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2章 そして、地獄がはじまった
2-5 脱落者と言うならば
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成績順で並べてしまったネームプレート。
何でコイツより俺が下なんだっ、と開始から一週間後に叫んだD級冒険者がいたが、そういうところだよ。皆、一日二日ぐらいで気づいていたのに、情報収集能力が今一つだし、七歳児に叫ぶのもいただけないなー。
この並びは俺が常日頃、砦にいる冒険者たちをこっそり観察した結果だ。たとえ弟の世話で忙しくとも、小さい魔物討伐に追われようとも、母上が楽になることはやってのけるぜ。
というわけで、叫んだD級冒険者に事細かく緻密に一時間ほど説明してあげた。一時間で済んだのは、彼の方がもういいっと泣きそうな顔をして走り去って行ってしまったからだ。二、三時間は軽く説明できるんだけどな。
この後、陰でこのネームプレート板の悪口を言う者はいたが、俺に直接言ってくる者はいなかった。
詳細に説明されると嫌なことでもあるのだろうか。
この件があってから、向上心がある者はどうしたらランクが上がるのか俺に聞きに来た。
七歳児に聞きに来れるところは尊敬に値する。反対に七歳児だから聞きに来れるのだろうか?
冒険者ギルドの極西支部の職員にいろいろ聞いておいて良かった。
といっても、極西支部の職員って二人しかいないんだけど。魔物の大量発生でもなければ、冒険者ギルドの極西支部は定時で終了する。冒険者に依頼があったとしても、母上に依頼書を渡して丸投げだし、様々な書類も砦から回るし、魔物の納品は解体して持って行くので、この極西支部は倉庫業にしか見えない。納品されたものを馬車で各都市に運んでいくところは冒険者にはすでに関係ない。
「リアム、ちょっと良いか?」
俺に話しかけてきたのは、同じE級冒険者だったが、少し前にD級に上がっていったクトフだった。
今は母上の執務室で書類の整理をしていた。扉は開けっ放しなので、誰がいるかは入室しなくてもわかる。
「俺に?弟のアミールがいてもかまわないか?」
「大丈夫だ」
アミールを机の方の椅子に座らせ、大人しくしているように伝える。
クトフには簡素なイスに座るように促す。ここではお茶は出ないが。
「で、どうした」
「うん、」
両手を組んで、俯き黙ってしまった。
言い難いことなのだろうか。
しばし待つ。机の方でアミールが足をパタつかせ始めた。我慢だぞー。絵本でも渡しておけば良かった、ってここには絵本は存在しない。たぶんお金持ちの家には存在するんだろうけど。紙はあるから、自作絵本でも作れば良いんだけどな。
「、、、ネームプレートの、あの並び、実力順なんだろ」
ようやくクトフの重い口が開いた。
彼はまだ成人前の少年だ。十三歳でD級に昇級した。
「と、言われてるね」
俺はー、積極的には成績順だということを肯定しないよー、一応。
「俺は冒険者としてどうだ?」
「クトフの冒険者としての評価か?悪くはないんじゃないか、十三歳にしては」
クトフはD級に上がったばかりなので、D級の一番下である。
それは仕方のないことだ。
新しく昇級してきた者に抜かされる方が、けっこうキツイ気がするのだが。
この国の成人の十五歳にC級、D級になっていれば冒険者としては充分だと言われている。この世界の冒険者ギルドはどんなに実力があったとしても登録時はF級冒険者として始まる。年齢が何歳であろうとも、前職からの実力があろうとも。魔物討伐でA級、B級の魔物等を一人で討伐できれば早々に昇級していくのだろうが、基本的にポイントをコツコツためて実力をつけながら昇級させるのが冒険者ギルドの方針だ。
特に成人前の子供は少しずつ成長させ、冒険者の基本を学ぶ。
クトフは自信をなくしたのだろうか?
