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第八話 実家は地獄だ
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家を出て、鍵をかける。二人で遠出するのはこれが初めてだ。だから、僕はちょっとだけ緊張して浮足立っていた。早朝のソーダ色をした空が、空気まで透き通っていくようで心地いい。
実家へは、新幹線で向かう。駅に着くとルカが
「なぁ、悠斗。ちょっと寄ってっていいか?」
道の駅の出店を指さして言った。
「ん。ああ、いいけど」
スマホで時計を確認すると、新幹線の来る時刻にはまだ十分時間がある。
何を買うんだろう? 彼が買い物をしている姿をうしろから観察していると、まんじゅうを手に取った。あ、そっか。おみやげ! ちゃらんぽらんに見えて、意外としっかりしてるんだなぁなんて感心した。
「外堀を埋めるのは大事だからなぁ~」
新幹線のホームで、まんじゅうの入った袋を持ったルカが鼻歌交じりに口ずさむ。
「父さんと母さんには、友達って紹介するからね」
念を押すように、彼の耳元で囁いた。
「あ? 何でだよ。俺たちこ・い・び・と同士だろ?」
ルカは上目遣いでこちらににじり寄り腕を組むと、たわわな胸を当ててくる。
「っ……! まだ、ルームシェア相手だろっ!」
そりゃあいつかは、恋人同士になりたいけどさ……って顔が熱くなる。彼の言葉をとっさに否定してしまったのは、悔しいからだ。だって、いつも彼のペースに乗せられているんだもの。
いっぱいいっぱいの僕に、さらにルカは追い打ちをかける。
「つれないこと言うなよ。咥えてやった仲だろ?」
そう言って舌を出して指で円を作った。
「そ……、それは君が無理やり襲ってきたんだろ!!」
言い争っていると、新幹線がやって来た。
実家へは、新幹線で向かう。駅に着くとルカが
「なぁ、悠斗。ちょっと寄ってっていいか?」
道の駅の出店を指さして言った。
「ん。ああ、いいけど」
スマホで時計を確認すると、新幹線の来る時刻にはまだ十分時間がある。
何を買うんだろう? 彼が買い物をしている姿をうしろから観察していると、まんじゅうを手に取った。あ、そっか。おみやげ! ちゃらんぽらんに見えて、意外としっかりしてるんだなぁなんて感心した。
「外堀を埋めるのは大事だからなぁ~」
新幹線のホームで、まんじゅうの入った袋を持ったルカが鼻歌交じりに口ずさむ。
「父さんと母さんには、友達って紹介するからね」
念を押すように、彼の耳元で囁いた。
「あ? 何でだよ。俺たちこ・い・び・と同士だろ?」
ルカは上目遣いでこちらににじり寄り腕を組むと、たわわな胸を当ててくる。
「っ……! まだ、ルームシェア相手だろっ!」
そりゃあいつかは、恋人同士になりたいけどさ……って顔が熱くなる。彼の言葉をとっさに否定してしまったのは、悔しいからだ。だって、いつも彼のペースに乗せられているんだもの。
いっぱいいっぱいの僕に、さらにルカは追い打ちをかける。
「つれないこと言うなよ。咥えてやった仲だろ?」
そう言って舌を出して指で円を作った。
「そ……、それは君が無理やり襲ってきたんだろ!!」
言い争っていると、新幹線がやって来た。
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