上 下
5 / 11
第一章 NIGHTMARE

過去と夢うつつ

しおりを挟む
中学生になった。心の闇は広がるばかりだった。
中学校にはいじめと言えるほどひどい物はなかったがスクールカーストができた。それも学年で。そして教師はそれを無視するどころが助長していたのだ。胸座むなぐらを掴まれたり、ありもしない噂を流されたり。しかしきっとそんなのはどの学校でも当たり前なんだろうと落胆していた。
しかしそんなある日だった。夏が始まり、近くの神社でお祭りをやると聞いて行ってみた。そこではあまり大きくはないが、にぎやかなお祭りがやっていた。友達と来ていたのだが、自分はその風景を見て、昔を思い出していた。その思い出は楽しいことばかりなのに、悲しくなるばかりだった。ついには暗くなって屋台に光がともった時。自分は何か強く殴られたような衝撃が脳内に響き、ゆっくり暗い誰もいない場所に逃げた。過去の楽しかった記憶が頭の中で回り続けてる。
きっとこれが走馬灯なんだろう。
自分は泣きじゃくった。声は必死で抑えた。しかし涙は止まらなかった。もしもあの頃に戻れたら。心に黒い雫がもう一滴落ちた。
「あの頃に戻れればこんなに苦しくなかった。」
自分の心がどんどん汚されていくのがわかってきた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

日常であり、日常でない。

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

光へ、と時を辿って

青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

ショートショート「(人間)海」

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...