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1章 敵国の牢獄
1-27 一番の敵は味方側にいる
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「セリム、単独で突っ走ったらダメじゃないか。たとえ隊長が脳筋でも、セリムはそれ以上の脳筋なんだから、やり込められてしまうだろ」
「ぐうっ」
言葉が詰まる。
隊長と昼食時に話した会話をクロウに報告した。
夕食時間の食堂は混んでいる。
会話は周囲に筒抜けである。
くっ、おいしそうに食事を頬張るクロウ、可愛いなっ。
「ナーズ隊長は綺麗ごとが好きなんだよ。自分が犠牲になって、一対一で帝国軍人のお偉方に応対していると思っているんだよ。交渉できていると思っているんだよ。真相は彼らの性欲のはけ口になっているだけで、他の捕虜には何の効果もないのに」
「いやいや、多少の交渉はできているんじゃないか?独房に痔の薬を差し入れしたから、コイツら四人も出て来れたのだろう?」
隣の席にも他の捕虜がいるので、二人だけで会話しているはずなのに乱入される。くそうっ。
皆、食べながら聞き耳をたてるなっ。
クロウと話しているのは俺なんだっ。
「結果論ではそうだが、薬の差し入れのことも自分はこんなにも隊の皆のことを考えているんだぜアピールだ。ナーズ隊長はコーダのことも自分だけが事情を分かっていて庇っている自分に酔いしれている困ったちゃんだ」
「なるほどなー。そういう見方もあるのか。勉強になるぜ」
「実は隊長はナルちゃんだったのかー」
できれば他の席で勉強してくれないかな。
俺に話すように、他の騎士にもタメ口で話さないでほしい。クロウは俺に話しているつもりだからタメ口なんだが。
ギャップって惚れる要因になるよね。
いつもは丁寧なのに、タメ口で語らせるとこんなにも男らしいし頼りがいがある。
もう他のヤツらは惚れるなよっ、頬を赤らめさせるなっ。
「おそらく、コーダが騎士団に入ってから揉め事を起こしたことがあっても、今まではそれをナーズ隊長がいいようにとりなしていたんじゃないかな。子爵家とはいえ騎士として長年勤めている年長者であれば、さすがに高位貴族の子弟とはいえども無下にはできない。ということは、コーダは自分の行為を悪いものだと認識できずに今日まで来てしまった可能性がある」
「そうなんだよなー。高位貴族の坊ちゃんの方が我がまま無礼に育つかと思いきや、男爵家や子爵家の坊ちゃん嬢ちゃんの方が我がままに育つんだよなあー。なぜか身分は低いのに身分を鼻にかけるし」
「貴族内では男爵家、子爵家は下位貴族の扱いだが、俺たち平民からするとどちらも上の人間だ。ただ、平民に平気で無体なことを言って来る奴はたいてい男爵家か子爵家の者だ」
「そうなのか、私も気をつけよう」
「私もー」
「コーダほどひどくなくとも、多少のことはやっているかもしれないな」
「自分の行動を振り返ってみることにする」
「気づかない内にやっている危険性があるな」
「お互いで注意しておくか」
相槌する人数も半端ない。
二人の会話だったのに、どこまで広がってしまったのか。
隊員全員が入っても席が余る広い食堂なのに、全部が同じ話題になってないよな。
ちなみに隊長、副隊長、コーダもまだ食堂には来ていない。だからこその話題だが。
この隊の騎士は貴族で構成されているが、男爵家と子爵家の者が多い。
捕虜なのだから対等だ、と口だけならば意味はない。
俺は伯爵家だが、クロウと付き合うのなら人一倍気をつけなければ。
ふと、クロウの目が優しくなった気がした。
「セリム、お前はそのまま周囲を気にせず前だけ向いていればいい」
「お?」
「脳筋は難しいことを考えたらつまづく。お前の背中は俺が守ってやるから、とことん突っ走れ」
クロウから後光がさしているかのように見えてしまった。
「惚れるー」
「羨ましいー」
「男らしいー」
「私にも言ってほしいー」
「お前らうるせえっ。俺が言われたのっ、クロウにっ、お前の背中は俺が守ってやるからと。あー、超嬉しい」
ブーイングなんて知らない。
「あ、別にまだ付き合おうとか言ったわけじゃないから勘違いしないで。俺はセリムのことまだまだ全然知らないからね。けど、俺は俺に好意を持っている者には優しいのだ」
