208 / 291
9章 お人形さんで遊びましょう
9-9 地獄には道連れを
しおりを挟む
「で、何これ?」
テッテレー。
俺はバージに見せる。
翌日の朝、学園にて。
「ずるいぞ、バージ。リアムお手製の人形をもらえるなんて」
悔しそうなゾーイは人形と称したが、マスコットだ。手のひらの大きさもない小さな可愛らしいサイズだ。
アンナのようにぬいぐるみサイズの人形を作る気にはなれん。
「バージマスコットだぞー。俺が夜なべして作ったんだ。感謝しろ。肌身離さず持ってろよ」
「可愛らしいけども。何のために肌身離さず持ってなきゃいけないんだ?」
「バージが狙われたときのためにだよ。物理的にも呪い的にも魔法的にも」
「、、、ありがたく頂戴します」
バージの顔が渋々といった感じだが、意図がわかって対策グッズを両手で受け取った。
バージマスコットにする意味があったのかというと、、、まあ、内部に魔石を簡単に入れられるというだけである。布もこだわらなければ、この王都でもお安く購入できる。
アクセサリー類にしてしまうと魔石が見えてしまうので、周囲からどのような対策がとられてしまったのか見えやすい。
「ま、バージ自身はこれで安全だが、テンガラット子爵家を守るためにはまずはハーラット侯爵と会い、国王に要求を飲ませないといけないな」
「リアム、普通の子爵家は間に伯爵家や侯爵家を入れてようやく国王へ必要な話を持っていける程度だぞ。しかも、返事が来ないことの方が多いくらいだ」
子爵家、男爵家は直接国王と会話することがない。
パーティのときに挨拶ができれば良い方らしい。
まあ、貴族の会話の順番なんて知らんけど。
「うちは男爵家だけど、仕方ない。話す必要があるんだから、仕方ない」
「仕方ないを二度も言った」
「リアム、おはようっ」
ババンっ、と教室の扉を開けたのはラーラの侍女二人だ。
ラーラは扉に触ってもいない。
「お兄様が今日の放課後、時間を作ってくれたわよ」
「、、、会いたいという要望の意志すら、まだ腹黒侯爵に伝えていないのに」
決心がつかなくて、というより、会いたくないという気持ちが強すぎて、昨晩は現実逃避のバージマスコットをちくちくと作ってしまった。
仕方ないから、今日学園でラーラに会い、約束を取り付けてもらおうと思っていた。
「リアムは私に言わなくとも、直接お兄様方に話ができるイヤリングをもらったのでしょう?」
「あー、あれ。あれってどっちがどっちにつながっているかわかりにくいからなあ。永久の闇に葬られた」
永久の闇→収納鞄。
イヤリングの左右がそれぞれクリスか腹黒侯爵につながる通信の魔道具なのである。
ちなみに、相手がどういう状態であろうと問答無用で繋がってしまうはた迷惑な、持っていたくない通信機器である。。。
まあ、あの式典ではそういう通信の魔道具が必要であったとは思うけど。。。
「お兄様が泣いているわよ。いくら話しかけても応答がないって。愛を語りたいのにって」
「闇に葬って正解だったな」
収納鞄に入っている間、どんなに騒いだところで音が鞄の外にもれることもない。
万能だな、収納鞄。
「だから、マックレー侯爵に先手を取られて悔しがっているわよ。うちに飲みに来ないと会話しなーいって拗ねてるわよ」
「あー、面倒」
マックレー侯爵と飲んだから、自分とも飲めと。
となるとゾーイを連れて行くことは確定、バージはどうするか。
当事者だから、連れて行った方が良いのだが。
「けど、仕方ない。俺とゾーイ、バージの三人で伺う」
「えっ、私もっ?」
驚愕の声で叫んだが、バージくんのために動いているんだからね。
確かにバージくんの精神衛生上、連れて行くのは躊躇っちゃうんだけど。
ラーラとはわりと気軽に話しているが、侯爵家令嬢と侯爵は違う。
子爵ではなく子爵家の者が直接侯爵と話せるのは、侯爵によほど気に入られていないと難しいという話である。
傘下である侯爵とさえ伯爵を通すのに、傘下でもない侯爵と話すのは相当に難しいわけだ。
俺が知ったことではないが。
「わかったわ。お兄様に伝えておくわね」
講義開始の予鈴が鳴り響く。ラーラ様は教室を去っていった。
「ゾーイ、お前も教室に戻ったら?」
「本鈴一分前に移動すれば充分間に合う」
、、、そういうことにしておくか。教室間はかなり広いが。
「、、、というわけで、三人で地獄に行こう」
「地獄に道連れにされるのか」
「バージくんー、俺たちがテンガラット子爵家のために動いていることを忘れないでねー」
バージくんにはしっかり認識してもらわないとね。。。
「うう、、、ありがたいと思っている」
バージがバージマスコットをギュッと握っている。魔法学園のマントの部分がクシャクシャになるぞ。
それを見ているゾーイが悔しそうなのだが。
自分のマスコットをもらって嬉しいのか?
