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三日目
三日目:生贄投票③
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~第三回 生贄投票 結果発表~
第一位 黒崎 誠一郎…… 票
第二位 屑山 実…………一票
「あは。満場一致みたいだね」
両手を広げながら、屑山が僕に向かって近づいて来る。そして耳元でささやく。
「無駄な努力、ご苦労様」
僕は、彼の漆黒の満月のような瞳を睨みつける。
「屑山、覚えてろよ……!」
「いいねぇ。その顔! やっと人間らしくなってきたよ」
僕は、上着を脱いだ。床に畳んで置いて立ち上がり、ズボンのポケットからカッターナイフを取り出すと、
「おい! バリタチ! この中にいるんだろ!? 今夜、お前が僕を襲うなら、僕も全力で抵抗する。絶対に、お前の体を切りつけて、お前がバリタチだってことをみんなに証明してやるからな……!」
みんな、一様に僕を見て動揺しているようだった。威嚇はした。だが、これだけでは不十分だ。僕が確実に生き残るためには。
僕が生き残れるためには、『運』の要素が不可欠なんだ。こればっかりは、普段の行いを信じるしかない。
ああ、神様――! どうか……どうか……! 僕は思わず、カッターナイフを持った両手を、握りしめていた。どうして人間ってのは、命がかかった場面になるといきなり神を信仰するようになるんだろう?
「僕は今夜、死ぬかもしれない。だからさいごに、一つだけわがまま、いいかな?」
そう言って、僕はりんちゃんの元へと歩いていく。彼は、何も言わずに黙って僕を見つめていた。
ゆっくりと、僕とりんちゃんの距離は縮まっていく。みんな、誰も何も言わずに僕たちをただ見ていた。
僕らはゼロ距離になって、お互い見つめあう。僕はりんちゃんの頬に右手を回した。
「りんちゃん、口開けて」
「あ゛?」
僕は、彼にキスをした。
第一位 黒崎 誠一郎…… 票
第二位 屑山 実…………一票
「あは。満場一致みたいだね」
両手を広げながら、屑山が僕に向かって近づいて来る。そして耳元でささやく。
「無駄な努力、ご苦労様」
僕は、彼の漆黒の満月のような瞳を睨みつける。
「屑山、覚えてろよ……!」
「いいねぇ。その顔! やっと人間らしくなってきたよ」
僕は、上着を脱いだ。床に畳んで置いて立ち上がり、ズボンのポケットからカッターナイフを取り出すと、
「おい! バリタチ! この中にいるんだろ!? 今夜、お前が僕を襲うなら、僕も全力で抵抗する。絶対に、お前の体を切りつけて、お前がバリタチだってことをみんなに証明してやるからな……!」
みんな、一様に僕を見て動揺しているようだった。威嚇はした。だが、これだけでは不十分だ。僕が確実に生き残るためには。
僕が生き残れるためには、『運』の要素が不可欠なんだ。こればっかりは、普段の行いを信じるしかない。
ああ、神様――! どうか……どうか……! 僕は思わず、カッターナイフを持った両手を、握りしめていた。どうして人間ってのは、命がかかった場面になるといきなり神を信仰するようになるんだろう?
「僕は今夜、死ぬかもしれない。だからさいごに、一つだけわがまま、いいかな?」
そう言って、僕はりんちゃんの元へと歩いていく。彼は、何も言わずに黙って僕を見つめていた。
ゆっくりと、僕とりんちゃんの距離は縮まっていく。みんな、誰も何も言わずに僕たちをただ見ていた。
僕らはゼロ距離になって、お互い見つめあう。僕はりんちゃんの頬に右手を回した。
「りんちゃん、口開けて」
「あ゛?」
僕は、彼にキスをした。
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