁しようとまで言い出す始末。 自分の思いを信じてもらえないシリウスは、彼女の【寝言の強制実行】の力を消し去るため、どこかにいるであろう魔法使いを探し出す──!! 大人になるにつれて離れてしまった心と身体の距離が少しずつ縮まって、絡まった糸が解けていく。 すれ違っていた二人の両片思い勘違い恋愛ファンタジー!!

愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください

無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――

元恋人が届けた、断りたい縁談

待鳥園子
恋愛
シュトルム辺境伯の末娘ソフィに隣国の帝国第二皇子から届けられた『縁談』の使者は、なんと元恋人のジョサイアだった。 手紙ひとつで別れることになったソフィは、素直になれずジョサイアから逃げ回る。 「私に届けなければ、彼は帝国に帰ることが出来ない」 そう思いようやく書状を受け取ろうと決意したソフィに、ジョサイアは何かを言い掛けて!?

私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―

喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。 そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。 二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。 最初は手紙も返ってきていたのに、 いつからか音信不通に。 あんなにうっとうしいほど構ってきた男が―― なぜ突然、私を無視するの? 不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、 突然ルイスが帰還した。 ボロボロの身体。 そして隣には――見知らぬ女。 勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、 私の中で何かが壊れた。 混乱、絶望、そして……再起。 すがりつく女は、みっともないだけ。 私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。 「私を簡単に捨てられるとでも? ――君が望んでも、離さない」 呪いを自ら解き放ち、 彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。 すれ違い、誤解、呪い、執着、 そして狂おしいほどの愛―― 二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。 過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

令嬢が眠る時

五蕾 明日花
恋愛
愛する婚約者と仲睦まじい元平民の男爵令嬢に嫉妬し、嫌がらせを続けた挙句に処刑された我儘で傲慢な公爵令嬢コーネリア。悪魔の力を借りて人生を繰り返していくうちに性格や言動を改め、〝完璧な令嬢〟と評されるようになっていく。しかしそうなっても婚約者は、男爵令嬢を選んでしまう運命は変えられない。濡れ衣を着せられ、結局はありもしない罪で処刑されてしまう。心が折れてしまいせめて処刑されてしまう運命だけでも変えたいコーネリアに、悪魔は〝仮死状態になり、死んだと誤解させた後でこっそり逃げ出してしまえばいい〟と提案する。 仮死状態(意識のみ有り)での性描写有り、嘔吐描写も一瞬 完結済。6話+エピローグ。♡マーク付きの話に性描写有り。 Nolaノベルにも同名義で投稿。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

処理中です...