人形には人形をと思って作ってしまったが、後から思うとつくづく微妙だなー。
けど、アクセサリー類にしたら、それはそれで周囲が厄介な気がするのはなぜだろう。
ゾーイはたまにイヤーカフを羨ましそうに見ている。ゾーイとは寮の部屋でも一緒にいるのでクトフとの会話も筒抜けだ。反対にこそこそと話している方がゾーイには悪いと思ってしまうのだが。
さて、夜になったので、地獄、、、ハーラット侯爵家のお屋敷に向かった。
王都の中央地区にあるハーラット侯爵家のお屋敷は玄関も超豪華。
「、、、なぜ、ラーラ様がここに?」
「面白そうだから来たわよ」
いい笑顔ですね。
悪役令嬢みたいですよ。
ちなみに、ラーラ様は東地区のお屋敷に住んでいる。金持ちは良いねー。
「けれど、なぜ三人とも冒険者の格好なのかしら?」
「魔の森に行って来た帰りだからですよ」
にこやかに答えておく。
マックレー侯爵のときと同じことをしておいた方が良いだろ、きっと。
腹黒侯爵もマックレー侯爵も面倒な人たちだ。
この国で侯爵とつく人は基本的に面倒なのかな。
とすると、クインザー侯爵も面倒なのかー。だろうね。今回の件の発端の人物だからね。
「二人はいらなかったのにー」
ハーラット侯爵がわざわざ玄関先まで迎えに来やがった。
男爵を玄関まで迎える侯爵なんていませんよー。
おとなしく応接間で待っていてくれれば良いのに。
「リアムがいるところにはついていきますから」
ゾーイがハーラット侯爵の前に立って宣言する。
「それって、ストーカーって言わない?」
「本人が同行を了承しているのなら、ストーカーじゃないでしょう」
ゾーイとは一緒に行動しているんだし。
「リアム、脅されているんじゃないのか?私の愛は受け入れないのに、ゾーイ・マックレーのストーカー愛を受け入れるなんて」
、、、腹黒侯爵はゾーイの行動を調べ尽くしているんですかね?
そっちの方がストーカー紛いで怖い気がしてきましたが。
「お兄様、玄関で話していては、話が進みませんわ。客間にいろいろと用意していますから、そちらに移動しましょう」
ラーラが俺たちへ場所移動を促す。
ところで、一言も口を開いていない者がいるんですけど。
大丈夫?
さすがに腹黒侯爵でもとって食いはしないから。
まあ、気に入らない者は腹黒侯爵に秘密裏に消されているけど。
というわけで、マックレー侯爵家にお呼ばれしたときと同じようにするということで、ここでも野菜チップスを取り出す。
そうすると、自動で現れるのが、この黒い毛の塊。
パリパリパリ。
無心で食べ始めるな。
「野菜チップス好きだねー。お昼も野菜チップスの方が良いのか?」
「リアムー、お昼はリアムのオムライスだよー。リアムの野菜チップスは永遠に食べていられる」
お昼以外は食べ続けていたいと?
