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10章 熱い夏が来る前に
10-10 立ち位置
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ビスタと俺は、呪いの液体に呑まれていた冒険者たちを誘導して、二十八層の転移陣に向かわせる。
魔法での回復は最小限にとどめていたので、冒険者たちは互いに仲間同士支え合いながらゆっくりと進む。
中級冒険者以上がほとんどだが、それぞれ体力も回復度合いも違うので、長い列になる。
負傷した冒険者たちをまずは冒険者ギルドに連れて行き、事情聴取があるだろうから、俺がここに戻ってこれるのは。。。明日以降かな?帰りが遅くなると、ヴィンセントが心配するしー。
冒険者たちが目覚め始める頃には、俺は多少の魔力を北の女王に譲っていたので、北の女王は光の玉のまま、ふよふよと下の層へ向かって行った。北の女王に贈ったのは救助的な短時間で受け渡しができた程度の魔力。ビスタがいるのでおいそれと大容量を渡すわけにはいかない。
とりあえず、俺のダンジョンにいる三匹の角ウサギのなかから一匹、誰か巨大な魔石をこの北のダンジョンに持って来てくれないかなー。アレが一本あれば、北の女王が適当に復活できるだろう。
俺の言葉に、ツノが舌打ちをしやがった。
うう、、、主に向かってその態度。。。
腹いせにダンジョンに立っていた巨大魔石に突進して倒してる。
軽々と背負い、俺のダンジョンを出発した。
ツノならあんな重いものでも、あっという間に北のダンジョンに届けてくれるのに、何でそんなに嫌がるのかな?仕事の邪魔されたから?ダンジョンの世話をしているのはすべて角ウサギたち。いつも薬草栽培ありがとうございます。無駄にダンジョンを広げてしまい、申し訳ない。
魔力を無駄に消費しないと、俺のダンジョンって雰囲気が禍々しくなるんだよー。
魔力が無尽蔵にあるダンジョンが魔物を地上に溢れかえるぐらい生み出す気持ちがわかってしまう。薬草や魔石等を作るより手っ取り早い。
明日から北のダンジョンを直すために魔力をせっせと流用するから、しばらくは楽になる。
けど、角ウサギたちにご機嫌を取るために、街で何か美味しいものでも買っていかなければいけない流れか。従業員の顔色を窺う、零細企業の社長のような気分。
うちの子、いい子ばかりなんだけどね。ちょっと正直なだけで。根本的な原因として、仕事に比べて角ウサギの数が少ないというところ。増やそうにも、困ったことに角ウサギたちが反対しているからなー。
ヴィンセントと王子にも夕食として何か買っていこう。
美味しいものを大量に購入するとなると、屋台の場合、先に注文しておいた方が良いな。
さあ、今日の俺当番、オレオ、皆が喜ぶ美味しいものを見つけておくれ。
って、俺のマントから覗いたオレオの口からヨダレが垂れている。
白いマントにヨダレのシミをつけられても困るから、肩にのせてお口拭き拭き。北のダンジョンで草一本も食べられなかったからなー。
折れた耳がアッチや、と差し示してくれる。
おお、肉串か。香ばしい匂いがいいなあ。
オッチャンに注文しておこう。皆、たくさん食べるだろうから百本じゃ足りないよなー。
そんなに大量本数を注文するなら先払いにしてほしいって?そんなこと言うなら、オレオを見張りで置いていくよー。オレオが焼かれている肉串を凝視しているからちょうどいいか。先に食うなよ。
「レン、ナチュラルに列を離脱して、屋台で買い物しないでくれ。時間が時間だからお腹空いているだろうけど、後で昼食兼夕食を奢ってやるから」
ビスタがいきなり後ろに立っていた。
結局、ビスタも俺も昼食を食べていない。ビスタは携帯食を持っていたのだから、食べればよかったのに。
「コレはうちの夕食の注文だ。角ウサギたちに日頃の労いを込めて大量購入だ。俺たちも食べるけど」
「あー、オッチャン、夕方くらいに取りに来るから、注文した本数焼いといて。あと、追加で五本、最初に焼いて、ソイツに食べさせておいて」
ビスタがオレオを指さし、五本分の小銭をオッチャンに渡す。
あ、肉串をじっと見ていたオレオからまたヨダレが垂れていた。垂れたままオレオがビスタにありがとうのキラキラ視線を向けている。この子たち、本当に食べ物に弱いよね。将来が不安だよ。