「上げて下げて、また上げる。乱高下が激しい。でも好き」
俺がクロウに好意を持っていることはわかってくれているようだ。
「敵方にいる敵は敵だからわかりやすい。だが、味方側にいる味方に見える人間こそが、後ろから背中を刺して来る敵であることも多い。お前に注意しろとまで言わないから、頭の片隅には入れておけ」
「う、うん」
クロウのまわりではそういうことが多かったのだろうか。
家庭では妻もいたということだから問題ないと思うが、王宮内にある宮廷魔導士団の職場はどうだったかと考えれば想像に難くない。
同じリンク王国にいながら、同じ王国民でありながら、彼らは味方ではなかったのだろう。
クロウが孤立無援でなかったことを祈りたいが、第四王子部隊にいるということは。
「相手が敵だとわかっていれば対処はしやすいんだ。対策が立てられるし、罠も張れる。だが、全幅の信頼を寄せる者が裏切ったとき、お前はただ殺されるだけか?」
「クロウにだったら殺されても良いかも」
背中からぶっすり刺されても、クロウだったら許せる。
クロウ以外なら。
もし、同じ部隊の他の騎士なら?
「、、、お前はもうそのまま育っていけ。それこそがお前の生きる道だ」
呆れ気味で言ってないかい?
他の皆も同じような考えを持っている気がするんだけどなあ。
敵がいると考えながら、同じ部隊で戦っていない。
「えー、クロウだったらどうするんだ?」
「だから、お前らは脳筋部隊に放り込まれるんだ。同じ部隊に敵はいなかったが、リンク王国そのものが敵だったじゃないか。俺がいなかったら全員帝国に殺されていただろ」
はい、ごもっとも。
実証済みですね。
おい、皆、頷いているやないか。ここにいる騎士全員、クロウの話を聞いているじゃん。
「ただ、コレからは同じ捕虜の中でも帝国の待遇が変わって来る。コーダが先陣を切ったが、誰でも自分より弱い者を虐げようとする可能性はある」
「弱い者?」
誰が。ああ、立場の弱い者ってことか。リンク王国では平民だったから。
全員を助けることができるクロウを俺は弱いとは思っていない。むしろこの部隊で最強だとさえ思っている。
そうか。
自分が一番だと勘違いしていたら、事実を事実としてきちんと認識できないのか。
ただ、コーダは隊長、副隊長を自分よりも上だときちんと認識できていたようだが。彼もまた身分偏重主義なのだろうか。
「、、、セリム、何が言いたい?まあ、剣なんて振り回せない筋肉ナシな俺のことじゃなくても、お前らの中でも序列はあるんだろ。辛い状況でも自分より下の者を思いやれるのなら、どんなに馬鹿にされても、そいつは胸張って生きていけるし、胸張って死んでもいける」
「それってコーダを思いやる隊長のことじゃないのか?」
小さい声で誰かが言った。
「その行動で自分の利益の方が勝るのなら、それは普通に当たり前の行為だ。別に褒められるべき行動ではない」
スッパリとクロウは言い切った。
「となると、隊長はコーダを守ることで何らかの利益を得ると?」
「コーダの実家はコーダが一番になれないから、死出の旅に向かう第四王子部隊に放り込んだわけではない。コーダが騎士団で問題行動を頻繁に起こしているなら、コーダをどうすれば良いと思う?」
「え?注意する?」
「家に戻す?」
「転職を勧める?」
口々に言うなー。完全に二人だけの会話じゃなくなっているよ。
「、、、確かにその案もあるが、コーダの実家は無条件で手厚いフォローをしてくれる者にコーダを託そうと考えてしまったわけだ」
コーダの世話を押しつける適任者がナーズ隊長だったということに皆が気づく。
「そりゃそうなるよなー。家が尻拭いしなくて済むなんて楽だからな」
「ということは、死出の旅の第四王子部隊と知らずに、部隊の隊長がナーズ隊長になっているからコーダを推薦しちまったってことか」
「私もこの第四王子部隊が特攻隊ということ知らなかったぞ」
「私もー」
配属された当初、騎士でこの部隊が特攻隊だと知っている者はほばいなかったんじゃないか。
「第四王子部隊が特攻隊ということはもちろん王国内では伏せられていた。高位貴族でも知らない者は多かったようだし、男爵家や子爵家で知っている者は何かしらで感づいた鋭い感性の持ち主だけじゃないのか。まあ、この顔ぶれを見れば、たいていわかると思うが」
クロウがこぼした言葉に、皆、他の騎士の顔を見る。
クロウはこの顔ぶれでわかったのか?
