能力と呪いの先の未来へ

煙硝 -エンショウ-

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第1章 崩壊の序曲

呪われた過去と怨念

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少年はかなりいい環境で育っていた。蒼くて輝いていて爽やかな潮風が吹く海と、様々な体験をさせてくれる多種多様な施設、そしてあたたかな家族に囲まれた幸せな街で。しかしいいところだけではなくいじめも普通にあった。そんなのはどんなところでも当たり前。しかし少年は純粋すぎるが故にそれを知らなかった。だから悪意ある大人の嘘に簡単に騙されてしまったのだ。
その大人は「引っ越した先には優しい人と豊かな自然と楽しい科学館があるよ。」普通の人ならもっと疑うだろう。少年のような純粋すぎる子どもには甘い蜜のような魅力があったのだ。それに騙されて行った先には想像を絶する地獄が待ち受けていた。人種差別や民族差別が当たり前、いじめなんて軽いレベルだった。それまで受けていたいじめは引っ越した場所と比べれば天と地くらいの差があっただろう。それに気づいてしまった少年の純粋な心に一滴の黒い墨のような闇が落ちた。
「嘘吐き。」
その大人を最初に疑った。初めて人を疑った。そしてそれだけではなかった。彼の家の周りには農場があり、堆肥による悪臭は日常茶飯事、科学館も有料制で、親は代金を払おうとしなかったために科学館には行けなかった。今まで楽しかった物も何もかも無くなり、全て失った。純粋なままではいられなかった。少年の心の真っ黒な染みが心を埋め尽くした。
「騙した人間達を叩き潰す」
それだけが彼の原動力になった。翌日彼は学校でいじめをした者を全員斬り殺した。学校の生徒は120分の1にまで減り、学校は経営不能になった。そして問答無用で引っ越しに関わった人間を消した。家庭は無くなり、引っ越し業者は破産した。彼は単身、飛行機で元の街に帰った。そこで大きな工場を借りた。そこを彼は〔リタリエート・ファクトリー〕と呼ぶことにした。復讐の為の工場と言う意味を持たせた。そこで彼はメンタルトラップとリジェネレイト・コアを開発した。コアに関しては使われるのはそれから2世紀後となる。その後コアを使って破壊する目標を定めるためにもう一度かつて引っ越した場所で偵察をしていたが、その時政治家の汚職を目撃した瞬間に殺された。これが少年の最後の引き金を引いた。少年の意識はファクトリーにバックアップされていたため、その中で彼は呪われたその土地を必ず復元できないようになるまで「消し去る」ことを決めた。どれだけ体に負荷がかかろうと絶対に消し去ると決めたのだ。そして2つの体を作った。1つは小学生くらいの小さな体にして、もう1つは復讐の為に使う、大柄な体格をした男のように作った。それは左右非対称で、左側はかなり大きく仕上がった。この世の物とは思えないような形だった。
その一連が彼の黒い心を大きくしていき、島を消した。これが彼の過去である。正直これは他の人間にはもっと酷いことがあるかもしれない。でも彼のキャパシティはここが限界だったのだ。
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