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第二章 Go down over the sky

空を駆け下りて

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誰も彼も眠りに堕ちた夜、自分は文を打ち込んでいた。
そして打ち終わった。これで何も残らない。空を駈け下りたあの子を迎えに行くために、最後の身支度を始める。自分は覚悟を決めて準備に取り掛かった。
ロープを物かけに縛り付け、首にマフラーを巻く。「これでいいんだ。」自分は輪の形に結んだ紐に首をかけた。そして台からゆっくりと降りた。
ロープが首に巻きつく。それはまるで命を奪い取る大蛇の様だった。



「もし、あの頃の自分に戻って、好きなことを楽しめたら...」
この言葉が朦朧とする意識の中で聞こえた。
夢うつつ終わらぬ依存に気付いては倒れる前に気付く後悔
これが最後の遺言コエだった


go down over the sky空を駆け下りて
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