却下だな。
お供えの野菜も無尽蔵に湧いて出てくるわけではない、はずなのだが。
が、微妙にそれに近い状態ではあるけど。。。野菜が使ってもなくならない。
個人へのお裾分けレベルを完全に超えている。
皆、気持ちはありがたいけど、クロを甘やかすなよー。
「リアムのお手製の野菜チップスか、どれどれ」
と言って手を伸ばす腹黒侯爵の目的の野菜チップスを横から取るな、ゾーイ。
水面下での激闘を始める前に、お皿をわけてあげましょう。
クロの目が大皿でくれ、と言っている。
お口はパリパリと音を立てているので忙しいらしい。
「私にももらえるかしら」
「ラーラ様も庶民的なものを食べるんですねー。そういや、今日はクリス様の姿が見えませんね」
ふと聞いた。
顔だけは癒しのクリス様がいないのは残念だ。
腹黒侯爵に夜も働かされているのだろうか。
この家はとことんブラックだからな。
「クリス兄様は今日も砦に行っているわよ」
今日も、って言ったよ、ラーラ様。
うん、その情報は聞かなかったことにしよう。
テッテレー。
俺はバージに見せる。
翌日の朝、学園にて。
「ずるいぞ、バージ。リアムお手製の人形をもらえるなんて」
悔しそうなゾーイは人形と称したが、マスコットだ。手のひらの大きさもない小さな可愛らしいサイズだ。
アンナのようにぬいぐるみサイズの人形を作る気にはなれん。
「バージマスコットだぞー。俺が夜なべして作ったんだ。感謝しろ。肌身離さず持ってろよ」
「可愛らしいけども。何のために肌身離さず持ってなきゃいけないんだ?」
「バージが狙われたときのためにだよ。物理的にも呪い的にも魔法的にも」
「、、、ありがたく頂戴します」
バージの顔が渋々といった感じだが、意図がわかって対策グッズを両手で受け取った。
バージマスコットにする意味があったのかというと、、、まあ、内部に魔石を簡単に入れられるというだけである。布もこだわらなければ、この王都でもお安く購入できる。
アクセサリー類にしてしまうと魔石が見えてしまうので、周囲からどのような対策がとられてしまったのか見えやすい。
「ま、バージ自身はこれで安全だが、テンガラット子爵家を守るためにはまずはハーラット侯爵と会い、国王に要求を飲ませないといけないな」
「リアム、普通の子爵家は間に伯爵家や侯爵家を入れてようやく国王へ必要な話を持っていける程度だぞ。しかも、返事が来ないことの方が多いくらいだ」
子爵家、男爵家は直接国王と会話することがない。
パーティのときに挨拶ができれば良い方らしい。
まあ、貴族の会話の順番なんて知らんけど。
「うちは男爵家だけど、仕方ない。話す必要があるんだから、仕方ない」
「仕方ないを二度も言った」
「リアム、おはようっ」
ババンっ、と教室の扉を開けたのはラーラの侍女二人だ。
ラーラは扉に触ってもいない。
「お兄様が今日の放課後、時間を作ってくれたわよ」
「、、、会いたいという要望の意志すら、まだ腹黒侯爵に伝えていないのに」
決心がつかなくて、というより、会いたくないという気持ちが強すぎて、昨晩は現実逃避のバージマスコットをちくちくと作ってしまった。
仕方ないから、今日学園でラーラに会い、約束を取り付けてもらおうと思っていた。
「リアムは私に言わなくとも、直接お兄様方に話ができるイヤリングをもらったのでしょう?」
「あー、あれ。あれってどっちがどっちにつながっているかわかりにくいからなあ。永久の闇に葬られた」
永久の闇→収納鞄。
イヤリングの左右がそれぞれクリスか腹黒侯爵につながる通信の魔道具なのである。
ちなみに、相手がどういう状態であろうと問答無用で繋がってしまうはた迷惑な、持っていたくない通信機器である。。。
まあ、あの式典ではそういう通信の魔道具が必要であったとは思うけど。。。
「お兄様が泣いているわよ。いくら話しかけても応答がないって。愛を語りたいのにって」
「闇に葬って正解だったな」
収納鞄に入っている間、どんなに騒いだところで音が鞄の外にもれることもない。
万能だな、収納鞄。
「だから、マックレー侯爵に先手を取られて悔しがっているわよ。うちに飲みに来ないと会話しなーいって拗ねてるわよ」
「あー、面倒」
マックレー侯爵と飲んだから、自分とも飲めと。
となるとゾーイを連れて行くことは確定、バージはどうするか。
当事者だから、連れて行った方が良いのだが。
「けど、仕方ない。俺とゾーイ、バージの三人で伺う」
「えっ、私もっ?」
驚愕の声で叫んだが、バージくんのために動いているんだからね。
確かにバージくんの精神衛生上、連れて行くのは躊躇っちゃうんだけど。
ラーラとはわりと気軽に話しているが、侯爵家令嬢と侯爵は違う。
子爵ではなく子爵家の者が直接侯爵と話せるのは、侯爵によほど気に入られていないと難しいという話である。
傘下である侯爵とさえ伯爵を通すのに、傘下でもない侯爵と話すのは相当に難しいわけだ。
俺が知ったことではないが。
「わかったわ。お兄様に伝えておくわね」
講義開始の予鈴が鳴り響く。ラーラ様は教室を去っていった。
「ゾーイ、お前も教室に戻ったら?」
「本鈴一分前に移動すれば充分間に合う」
、、、そういうことにしておくか。教室間はかなり広いが。
「、、、というわけで、三人で地獄に行こう」
「地獄に道連れにされるのか」
「バージくんー、俺たちがテンガラット子爵家のために動いていることを忘れないでねー」
バージくんにはしっかり認識してもらわないとね。。。
「うう、、、ありがたいと思っている」
バージがバージマスコットをギュッと握っている。魔法学園のマントの部分がクシャクシャになるぞ。
それを見ているゾーイが悔しそうなのだが。
自分のマスコットをもらって嬉しいのか?
人形には人形をと思って作ってしまったが、後から思うとつくづく微妙だなー。
けど、アクセサリー類にしたら、それはそれで周囲が厄介な気がするのはなぜだろう。
ゾーイはたまにイヤーカフを羨ましそうに見ている。ゾーイとは寮の部屋でも一緒にいるのでクトフとの会話も筒抜けだ。反対にこそこそと話している方がゾーイには悪いと思ってしまうのだが。
さて、夜になったので、地獄、、、ハーラット侯爵家のお屋敷に向かった。
王都の中央地区にあるハーラット侯爵家のお屋敷は玄関も超豪華。
「、、、なぜ、ラーラ様がここに?」
「面白そうだから来たわよ」
いい笑顔ですね。
悪役令嬢みたいですよ。
ちなみに、ラーラ様は東地区のお屋敷に住んでいる。金持ちは良いねー。
「けれど、なぜ三人とも冒険者の格好なのかしら?」
「魔の森に行って来た帰りだからですよ」
にこやかに答えておく。
マックレー侯爵のときと同じことをしておいた方が良いだろ、きっと。
腹黒侯爵もマックレー侯爵も面倒な人たちだ。
この国で侯爵とつく人は基本的に面倒なのかな。
とすると、クインザー侯爵も面倒なのかー。だろうね。今回の件の発端の人物だからね。
「二人はいらなかったのにー」
ハーラット侯爵がわざわざ玄関先まで迎えに来やがった。
男爵を玄関まで迎える侯爵なんていませんよー。
おとなしく応接間で待っていてくれれば良いのに。
「リアムがいるところにはついていきますから」
ゾーイがハーラット侯爵の前に立って宣言する。
「それって、ストーカーって言わない?」
「本人が同行を了承しているのなら、ストーカーじゃないでしょう」
ゾーイとは一緒に行動しているんだし。
「リアム、脅されているんじゃないのか?私の愛は受け入れないのに、ゾーイ・マックレーのストーカー愛を受け入れるなんて」
、、、腹黒侯爵はゾーイの行動を調べ尽くしているんですかね?
そっちの方がストーカー紛いで怖い気がしてきましたが。
「お兄様、玄関で話していては、話が進みませんわ。客間にいろいろと用意していますから、そちらに移動しましょう」
ラーラが俺たちへ場所移動を促す。
ところで、一言も口を開いていない者がいるんですけど。
大丈夫?
さすがに腹黒侯爵でもとって食いはしないから。
まあ、気に入らない者は腹黒侯爵に秘密裏に消されているけど。
というわけで、マックレー侯爵家にお呼ばれしたときと同じようにするということで、ここでも野菜チップスを取り出す。
そうすると、自動で現れるのが、この黒い毛の塊。
パリパリパリ。
無心で食べ始めるな。
「野菜チップス好きだねー。お昼も野菜チップスの方が良いのか?」
「リアムー、お昼はリアムのオムライスだよー。リアムの野菜チップスは永遠に食べていられる」
お昼以外は食べ続けていたいと?
却下だな。
お供えの野菜も無尽蔵に湧いて出てくるわけではない、はずなのだが。
が、微妙にそれに近い状態ではあるけど。。。野菜が使ってもなくならない。
個人へのお裾分けレベルを完全に超えている。
皆、気持ちはありがたいけど、クロを甘やかすなよー。
「リアムのお手製の野菜チップスか、どれどれ」
と言って手を伸ばす腹黒侯爵の目的の野菜チップスを横から取るな、ゾーイ。
水面下での激闘を始める前に、お皿をわけてあげましょう。
クロの目が大皿でくれ、と言っている。
お口はパリパリと音を立てているので忙しいらしい。
「私にももらえるかしら」
「ラーラ様も庶民的なものを食べるんですねー。そういや、今日はクリス様の姿が見えませんね」
ふと聞いた。
顔だけは癒しのクリス様がいないのは残念だ。
腹黒侯爵に夜も働かされているのだろうか。
この家はとことんブラックだからな。
「クリス兄様は今日も砦に行っているわよ」
今日も、って言ったよ、ラーラ様。
うん、その情報は聞かなかったことにしよう。
20
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる