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6章 男爵家の後始末
6-9 いやはやいやはや ◆クトフ視点◆
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◆クトフ視点◆
夜、転送の魔道具である二段戸棚を確認する。
リアムは厨房に置くと思ってこの形にしたが、俺の部屋に置くので他の誰も使わない。
俺以外使わないと思っていたけど、クロ様が俺の部屋に街の住民からのリアムへのお供え物、、、もとい差し入れを持ってくるようになった。
クロ様のお供え棚が、シロ様のお供え棚の隣に復活した。
ただし、リアム用の棚として。
クロ様が毎日王都にいるリアムの元に通っているという噂は砦の冒険者だけでなく街の皆にも耳に入っている。
さすがは砦の守護獣様、何でもできるのですねと評判だったのだが、クロ様にリアムへの差し入れを渡す者が出てきてしまった。クロ様もご一緒に食べてくださいと渡すのがほとんどであるが。
見つかると物を押しつけられるのが嫌になってきたということで、クロ様のお供え棚が現れたのである。
「これ、送っておいてー」
「クロ様が直々に持っていかれる方がリアムも喜ぶと思いますけど」
「僕が持っていこうとすると、僕のお腹のなかになっちゃうからなー。食材はリアムが料理してくれるから食べたいのであって、別にこのままだと体内に入れたくないからねー」
はい、クロ様の体外にある物はリアムの元に持っていけないということが判明しました。
そして、俺の部屋に差し入れの品を置くと、さっさと消える。
何でクロ様にバレたんだろう。。。
リアムの方の戸棚を見たのかな。
戸棚は小さい。そこまで大きくない。
転送の魔道具に戸がついているのは、物を入れたら一回閉じる。転送先が物を出さないと、転送元は次の物を送れないのである。
夜、戸棚に入るだけ物を詰めても、基本的に翌朝にならないとなくならない。その後に再び物を入れてもなかなか取り出してもらえない。つまりはリアムは朝に一回、戸棚を確認することが多いようだ。
というわけで、俺も考えました。
リアムが作った収納鞄が砦では売られている。
小さいサイズの鞄で、大きめのリュックサイズの容量が詰められる。
特に俺には必要ないと思っていたが、二年後には俺が使えば良い。
多少の状態保存ができて重い荷物を移動させるときには便利である。収納鞄は重さを感じさせないので、食材の移動には良いんじゃないかなと思い始めていたところだ。
安くはないが手を出せる金額なので購入して、中にクロ様が置いていった差し入れを詰め込み、手紙を収納鞄の上に置いて送ることにした。コレなら一度の転送ですべてが送れる。
ということを毎日やることになった。
何でこんなにもリアム宛に差し入れがあるんだろう。
それだけリアムが人気で感謝されているってことなんだろうけど。
リアムはリアムで、空で返すはずの収納鞄に王都で購入した調味料や見慣れない食材等を入れて来る。
そして、たまについている手紙には差し入れの食材を送るだけじゃなくて、その食材をクトフが料理したのを入れてくれてもいいんだよー、たまにはクトフの料理が食べたいなー、クトフ様ー弁当作ってくださいー、せめて冒険者弁当プリーズ等々書かれている。要求は一つのみだな。一貫しているよ。
クロ様のお供え棚から溢れている差し入れは、収納鞄にも入らなくなるので、クロ様に断ってから、注意書きをお供え棚に置いた。
手紙、書類等は受け取りません。
置くのは一人一品のみ。
お供え棚にのせられない物はお持ち帰りください。
今後、問題が生じたら文章を加えていこう。
ナーヴァル砦長が書類を持ってこの辺うろついていたから、書いておいてやったぞ、リアム。感謝しろっ。
まあ、クロ様もお供え棚に置かれた書類を一回ナーヴァルの頭に投げ落としたと言っていたし。。。
このお供え棚にのせた物はクロ様がリアムの元まで持っていくと思われている。
物を抱えたちっこいクロ様がけっこう目撃されているので、信憑性が高くなっている。
実際、俺の部屋に持ってくるけどっ。
持っていける物、分量は限られていると、是非この文章から読み取ってください。
二段戸棚を作ってもらっておいて良かったと思う反面、作ってもらっていなければこんな苦労をすることもなかったんだなとも思う。
他の誰にも言わなければ、自分だけの特権だと思っていた。
うんうん。
リアムが奴隷たちに通信の魔道具を渡していたとはねー。
ビッシュたちが魔の大平原への侵入者をよく捕まえて来る。砦長に渡している。
侵入者たちは誓約魔法で守られている砦を通過せずに、壁をよじ登って侵入するようになった。
搦め手はやめたのか?
魔物が蔓延っている魔の大平原に忍び込む輩がいるのが、砦の冒険者には不思議だとか馬鹿なのかとしか思えないのだが。どこぞの誰かに依頼されなければ、そんなことやらないよな。
けれど、なぜか毎回ルー、レイ、ロウの三人が動いている。
彼らが普段なら来ないはずの外壁付近に侵入者を見つけて、リアム様のためーと奇声を上げてフルボッコにしているそうな。。。
リアム、外壁に強化の魔法以外もかけていかなかった?
侵入を防ぐのは難しいから、感知するような魔法をかけたでしょ。
リアムが侵入者を感知すれば、あの三人に連絡して急行させているということで正解でしょ。
そのときの三人はビッシュたちが追い付けないスピードで魔の大平原を駆け抜けていくそうな。
ビッシュたちが三人に辿り着いたころにはすべてが終わっており、コイツら砦長に渡して置いてー、と後始末を頼まれる。
ビッシュたちも彼ら三人が砦の冒険者を傷つけられないということを知っている。
だから、彼らに倒される者は砦の冒険者ではない。
魔の大平原に行く者は絶対に冒険者として入場許可をもらい砦を通らなければならないのは砦が決めた独自のルールではなく、この領地での絶対的なルールである。一般人が勝手に入らないように決められた規則である。
今でこそ、リアムの誓約魔法で一般人は入って来れないが、紙の誓約書だったときは一般人も砦から魔の大平原に入ってしまうことが物理的にできていた。けれど、その捜索は砦の冒険者をさらに危険に晒した。
ゆえに砦の冒険者以外の者が魔の大平原に入った場合、不法侵入者として袋叩きにされてポイされても文句は言えないのである。顔見知りの街の住民ならまだしも、、、街の住民はそんな無謀なことはしないけどね。
魔の大平原に行ってから砦の入場許可を取り消された者も、魔の大平原にいるのは許されている。
砦長もそのことはわかっている。
が、何で、あの三人が的確に動くのかということまではわかっていないようだ。
俺がD級冒険者の料理人だから、砦に入れない彼ら三人と直接会う機会はないだろうとリアムは思っていたのかな?
あの三人のことを頼んでおきながら事前に教えてくれなかったので、わがままを手紙に書いてみた。
リアムとの通信の魔道具が欲しいんだけどー、と。
数日間音沙汰がなかったので、奴隷の三人にはあげたのに、俺にはくれないんだー、と書いた。
リアムから返事があった。
通信の魔道具の材料求む。
高すぎて王都では材料に手が出せないから、極西の砦で揃えてくれ、と書かれていた。
そうですね、王都は何もかも高いって言ってましたね。。。
忘れてました。
俺、この地から動いたことないもので。
俺から必要なものを聞いておけば良かった。
と反省したのに、綺麗に打ち消された。
「これらはどうですか?」
「、、、良いんじゃないでしょうかね」
なぜか俺はビッシュたちに連れ去られて、C級冒険者担当エリアに拉致された。
ビッシュたち五人は指示されただけのようである。犯罪の片棒を担ぐなよ。
そこにいたのはルー、レイ、ロウである。なんでずっと魔の大平原にいるのにコイツらキラキライケメンなんだろう。怖いよ。リアムが普通に生活費を渡しているのに、ビッシュたち貢いでない?
