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第11章 家族の幸せの為に
閑話 ラウールの戦い・中編
side:傭兵ラウール
「私が神官長になった事をラウール君が知っていたとは驚きね」
「冒険者の仕事の8割は情報収集ですから、各地から情報が入るようにはしてますよ。それに神殿の神官長ともなれば、王国十二家と同等の権力があるじゃないですか」
「神官長と言っても十二人居る中の1番下っ端のぺーぺーで、今の私には権力なんて無いに等しいわよ(笑)」
「初代勇者の子孫であるサワタリ神官長なら、期待のホープといったところでしょう。」
「ふふっ、どうかしら?でも今の言葉は誉め言葉として素直に受け取っておきます。」
話していて確信した。
目の前のこの女は、ボクとケイトが当時お世話になっていた孤児院に王都から派遣されて来た、シスターの『ジャンヌ』で間違い無い。
ボクに洗脳魔法をかけておいて、笑顔で話をしていられるとは、その肝の座りようには素直に賛辞を贈らせて貰うよ。
でも洗脳魔法の事をジャンヌに直接問い質す訳にはいかない。万が一にも孤児院の子供達に危害を加えないとも限らないからな。
「それでサワタリ神官長はボクに何か用があるんですか?」
「昔のようにヌーちゃんとは呼んでくれないのね」
「サワタリ神官長のお陰でボクも大人になりましたから、子供の頃と同じようにはいきませんよ」
「成長するというのはそういう事なのでしょうね。それで、、、ラウール君に会いに来た理由だったわね、ラウール君が消息不明になっているからと神殿から捜索命令が出されたの。そこで幼い頃からラウール君を知っている私も探しに来たという訳。
元気にしていたのならどうして連絡をしてくれなかったの?」
洗脳されていた冒険者時代のボクは、神殿が選んだ依頼を受けていたから、連絡は定期的に行っていた。
今から考えても神殿がボクを洗脳して何をさせたかったのかは、まったく分からない。
Sランク冒険者になったら何かをさせるつもりだったのではと予想しているけど、、、
「実はとある人物に喧嘩を売って見事に返り討ちに遭いまして、命は助けて頂いたのですが人として許されない行為をしてしまいました。
そこで自らの罪と向き合あいながら、その御方に対して少しでも償いの代わりになればと、傭兵として活動をしながら孤児院を支援しているという訳です。
神殿に連絡をしなかったのは、全てを捨てて1から出直す覚悟としての事でした。」
「そうでしたか、、、ですが悲しい事に人というのは間違いをする生き物です。そしてラウール君は自身の行いを恥、悔い改め、生きようとしている。
ならば女神様はきっとラウール君を御許しになられるでしょう。
ラウール君、私の手を取りなさい、そして共に女神様に祈るのです。さすればきっと女神様は『チート』を授けて下さるでしょう。」
「チート?」
「はい、初代勇者ヒーロー・サワタリ様は、女神様から授かった『チート』によって、数々の偉業を成されました。
『チート』は選ばれた者のみにしか与えらないとされています。
ヒーロー・サワタリ様の血を受け継ぐ私と、類い希なる剣の才能を持つラウール君が力を合わせれば、きっと女神様も認めて下さるはず。
そして『チート』さえ授かれば、このジャンヌ・サワタリが、かつてのサワタリ一族栄光の日々を取り戻し、私腹を肥やすしか脳の無い馬鹿共を追放します!
ラウール君も馬鹿は嫌いでしょう?
馬鹿共を排除した後、ラウール君には相応の地位に就いて働いて貰う予定です。
さぁ、一緒に目の前の女神像に祈りを捧げましょう♪」
『チート』とはなんだ?
サワタリ一族栄光の日々を取り戻す?
この女はいったい何を言ってるんだ?
話の流れから『チート』は強力なスキルのような物だと予想はつくけど、ボクに洗脳魔法を使っていたのは女神様から『チート』を授かる為だったのか?
となると、ここで女神像に祈りを捧げて、この女に『チート』を獲得されるのは不味い。
子供に平気で洗脳魔法を使うような女が、強力なスキルを手に入れるとロクな使い方をしないだろう。
女神像に祈りを捧げただけで、そんな強力なスキルを得られるとは思わないけど、、、
「さぁさぁ、ラウール君、共に女神像に祈りを捧げましょう。我々は選ばれた者なのですから♪」
くっ!
いったいどうすれば
「おやおや?神殿の神官長ともあろう御方が、女神様以外の神に祈りを捧げて良いのですか?」
ん?
