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8章 頼り切った者たち
8-8 決戦日の夜が明ける ◆西の街の領主視点◆
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◆西の街の領主視点◆
ダンっと机を叩いた。
部下たちが身をすくめる。
上に立つ者はこういうときこそ冷静にならなければならないのはわかっているのだが。
それでも言いたい。
「何で私が領主になった途端に災害級の魔物なんか現れるんだーーーーっっっ」
一週間前に私は父からこの領地を継いだ。
これから頑張ろう、と思った矢先にこの事態。
ふざけるな。
運命の悪戯ならやるせない。
父はまだ若い。
まだ爵位を譲らなくてもいい年齢だ。
にもかかわらず譲ったのは、まさかこの事態を予期していたのか?
「息子よ、私が出発前で良かったな」
ババーンと扉を開けて父が現れる。
「私は領主じゃなければ、魔導士として戦地で暴れて一花咲かせたいと常々考えていた。戦地でなくとも、死地に向かうのは同じこと。ここで領民のために災害級の魔物を引き受けるっ」
すべてが一時停止。
部下たちの動きも止まった。
動作どころか音さえも消えた。
「、、、さあって、冒険者ギルドに依頼や、兵士に集合をかけないとな。あと武器も準備しておかないと」
父のせいで冷静になった。
そうそう、父はいつも夢みたいなことを言っていた。
魔導士として一花咲かせたいと。
父は毎日の訓練を欠かせたことはないが、、、特に強いと思えるほどの魔法を使えるわけでもない。
領主を引退した父が何か準備していると思ったら、本当に戦地に行こうとしていたのか。。。
そう言いながら、旅行にでも行くのだと思っていた。
マジで死ぬぞ。
そのくらいの実力じゃ。
最初は気づいたときは地震かと思った。
それが昨日の昼頃。
地震にしては頻発する。
まさかどこかの山が噴火の予兆か、とも考えた。
夕方には地響きが、地震が近づいてくる、そんな風に感じられたとき、冒険者ギルドから一報が届けられた。
災害級の魔物が発生した、と。
そして、この西の街に向かっていると。
何の冗談かと思うよね。。。
冒険者ギルドへすぐさま緊急依頼を出す。
怪我人、病人以外のこの街にいる冒険者は全員参加の強制依頼である。
実力が足りない冒険者は後方支援である。
正直、猫の手も借りたいくらいだ。
災害級の魔物を迎え撃つには、兵士の数だって足りていない。
冒険者ギルドは慈善団体ではない。
領主からの報酬がなければ、冒険者ギルドは街を守らず撤退する。
そういう団体だ。
たとえ災害級の魔物が討伐されて、その魔物の利益が冒険者ギルドにやって来ると言えども、別な話なのである。
街に愛着のある冒険者が防衛に残ってくれたとしても、組織立って動けるかというと、これまた無理な話なのである。
昨晩のうちに王都に連絡を入れた。
だが、返ってきたのは要約すると、何とかなるから大丈夫、事後処理は領地でやってね、というお言葉。
バカ王太子ーーーっ、戦争ばっかりやっているんじゃねえっ、地方に金をまわせっ。
って不敬なこと叫んじゃったけど、仕方ないよね、こんな返答じゃ。
さすがに昨日の今日で援軍が西の街に来れるとは思ってないけど。
敵は一体。
その一体がとてつもなくデカい。
地震のような揺れは巨体が動くから。
山が動いていると言っても過言ではない。
あまりの揺れに昨晩から寝れた者はいないだろう。
それでも、寝不足の顔をしている者は存在しない。
全員が全員、緊張の面持ちだ。
戦いの状況によっては街が蹂躙されて終わる可能性すらあるのだから。
東の門の外に、兵士、冒険者が集まってきている。
魔物の進路予想から早めの朝食後に集合となっていた。
けれど、日が昇る前から来ていた者は多い。
私は東の門の見張り塔から、遠くを見る。
遠くなのか、近くなのかわからない。
山が動いている。
山ではなく、災害級の魔物なのだが。
近づくにつれて、ビリビリとした空気が辺りを支配する。
周囲の地形が変わっていく。
高い山々があったはずの場所が、小高い丘程度になっている。
山だからこそ被害が少ないと言えるが、あの山々でこそああなるのだ。
私は見張り台から下にいる者たちに大声で叫ぶ。
「皆の者、災害級の魔物はまだ距離がある。今から気を張っていると持たない。魔物がこの門に近づいたら、見張りの者が指示を出す。それまで適宜休憩していてくれ」
「あの、領主様、、、」
言い難そうな顔をした部下が、小さい声で俺に言った。
「前領主様が斥候として災害級の魔物の元に向かいました。せめて相打ちに、とか呟きながら」
「馬鹿なのか、アイツは。斥候の意味わかっているのか?」
ついつい口に出た。
夢見がちな父親の尻拭いは昔からけっこうしてきた。
跡継ぎだから仕方ないと思いながら。
母が別居したくなる気持ちもわかる。離婚は一応してないが。
「父のために貴重な戦力を分散させたくない。父もわかって行動しているのだろう。まあ、あまりの大きさに怖気づいて帰って来てもらうと助かるのだが」
「そうですね」
分散させなくても足りない戦力だ。東の門の外にいる人数は多い。これだけの戦力で街が守られるとは到底思えない。
斥候など出さなくとも、あの大きさだ。居場所はわかるし、少人数で足止めも不可能だ。
けれど、一般人には避難を指示しているが、避難する者は少ない。
それもそうだ。
あの災害級の魔物からどう逃げればいいのか。
すべては運が左右する。
自分が避難した先に来てしまえば、逃げ続ける他ない。
逃げ切れるのか、という思いの方が先に立つだろう。
災害級の魔物は大きい。山が動くのなら馬ぐらいの速さではすぐに追いつかれてしまう。
ならば、親しんだこの街と運命を共にしようと考える領民も少なくないのだ。
「一週間かあ」
短かった。私の領主人生。
災害級の魔物が発生して、無傷な国など存在しない。
たとえ大国でも帝国でもかなりの被害が生じる。
それでも、領主として行動はしなければならない。
この街を守るために。
避難しない者が多いために、街自体を放棄するという手段はとれない。
「戦地か王都にいるという国の精鋭部隊がいれば、どうにかなったのかなあ」
下にまでは聞こえないので、ついつい呟く。
士気が下がることは本当は言いたくない。
「いえ、災害級の魔物では精鋭部隊といえども少人数の部隊ではなかなか難しいのでは」
近くにいる部下だけが聞こえている。
部下もこの戦いの行く末が見えているかのようだ。
「だよねえ。精鋭部隊でどうにかなっているのなら、戦争自体が終わっているよねえ」
戦地の戦力があっても、そこにいる災害級の魔物はどうにかなったのだろうか。
「こういうとき、私がヒロインならば助けてくれる王子様が颯爽と現れるのだけど」
「お父上の影響ですか?夢は寝ているときに見てください」
「あの父に魔導士としての実力があれば、本当に良かったのに」
「それこそ夢でしか見れないレベルですね」
この部下は父にもついていたので、父にはキツイ。
領主としてはある程度の才はあったものの、この国の魔導士としては下である。
災害級の魔物の足止めにさえなりはしないだろう。
「まあ、どうしようもない。こうなったら腹を括るだけだ」
「領主様がそう決めたのなら、我々も最後までつきあいますよ」
父には恵まれなかったが、部下には恵まれた。
口ではいろいろと言っているが、自分の身だけが可愛い部下は私の領主館にはいなかった。
それだけが幸いだ。
ダンっと机を叩いた。
部下たちが身をすくめる。
上に立つ者はこういうときこそ冷静にならなければならないのはわかっているのだが。
それでも言いたい。
「何で私が領主になった途端に災害級の魔物なんか現れるんだーーーーっっっ」
一週間前に私は父からこの領地を継いだ。
これから頑張ろう、と思った矢先にこの事態。
ふざけるな。
運命の悪戯ならやるせない。
父はまだ若い。
まだ爵位を譲らなくてもいい年齢だ。
にもかかわらず譲ったのは、まさかこの事態を予期していたのか?
「息子よ、私が出発前で良かったな」
ババーンと扉を開けて父が現れる。
「私は領主じゃなければ、魔導士として戦地で暴れて一花咲かせたいと常々考えていた。戦地でなくとも、死地に向かうのは同じこと。ここで領民のために災害級の魔物を引き受けるっ」
すべてが一時停止。
部下たちの動きも止まった。
動作どころか音さえも消えた。
「、、、さあって、冒険者ギルドに依頼や、兵士に集合をかけないとな。あと武器も準備しておかないと」
父のせいで冷静になった。
そうそう、父はいつも夢みたいなことを言っていた。
魔導士として一花咲かせたいと。
父は毎日の訓練を欠かせたことはないが、、、特に強いと思えるほどの魔法を使えるわけでもない。
領主を引退した父が何か準備していると思ったら、本当に戦地に行こうとしていたのか。。。
そう言いながら、旅行にでも行くのだと思っていた。
マジで死ぬぞ。
そのくらいの実力じゃ。
最初は気づいたときは地震かと思った。
それが昨日の昼頃。
地震にしては頻発する。
まさかどこかの山が噴火の予兆か、とも考えた。
夕方には地響きが、地震が近づいてくる、そんな風に感じられたとき、冒険者ギルドから一報が届けられた。
災害級の魔物が発生した、と。
そして、この西の街に向かっていると。
何の冗談かと思うよね。。。
冒険者ギルドへすぐさま緊急依頼を出す。
怪我人、病人以外のこの街にいる冒険者は全員参加の強制依頼である。
実力が足りない冒険者は後方支援である。
正直、猫の手も借りたいくらいだ。
災害級の魔物を迎え撃つには、兵士の数だって足りていない。
冒険者ギルドは慈善団体ではない。