「コーダが配属されたのが自分のせいだから、コーダだけは生かして国に帰してあげたいというのならまだ良かったのだが。隊長は自分がいるからこの隊にコーダが配属されたとは思っていない」
「あー」
「あー」
あーあーあー、と食堂で大合唱。
「コーダの実家が第四王子部隊にコーダを配属させたのはコーダを合理的に処分するためだ、と第四王子部隊が特攻隊だとわかっている隊長は思うわけだ。コーダが可哀想だからなのか、それを知っている自分だけはコーダを守らなければという使命感なのか、どちらにしても、隊長が自分に酔っていることは確かだ」
クロウの話、きちんと筋が通ったな。
コーダはすでに成人した大人なのだから、責任は自分で取らなければならない。
失敗ができる若いうちに自分で気づかなければいけなかった。
ここはもう敵国の帝国。すべてが手遅れだが、コーダも実家も赤の他人であるナーズ隊長を何も考えずに頼ってはいけないと思わせなければならなかった。
「守ると称して自分に酔う材料にして、コーダの成長を妨げる最たる敵は、ナーズ隊長だったということだ」
可哀想な子を守ってあげてるのー、すごいでしょー。
「ぐうっ」
言葉が詰まる。
隊長と昼食時に話した会話をクロウに報告した。
夕食時間の食堂は混んでいる。
会話は周囲に筒抜けである。
くっ、おいしそうに食事を頬張るクロウ、可愛いなっ。
「ナーズ隊長は綺麗ごとが好きなんだよ。自分が犠牲になって、一対一で帝国軍人のお偉方に応対していると思っているんだよ。交渉できていると思っているんだよ。真相は彼らの性欲のはけ口になっているだけで、他の捕虜には何の効果もないのに」
「いやいや、多少の交渉はできているんじゃないか?独房に痔の薬を差し入れしたから、コイツら四人も出て来れたのだろう?」
隣の席にも他の捕虜がいるので、二人だけで会話しているはずなのに乱入される。くそうっ。
皆、食べながら聞き耳をたてるなっ。
クロウと話しているのは俺なんだっ。
「結果論ではそうだが、薬の差し入れのことも自分はこんなにも隊の皆のことを考えているんだぜアピールだ。ナーズ隊長はコーダのことも自分だけが事情を分かっていて庇っている自分に酔いしれている困ったちゃんだ」
「なるほどなー。そういう見方もあるのか。勉強になるぜ」
「実は隊長はナルちゃんだったのかー」
できれば他の席で勉強してくれないかな。
俺に話すように、他の騎士にもタメ口で話さないでほしい。クロウは俺に話しているつもりだからタメ口なんだが。
ギャップって惚れる要因になるよね。
いつもは丁寧なのに、タメ口で語らせるとこんなにも男らしいし頼りがいがある。
もう他のヤツらは惚れるなよっ、頬を赤らめさせるなっ。
「おそらく、コーダが騎士団に入ってから揉め事を起こしたことがあっても、今まではそれをナーズ隊長がいいようにとりなしていたんじゃないかな。子爵家とはいえ騎士として長年勤めている年長者であれば、さすがに高位貴族の子弟とはいえども無下にはできない。ということは、コーダは自分の行為を悪いものだと認識できずに今日まで来てしまった可能性がある」
