格安アパートに入居したら、俺様ざ～こ♡系インキュバスの食料になりました。

第六話 これってデートってこと！？

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「うん。うん、分かったよ。母さん。うん、じゃあまた」
　電話を切り、深くため息をついてキャスター椅子の背もたれにもたれかかった。

　ギシリと音を立てて、凝り固まっていた背中が伸びる。

「うぁあ……最悪」
「何が最悪なんだ？」
「ルカ！」

　いつの間にか、ルカが部屋のドアの隙間から顔をのぞかせていた。少し気まずそうにもじもじしながら

「な、なぁ。電話してたから俺様ちゃんと待ってたぜ。中身は聞いてねぇから……」
　その様子だと、だいぶ前から内容を聞かれていたみたいだ。

「はぁ。別にいいよ。聞かれて困る話じゃないし」
「そか。悠斗は、実家に帰るんだよな？」
「……うん。夏休みだし、親が帰って来いってうるさくてさ」

　歯切れが悪いのは、僕が両親のことをあまり好きではないからだ。もちろん、育ててくれたことには感謝はしているし、悪い人たちではないのだけれど一緒にいると嫌な気持ちになることが多い。たぶん、相性って奴が悪いんだと思う。




「両親に挨拶か……」
　沈み込んだ気分でいる僕とは裏腹に、ルカの青い瞳は赤く輝いていた。真剣な顔をして、考え込む。

「なぁ、俺様もついて行っていいか？」
「えええっ！？」