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四日目
四日目:朝⑫
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変な屑山。二階堂もおかしくなったし、きっと心が弱い奴から狂っていくんだろうな……なんて、このときの僕はのんきにソーセージを焼いていた。
ちなみに、倉庫にあった冷凍のぶっとい奴である。ドイツ直輸入の。僕はソーセージにはこだわりが強くて、安くて細い、肉の味がちゃんとしないソーセージは嫌いだ。そんなものを食べるくらいなら、自分の指でもしゃぶっていた方がいい。あと魚肉ソーセージも。お前はソーセージを名乗るな、かまぼこを名乗れ。
僕は、ソーセージをフライパンから皿に移す。僕流のおいしいソーセージの食べ方だが、まずソーセージをゆでて、そのあとフライパンで焼く。ゆで汁は捨てずに、マギーブイヨンと胡椒、野菜を入れてスープにする。野菜はじゃがいも、キャベツ、にんじん、たまねぎあたりがおすすめだ。
「できた」
おたまでスープを味見し、今日の朝食が完成だ。あっ! ちょうどいいところに、お腹をすかせたりんちゃんがやってきた。
「食べる?」
と聞くと、
「ああ」
とだけ答えて、箸と取り皿を二対手に持ってキッチンから出て行った。
僕はふと、懐かしくなる。同棲した頃は、僕が主に食事を作っていた。りんちゃんはご飯を作るのがあまり得意ではないから。りんごやじゃがいも、にんじんは皮を剝かないし、彼の料理には、肉や野菜を焼いて塩を振るか具材をまとめて突っ込んで鍋にするかの二択しかなかった。男の料理……いや、ゴリラの料理だ。
だから、僕が食事担当、りんちゃんが掃除担当、買い物は二人で……という風に分担していたのだが、就職してからは僕が忙しくなっちゃって、彼に家事負担が偏ってしまった。
こうして思い返してみると、ずいぶんと彼に苦労をかけてしまったなと自省する。フラれるのも、当たり前だ。
で、でも、またよりを戻せたんだ(たぶん)……! もう愛想を尽かされないようにがんばるぞ!
ちなみに、倉庫にあった冷凍のぶっとい奴である。ドイツ直輸入の。僕はソーセージにはこだわりが強くて、安くて細い、肉の味がちゃんとしないソーセージは嫌いだ。そんなものを食べるくらいなら、自分の指でもしゃぶっていた方がいい。あと魚肉ソーセージも。お前はソーセージを名乗るな、かまぼこを名乗れ。
僕は、ソーセージをフライパンから皿に移す。僕流のおいしいソーセージの食べ方だが、まずソーセージをゆでて、そのあとフライパンで焼く。ゆで汁は捨てずに、マギーブイヨンと胡椒、野菜を入れてスープにする。野菜はじゃがいも、キャベツ、にんじん、たまねぎあたりがおすすめだ。
「できた」
おたまでスープを味見し、今日の朝食が完成だ。あっ! ちょうどいいところに、お腹をすかせたりんちゃんがやってきた。
「食べる?」
と聞くと、
「ああ」
とだけ答えて、箸と取り皿を二対手に持ってキッチンから出て行った。
僕はふと、懐かしくなる。同棲した頃は、僕が主に食事を作っていた。りんちゃんはご飯を作るのがあまり得意ではないから。りんごやじゃがいも、にんじんは皮を剝かないし、彼の料理には、肉や野菜を焼いて塩を振るか具材をまとめて突っ込んで鍋にするかの二択しかなかった。男の料理……いや、ゴリラの料理だ。
だから、僕が食事担当、りんちゃんが掃除担当、買い物は二人で……という風に分担していたのだが、就職してからは僕が忙しくなっちゃって、彼に家事負担が偏ってしまった。
こうして思い返してみると、ずいぶんと彼に苦労をかけてしまったなと自省する。フラれるのも、当たり前だ。
で、でも、またよりを戻せたんだ(たぶん)……! もう愛想を尽かされないようにがんばるぞ!
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