「そうなんだよなー。高位貴族の坊ちゃんの方が我がまま無礼に育つかと思いきや、男爵家や子爵家の坊ちゃん嬢ちゃんの方が我がままに育つんだよなあー。なぜか身分は低いのに身分を鼻にかけるし」
「貴族内では男爵家、子爵家は下位貴族の扱いだが、俺たち平民からするとどちらも上の人間だ。ただ、平民に平気で無体なことを言って来る奴はたいてい男爵家か子爵家の者だ」
「そうなのか、私も気をつけよう」
「私もー」
「コーダほどひどくなくとも、多少のことはやっているかもしれないな」
「自分の行動を振り返ってみることにする」
「気づかない内にやっている危険性があるな」
「お互いで注意しておくか」
相槌する人数も半端ない。
二人の会話だったのに、どこまで広がってしまったのか。
隊員全員が入っても席が余る広い食堂なのに、全部が同じ話題になってないよな。
ちなみに隊長、副隊長、コーダもまだ食堂には来ていない。だからこその話題だが。
この隊の騎士は貴族で構成されているが、男爵家と子爵家の者が多い。
捕虜なのだから対等だ、と口だけならば意味はない。
俺は伯爵家だが、クロウと付き合うのなら人一倍気をつけなければ。
ふと、クロウの目が優しくなった気がした。
「セリム、お前はそのまま周囲を気にせず前だけ向いていればいい」
「お?」
「脳筋は難しいことを考えたらつまづく。お前の背中は俺が守ってやるから、とことん突っ走れ」
クロウから後光がさしているかのように見えてしまった。
「惚れるー」
「羨ましいー」
「男らしいー」
「私にも言ってほしいー」
「お前らうるせえっ。俺が言われたのっ、クロウにっ、お前の背中は俺が守ってやるからと。あー、超嬉しい」
ブーイングなんて知らない。
「あ、別にまだ付き合おうとか言ったわけじゃないから勘違いしないで。俺はセリムのことまだまだ全然知らないからね。けど、俺は俺に好意を持っている者には優しいのだ」
「上げて下げて、また上げる。乱高下が激しい。でも好き」
俺がクロウに好意を持っていることはわかってくれているようだ。
「敵方にいる敵は敵だからわかりやすい。だが、味方側にいる味方に見える人間こそが、後ろから背中を刺して来る敵であることも多い。お前に注意しろとまで言わないから、頭の片隅には入れておけ」
「う、うん」
クロウのまわりではそういうことが多かったのだろうか。
家庭では妻もいたということだから問題ないと思うが、王宮内にある宮廷魔導士団の職場はどうだったかと考えれば想像に難くない。
同じリンク王国にいながら、同じ王国民でありながら、彼らは味方ではなかったのだろう。
クロウが孤立無援でなかったことを祈りたいが、第四王子部隊にいるということは。
「相手が敵だとわかっていれば対処はしやすいんだ。対策が立てられるし、罠も張れる。だが、全幅の信頼を寄せる者が裏切ったとき、お前はただ殺されるだけか?」
「クロウにだったら殺されても良いかも」
背中からぶっすり刺されても、クロウだったら許せる。
クロウ以外なら。
もし、同じ部隊の他の騎士なら?
「、、、お前はもうそのまま育っていけ。それこそがお前の生きる道だ」
呆れ気味で言ってないかい?