領主からの報酬がなければ、冒険者ギルドは街を守らず撤退する。
そういう団体だ。
たとえ災害級の魔物が討伐されて、その魔物の利益が冒険者ギルドにやって来ると言えども、別な話なのである。
街に愛着のある冒険者が防衛に残ってくれたとしても、組織立って動けるかというと、これまた無理な話なのである。
昨晩のうちに王都に連絡を入れた。
だが、返ってきたのは要約すると、何とかなるから大丈夫、事後処理は領地でやってね、というお言葉。
バカ王太子ーーーっ、戦争ばっかりやっているんじゃねえっ、地方に金をまわせっ。
って不敬なこと叫んじゃったけど、仕方ないよね、こんな返答じゃ。
さすがに昨日の今日で援軍が西の街に来れるとは思ってないけど。
敵は一体。
その一体がとてつもなくデカい。
地震のような揺れは巨体が動くから。
山が動いていると言っても過言ではない。
あまりの揺れに昨晩から寝れた者はいないだろう。
それでも、寝不足の顔をしている者は存在しない。
全員が全員、緊張の面持ちだ。
戦いの状況によっては街が蹂躙されて終わる可能性すらあるのだから。
東の門の外に、兵士、冒険者が集まってきている。
魔物の進路予想から早めの朝食後に集合となっていた。
けれど、日が昇る前から来ていた者は多い。
私は東の門の見張り塔から、遠くを見る。
遠くなのか、近くなのかわからない。
山が動いている。
山ではなく、災害級の魔物なのだが。
近づくにつれて、ビリビリとした空気が辺りを支配する。
周囲の地形が変わっていく。
高い山々があったはずの場所が、小高い丘程度になっている。
山だからこそ被害が少ないと言えるが、あの山々でこそああなるのだ。
私は見張り台から下にいる者たちに大声で叫ぶ。
「皆の者、災害級の魔物はまだ距離がある。今から気を張っていると持たない。魔物がこの門に近づいたら、見張りの者が指示を出す。それまで適宜休憩していてくれ」
「あの、領主様、、、」
言い難そうな顔をした部下が、小さい声で俺に言った。
「前領主様が斥候として災害級の魔物の元に向かいました。せめて相打ちに、とか呟きながら」
「馬鹿なのか、アイツは。斥候の意味わかっているのか?」
ついつい口に出た。
夢見がちな父親の尻拭いは昔からけっこうしてきた。
跡継ぎだから仕方ないと思いながら。
母が別居したくなる気持ちもわかる。離婚は一応してないが。
「父のために貴重な戦力を分散させたくない。父もわかって行動しているのだろう。まあ、あまりの大きさに怖気づいて帰って来てもらうと助かるのだが」
「そうですね」
分散させなくても足りない戦力だ。東の門の外にいる人数は多い。これだけの戦力で街が守られるとは到底思えない。
斥候など出さなくとも、あの大きさだ。居場所はわかるし、少人数で足止めも不可能だ。
けれど、一般人には避難を指示しているが、避難する者は少ない。
それもそうだ。
あの災害級の魔物からどう逃げればいいのか。
すべては運が左右する。
自分が避難した先に来てしまえば、逃げ続ける他ない。
逃げ切れるのか、という思いの方が先に立つだろう。
災害級の魔物は大きい。山が動くのなら馬ぐらいの速さではすぐに追いつかれてしまう。
ならば、親しんだこの街と運命を共にしようと考える領民も少なくないのだ。
「一週間かあ」
短かった。私の領主人生。
災害級の魔物が発生して、無傷な国など存在しない。
たとえ大国でも帝国でもかなりの被害が生じる。
それでも、領主として行動はしなければならない。
この街を守るために。
避難しない者が多いために、街自体を放棄するという手段はとれない。
「戦地か王都にいるという国の精鋭部隊がいれば、どうにかなったのかなあ」
下にまでは聞こえないので、ついつい呟く。
士気が下がることは本当は言いたくない。
「いえ、災害級の魔物では精鋭部隊といえども少人数の部隊ではなかなか難しいのでは」
近くにいる部下だけが聞こえている。
部下もこの戦いの行く末が見えているかのようだ。
「だよねえ。精鋭部隊でどうにかなっているのなら、戦争自体が終わっているよねえ」
戦地の戦力があっても、そこにいる災害級の魔物はどうにかなったのだろうか。
「こういうとき、私がヒロインならば助けてくれる王子様が颯爽と現れるのだけど」
「お父上の影響ですか?夢は寝ているときに見てください」
「あの父に魔導士としての実力があれば、本当に良かったのに」
「それこそ夢でしか見れないレベルですね」
この部下は父にもついていたので、父にはキツイ。
領主としてはある程度の才はあったものの、この国の魔導士としては下である。
災害級の魔物の足止めにさえなりはしないだろう。
「まあ、どうしようもない。こうなったら腹を括るだけだ」
「領主様がそう決めたのなら、我々も最後までつきあいますよ」
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