【完結】擦れた桜章~自衛官だった私は、牢獄から日本の終わりを記録する~

@ヤマト

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57話 判断

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8月20日0345 東かがわ防衛陣地

我々は撤退を
開始する。

ドローンの攻撃を
弱まっていくのを感じていた。

ドローンには操縦範囲がある為
味方の突撃時には上手く
機能していないらしい。

味方部隊の側面からの攻撃と
迫撃砲の支援によって
敵の追撃の手が緩んだ。

なるほどこれなら
正面から敵の
攻撃を受けきるよりは
敵に損害を与えられる
かもしれない。

私達はどうにか
車両に乗り込む。

追撃から
逃れる事が出来た

車両に乗り込んで
予備陣地へと
移動を始める。

考えれば我々にとって
戦略的撤退を
選んだことは
この戦争が始まって
から初めての事だった。

我々は鶴羽駅周辺まで
撤退した。

霞2曹は落ち込んでいる。

我々は11号線沿いを
西に進んでいた。

左の山からは次々に
味方の迫撃砲が着弾しており
敵の被害は大きいようだった。

「東かがわの第一線の
防衛陣地に関しては
山沿いに部隊を
展開させる為の時間稼ぎ
だったんですよ」

「知っての通り
山に部隊を展開させるのは
時間がかかりますからね」

それであれば
司令部はあらかじめ防御線の第一線は
ある程度捨てる用意があったと
言う事だ。

だから多数の予備陣地を
構築している。

この山側面に対しての防御陣地に
関しては突破される事も想定した
攻撃的な防御陣地だとも言える。


「わからねーなあ、
説明はあったはずなんですけどね、
どうして地図と部隊配置だけで
そこまで司令部の意図を
読み切ってるんだか、紀伊3尉は
マジで凄いです」

霞2曹がため息をついていた。

紀伊3尉がははっと笑った。

「そうでもないですよ。
いきなり小隊長をやって
死人がでてないだけでも
霞2曹はすごいですよ」

そうだった。

考えてみれば紀伊3尉だって
戦争は今回が初で岡山に行った時は
霞2曹とそこまで変わらなかったはずだ。

誰も間違えていないのに
最善を尽くしても死人が出る状況の中で
この2人はよくやっていると言える。

戦っても戦っても
戦況は良くなるどころか
悪くなっていく。

それでも部隊としてまだ
ギリギリの所で保てているのは
この2人が支えてくれているからだろう。

やがて、予備陣地が見えてくる。

両脇が山に囲まれ
中央の道路に防御陣地が
土嚢やバリケードによって
防御陣地が作られていた。

側面に展開されている為、
防御が固い地形である事が
見て取れた。
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