かつて勇者のパーティだった剣士は無職のようです。

こーた

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第1章 リストラ、そして…

放浪

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「わざわざありがとうねぇ…これが約束の報酬だよ。」
「ありがとうございます!では、また!」

俺は都市から離れた村を転々としていた。
ありがたいことに村に行けば【掲示板】があり、様々な依頼がある。
その依頼を解決すれば報酬としてお金が貰える。そのお金で宿屋に泊まり生活している。
掲示板の依頼を全てこなしたら次の村に行きまた掲示板の依頼をこなす。
俺はまだ21歳だからこんなことを続けられるが…定職につかないと将来不安だな…
と、思いながらもそんな生活を半年ほど続けていた。
「ふぅ…もうこの村にも仕事はないか…」
さて、次の村にでも行くか。

「すみませーん」
俺は村の場所を教えてもらうため宿屋の近くにある酒場で情報収集をしていた。
「ん?なんだ?」
「俺いろんな村で掲示板の依頼を解決して生活してるんですよ。この村にはもう仕事が無さそうなんでこの近くに仕事がありそうな村とかないですか?」
「なかなか苦しい生活をしてるねぇ…。」
もう大変で、と言い俺は苦笑する。
「このあたりだともう少し北に行ったところに…いや、あそこは近寄らない方がいい。」
「何かあるんですか?」
「いやー…噂なんだけどね?あの村に一年前くらいかな、ボロボロになった女の人がふらふらーっとやって来てね。その人はそこの宿屋に引き取られたらしいんだけど…一説では悪魔なんじゃないかーなんて言われててねぇ…。」
「面白そうですね。そこ行ってみます!」
「いやいや、やめておいた方がいい。噂が本当だったらどうするんだ。」
「心配しないでください。俺も少し前までは英雄とか言われてましたから。じゃあ、また!」
「…………へ?」
いろいろと聞かれると厄介なことになりそうだ。
俺は走って村を出た。


「あれ…?」
言われた通り北へ行くと村にたどり着いた。
でも…どこかで見覚えがあるんだよなぁ…
「まぁ宿屋に行ってみて噂を確かめてみるか…」
宿屋を見つけて中に入ると、
「あっ!クロトちゃん!」
思い出した。ここは俺達が魔王退治の時に立ち寄った村でここの宿屋にもお世話になった。
「どうも。お久しぶりです。」
「あら、またなんでこんな村に来てるの?」
この人はベルさん。この宿屋の経営者だ。俺と6歳しか変わらないのに…立派な人だ。
「…恥ずかしい話、あの戦いが終わった後に無職になってしまいまして…。今はいろんな村を回って掲示板の依頼を解決してそのお金で…」
「英雄さんもいろいろ大変なのねぇ…」
「この村の掲示板ってどこですか?」
「ここでは掲示板じゃなくて私が直接依頼を聞いてるのよ。」
「そうですか…それなら俺の仕事はないですね。」
なら次の村に行くか…。ベルさんがいれば俺の出る幕はないな。

「あ、ちょっと待って!私からの依頼があるのよ。」
ベルさんからの依頼…宿屋の雑用か?
「クレアー!ちょっとこっち来てー!」
「はーい!」
奥で女の人の声と共にパタパタという足音が聞こえてくる。
「ベル、どうしたの?あっ…。」
出てきたのは17歳。見た目の印象としてはなかなか可愛い。
身長は155cmくらいの小柄。髪はブロンドで目はこの辺じゃ珍しい青だ。この子の依頼か?
「どうしたのよ、隠れちゃって…実はね、この子一年くらい前にうちで引き取った子なんだけど変な噂が村に流れててね。この子も住みにくいだろうからクロトちゃんのお供にしてくれないかしら。」
「…またでっかい依頼ですね…」
「報酬なら、そうね…ゴニョゴニョ」
そう言って俺の耳元で言った金額は普通に都心に家を建てられるレベルだった。
「え?!そんなに?!」
「もっちろん!宿屋って結構儲かるのよ?」
そんな金額を提示されて断る人がどこにいるだろうか。
「任せてください!」

俺は勢いで依頼を受けてしまった。
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