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彼に触れる温かさ。
しおりを挟む少し戸惑ったように私を見上げる彼の瞳。
あくまで、失敗した付与魔法の影響を和らげるための応急措置。大丈夫だよ、と安心させるようにそっと微笑む。優しく彼の長い髪を撫でると、そっと首元に顔を近づけ、柔らかな肌に軽く唇を触れさせた。
わざと小さく音を立て、吐息が彼の肌に触れるよう意識するけれど、キスはぎこちなくて、頑張っても軽い音しか出ない。
「んっ…」
クラウさんから漏れる小さな声。
その掠れた響きに、私の方がドキドキしてしまう。上手くできてるかな? 頭に浮かぶのは、故郷のお姉さんたちが教えてくれたこと。
兄たちを夢中にさせたお姉さんたちは「リーシュちゃんも、好きな子といい雰囲気になったらこうするのよ!」と教えてくれたことがあった。
でも、お姉さんたちの話は「いい雰囲気になったら~…」と始まる。
だから、スタートがこんなに難しいなんて、今回初めて知った。経験って大事だな、としみじみ思う。
でも、ここからなら少しは分かる!お姉さんたち、ありがとう! そう心の中で感謝しながら、雰囲気を盛り上げることに集中する。
ブラウスから覗く白い肌にそっと指先を滑らせると、彼の体が小さく震えた。視線で反応を確認すると、呼吸が少し乱れ、気分が高まっているようだった。
目が合った瞬間、髪を耳にかけて…
「クラウ」
「っ!?」
優しく名前を呼び、微笑む。
指先を離し、今度は唇で彼の肌をそっと辿る。胸元からゆっくりと下へ。ブラウスのボタンを一つ外すと、ほのかに汗ばんだ肌が現れる。引き締まった腹筋は、普段から適度に動いている証拠。健康的で、なんだか可愛い。 ブラウス越しに体のラインをなぞると、くすぐったそうに身をよじる。そのまま胸元あたりを軽く撫でると、小さく硬い感触に気づいた。
「ひっ」
小さな声が漏れ、ここもいいのかな?と試しに指先で軽く触れてみる。すると、彼は恥ずかしそうに目を逸らし、首を振った。もう少し試してみるけど、口を閉じて反応が読みづらくなる。
「ここ、嫌い?」
「うっ…そんな、聞かれても…困る…」
そうか、こういう触れ方だけじゃ物足りないのかな?
彼の反応を見ながら、唇を再び肌に這わせる。鎖骨のくぼみに軽くキスを落とし、ゆっくり下へ。すると、彼の体が小さく揺れた。
膝から内腿の方へそっと手を伸ばす。
スカートがずれないよう気をつけながら、そっと手を滑らせる。足がもじもじと動いて、震えているのが分かった。
「ぁ…リーシュ、も…」
「大丈夫、もう少しだけ頑張って。」
さらに手を進め、そっと肌をなでる。すると、狙ったところにたどり着けた。指先に伝わる感触に、ドキドキしながらも確かめるように動かす。
ゆっくりと触れると、彼の体が時折びくんと反応する。さっきより反応が大きい。これで良さそう。安心して進められる。
初めての感触に、私は私で興味津々だった。
指先でそっと形をなぞると、彼の吐息が甘く乱れる。
「そんなに…ボクだけ…こうなるの、ずるい…」
そう言って体を起こそうとする彼の首元に、そっと唇を寄せ、軽く甘い圧を加えた。甘噛みするように歯を当てると、肌に優しく食い込む感覚からそれ以上動こうとは思わないだろう。
「動かないで。」
「ん、でも…これじゃ…」
彼が落ち着いたのを確認し、舌先で柔らかく肌をなぞる。すると、吐息がさらに熱を帯びた。上半身を起こさせないよう、そっと胸元に手を置いて押さえる。
それとは別の場所。
そこへ指先を滑らせると、ぬるっとした感触が広がる。彼の鼓動が手に伝わるみたい。その熱に導かれるように、ゆっくりと指を動かす。柔らかく、でも確かな動きで、反応を引き出す。
「っ…はぁ…」
熱い息遣いと、かすかな音が教室に響く。 …力加減はこれでいいのかな?もっと強く?いや、先端だけじゃなくて、こう、全体を…。
迷いながら、色々試してみた。
彼が嫌がらないか確認しつつ、少しずつ大胆に。
「ふぁっ、リーシュ、っ、もう、ダメ…!」
すると、予想より早くその瞬間が訪れた。
手のひらを滑らせた瞬間、温かい感触が溢れ出す。手を濡らすその感触に、達成感が湧いてくる。
服を汚さないよう、咄嗟に手のひらで受け止める。落ち着くのを待って、そっと手を引き抜いた。見ると、床に小さな滴がポタポタと落ち、静かな教室に音が響いた。
…やった!やったよ、お姉さんたち!
「できた!」
つい嬉しくて声が出る。彼は私の喜ぶ姿を見て、深いため息をついた。手で顔を隠し、荒い呼吸を整えながらゆっくり起き上がる。やっと見えたその気だるげな表情は、なんだか大人の魅力そのもの。乱れた髪も、どこか色っぽい。
「スッキリした?」
「リーシュ…」
「?」
「ボクだけ…こんなんなって、どーすんのさ!」
「ダメだったの!?」
ちゃんと熱も発散できたのに…。
彼はこちらを睨むけど、乱れた服のせいで妙な空気が漂う。胸元がはだけて、普段の彼とは違う雰囲気がドキドキを誘う。
だから、手のひらに残る感触に目を向けた。
まだ温かさの残るそれを好奇心で覗くと…
「わ、ダメだって!」
クラウさんが急にハンカチを差し出し、私の手を隠してしまった。
「…手、洗ってきた方がいい。」
「せっかくのなのに?もう少し見たいな。」「見るようなものじゃないって。ばっちーから。」
そう言うけど、初めてこれをやり遂げて、私にとってとても貴重なものなのに…。ましてやクラウさんのこれは、今後見れないかもしれないのに。
今限定なのに。
「けち。」
「そういう問題じゃないよ…リーシュ、変なところに興味持つよね。」
「初めて見るものは、誰でも気になると思うんだけどな。」
仕方ないから手洗い場に行こうと渋々立ち上がる。
すると、そんな私を彼は不思議そうに見上げていた。
◇ ◇ ◇
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