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75話 決断
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8月27日 0400 山中
我々は睡眠をとった後
日の出前に出発をした。
敵に見つからないように
というのもあるが
真夏の為日中は体力の
消耗が激しかった。
なるべく涼しい時間帯を
選びたかった。
四国の平野部は少なく
山がちな地形だ。
敵から身を隠すにはいいが
方向を見失えば
自分達がどこにいるのかも
分からなくなる。
紀伊3尉は
地図とコンパスを頼りに
少しずつ前進していった。
途中どうしても道路を
通らなければならない
場合は車両などが通っていない事を
確認しながら速やかに渡った。
だいぶ遠回りをした為
我々は約二日間かけて
五色台にたどり着いていた。
8月29日 1400 五色台 山中
目の前の山は見慣れた
風景であった。
訓練で何度も
訪れた場所である。
自然と懐かしさに
さいなまれる。
我々はひたすら
山中を上に向かい歩いた。
歩いていく中
紀伊3尉が少しだけ
話をした。
「最初に断っておきますが
ご家族に再会できたとしても
連れて行けるのは皆さんの
ご家族だけです」
紀伊3尉は淡々と告げた。
「ちょっと待ってくれ!!
せめて小隊のメンバーの
「家族だけでも!!」
霞2曹の声に紀伊3尉は
振り返らない。
そのまま前進を続ける。
この状況で
待っている隊員の家族全員は
連れて行けない。
冷静に考えればそうだ。
そもそもここに家族の元へ
向かっている時点が
リスキーなのだ。
「もう一度だけ言います。
他の家族は連れていけません。
私の責任として引き受けます」
皆を助けたい。
それは私とて同じことだ。
だが、現実はそれを許さない。
紀伊3尉のその背中は
私達の家族を含め責任を持とうとする
姿そのものだった。
自分の中の黒々とした感情。
誰かのせいにしたいという感情が
ここまで醜いものなのかと
愕然とした。
現実面を考えればどうしても
必要な決断だ。
霞2曹もわかっているのか
黙って口をつぐんで歩いた。
「紀伊3尉いいんですよ
もう、全部背負わなくても
自衛隊はもうないんです」
「私もその責任を負います」
紀伊3尉が少しだけ
足を止める。
だが、こちらを振り向く事はない。
「ありがとうございます。
長門3曹」
「ですが、いいんですよ。」
「この決断は私が皆さんに協力を
持ちかけた時に覚悟を決めて
いた事ですから」
そういってまた前進し始めた。
やがて我々は五色台の
宿舎にたどり着いた。
自衛隊施設だ。
そこを守るようにして
2人の自衛官が歩哨にたっていた。
我々は睡眠をとった後
日の出前に出発をした。
敵に見つからないように
というのもあるが
真夏の為日中は体力の
消耗が激しかった。
なるべく涼しい時間帯を
選びたかった。
四国の平野部は少なく
山がちな地形だ。
敵から身を隠すにはいいが
方向を見失えば
自分達がどこにいるのかも
分からなくなる。
紀伊3尉は
地図とコンパスを頼りに
少しずつ前進していった。
途中どうしても道路を
通らなければならない
場合は車両などが通っていない事を
確認しながら速やかに渡った。
だいぶ遠回りをした為
我々は約二日間かけて
五色台にたどり着いていた。
8月29日 1400 五色台 山中
目の前の山は見慣れた
風景であった。
訓練で何度も
訪れた場所である。
自然と懐かしさに
さいなまれる。
我々はひたすら
山中を上に向かい歩いた。
歩いていく中
紀伊3尉が少しだけ
話をした。
「最初に断っておきますが
ご家族に再会できたとしても
連れて行けるのは皆さんの
ご家族だけです」
紀伊3尉は淡々と告げた。
「ちょっと待ってくれ!!
せめて小隊のメンバーの
「家族だけでも!!」
霞2曹の声に紀伊3尉は
振り返らない。
そのまま前進を続ける。
この状況で
待っている隊員の家族全員は
連れて行けない。
冷静に考えればそうだ。
そもそもここに家族の元へ
向かっている時点が
リスキーなのだ。
「もう一度だけ言います。
他の家族は連れていけません。
私の責任として引き受けます」
皆を助けたい。
それは私とて同じことだ。
だが、現実はそれを許さない。
紀伊3尉のその背中は
私達の家族を含め責任を持とうとする
姿そのものだった。
自分の中の黒々とした感情。
誰かのせいにしたいという感情が
ここまで醜いものなのかと
愕然とした。
現実面を考えればどうしても
必要な決断だ。
霞2曹もわかっているのか
黙って口をつぐんで歩いた。
「紀伊3尉いいんですよ
もう、全部背負わなくても
自衛隊はもうないんです」
「私もその責任を負います」
紀伊3尉が少しだけ
足を止める。
だが、こちらを振り向く事はない。
「ありがとうございます。
長門3曹」
「ですが、いいんですよ。」
「この決断は私が皆さんに協力を
持ちかけた時に覚悟を決めて
いた事ですから」
そういってまた前進し始めた。
やがて我々は五色台の
宿舎にたどり着いた。
自衛隊施設だ。
そこを守るようにして
2人の自衛官が歩哨にたっていた。
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