転性少女~異世界に逝っちゃった~

木元うずき

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番外編

クリスマスの奇跡(後編)

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リン達の前にいたのはレイの件で敵に回ったルリルの顔があった。
リン達の顔は一気に険しくなり戦闘態勢に入った。
「ちょっと今回は戦いに来た訳じゃないから剣は降ろして。ちゃんと説明するから!」
ルリルはそう言うと弓を地面に置き、両手を上げた。地面に置いた弓をリンが拾いルリルに来た理由を説明してもらうことにした。
「今回はあの人の命令でここにいるのよ。ネクロマンサー、ルリルじゃない時世話になったからせめて今年だけでも星夜祭クリスマスは一緒にいとけって。だから、今日だけルリルとして来たのよ。リン達が何もしない限り私も攻撃はしないと約束するから。ね?」
ルリルはお願いするような目でリン達を見ていた。リン達はどうするか話し合うことにして、とりあえずルリルを中に入れた。
「わぁー!美味しそ~!」
ルリルは入った瞬間テーブルの上にあった料理をみて目を輝かした。ルリルは料理に手を伸ばそうとするとリンに服を引っ張られた
「もぉー何するのよ・・・って言える立場では無いもんね。何か聞きたいことあるの?ある程度なら答えるよ。例えば・・・」
ルリルは二ヤっと笑うと
「私がリン達の敵に何で回った理由とかね」
リン達はその言葉に驚いた。既に理由は知っているがちゃんと聞くことは出来なかったため、モヤモヤが少し残っていたからだ。
「なら聞く、ルリル。何故私たちの敵に回った」
「納得出来るようにお願いね。嘘無しで」
その時のリンとメイの目は真剣だった。ルリルはその目に驚きながらも答えた。
「昔の私って結構好かれていたのね・・・いや、ならされないか。私がね?リン達の敵に回った理由はね?前にも言ったけど見捨てられたからよ」
「それじゃ納得出来ないから聞いているのよ!私たちはルリルを見捨てた覚えはないのよ!」
メイの言葉にルリルは呆れていた。そんな事を気にせずメイは続けた
「痛かった?苦しかった?そうだよね!あんな怪我をしていれば!それを手当しようとしたよ!しようとしたけどルリルはいなかったのよ!どれだけ私達が探したって思っているのよ!何でそんな・・・」
「言い訳なんか聞きたくない!」
ルリルはメイの言葉を遮って怒鳴った。その時のルリルは肩で息をしており、少しでも対応を間違えれば戦いにもつれ込む恐れがあった。
「何よ!私を探していた?見捨ててなんかいなかった?そんなの嘘でしょ!皆・・・皆レイの方に向いていて私の方なんか全然気にしてなかったじゃん!痛みのせいで意識が朦朧としながらもメイ達が助けてくれる。だから、もう少し・・・もう少し待たないとって思いながら皆の方を見ていたのよ!でも何!?私を放置して!私だって・・・私だってね!もっと皆と・・・・・・」
「「ルリル!?」」
話している(?)最中ルリルが急に倒れ、急いでメイとリンが駆け寄った。口元に手を置いて息をしている事を確認すると少し安心した。
「ちょっと興奮していたから大人しくさせたのよ」
後ろから声がしたから後ろを見てみるとそのには目を擦っているコイシがいた。
「私の固有スキル覚えてる?アロマセラピー」
「はい。覚えていますけど」
「前回は洗脳に近い感じだったけど今回は癒しの香りにしたの。私の固有スキルは色々使えるから。だから私も今少し眠たいのよね・・・」
コイシは目を擦りながら説明をしていた。
とりあえずルリルをルリルの部屋に運んだ。
「まだルリルの部屋があるのね」
コイシはそんな感想をメイに言うと少し暗い表情で答えた
「いつでも返ってこれるようにしてます」
その後ルリルを部屋に運んだ後、お開きすることになった。コイシとムクロウを見送ったリン達は各自の部屋に戻って寝ることにした。・・・が、一人だけ違った。メイは自分の部屋に戻らずルリルの部屋に行った。ルリルの部屋を開けるとそこは暗くかった。メイはルリルを起こさないようにそっと中に入るとルリルのベッドに座り頭を撫でた
「ルリルごめんね。私たちはそんな事をする気はなかったの」
ルリルはメイに撫でられていくに連れ顔の表情はだんだん緩んでいき今では前の寝顔に戻っていた。
「痛いよ・・・苦しいよ・・・。何で・・・?何で見捨てるの・・・。待って・・・皆・・・」
「え?」
ルリルの寝言にメイは驚いた。それはルリルの偽り無きの言葉だった。
「ルリル・・・」
メイはルリルを起こさないように泣き出した。ルリルの本当の言葉を聞いて自分達のやらかした事に対して・・・

そして朝になった
「メイ!?何でここにいるの!?」
「ふにゃ?おはよう~ルリル~」
ルリルは起きると横にメイがいた事に驚いた。何で自分が寝ていたのかを忘れさせるぐらい強烈な印象だったらしい。メイはそんなのを気にせず朝の挨拶を言った。
「おはよ~じゃないのよ!何でここにいるのかを聞いているのよ!」
「久々のルリルだから~一緒にいたくて~」
ルリルはその言葉に驚いた。が、すぐに自分の安全を確認するかのように全身を触った。特に何かを仕込まれた痕跡もなく安心したルリルはベッドから降り、下へ降りていくのにつられメイも降りていった。
下には既に全員が集まっておりルリルはそんな事を気にせず扉に手をかけた。
「帰るのか?ルリル」
「そうよ。昨日までの契約の話だからね。ここにいちゃ私がおかしくなるわ」
ルリルは扉を開けると外から冷気が入り込んできた。ルリルは最後に振り返るとこう言った。
「でも、楽しかったよ。これからは敵だけど今回の事は覚えておくことにするよ。じゃ、またね」
ルリルはそう言うと扉を閉め出ていった。リン達はルリルが出ていったのを見た後、いつも通りの日常に戻った。
メイは朝ごはんを終えて自分の部屋に戻ろうとする時にルリルの部屋に忘れ物をしたことを思い出しルリルの部屋に行った。扉を開けても誰もいず、メイは忘れ物をとり出ようとすると机の上に一通の手紙を見つけた。その中身を見るとポケットに入れ何事もなかったように部屋を出ていった。
(メイへ
昨日は迷惑かけたね。楽しかったよ。でも、まだ迷いあるでしょ?私を殺すのに。見た瞬間分かったよ。エスラとランも同じ傾向だったけど私が声をかけても意味がないぐらいだったから。でも、戦う時は本気で私を殺しに来てくれているから声をかけなかったのもあるけどね。でも、メイだけは迷いがまだあるから。私を殺さないとメイが殺されちゃうよ?いいのだったらそのままでもいいけど嫌なら私を殺しに来てね)
その手紙の中にもう1枚紙が入っておりその中身は昔のルリルとメイの仲良し姿が書かれていた
星夜祭クリスマスの奇跡だね。さて、私も切り替えないとね!」
メイはこの後、その手紙はタンスの奥に閉まってたまに観るようにしていたのだった。
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