【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!

永倉伊織

文字の大きさ
24 / 67

第23話 牛丼とルーファウスの憂鬱 その3

side:フィオナ


「フィオナ様は肉の神か?!」

「違いますよスミスさん、フィオナ様は肉を愛し肉に愛された尊き御人なのです。」

「スミスさんにチュニーも、私は14歳の普通の女の子ですからね?」

「成人前で既にこれ程の肉料理を作れるとは、やはり肉の神!」

「肉の天使様がここに居る!」


駄目だ、今の2人に何を言っても聞いて貰え無い(悲)

今日の昼食は予定通り『牛丼』を作った。

タマネギと牛肉の薄切り肉を醤油と砂糖で甘辛く煮て、卵でとじてご飯の上に乗せたお手軽料理なんだけど

スミスさんとチュニーが牛丼を思いの外気に入って、スープ用の深皿に牛丼を山盛り乗せて早くも2杯目を食べている。

いつまで見ても見飽きないほどの気持ちの良い食べっぷりだから、作った甲斐は充分過ぎる程にあって凄く嬉しいけどね♪


「ポーラさんは牛丼の味はどうですか?」

「とても美味しいです♪昨日の挽き肉もそうですけど、肉をわざわざ細かくしたり薄切りにするという発想は面白いですね」

「ルーファウス様も気に入ってくれるでしょうか?」

「とても気に入って喜んで食べて頂けると思いますよ♪ただ、定期的に作ってお出しになるなら、もう少しあっさりした味付けの方がよろしいかと。」


ふむふむ

確かに牛丼の味付けはご飯に合うように濃い目だから、人によっては飽きてしまう可能性はあるかもしれない。


「それなら醤油に柚子の絞り汁を入れた『ポン酢』でトリ肉を煮て、あっさり味の『親子丼』にしましょうか?丼にこだわらず、トリ肉のポン酢煮だけでも良いかもしれませんけど」

「「フィオナ様!!」」


わっ?!

びっくりしたなぁ、もう(汗)

さっきまで牛丼をガツガツ食べていたスミスさんとチュニーが、急に立ち上がるんだもの


「なっ、何かな?」

「夕食は是非とも親子丼を!」

「あっさり味のトリ肉の味見はお任せ下さい!」

「ふふっ、フィオナ様、これはもう夕食は決まりですね♪」

「まぁ何を作るか悩む必要が無いのは助かりますけどね(笑)」


◇     ◇     ◇


side:ルーファウス


パカッと

昼食の時間になったので執務室の机の上に、今朝フィオナ嬢が持たせてくれた弁当箱を乗せて蓋を開ける。

中には手の平サイズの黄色い棒状の何かが敷き詰められている。黄色いのは薄焼き卵だと直ぐに分かったが、これがどういう料理なのかは全く分からない。

今までフィオナ嬢が作ってくれた料理から考えると、刺激の強い料理という事は無いだろう。

キャラメリゼ王国でも地域によって激辛料理や、酸味の強い料理等の強い個性の料理は数多ある。

地方貴族のパーティーに呼ばれた際には、事前情報無しにそういった強い個性の料理を出される事は珍しく無い。

パーティーを主催した相手からすれば、こちらの反応を見て楽しいのかもしれないが、食べさせられる側からすると非常にストレスを感じるし

『不味い』という表情を少しでもしようものなら、鬼の首を取ったかのように揶揄してくるから始末が悪い。

お前達はそれでも誇りあるキャラメリゼ王国の貴族なのか?と、不快感を通り越して呆れてしまう。

せっかくフィオナ嬢が作ってくれた弁当を前にして、食事が不味くなるような事を考えるのは止めて、弁当を食べよう。

頂きます。

もぐもぐもぐもぐ、もぐもぐもぐもぐ

うむ、やはりフィオナ嬢の作る料理は旨い!