「俺はこのまま冒険者をしていても、C級冒険者で終わる気がする。A級、B級の冒険者たちを見ていると、世界が違う気がするんだ」
クトフの目が真っ直ぐ俺を見た。
「ふむ、本来、C級が冒険者として安定して暮らせるランクだと言われている。さほど贅沢をしなければ妻子との生活も問題ないし、老後の貯金もできるくらいだ。一般的な家庭を築くことができる。この砦でもC級冒険者として終える者も多いし、A級、B級は稼げるがそれなりの危険を伴う。もちろんC級以下でも死のリスクがないかといえば皆無とは言えないが」
「うん、それはそうなんだが」
実は、ここにいるD級からF級の冒険者たちには選択肢がない。
孤児であったり、親や親族にここへと放り込まれた者たちが多いからだ。
冒険者カッコイイー、憧れるー、という理由で来た者たちではない。自らが望んで来た者たちでは決してない。
この砦は他領からの冒険者はC級以上でないと入場は許されない。
ここは魔の大平原、それなりの強さの冒険者でなければ太刀打ちできないダンジョンだからだ。
この領地の者たちならば、初心者から受け入れる。
ただし、D級以下の者の場合、基本は親兄弟親族、知り合いの後ろ盾が必要だ。砦で現に活動している冒険者である保護者がいてこそだ。つきっきりで面倒を見ろということではない。何かあったときに支える人物がいるというだけでも心強い。それが悪いときもあるが。昔は搾取する保護者もいたぐらいだ。
それ以外の者は孤児であること。
親が亡くなっても、街や村である程度の年齢になるまでは面倒を見るが、八歳から十歳頃に自分で身の回りのことができるようになると、孤児は砦に送られる。特に男児は。
このメルクイーン男爵領は冒険者がいくらいても困らない。
領民なら多少の手間がかかっても、冒険者として育てた方が将来の領地のためにもなる。
孤児院を建てるよりも現実的なのだ。
まあ、クズ親父は領民の税金からの砦の運営費をこちらに回しておらず、母上が苦労している。領地の税金は自分の金だと思っているのだろうか。領民は安全を確保してもらうために税金を払っているというのに、貴族の保養地整備やら、虚偽の魔物被害の補償を請求してきた者たちに多くの金が消えていっている。
ゆえに、冒険者たちを育てる教育費や砦の維持、修繕費等、砦の運営費は母上が討伐した魔物買取代金から担っている。ホントに涙ぐましい苦労である。母上は離婚した方が良いんじゃないかと思ってしまう今日この頃。母上は母上の稼ぎだけで、普通に贅沢に暮らせる。あんな奴らを養う必要はない。
話が少し脱線してしまった。
つまり、クトフは孤児でこの砦に来た。
相談する相手が他にいれば、俺のところには来ないだろう。
「他に何かやりたいことがあるのか?」
「それは、、、」
クトフは言葉を濁した。
もしやりたいことがあったとしても、冒険者以外になれるかというと難しい話だ。
一応、砦に来る頃には最低限の読み書きはできるようになっている。それが街で通用するレベルかというと、かなり難しいところだろう。
家業を継ぐ子供たちは幼い頃からその道を進んでいる。違う道を進みたい、もしくは進むしかない子供たちもまた、幼い頃から奉公に出される。
この世界は自分の好きなものを仕事にできる選択肢を持てる者は、ごく僅かしかいない。
この領地はまだ、冒険者という選択肢が子供に残されているだけマシだとも言えるのである。
「そうだな、クトフは他の冒険者たちより料理がうまいよな。適当にやり始めないで、キチンと順序立てて作業している。クトフが料理当番のときは食事がうまいと好評だ」
「そ、そうか」
クトフが頬を赤らめた。照れているのだろう。
砦の内部の手伝いはE級、F級が主で、D級になると人手が少ないときに呼ばれる程度になる。冒険者稼業の方に重点を置いてもらうためだ。
けれど。
クトフは料理が好きなのだろう。
「実は母上と昔、話していたことがあったんだ。砦ではE級、F級冒険者に料理を作ってもらうが、料理の出来栄えが当番の冒険者によってバラツキがあると。やはり日々の食事はできるだけ美味いものの方が良い。冒険者を引退した者等に料理人をお願いできないかと」
「七歳のお前の昔っていつ?」
クトフが驚いた顔で俺に聞きたいことって、それなんですかねえ?
