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50話 小隊長
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8月19日1330 国道32号線沿い
状況一転する。
敵の援軍部隊
3万の上陸。
それは我々の戦略そのものを
粉砕するものだった。
「ふざけんな!
前回みたいに奇襲上陸だったら
まだわかるがこれだけ緊張状態が
続く中で海自は
何やってたんだ!」
霞2曹が怒鳴った。
紀伊3尉が宥めるように
答える。
「落ちついてください。
海自も何もしなかったわけでは
ありません。」
「本当であれば敵の上陸部隊は
推定で4万5000ほど確認されて
いました。」
「撃沈した強襲上陸艦も
あります。」
「ですが敵は犠牲を
考慮せず無理やり押し切ったんです。」
「正気の沙汰とは思えません。」
犠牲を考慮しない。
それは大国である
中国軍の強みを生かしたものだった。
遠征軍である上に
要衝である九州や沖縄などは
占領下にないのにも拘わらず
援軍を送る事は
敵にとってもリスクが
ある事だ。
それを決断し、やってのける。
しかも、我々にとって
最悪な事この上ない
タイミングで。
間違いなく戦場の空気感が
分かった上でやっている。
局地的な勝利など
全体の戦略的勝利に
対しては意味を持たない。
先ほど我々が
中国軍を完封したように
今度は我々が目的であった
鳴門の敵部隊に手を出せなく
なってしまった。
開戦時からずっと
手のひらの上で
踊らされ続けている感覚。
敵の司令官の有能さを
認めざるを得なかった。
「我々はこれから
どうするんですか?」
紀伊3尉に聞いた。
「敵の兵力が
勝っている以上
鳴門の奪還作戦を決行する事は
できません。」
「奪還した地域を
陣地防御して防御を固め
司令部が人員をだしてくれるまで
待つしかないですね」
あと少しというところまで
きていた。
にもかかわらず何も
する事が出来ない。
悔しさに歯ぎしりする。
「諦めないで…
まだ…負けたわけでは…」
紀伊3尉の様子が
おかしい事に気づき
私と霞2曹は顔を見合わせる。
紀伊3尉はパタリと
倒れ込んだ。
慌てて駆け寄り
私と霞2曹で両脇を
抱え起こす。
額に手を当てると
紀伊3尉はすごい熱
だった。
足がガクガクと
震えているのを感じた。
「大丈夫です…
放してください…」
紀伊3尉が
力なく振りほどこうとするが
我々はそれを許さない。
こんなに衰弱しているとは
思いもしなかった。
「大丈夫なわけ
ないでしょう!!!
衛生班に連れていきます!!」
私達はバカだった。
全く気付いていなかったのだ。
考えてみれば紀伊3尉は
我々以上に
ずっと動いていたのだ。
追い打ちをかける様に
戦況が最悪になった。
まだ、25歳で私よりも
3つ年下なのだ
この状況で
心労が重なっても仕方がない
状況だった。
「私が、指揮を取らないと…」
その言葉を最後に
紀伊3尉は意識を失った。
その身体は、驚くほど軽かった。
状況一転する。
敵の援軍部隊
3万の上陸。
それは我々の戦略そのものを
粉砕するものだった。
「ふざけんな!
前回みたいに奇襲上陸だったら
まだわかるがこれだけ緊張状態が
続く中で海自は
何やってたんだ!」
霞2曹が怒鳴った。
紀伊3尉が宥めるように
答える。
「落ちついてください。
海自も何もしなかったわけでは
ありません。」
「本当であれば敵の上陸部隊は
推定で4万5000ほど確認されて
いました。」
「撃沈した強襲上陸艦も
あります。」
「ですが敵は犠牲を
考慮せず無理やり押し切ったんです。」
「正気の沙汰とは思えません。」
犠牲を考慮しない。
それは大国である
中国軍の強みを生かしたものだった。
遠征軍である上に
要衝である九州や沖縄などは
占領下にないのにも拘わらず
援軍を送る事は
敵にとってもリスクが
ある事だ。
それを決断し、やってのける。
しかも、我々にとって
最悪な事この上ない
タイミングで。
間違いなく戦場の空気感が
分かった上でやっている。
局地的な勝利など
全体の戦略的勝利に
対しては意味を持たない。
先ほど我々が
中国軍を完封したように
今度は我々が目的であった
鳴門の敵部隊に手を出せなく
なってしまった。
開戦時からずっと
手のひらの上で
踊らされ続けている感覚。
敵の司令官の有能さを
認めざるを得なかった。
「我々はこれから
どうするんですか?」
紀伊3尉に聞いた。
「敵の兵力が
勝っている以上
鳴門の奪還作戦を決行する事は
できません。」
「奪還した地域を
陣地防御して防御を固め
司令部が人員をだしてくれるまで
待つしかないですね」
あと少しというところまで
きていた。
にもかかわらず何も
する事が出来ない。
悔しさに歯ぎしりする。
「諦めないで…
まだ…負けたわけでは…」
紀伊3尉の様子が
おかしい事に気づき
私と霞2曹は顔を見合わせる。
紀伊3尉はパタリと
倒れ込んだ。
慌てて駆け寄り
私と霞2曹で両脇を
抱え起こす。
額に手を当てると
紀伊3尉はすごい熱
だった。
足がガクガクと
震えているのを感じた。
「大丈夫です…
放してください…」
紀伊3尉が
力なく振りほどこうとするが
我々はそれを許さない。
こんなに衰弱しているとは
思いもしなかった。
「大丈夫なわけ
ないでしょう!!!
衛生班に連れていきます!!」
私達はバカだった。
全く気付いていなかったのだ。
考えてみれば紀伊3尉は
我々以上に
ずっと動いていたのだ。
追い打ちをかける様に
戦況が最悪になった。
まだ、25歳で私よりも
3つ年下なのだ
この状況で
心労が重なっても仕方がない
状況だった。
「私が、指揮を取らないと…」
その言葉を最後に
紀伊3尉は意識を失った。
その身体は、驚くほど軽かった。
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