彼らは魔物から取り出した魔石を並べている。
普段の彼らは解体をしない。転送の魔道具で討伐した魔物は砦の方にそのまま転送されているのだが。
「でも、リアム様が身につけるのなら、この色の方が似合うのでは?」
「いや、高品質のこの魔石の方が長持ちする」
「しかし、この魔石の方が小さいから、指輪でも可能だ」
「リアム様とお揃いの指輪なら俺も欲しい」
「そりゃ俺もだ」
「もう一つ腕輪をするとなると、俺たちの腕輪を外そうとか思っちゃったりしないか?」
「収納鞄に入れっぱなしに?放置プレイか?それはそれでいいかも」
「リアム様は指輪はしていないだろ」
「いや、砦の守護獣様の指輪をしている」
「ああ、中指か。他の指はまだ空きあるな」
ごにょごにょごにょ。
「クトフ料理長、この小さい魔石でいかがですか?」
三人が一つの魔石を差し出した。
ようやく話がまとまったか。
話がまとまってから、連れてきてほしかったな。
聞かなくてもいい会話を聞いた気がするよ。
確かに魔石は買うと高価だよ、ここでも。
王都ではもっとバカ高いってことだけど。
リアムはこの三人に魔石調達を頼んだということらしい。。。
手紙に書いておけ、そういうことは。
そういうところだぞ、お前は。
夜、転送の魔道具である二段戸棚を確認する。
リアムは厨房に置くと思ってこの形にしたが、俺の部屋に置くので他の誰も使わない。
俺以外使わないと思っていたけど、クロ様が俺の部屋に街の住民からのリアムへのお供え物、、、もとい差し入れを持ってくるようになった。
クロ様のお供え棚が、シロ様のお供え棚の隣に復活した。
ただし、リアム用の棚として。
クロ様が毎日王都にいるリアムの元に通っているという噂は砦の冒険者だけでなく街の皆にも耳に入っている。
さすがは砦の守護獣様、何でもできるのですねと評判だったのだが、クロ様にリアムへの差し入れを渡す者が出てきてしまった。クロ様もご一緒に食べてくださいと渡すのがほとんどであるが。
見つかると物を押しつけられるのが嫌になってきたということで、クロ様のお供え棚が現れたのである。
「これ、送っておいてー」
「クロ様が直々に持っていかれる方がリアムも喜ぶと思いますけど」
「僕が持っていこうとすると、僕のお腹のなかになっちゃうからなー。食材はリアムが料理してくれるから食べたいのであって、別にこのままだと体内に入れたくないからねー」
はい、クロ様の体外にある物はリアムの元に持っていけないということが判明しました。
そして、俺の部屋に差し入れの品を置くと、さっさと消える。
何でクロ様にバレたんだろう。。。
リアムの方の戸棚を見たのかな。
戸棚は小さい。そこまで大きくない。
転送の魔道具に戸がついているのは、物を入れたら一回閉じる。転送先が物を出さないと、転送元は次の物を送れないのである。
夜、戸棚に入るだけ物を詰めても、基本的に翌朝にならないとなくならない。その後に再び物を入れてもなかなか取り出してもらえない。つまりはリアムは朝に一回、戸棚を確認することが多いようだ。
というわけで、俺も考えました。
リアムが作った収納鞄が砦では売られている。
小さいサイズの鞄で、大きめのリュックサイズの容量が詰められる。
特に俺には必要ないと思っていたが、二年後には俺が使えば良い。
多少の状態保存ができて重い荷物を移動させるときには便利である。収納鞄は重さを感じさせないので、食材の移動には良いんじゃないかなと思い始めていたところだ。
安くはないが手を出せる金額なので購入して、中にクロ様が置いていった差し入れを詰め込み、手紙を収納鞄の上に置いて送ることにした。コレなら一度の転送ですべてが送れる。
ということを毎日やることになった。
何でこんなにもリアム宛に差し入れがあるんだろう。
それだけリアムが人気で感謝されているってことなんだろうけど。
リアムはリアムで、空で返すはずの収納鞄に王都で購入した調味料や見慣れない食材等を入れて来る。
そして、たまについている手紙には差し入れの食材を送るだけじゃなくて、その食材をクトフが料理したのを入れてくれてもいいんだよー、たまにはクトフの料理が食べたいなー、クトフ様ー弁当作ってくださいー、せめて冒険者弁当プリーズ等々書かれている。要求は一つのみだな。一貫しているよ。
クロ様のお供え棚から溢れている差し入れは、収納鞄にも入らなくなるので、クロ様に断ってから、注意書きをお供え棚に置いた。
手紙、書類等は受け取りません。
置くのは一人一品のみ。
お供え棚にのせられない物はお持ち帰りください。
今後、問題が生じたら文章を加えていこう。
ナーヴァル砦長が書類を持ってこの辺うろついていたから、書いておいてやったぞ、リアム。感謝しろっ。
まあ、クロ様もお供え棚に置かれた書類を一回ナーヴァルの頭に投げ落としたと言っていたし。。。
このお供え棚にのせた物はクロ様がリアムの元まで持っていくと思われている。
物を抱えたちっこいクロ様がけっこう目撃されているので、信憑性が高くなっている。
実際、俺の部屋に持ってくるけどっ。
持っていける物、分量は限られていると、是非この文章から読み取ってください。
二段戸棚を作ってもらっておいて良かったと思う反面、作ってもらっていなければこんな苦労をすることもなかったんだなとも思う。
他の誰にも言わなければ、自分だけの特権だと思っていた。
うんうん。
リアムが奴隷たちに通信の魔道具を渡していたとはねー。
ビッシュたちが魔の大平原への侵入者をよく捕まえて来る。砦長に渡している。
侵入者たちは誓約魔法で守られている砦を通過せずに、壁をよじ登って侵入するようになった。
搦め手はやめたのか?