オッチャンが苦笑いしている。
「わかった、わかった。この子は預かっておくから。ビスタも大量にケガした冒険者たちを連れて帰って来たんだろ。早く冒険者ギルドに行って来い」
オッチャンの目は優しく、ビスタを追い払う。
北のダンジョンは初級中級冒険者向けだが、死者が出ないわけではない。無謀な挑戦をしそうな者には冒険者ギルドは釘を刺して注意しているが、どうにもならないことは多々ある。
ダンジョンで死者が出ても、表面上、街は何も変わらない。
それでも、朝に挨拶を交わしていた冒険者が、店や屋台を利用してくれた冒険者が死んだと聞かされて悲しまない者はいない。
遺体が街にさえ帰って来ないことは数多くある。
まだ怪我なら、どんなに重傷でも、生きて帰ってくれさえすれば。冒険者として生きられなくとも、この街では職があるのだから。
北の門が閉じられ、そして、中級冒険者以上が大勢、怪我をして足を引き摺りながら街に戻って来た。
ダンジョンで何か遭ったのだと、街の住民も即座に感じ取る。
だが、ボロボロになって帰ってきた冒険者たちは仲間同士で支え合って歩みも遅いが、自分の足で歩いている。
馬車や担架に乗せられている者はいない。
北の門の広場にいる住民たちは彼らを見て、安堵のため息を吐いた。
ちなみに馬車は北門が閉じられたため街にいたが、要請があればすぐにでも出発しようと待機していた。怪我をした全員を乗せる台数はなかったため、特に連絡もしなかった。
冒険者ギルドは訓練場に天幕を張り、負傷者を収容できるスペースを作って待っていた。
イスが置かれ、シーツが引かれており、雑魚寝もできるようになっている。
何個か簡易ベッドが見えるが、重傷の者を優先的に寝かせるらしい。
治療魔術が使える冒険者や、シアリーの街の教会から呼ばれた神官がすでに動いている。薬師ギルドからも怪我した冒険者たちに薬湯が振舞われた。
辿り着いた冒険者の状態を冒険者ギルド職員が確認して書類に書いてから治療に当たっている。
「レン、俺たちは所長室だ」
ビスタはこの場にいたコードボー主任に呪いの説明をすると、俺を連れて建物内に戻った。
「皆の救助を迅速にしてくれてありがとう、二人とも。受付簿でダンジョンに入った者と戻って来た者を照らし合わせてみた結果、行方不明者はいない。隠れてダンジョンに入った者までのことはわからないが、全員が生きて帰って来れたことは素晴らしい成果だ」
所長が俺たちが入室するなり労いの言葉をかけた。
爺さん人形を通して、状況を逐一報告していたから冒険者ギルドの対応も早かった。
「今回の冒険者が助かったのは、すべて北の女王のおかげだ。彼女が冒険者を仮死状態にしていなければ、あの呪いに呑まれて助かることはなかった」
「ダンジョンコアが冒険者側になるとこれほど心強いものはない。彼女に対して何か礼をする必要があるだろうか」
所長は北の女王に対して何かお礼をすることを考えているが、ダンジョンコアと人間の価値観にはかなりの開きがある。もちろん地位や名誉等はまったく必要ないし、魔力を流用するのは俺からのもので事足りるが、人間がお礼として用意できる魔石ぐらいではダンジョンには必要ないだろう。
「では、遠方の菓子や衣装、置き物等を贈ったらどうだ?彼女は珍しい文化が好きだから」
「ああ、だから十一層から十五層はあんな感じなのか。だが、どこからあんな知識を仕入れて来るんだ?ダンジョンコアなのだからダンジョンから外には出ないのだろう?」
ビスタが納得したようだが、疑問も湧いたようだ。
「仕入れるというよりは、北のダンジョンにあの国の冒険者が来たことがあるんじゃないか?興味ある知識は貪欲に取り入れる」
「なるほどなー。ダンジョンによって環境は様々だからな。ダンジョン内部が異国風なのは多いし、水の中や空の上っていうのもあるからなー」
「ただ、ダンジョンコアは人とは相容れない存在だ。今回は外部からの呪いだから対応してくれたようなものだが、本来、ダンジョンコアから見れば冒険者というのはダンジョンへの侵入者だ。北の女王が冒険者と馴れ合うことはないだろう」
これだけは釘を刺しておかなければならない。
魔物が冒険者を殺さないことはない。冒険者が魔物を殺すのだから。それは当たり前のことだ。
今回、北の女王が冒険者を助けたのは、俺のためだ。魔力というのはダンジョンコアの命とも言える。それを削ってまで助けたのは、俺がいるからでもある。
