79 / 181
二日目
二日目:夜(~22:00)⑤
しおりを挟む
「ごちそーさま」
屑山はご丁寧に両手を合わせると、食べ終えた食器を持ってキッチンに洗い物をしに向かった。
「明日、ほんとうに終わるんすよね……?」
不安そうな顔をして、宇佐霧がつぶやいた。
今、生贄の間には猫多が拘束されている。
「屑山が推理した通り、猫多がほんとうにバリタチなら、明日僕らが朝起きたら、彼は死んでいるだろうね」
「そしたら、俺らの勝ちっすね……」
そう言う宇佐霧の顔は、そうであってほしいという願望が込められているように感じた。
「いや、」
僕はカレーライスをスプーンですくう。すぐに口には運ばずに、数秒それを眺めて、その様子を宇佐霧が不安そうな顔で見ているのが視界の端に見えた。すごく、嫌な予感がする。
「バリネコが、まだ生きている可能性がある……」
宇佐霧が、息を詰まらせる。僕だって、最悪だ。だって、
「そうしたら、明日俺ら全員死んじゃうじゃないっすか……!」
泣きそうになりながら彼は取り乱す。
「でっ、でも、筆川は確実に死んでいるわけで、だから……」
そして、安心しようと反論するも、言葉がまとまらない。
「筆川がバリネコだって言ったのは、屑山だ。証拠はない。それに、まだ確証はないんだけど、今僕らは最悪のシナリオをなぞっているかもしれない」
屑山はご丁寧に両手を合わせると、食べ終えた食器を持ってキッチンに洗い物をしに向かった。
「明日、ほんとうに終わるんすよね……?」
不安そうな顔をして、宇佐霧がつぶやいた。
今、生贄の間には猫多が拘束されている。
「屑山が推理した通り、猫多がほんとうにバリタチなら、明日僕らが朝起きたら、彼は死んでいるだろうね」
「そしたら、俺らの勝ちっすね……」
そう言う宇佐霧の顔は、そうであってほしいという願望が込められているように感じた。
「いや、」
僕はカレーライスをスプーンですくう。すぐに口には運ばずに、数秒それを眺めて、その様子を宇佐霧が不安そうな顔で見ているのが視界の端に見えた。すごく、嫌な予感がする。
「バリネコが、まだ生きている可能性がある……」
宇佐霧が、息を詰まらせる。僕だって、最悪だ。だって、
「そうしたら、明日俺ら全員死んじゃうじゃないっすか……!」
泣きそうになりながら彼は取り乱す。
「でっ、でも、筆川は確実に死んでいるわけで、だから……」
そして、安心しようと反論するも、言葉がまとまらない。
「筆川がバリネコだって言ったのは、屑山だ。証拠はない。それに、まだ確証はないんだけど、今僕らは最悪のシナリオをなぞっているかもしれない」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる