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13話 あなたの心を知りたい3
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(女神? 私がレヴィ様の?)
容姿端麗なレヴィの横に立つほど自分は綺麗ではない。外れのエリンと揶揄された過去の痛みがまだエリンの中に残っていた。精霊の色彩である青の瞳は大きく澄んでいて、鼻筋は整っている。紅の小さな唇とそのパーツが小さな顔へ絶妙に収まっていた。エリンは元はいいのだ。ちゃんとすれば妖精のように愛くるしい美少女だ。レヴィに相応しくないと陰口を叩かれた過去や義母と義妹から受けた苛めが尾を引いていた。
『エリンを……らないと……』
レヴィの思考が一瞬霞がかって読めない。始めてのことで心読みの薬の効能が切れたかと不安になるが、今日はいつもより多めに薬を飲んできた、そのようなことはない筈だ。レヴィの優しく甘い笑顔がエリンに向けられた。エリンはどきんとして、胸が高鳴る。
その時、二人を見知らぬ青年たちがわっと取り囲む。
「レヴィ、お前この可愛い令嬢を独り占めにするなよな」
「そうそう!」
急に見知らぬ青年たちに声をかけられたエリンは目を白黒させた。
「かっわい~い。どうレヴィとじゃなくて俺と踊らない?」
エリンはびくんと反応して、レヴィの背の後ろに隠れる。
「おい! コイツは俺の婚約者だ。余計なちょっかいは出さないでくれるか」
レヴィの婚約者と聞いて、青年たちは驚愕する。
顔を隠した暗い陰気な魔法使いである外れのエリン。
だけど。
レヴィの後ろに隠れている少女は、青の大きな瞳の可憐な美少女で。
「え~! エリン=スミス嬢? こんなに可愛かったのか!」
一人の青年の大声にエリンはビクンと身を強張らせる。怯えている婚約者をレヴィが背中で庇う。
「お前ら、調子に乗るなよ。エリンが怯えているだろ。エリンは、大人しくて人見知りするんだよ」
エリンはレヴィの上着をぎゅっと握りしめる。
「あ、わりい。レヴィが可愛い美少女独り占めしているから。つい……な」
「ごめんね。エリン嬢」
レヴィをからかって、あわよくば美少女とお知り合いになろうとしていた青年たちは怯える少女に出鼻を挫かれた。居心地の悪い空間に居たくないと逃げ出した。
『ったく……。俺の可愛いエリンに手を出そうとしやがって……。俺だって手を握るのがやっとなのに……』
霞ががっていたレヴィの思考がクリアーになり、心の声が再び聞こえるようになる。
だけど。
再びレヴィの心の声に霞がかかる。
『……の頃のエリンは……で今と同じで可愛かった』
ざーっとした音がして、そこだけ聞き取れないようだ。これは何なのだろう、まるでイーサンから与えられた心読みの魔法を誰かかが意図的に邪魔しているとしか思えない。
「エリン」
何度目かのレヴィの呼びかけにエリンは我に返る。
「あ、はい」
「その、済まない。俺の友人たちが……」
いつもとは違いしょぼんとした表情でエリンに謝ってくる。
本当に今日、彼はどうしたのだろうか。
エリンは疑問符で頭が一杯だが、一つ賭けにでた。
くるりとレヴィに背を向けて不貞腐れた声を出す。
「せっかくの夜会で踊って気分良かったのに……。そうだ! レヴィ様、平日の昼間空いている日にデートしませんか? 最近、王都でお洒落なカフェが流行ってるんですよ。それに付き合ってくれたら許します」
レヴィはエリンを心底好きでいてくれることは理解できた。
ならば。
何故、いつも心の中と取る行動が違うのか知りたい。
エリンは、レヴィとデートすることでレヴィの心の内を知ろうと必死になっていた。
容姿端麗なレヴィの横に立つほど自分は綺麗ではない。外れのエリンと揶揄された過去の痛みがまだエリンの中に残っていた。精霊の色彩である青の瞳は大きく澄んでいて、鼻筋は整っている。紅の小さな唇とそのパーツが小さな顔へ絶妙に収まっていた。エリンは元はいいのだ。ちゃんとすれば妖精のように愛くるしい美少女だ。レヴィに相応しくないと陰口を叩かれた過去や義母と義妹から受けた苛めが尾を引いていた。
『エリンを……らないと……』
レヴィの思考が一瞬霞がかって読めない。始めてのことで心読みの薬の効能が切れたかと不安になるが、今日はいつもより多めに薬を飲んできた、そのようなことはない筈だ。レヴィの優しく甘い笑顔がエリンに向けられた。エリンはどきんとして、胸が高鳴る。
その時、二人を見知らぬ青年たちがわっと取り囲む。
「レヴィ、お前この可愛い令嬢を独り占めにするなよな」
「そうそう!」
急に見知らぬ青年たちに声をかけられたエリンは目を白黒させた。
「かっわい~い。どうレヴィとじゃなくて俺と踊らない?」
エリンはびくんと反応して、レヴィの背の後ろに隠れる。
「おい! コイツは俺の婚約者だ。余計なちょっかいは出さないでくれるか」
レヴィの婚約者と聞いて、青年たちは驚愕する。
顔を隠した暗い陰気な魔法使いである外れのエリン。
だけど。
レヴィの後ろに隠れている少女は、青の大きな瞳の可憐な美少女で。
「え~! エリン=スミス嬢? こんなに可愛かったのか!」
一人の青年の大声にエリンはビクンと身を強張らせる。怯えている婚約者をレヴィが背中で庇う。
「お前ら、調子に乗るなよ。エリンが怯えているだろ。エリンは、大人しくて人見知りするんだよ」
エリンはレヴィの上着をぎゅっと握りしめる。
「あ、わりい。レヴィが可愛い美少女独り占めしているから。つい……な」
「ごめんね。エリン嬢」
レヴィをからかって、あわよくば美少女とお知り合いになろうとしていた青年たちは怯える少女に出鼻を挫かれた。居心地の悪い空間に居たくないと逃げ出した。
『ったく……。俺の可愛いエリンに手を出そうとしやがって……。俺だって手を握るのがやっとなのに……』
霞ががっていたレヴィの思考がクリアーになり、心の声が再び聞こえるようになる。
だけど。
再びレヴィの心の声に霞がかかる。
『……の頃のエリンは……で今と同じで可愛かった』
ざーっとした音がして、そこだけ聞き取れないようだ。これは何なのだろう、まるでイーサンから与えられた心読みの魔法を誰かかが意図的に邪魔しているとしか思えない。
「エリン」
何度目かのレヴィの呼びかけにエリンは我に返る。
「あ、はい」
「その、済まない。俺の友人たちが……」
いつもとは違いしょぼんとした表情でエリンに謝ってくる。
本当に今日、彼はどうしたのだろうか。
エリンは疑問符で頭が一杯だが、一つ賭けにでた。
くるりとレヴィに背を向けて不貞腐れた声を出す。
「せっかくの夜会で踊って気分良かったのに……。そうだ! レヴィ様、平日の昼間空いている日にデートしませんか? 最近、王都でお洒落なカフェが流行ってるんですよ。それに付き合ってくれたら許します」
レヴィはエリンを心底好きでいてくれることは理解できた。
ならば。
何故、いつも心の中と取る行動が違うのか知りたい。
エリンは、レヴィとデートすることでレヴィの心の内を知ろうと必死になっていた。
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