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第十二話 おはよう、おやすみ。また明日
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僕らが温水プール施設の外に出る頃には、すっかり夜になっていた。
真夏の夜の生暖かい風が疲れて火照った体にまとわりついて、そのまま眠ってしまいそうな心地よさを感じる。遠くでセミが鳴いていて、こんな都会でもセミは頑張ってるんだなぁなんて感心した。
「ん」
ルカが上目遣いで、手をこちらに差し出してきた。何も言わずに、その手をそっと握り返した。
二人で手を繋ぎ、並んでバス停までの道を歩いた。
「プール楽しかったな」
「うん」
「もう一回ぐらい、行っときてぇな」
彼の横顔が、街灯に照らされてキラキラしている。濡れた前髪がまだ額に張りついていた。
「うん。また行こう。来年も、そのまた来年も……ずっと」
そう言って僕は、指切りげんまんする代わりに指を絡める。
「ん」
彼は短くそれだけ答えて、こちらに体を寄せてきた。僕の腕に逞しい胸を預けて、腕をしっかりと絡ませてくる。
僕らの横を車が通って、ヘッドライトが一瞬、ルカの顔を照らした。その光に浮かび上がった彼の顔は、ほんのり赤く染まっていた。
真夏の夜の生暖かい風が疲れて火照った体にまとわりついて、そのまま眠ってしまいそうな心地よさを感じる。遠くでセミが鳴いていて、こんな都会でもセミは頑張ってるんだなぁなんて感心した。
「ん」
ルカが上目遣いで、手をこちらに差し出してきた。何も言わずに、その手をそっと握り返した。
二人で手を繋ぎ、並んでバス停までの道を歩いた。
「プール楽しかったな」
「うん」
「もう一回ぐらい、行っときてぇな」
彼の横顔が、街灯に照らされてキラキラしている。濡れた前髪がまだ額に張りついていた。
「うん。また行こう。来年も、そのまた来年も……ずっと」
そう言って僕は、指切りげんまんする代わりに指を絡める。
「ん」
彼は短くそれだけ答えて、こちらに体を寄せてきた。僕の腕に逞しい胸を預けて、腕をしっかりと絡ませてくる。
僕らの横を車が通って、ヘッドライトが一瞬、ルカの顔を照らした。その光に浮かび上がった彼の顔は、ほんのり赤く染まっていた。
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