母上といつ話したかなんて、お前にはどうでもいいことだ。俺はしっかり記憶しているけど。
「クトフ、お前の将来の選択肢が増えたぞ。このまま冒険者をやっていてもいいし、砦で皆の食事を統括する料理人になってもいい。クトフが料理人として修業したことがないのは百も承知だが、我々が望むのはお上品な食事でも手の込みすぎた食事でもない。冒険者が美味しいと思える食事を作れる者が望ましいんだ。お前が冒険者を引退するときにでも声を掛けようと思っていたんだが、ジョブチェンジはいつでもいいぞ」
「あ、」
「いきなりの提案だから、大いに悩んでもいい。時間はお前が冒険者を引退するまであるんだからな」
「、、、そっか、引退してもその先が続いているんだ」
クトフがボソッと呟いた。
冒険者の後の人生、それを考えられる冒険者は少ない。
それを冒険者からの脱落者と笑う者は笑えばいい。笑った者は、いつかお前が笑われる立場になるのだから。
何でコイツより俺が下なんだっ、と開始から一週間後に叫んだD級冒険者がいたが、そういうところだよ。皆、一日二日ぐらいで気づいていたのに、情報収集能力が今一つだし、七歳児に叫ぶのもいただけないなー。
この並びは俺が常日頃、砦にいる冒険者たちをこっそり観察した結果だ。たとえ弟の世話で忙しくとも、小さい魔物討伐に追われようとも、母上が楽になることはやってのけるぜ。
というわけで、叫んだD級冒険者に事細かく緻密に一時間ほど説明してあげた。一時間で済んだのは、彼の方がもういいっと泣きそうな顔をして走り去って行ってしまったからだ。二、三時間は軽く説明できるんだけどな。
この後、陰でこのネームプレート板の悪口を言う者はいたが、俺に直接言ってくる者はいなかった。
詳細に説明されると嫌なことでもあるのだろうか。
この件があってから、向上心がある者はどうしたらランクが上がるのか俺に聞きに来た。
七歳児に聞きに来れるところは尊敬に値する。反対に七歳児だから聞きに来れるのだろうか?
冒険者ギルドの極西支部の職員にいろいろ聞いておいて良かった。
といっても、極西支部の職員って二人しかいないんだけど。魔物の大量発生でもなければ、冒険者ギルドの極西支部は定時で終了する。冒険者に依頼があったとしても、母上に依頼書を渡して丸投げだし、様々な書類も砦から回るし、魔物の納品は解体して持って行くので、この極西支部は倉庫業にしか見えない。納品されたものを馬車で各都市に運んでいくところは冒険者にはすでに関係ない。
「リアム、ちょっと良いか?」
俺に話しかけてきたのは、同じE級冒険者だったが、少し前にD級に上がっていったクトフだった。
今は母上の執務室で書類の整理をしていた。扉は開けっ放しなので、誰がいるかは入室しなくてもわかる。
「俺に?弟のアミールがいてもかまわないか?」
「大丈夫だ」
アミールを机の方の椅子に座らせ、大人しくしているように伝える。
クトフには簡素なイスに座るように促す。ここではお茶は出ないが。
「で、どうした」
「うん、」
両手を組んで、俯き黙ってしまった。
言い難いことなのだろうか。
しばし待つ。机の方でアミールが足をパタつかせ始めた。我慢だぞー。絵本でも渡しておけば良かった、ってここには絵本は存在しない。たぶんお金持ちの家には存在するんだろうけど。紙はあるから、自作絵本でも作れば良いんだけどな。
「、、、ネームプレートの、あの並び、実力順なんだろ」
ようやくクトフの重い口が開いた。
彼はまだ成人前の少年だ。十三歳でD級に昇級した。
「と、言われてるね」
俺はー、積極的には成績順だということを肯定しないよー、一応。
「俺は冒険者としてどうだ?」
「クトフの冒険者としての評価か?悪くはないんじゃないか、十三歳にしては」
クトフはD級に上がったばかりなので、D級の一番下である。
それは仕方のないことだ。
新しく昇級してきた者に抜かされる方が、けっこうキツイ気がするのだが。
この国の成人の十五歳にC級、D級になっていれば冒険者としては充分だと言われている。この世界の冒険者ギルドはどんなに実力があったとしても登録時はF級冒険者として始まる。年齢が何歳であろうとも、前職からの実力があろうとも。魔物討伐でA級、B級の魔物等を一人で討伐できれば早々に昇級していくのだろうが、基本的にポイントをコツコツためて実力をつけながら昇級させるのが冒険者ギルドの方針だ。
特に成人前の子供は少しずつ成長させ、冒険者の基本を学ぶ。
クトフは自信をなくしたのだろうか?
