別れと弱すぎた心

煙硝 -エンショウ-

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第一章 NIGHTMARE

橋の上と出会い

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自分は夜中に橋の上に向かっていた。ここから心中できればあの頃に戻れるかと思って。そろそろ橋が見えてきた。しかし先客がいた。ぱっと見身長だけで言ったら小学生くらいで、橋の手すりの上に足をひっかけようとしていた。車通りも少なく、彼女は遂行するかと思ったとき、ドアを開けっぱなしにした車が鈍行しているのを見た。角を曲がって行ったので、その人に聞いてみた。
「31-43ってナンバー見たことある?」
聞いたその相手は正真正銘の少女で、少し暗い表情をしていた。
どうやらさっきの車は彼女の親の物だと分かった。しかし車の中のあの女、やけに狂った表情をしていたがこれは一体... 彼女に事情を聴くついでに家に上げた。この夜中に一人歩くのは危険すぎる。今更思い出したが、結局目的は果たせなかった。彼女は自分の前で服の袖をめくった。タバコ臭い服が嫌だったのだろうか、自分は妹の服を持ってきた。彼女の腕を見た時自分は戦慄した。痣だらけの二の腕に火傷の跡だらけの前腕。虐待を疑った。
自分は彼女に親の事について聞いてみた。すると彼女は親について話し始めた。しかし暴力とは無関係のようだったので、痣について聞いてみた。彼女は、痣は椅子に体が当たったからだと言うがそんな程度の数ではなかった。火傷について聞いてみた。けどこれも料理の時火傷しただけだと言い張った。しかし小さく丸くついた傷跡は絶対に違うものだった。服の匂いの時点である程度察してた。多分これはタバコを押し付けられた跡だ。親の元に帰りたいか尋ねたが、首を横に振った。理由は「私がいい子にしていなかったからママが怒って...逃げた。」と言ってたが、この時点で説明がついた。普段から虐待を受けてそこから逃げた結果警察に行かれるのではと思った親が車に乗って追いかけたところを自分が保護したという状況だろう。しかしこれからどうにもできない。あと1カ月でもしたら親が帰ってくるし、きっと彼女の親がここをかぎつけるだろう。警察に保護してもらおうか悩んだが、保護されても同じことだろうと思い悩んだ。しかし今考えても仕方がないので、彼女に橋に来た理由を聞いた。よく行くからだと答てきた。あんな時間によく行っていたら絶対に警察に見つかるはずなのに。あからさまな虐待であった。自分は傷心していた。こんなことをして何が楽しいのだろうかと。こんな大人がいるのかと。こんな惨状がこの世界の現実なんだということに、自分は絶望した。この世界ではどうやらこれに対処しない大人もいるのだと察した。自分は全ての大人が憎くなった。こんな大人がはびこっていることに。さらにこの世界の闇を覗いた気分だった。自分は一人家を出て橋に向かった。目の前で一人の人間が落ちていった。大きな水温が響く。心は痛くなるばかりだった。後ろから自分を呼ぶ声がした。さっきの女の子だ。自分を追いかけてきたのだろう。しかし自分は橋に向かって走った。橋の手すりに立つ。少女が泣いた顔でこちらに向かって走ってくる。自分は重心を後ろに傾けた。闇に染まった空がオレンジ色の街灯と共に映った。自分は気が楽になり、彼女の声が頭に響く中で橋から落ちてった。
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