だから、俺も素直にお礼を伝えるし、北のダンジョン復興の手伝いもする。
魔法での回復は最小限にとどめていたので、冒険者たちは互いに仲間同士支え合いながらゆっくりと進む。
中級冒険者以上がほとんどだが、それぞれ体力も回復度合いも違うので、長い列になる。
負傷した冒険者たちをまずは冒険者ギルドに連れて行き、事情聴取があるだろうから、俺がここに戻ってこれるのは。。。明日以降かな?帰りが遅くなると、ヴィンセントが心配するしー。
冒険者たちが目覚め始める頃には、俺は多少の魔力を北の女王に譲っていたので、北の女王は光の玉のまま、ふよふよと下の層へ向かって行った。北の女王に贈ったのは救助的な短時間で受け渡しができた程度の魔力。ビスタがいるのでおいそれと大容量を渡すわけにはいかない。
とりあえず、俺のダンジョンにいる三匹の角ウサギのなかから一匹、誰か巨大な魔石をこの北のダンジョンに持って来てくれないかなー。アレが一本あれば、北の女王が適当に復活できるだろう。
俺の言葉に、ツノが舌打ちをしやがった。
うう、、、主に向かってその態度。。。
腹いせにダンジョンに立っていた巨大魔石に突進して倒してる。
軽々と背負い、俺のダンジョンを出発した。
ツノならあんな重いものでも、あっという間に北のダンジョンに届けてくれるのに、何でそんなに嫌がるのかな?仕事の邪魔されたから?ダンジョンの世話をしているのはすべて角ウサギたち。いつも薬草栽培ありがとうございます。無駄にダンジョンを広げてしまい、申し訳ない。
魔力を無駄に消費しないと、俺のダンジョンって雰囲気が禍々しくなるんだよー。
魔力が無尽蔵にあるダンジョンが魔物を地上に溢れかえるぐらい生み出す気持ちがわかってしまう。薬草や魔石等を作るより手っ取り早い。
明日から北のダンジョンを直すために魔力をせっせと流用するから、しばらくは楽になる。
けど、角ウサギたちにご機嫌を取るために、街で何か美味しいものでも買っていかなければいけない流れか。従業員の顔色を窺う、零細企業の社長のような気分。
うちの子、いい子ばかりなんだけどね。ちょっと正直なだけで。根本的な原因として、仕事に比べて角ウサギの数が少ないというところ。増やそうにも、困ったことに角ウサギたちが反対しているからなー。
ヴィンセントと王子にも夕食として何か買っていこう。
美味しいものを大量に購入するとなると、屋台の場合、先に注文しておいた方が良いな。
さあ、今日の俺当番、オレオ、皆が喜ぶ美味しいものを見つけておくれ。
って、俺のマントから覗いたオレオの口からヨダレが垂れている。
白いマントにヨダレのシミをつけられても困るから、肩にのせてお口拭き拭き。北のダンジョンで草一本も食べられなかったからなー。
折れた耳がアッチや、と差し示してくれる。
おお、肉串か。香ばしい匂いがいいなあ。
オッチャンに注文しておこう。皆、たくさん食べるだろうから百本じゃ足りないよなー。
そんなに大量本数を注文するなら先払いにしてほしいって?そんなこと言うなら、オレオを見張りで置いていくよー。オレオが焼かれている肉串を凝視しているからちょうどいいか。先に食うなよ。
「レン、ナチュラルに列を離脱して、屋台で買い物しないでくれ。時間が時間だからお腹空いているだろうけど、後で昼食兼夕食を奢ってやるから」
ビスタがいきなり後ろに立っていた。
結局、ビスタも俺も昼食を食べていない。ビスタは携帯食を持っていたのだから、食べればよかったのに。
「コレはうちの夕食の注文だ。角ウサギたちに日頃の労いを込めて大量購入だ。俺たちも食べるけど」
「あー、オッチャン、夕方くらいに取りに来るから、注文した本数焼いといて。あと、追加で五本、最初に焼いて、ソイツに食べさせておいて」
ビスタがオレオを指さし、五本分の小銭をオッチャンに渡す。
あ、肉串をじっと見ていたオレオからまたヨダレが垂れていた。垂れたままオレオがビスタにありがとうのキラキラ視線を向けている。この子たち、本当に食べ物に弱いよね。将来が不安だよ。
オッチャンが苦笑いしている。
「わかった、わかった。この子は預かっておくから。ビスタも大量にケガした冒険者たちを連れて帰って来たんだろ。早く冒険者ギルドに行って来い」
オッチャンの目は優しく、ビスタを追い払う。