米の中に入っている甘辛く味付けされた黒い何かが米との相性が良く、とても旨いのだが

フィオナ嬢が作った料理で無ければ、黒い色の食べ物など勧められても食べようとは思わなかっただろうな。

次は中に入っている具が違う方も食べるか


ガチャッ!


「おいルーファウス!飯も食わずに仕事をしんじゃねぇ、、、ん?もしかしてそれは弁当か?」

「もしかしなくても弁当ですが、ドノバン団長には鬼の首にでも見えるのですか?」


はぁ

ノックもせずに突然部屋に入って来たドノバン団長は、私の弁当を見て心の底から不思議そうな表情をしている。


「そうかそうか、弁当か♪食堂でお前を見かけた奴が居なかったから、俺はてっきり飯も食わずに仕事をしてるもんだと思ってな。
お前が今手に持っているのは俺にはやけに黄色く見えるんだが、それは食べるんだよな?」

「ドノバン団長は食べられない物を弁当にする趣味がおありで?」

「わはははは、なかなか言うじゃねぇか!まぁ良い。俺にもひとつ食わせろ」

「お断りします。」

「ほぉ~、即答か。決めた!午後からはこの部屋でお前と一緒に仕事に励むとしよう。仕事の合間にその弁当を作った相手の事を話ながらな!
今日の仕事は捗りそうだなぁ♪」


こういう時だけ無駄に知恵を働かせやがって(怒)

フィオナ嬢の作ってくれた弁当をクソ団長に食べさせるのは嫌なのだが、だからと言ってフィオナ嬢の事をクソ団長に知られるのも絶対に嫌だ!

くっ!

いったいどうすれば、、、


「おいクソ団長」

「弁当を食べさせてくれるのか?、ってお前今クソ団長って言ったろ?心の声がだだ漏れじゃねぇか!」

「他人の弱味に付け込むような人はクソでしょう?」

「まぁそこに関しては否定は出来ん、申し訳無い!で、弁当を食べさせてくれるのか?それともお前の惚れた相手の事を教えてくれるのか?」

「ちょっと待て、いつの間に私が惚れた事になっている!」

「いやいや、惚れてるだろう。愛妻弁当を持って来て嬉しそうに食べてるんだから」

「なっ?!私がいつ嬉しそうにした!」

「今まさに嬉しそうだぞ♪」


はぁ

クソ団長に面白がられるなんて(悲)


「お前には死んでも弁当はやらん!」

「良いじゃねぇか食わせろよぉ~、それか相手を紹介しろ。うん、それが良いな!さっそく女性団員に手土産に相応しい旨い甘味の店を教えて貰って来るわ。
来週の休みにお前ん家に行くから予定入れんなよ!じゃあなぁ」

「ちょっ、団長?!」

バタンッ!

あぁ~、行ってしまった。

団長はああなると誰にも止められないんだよな。

はぁ~、いつかは紹介しなくてはいけないと分かっていても、あの人にフィオナ嬢を紹介するのは実に憂鬱だ。





つづく。

あなたにおすすめの小説

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。  天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。  学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

そんなに妹が好きなら死んであげます。

克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。 『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』 フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。 それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。 そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。 イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。 異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。 何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……

至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。

完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています

オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。 ◇◇◇◇◇◇◇ 「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。 14回恋愛大賞奨励賞受賞しました! これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。 ありがとうございました! ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。 この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)

【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!

さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」 「はい、愛しています」 「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」 「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」 「え……?」 「さようなら、どうかお元気で」  愛しているから身を引きます。 *全22話【執筆済み】です( .ˬ.)" ホットランキング入りありがとうございます 2021/09/12 ※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください! 2021/09/20  

【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました

恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」 交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。 でも、彼は悲しむどころか、見たこともない 暗い瞳で私を追い詰めた。 「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」 私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、 隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。 国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。 溺愛する女性がいるとの噂も! それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。 それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから! そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー 最後まで書きあがっていますので、随時更新します。 表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。