「俺はこのまま冒険者をしていても、C級冒険者で終わる気がする。A級、B級の冒険者たちを見ていると、世界が違う気がするんだ」
クトフの目が真っ直ぐ俺を見た。
「ふむ、本来、C級が冒険者として安定して暮らせるランクだと言われている。さほど贅沢をしなければ妻子との生活も問題ないし、老後の貯金もできるくらいだ。一般的な家庭を築くことができる。この砦でもC級冒険者として終える者も多いし、A級、B級は稼げるがそれなりの危険を伴う。もちろんC級以下でも死のリスクがないかといえば皆無とは言えないが」
「うん、それはそうなんだが」
実は、ここにいるD級からF級の冒険者たちには選択肢がない。
孤児であったり、親や親族にここへと放り込まれた者たちが多いからだ。
冒険者カッコイイー、憧れるー、という理由で来た者たちではない。自らが望んで来た者たちでは決してない。
この砦は他領からの冒険者はC級以上でないと入場は許されない。
ここは魔の大平原、それなりの強さの冒険者でなければ太刀打ちできないダンジョンだからだ。
この領地の者たちならば、初心者から受け入れる。
ただし、D級以下の者の場合、基本は親兄弟親族、知り合いの後ろ盾が必要だ。砦で現に活動している冒険者である保護者がいてこそだ。つきっきりで面倒を見ろということではない。何かあったときに支える人物がいるというだけでも心強い。それが悪いときもあるが。昔は搾取する保護者もいたぐらいだ。
それ以外の者は孤児であること。
親が亡くなっても、街や村である程度の年齢になるまでは面倒を見るが、八歳から十歳頃に自分で身の回りのことができるようになると、孤児は砦に送られる。特に男児は。
このメルクイーン男爵領は冒険者がいくらいても困らない。
領民なら多少の手間がかかっても、冒険者として育てた方が将来の領地のためにもなる。
孤児院を建てるよりも現実的なのだ。
まあ、クズ親父は領民の税金からの砦の運営費をこちらに回しておらず、母上が苦労している。領地の税金は自分の金だと思っているのだろうか。領民は安全を確保してもらうために税金を払っているというのに、貴族の保養地整備やら、虚偽の魔物被害の補償を請求してきた者たちに多くの金が消えていっている。
ゆえに、冒険者たちを育てる教育費や砦の維持、修繕費等、砦の運営費は母上が討伐した魔物買取代金から担っている。ホントに涙ぐましい苦労である。母上は離婚した方が良いんじゃないかと思ってしまう今日この頃。母上は母上の稼ぎだけで、普通に贅沢に暮らせる。あんな奴らを養う必要はない。
話が少し脱線してしまった。
つまり、クトフは孤児でこの砦に来た。
相談する相手が他にいれば、俺のところには来ないだろう。
「他に何かやりたいことがあるのか?」
「それは、、、」
クトフは言葉を濁した。
もしやりたいことがあったとしても、冒険者以外になれるかというと難しい話だ。
一応、砦に来る頃には最低限の読み書きはできるようになっている。それが街で通用するレベルかというと、かなり難しいところだろう。
家業を継ぐ子供たちは幼い頃からその道を進んでいる。違う道を進みたい、もしくは進むしかない子供たちもまた、幼い頃から奉公に出される。
この世界は自分の好きなものを仕事にできる選択肢を持てる者は、ごく僅かしかいない。
この領地はまだ、冒険者という選択肢が子供に残されているだけマシだとも言えるのである。
「そうだな、クトフは他の冒険者たちより料理がうまいよな。適当にやり始めないで、キチンと順序立てて作業している。クトフが料理当番のときは食事がうまいと好評だ」
「そ、そうか」
クトフが頬を赤らめた。照れているのだろう。
砦の内部の手伝いはE級、F級が主で、D級になると人手が少ないときに呼ばれる程度になる。冒険者稼業の方に重点を置いてもらうためだ。
けれど。
クトフは料理が好きなのだろう。
「実は母上と昔、話していたことがあったんだ。砦ではE級、F級冒険者に料理を作ってもらうが、料理の出来栄えが当番の冒険者によってバラツキがあると。やはり日々の食事はできるだけ美味いものの方が良い。冒険者を引退した者等に料理人をお願いできないかと」
「七歳のお前の昔っていつ?」
クトフが驚いた顔で俺に聞きたいことって、それなんですかねえ?
母上といつ話したかなんて、お前にはどうでもいいことだ。俺はしっかり記憶しているけど。
「クトフ、お前の将来の選択肢が増えたぞ。このまま冒険者をやっていてもいいし、砦で皆の食事を統括する料理人になってもいい。クトフが料理人として修業したことがないのは百も承知だが、我々が望むのはお上品な食事でも手の込みすぎた食事でもない。冒険者が美味しいと思える食事を作れる者が望ましいんだ。お前が冒険者を引退するときにでも声を掛けようと思っていたんだが、ジョブチェンジはいつでもいいぞ」
「あ、」
「いきなりの提案だから、大いに悩んでもいい。時間はお前が冒険者を引退するまであるんだからな」
「、、、そっか、引退してもその先が続いているんだ」
クトフがボソッと呟いた。
冒険者の後の人生、それを考えられる冒険者は少ない。
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