背後から誰かの声が聞こえる。
確認しようと振り返ると、教会の入り口に男性が立っていた。
あの人は確か、、、
つづく。
「私が神官長になった事をラウール君が知っていたとは驚きね」
「冒険者の仕事の8割は情報収集ですから、各地から情報が入るようにはしてますよ。それに神殿の神官長ともなれば、王国十二家と同等の権力があるじゃないですか」
「神官長と言っても十二人居る中の1番下っ端のぺーぺーで、今の私には権力なんて無いに等しいわよ(笑)」
「初代勇者の子孫であるサワタリ神官長なら、期待のホープといったところでしょう。」
「ふふっ、どうかしら?でも今の言葉は誉め言葉として素直に受け取っておきます。」
話していて確信した。
目の前のこの女は、ボクとケイトが当時お世話になっていた孤児院に王都から派遣されて来た、シスターの『ジャンヌ』で間違い無い。
ボクに洗脳魔法をかけておいて、笑顔で話をしていられるとは、その肝の座りようには素直に賛辞を贈らせて貰うよ。
でも洗脳魔法の事をジャンヌに直接問い質す訳にはいかない。万が一にも孤児院の子供達に危害を加えないとも限らないからな。
「それでサワタリ神官長はボクに何か用があるんですか?」
「昔のようにヌーちゃんとは呼んでくれないのね」
「サワタリ神官長のお陰でボクも大人になりましたから、子供の頃と同じようにはいきませんよ」
「成長するというのはそういう事なのでしょうね。それで、、、ラウール君に会いに来た理由だったわね、ラウール君が消息不明になっているからと神殿から捜索命令が出されたの。そこで幼い頃からラウール君を知っている私も探しに来たという訳。
元気にしていたのならどうして連絡をしてくれなかったの?」
洗脳されていた冒険者時代のボクは、神殿が選んだ依頼を受けていたから、連絡は定期的に行っていた。
今から考えても神殿がボクを洗脳して何をさせたかったのかは、まったく分からない。
Sランク冒険者になったら何かをさせるつもりだったのではと予想しているけど、、、
「実はとある人物に喧嘩を売って見事に返り討ちに遭いまして、命は助けて頂いたのですが人として許されない行為をしてしまいました。
そこで自らの罪と向き合あいながら、その御方に対して少しでも償いの代わりになればと、傭兵として活動をしながら孤児院を支援しているという訳です。
神殿に連絡をしなかったのは、全てを捨てて1から出直す覚悟としての事でした。」
「そうでしたか、、、ですが悲しい事に人というのは間違いをする生き物です。そしてラウール君は自身の行いを恥、悔い改め、生きようとしている。
ならば女神様はきっとラウール君を御許しになられるでしょう。
ラウール君、私の手を取りなさい、そして共に女神様に祈るのです。さすればきっと女神様は『チート』を授けて下さるでしょう。」
「チート?」
「はい、初代勇者ヒーロー・サワタリ様は、女神様から授かった『チート』によって、数々の偉業を成されました。
『チート』は選ばれた者のみにしか与えらないとされています。
ヒーロー・サワタリ様の血を受け継ぐ私と、類い希なる剣の才能を持つラウール君が力を合わせれば、きっと女神様も認めて下さるはず。
そして『チート』さえ授かれば、このジャンヌ・サワタリが、かつてのサワタリ一族栄光の日々を取り戻し、私腹を肥やすしか脳の無い馬鹿共を追放します!
ラウール君も馬鹿は嫌いでしょう?
馬鹿共を排除した後、ラウール君には相応の地位に就いて働いて貰う予定です。
さぁ、一緒に目の前の女神像に祈りを捧げましょう♪」
『チート』とはなんだ?
サワタリ一族栄光の日々を取り戻す?
この女はいったい何を言ってるんだ?
話の流れから『チート』は強力なスキルのような物だと予想はつくけど、ボクに洗脳魔法を使っていたのは女神様から『チート』を授かる為だったのか?
となると、ここで女神像に祈りを捧げて、この女に『チート』を獲得されるのは不味い。
子供に平気で洗脳魔法を使うような女が、強力なスキルを手に入れるとロクな使い方をしないだろう。
女神像に祈りを捧げただけで、そんな強力なスキルを得られるとは思わないけど、、、
「さぁさぁ、ラウール君、共に女神像に祈りを捧げましょう。我々は選ばれた者なのですから♪」
くっ!
いったいどうすれば
「おやおや?神殿の神官長ともあろう御方が、女神様以外の神に祈りを捧げて良いのですか?」
ん?
背後から誰かの声が聞こえる。
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あの人は確か、、、
つづく。
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