北のダンジョンは初級中級冒険者向けだが、死者が出ないわけではない。無謀な挑戦をしそうな者には冒険者ギルドは釘を刺して注意しているが、どうにもならないことは多々ある。
ダンジョンで死者が出ても、表面上、街は何も変わらない。
それでも、朝に挨拶を交わしていた冒険者が、店や屋台を利用してくれた冒険者が死んだと聞かされて悲しまない者はいない。
遺体が街にさえ帰って来ないことは数多くある。
まだ怪我なら、どんなに重傷でも、生きて帰ってくれさえすれば。冒険者として生きられなくとも、この街では職があるのだから。
北の門が閉じられ、そして、中級冒険者以上が大勢、怪我をして足を引き摺りながら街に戻って来た。
ダンジョンで何か遭ったのだと、街の住民も即座に感じ取る。
だが、ボロボロになって帰ってきた冒険者たちは仲間同士で支え合って歩みも遅いが、自分の足で歩いている。
馬車や担架に乗せられている者はいない。
北の門の広場にいる住民たちは彼らを見て、安堵のため息を吐いた。
ちなみに馬車は北門が閉じられたため街にいたが、要請があればすぐにでも出発しようと待機していた。怪我をした全員を乗せる台数はなかったため、特に連絡もしなかった。
冒険者ギルドは訓練場に天幕を張り、負傷者を収容できるスペースを作って待っていた。
イスが置かれ、シーツが引かれており、雑魚寝もできるようになっている。
何個か簡易ベッドが見えるが、重傷の者を優先的に寝かせるらしい。
治療魔術が使える冒険者や、シアリーの街の教会から呼ばれた神官がすでに動いている。薬師ギルドからも怪我した冒険者たちに薬湯が振舞われた。
辿り着いた冒険者の状態を冒険者ギルド職員が確認して書類に書いてから治療に当たっている。
「レン、俺たちは所長室だ」
ビスタはこの場にいたコードボー主任に呪いの説明をすると、俺を連れて建物内に戻った。
「皆の救助を迅速にしてくれてありがとう、二人とも。受付簿でダンジョンに入った者と戻って来た者を照らし合わせてみた結果、行方不明者はいない。隠れてダンジョンに入った者までのことはわからないが、全員が生きて帰って来れたことは素晴らしい成果だ」
所長が俺たちが入室するなり労いの言葉をかけた。
爺さん人形を通して、状況を逐一報告していたから冒険者ギルドの対応も早かった。
「今回の冒険者が助かったのは、すべて北の女王のおかげだ。彼女が冒険者を仮死状態にしていなければ、あの呪いに呑まれて助かることはなかった」
「ダンジョンコアが冒険者側になるとこれほど心強いものはない。彼女に対して何か礼をする必要があるだろうか」
所長は北の女王に対して何かお礼をすることを考えているが、ダンジョンコアと人間の価値観にはかなりの開きがある。もちろん地位や名誉等はまったく必要ないし、魔力を流用するのは俺からのもので事足りるが、人間がお礼として用意できる魔石ぐらいではダンジョンには必要ないだろう。
「では、遠方の菓子や衣装、置き物等を贈ったらどうだ?彼女は珍しい文化が好きだから」
「ああ、だから十一層から十五層はあんな感じなのか。だが、どこからあんな知識を仕入れて来るんだ?ダンジョンコアなのだからダンジョンから外には出ないのだろう?」
ビスタが納得したようだが、疑問も湧いたようだ。
「仕入れるというよりは、北のダンジョンにあの国の冒険者が来たことがあるんじゃないか?興味ある知識は貪欲に取り入れる」
「なるほどなー。ダンジョンによって環境は様々だからな。ダンジョン内部が異国風なのは多いし、水の中や空の上っていうのもあるからなー」
「ただ、ダンジョンコアは人とは相容れない存在だ。今回は外部からの呪いだから対応してくれたようなものだが、本来、ダンジョンコアから見れば冒険者というのはダンジョンへの侵入者だ。北の女王が冒険者と馴れ合うことはないだろう」
これだけは釘を刺しておかなければならない。
魔物が冒険者を殺さないことはない。冒険者が魔物を殺すのだから。それは当たり前のことだ。
今回、北の女王が冒険者を助けたのは、俺のためだ。魔力というのはダンジョンコアの命とも言える。それを削ってまで助けたのは、俺がいるからでもある。
だから、俺も素直にお礼を伝えるし、北のダンジョン復興の手伝いもする。
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