魔物が蔓延っている魔の大平原に忍び込む輩がいるのが、砦の冒険者には不思議だとか馬鹿なのかとしか思えないのだが。どこぞの誰かに依頼されなければ、そんなことやらないよな。
けれど、なぜか毎回ルー、レイ、ロウの三人が動いている。
彼らが普段なら来ないはずの外壁付近に侵入者を見つけて、リアム様のためーと奇声を上げてフルボッコにしているそうな。。。
リアム、外壁に強化の魔法以外もかけていかなかった?
侵入を防ぐのは難しいから、感知するような魔法をかけたでしょ。
リアムが侵入者を感知すれば、あの三人に連絡して急行させているということで正解でしょ。
そのときの三人はビッシュたちが追い付けないスピードで魔の大平原を駆け抜けていくそうな。
ビッシュたちが三人に辿り着いたころにはすべてが終わっており、コイツら砦長に渡して置いてー、と後始末を頼まれる。
ビッシュたちも彼ら三人が砦の冒険者を傷つけられないということを知っている。
だから、彼らに倒される者は砦の冒険者ではない。
魔の大平原に行く者は絶対に冒険者として入場許可をもらい砦を通らなければならないのは砦が決めた独自のルールではなく、この領地での絶対的なルールである。一般人が勝手に入らないように決められた規則である。
今でこそ、リアムの誓約魔法で一般人は入って来れないが、紙の誓約書だったときは一般人も砦から魔の大平原に入ってしまうことが物理的にできていた。けれど、その捜索は砦の冒険者をさらに危険に晒した。
ゆえに砦の冒険者以外の者が魔の大平原に入った場合、不法侵入者として袋叩きにされてポイされても文句は言えないのである。顔見知りの街の住民ならまだしも、、、街の住民はそんな無謀なことはしないけどね。
魔の大平原に行ってから砦の入場許可を取り消された者も、魔の大平原にいるのは許されている。
砦長もそのことはわかっている。
が、何で、あの三人が的確に動くのかということまではわかっていないようだ。
俺がD級冒険者の料理人だから、砦に入れない彼ら三人と直接会う機会はないだろうとリアムは思っていたのかな?
あの三人のことを頼んでおきながら事前に教えてくれなかったので、わがままを手紙に書いてみた。
リアムとの通信の魔道具が欲しいんだけどー、と。
数日間音沙汰がなかったので、奴隷の三人にはあげたのに、俺にはくれないんだー、と書いた。
リアムから返事があった。
通信の魔道具の材料求む。
高すぎて王都では材料に手が出せないから、極西の砦で揃えてくれ、と書かれていた。
そうですね、王都は何もかも高いって言ってましたね。。。
忘れてました。
俺、この地から動いたことないもので。
俺から必要なものを聞いておけば良かった。
と反省したのに、綺麗に打ち消された。
「これらはどうですか?」
「、、、良いんじゃないでしょうかね」
なぜか俺はビッシュたちに連れ去られて、C級冒険者担当エリアに拉致された。
ビッシュたち五人は指示されただけのようである。犯罪の片棒を担ぐなよ。
そこにいたのはルー、レイ、ロウである。なんでずっと魔の大平原にいるのにコイツらキラキライケメンなんだろう。怖いよ。リアムが普通に生活費を渡しているのに、ビッシュたち貢いでない?
彼らは魔物から取り出した魔石を並べている。
普段の彼らは解体をしない。転送の魔道具で討伐した魔物は砦の方にそのまま転送されているのだが。
「でも、リアム様が身につけるのなら、この色の方が似合うのでは?」
「いや、高品質のこの魔石の方が長持ちする」
「しかし、この魔石の方が小さいから、指輪でも可能だ」
「リアム様とお揃いの指輪なら俺も欲しい」
「そりゃ俺もだ」
「もう一つ腕輪をするとなると、俺たちの腕輪を外そうとか思っちゃったりしないか?」
「収納鞄に入れっぱなしに?放置プレイか?それはそれでいいかも」
「リアム様は指輪はしていないだろ」
「いや、砦の守護獣様の指輪をしている」
「ああ、中指か。他の指はまだ空きあるな」
ごにょごにょごにょ。
「クトフ料理長、この小さい魔石でいかがですか?」
三人が一つの魔石を差し出した。
ようやく話がまとまったか。
話がまとまってから、連れてきてほしかったな。
聞かなくてもいい会話を聞いた気がするよ。
確かに魔石は買うと高価だよ、ここでも。
王都ではもっとバカ高いってことだけど。
リアムはこの三人に魔石調達を頼んだということらしい。。。
手紙に書いておけ、そういうことは。
そういうところだぞ、お前は。
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