他の皆も同じような考えを持っている気がするんだけどなあ。
敵がいると考えながら、同じ部隊で戦っていない。
「えー、クロウだったらどうするんだ?」
「だから、お前らは脳筋部隊に放り込まれるんだ。同じ部隊に敵はいなかったが、リンク王国そのものが敵だったじゃないか。俺がいなかったら全員帝国に殺されていただろ」
はい、ごもっとも。
実証済みですね。
おい、皆、頷いているやないか。ここにいる騎士全員、クロウの話を聞いているじゃん。
「ただ、コレからは同じ捕虜の中でも帝国の待遇が変わって来る。コーダが先陣を切ったが、誰でも自分より弱い者を虐げようとする可能性はある」
「弱い者?」
誰が。ああ、立場の弱い者ってことか。リンク王国では平民だったから。
全員を助けることができるクロウを俺は弱いとは思っていない。むしろこの部隊で最強だとさえ思っている。
そうか。
自分が一番だと勘違いしていたら、事実を事実としてきちんと認識できないのか。
ただ、コーダは隊長、副隊長を自分よりも上だときちんと認識できていたようだが。彼もまた身分偏重主義なのだろうか。
「、、、セリム、何が言いたい?まあ、剣なんて振り回せない筋肉ナシな俺のことじゃなくても、お前らの中でも序列はあるんだろ。辛い状況でも自分より下の者を思いやれるのなら、どんなに馬鹿にされても、そいつは胸張って生きていけるし、胸張って死んでもいける」
「それってコーダを思いやる隊長のことじゃないのか?」
小さい声で誰かが言った。
「その行動で自分の利益の方が勝るのなら、それは普通に当たり前の行為だ。別に褒められるべき行動ではない」
スッパリとクロウは言い切った。
「となると、隊長はコーダを守ることで何らかの利益を得ると?」
「コーダの実家はコーダが一番になれないから、死出の旅に向かう第四王子部隊に放り込んだわけではない。コーダが騎士団で問題行動を頻繁に起こしているなら、コーダをどうすれば良いと思う?」
「え?注意する?」
「家に戻す?」
「転職を勧める?」
口々に言うなー。完全に二人だけの会話じゃなくなっているよ。
「、、、確かにその案もあるが、コーダの実家は無条件で手厚いフォローをしてくれる者にコーダを託そうと考えてしまったわけだ」
コーダの世話を押しつける適任者がナーズ隊長だったということに皆が気づく。
「そりゃそうなるよなー。家が尻拭いしなくて済むなんて楽だからな」
「ということは、死出の旅の第四王子部隊と知らずに、部隊の隊長がナーズ隊長になっているからコーダを推薦しちまったってことか」
「私もこの第四王子部隊が特攻隊ということ知らなかったぞ」
「私もー」
配属された当初、騎士でこの部隊が特攻隊だと知っている者はほばいなかったんじゃないか。
「第四王子部隊が特攻隊ということはもちろん王国内では伏せられていた。高位貴族でも知らない者は多かったようだし、男爵家や子爵家で知っている者は何かしらで感づいた鋭い感性の持ち主だけじゃないのか。まあ、この顔ぶれを見れば、たいていわかると思うが」
クロウがこぼした言葉に、皆、他の騎士の顔を見る。
クロウはこの顔ぶれでわかったのか?
「コーダが配属されたのが自分のせいだから、コーダだけは生かして国に帰してあげたいというのならまだ良かったのだが。隊長は自分がいるからこの隊にコーダが配属されたとは思っていない」
「あー」
「あー」
あーあーあー、と食堂で大合唱。
「コーダの実家が第四王子部隊にコーダを配属させたのはコーダを合理的に処分するためだ、と第四王子部隊が特攻隊だとわかっている隊長は思うわけだ。コーダが可哀想だからなのか、それを知っている自分だけはコーダを守らなければという使命感なのか、どちらにしても、隊長が自分に酔っていることは確かだ」
クロウの話、きちんと筋が通ったな。
コーダはすでに成人した大人なのだから、責任は自分で取らなければならない。
失敗ができる若いうちに自分で気づかなければいけなかった。
ここはもう敵国の帝国。すべてが手遅れだが、コーダも実家も赤の他人であるナーズ隊長を何も考えずに頼ってはいけないと思わせなければならなかった。
「守ると称して自分に酔う材料にして、コーダの成長を妨げる最たる敵は、ナーズ隊長だったということだ」
可哀想な子を守ってあげてるのー、すごいでしょー。
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