別れと弱すぎた心

煙硝 -エンショウ-

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第一章 NIGHTMARE

後遺症と夢

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目覚めた時には病院だった。しかし親の連絡先も知らなければ、親の身分証明書もないし、親以外の親族はいない。治療費が一番最初に頭に浮かんだ。横を向くと、前に橋の上で会った少女が椅子に座っていた。視界に医者が入ったときに医者は言った。「目覚めたんですね。この子が通報してくれなかったらあと数分で死んでましたよ。ところで記憶喪失がないか調べるため、名前、年齢、学年、血液型など思いつく限りの個人情報を思い出してください。」
そう言われたので自分のことについて思い出してみる。幸い何もなかったが、何か抜け落ちている気がしてならなかった。自分の服を着て逃げようと思ったが、体が痛くて動かない。自分の体を見てみると、両足が包帯で巻かれていた。これは多分骨を折ったのだ。しかし自分は頭から落ちたはずなのになぜ足が折れているのかが気になった。
その夜に、自分はケガを覚悟で包帯を刃物で切った。するとよく見たら包帯とベッドが縛り付けられていた。多分これは自分が逃げないように固定してあったのだろう。刃物でできた傷口から血が流れる。自分の服に着替え、歩き出した。扉には鍵がかかっていたが、手を触れると後ろから突風が吹き、扉が開いた。しかし部屋の窓は閉じていた。自分は病院から今までにない速度で駆け出すと、そのまま家に走った。真夜中の中走ったのでもちろん近くを通った大人に疑われ、追いかけられた。長い距離を走っているのに疲れてないことを疑問に思いながら走り続けた。そろそろ家に着くかという頃に、景色が変わった。知らない風景だった。水色と白の壁のマンションと茶色のアパートの間の道路の隣の歩道を走っていた。自分は何も知らない土地を歩き続けたが、行く場所は決まっているかのように歩き続けた。マンションの前に立ってカバンの中を探した時に見慣れぬ鍵二つと古いゲーム機一つと謎の光るキーホルダーがあった。自分は鍵を使い、知らないマンションの中に入った。そしてゲームを開いた。すると失った物が戻ってきた。過去への羨望だった。自分はそれを胸に今まで生きてきたことを思い出した。橋から落ちた時には、それを失っていたのだ。失っていた記憶を取り戻した後カバンの中にゲームをしまうと、光っていたキーホルダーの光が淡くなった。自分はかつての自分の家に入った。すると景色は元に戻っていた。自分の周りでは柔らかな風が渦を巻くように吹いていた。
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